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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-7-3】残党軍出撃!

【07】残党軍出撃!

残党軍出撃!

【1-7-3】


    大阪都 西成のアパートの一室

    男たちがアパートに似合わない大掛かりなパソコンとネットワーク環境を前に
    とある企業のサーバーに侵入していた。
    瞬間的に大容量の電力を消費するため、一時しのぎとして電力ブレーカーにテープをして落ちないように細工もしていた。

    【男 A】
        「バックドアを仕込んで正解だったな。」

    【男 B】┐(´д`)┌ヤレヤレ
        「やすやすと侵入を許す、この程度のセキュリティとはお笑いだぜ。」

    【男 C】
        「CEOが対馬戦争で名を挙げた伝説の凄腕ハッカーと言うのはマジなのか ?」

    【男 B】
        「ウソにきまってるだろ。」
        「戦局をひっくり返したって噂はあくまで都市伝説だよ。」

    【男 A】
        「ともかく、俺たちをクビにした礼はたっぷりとさせてもらうさ。」
        「あの会社の特殊モーターの詳細データはオレたちの実力を買ってれたシナの企業のために役立ってもらうさ。」

    【男 C】
        「これでヤツの会社も終わりだな。」
        「このデータさえあれば俺たちは金持ちだ。」

    【男 B】
        「そうだな、あんな安月給の会社をクビになって良かったぜ。」

    【男 A】
        「そういえば、アイツ赴任した先で事故って入院したって噂、知ってたか ?」

    【男 B】(,,゚Д゚)
        「しらねーよ。  どっからそんな情報を。」

    【男 A】
        「そんなの、毎日ちゃんと新聞をチェックしてりゃ判るさ。」

    【男 C】
        「お前は几帳面なヤツだなぁ。」

    【男 A】
        「情報ってのは些細なものでも一つ一つをつなぎ合わせれば大きな儲け話につながってくるんだよ。」

    【男 B】
        「しかし入院ってザマねーな。  これこそ天罰ってやつか。」

    ハッキングして得たデータをマイクロチップに複製したところで、突然、鍵をしていたドアをものともせずバタンとぶちぬき、黒ずくめの戦闘服を着込んだ特殊部隊が突入してきた。

    アトランティス国司法警察だった。

 

    【司法警察 隊員A】
        「おとなしくしろっ!!」
        「機密漏洩の現行犯で逮捕するっ!」

    【男 B】(# ゚Д゚)
        「ちょ、ちょっとまてっ!!、なんの事だっ!?」
        「俺たちはなにもしてないぞっ!」

    【司法警察 隊員B】
        「とぼけるなっ!」
        「お前たちは我がアトランティス帝国の軍機密サーバーに不法侵入し、そこからデータを抜き取った事は判っている。」
        「そのチップを見せろっ!!」

    武装した隊員が銃を片手にもう片方の腕で、被疑者の頭を床に押し付けて、もう一人の隊員が抵抗する男の胸ポケットからチップを回収した。

    【男 A】
        どうして胸ポケットにしまった事を知ってる ?
        監視されていたのか ?

 

    そこへ見覚えのある女が入って来た。

    【桂昌院翼】

        「東郷さまは、あなた達がシナへ情報を漏洩している疑いがあると睨んで、トラップを仕込んでいたのですよ。」
        「おやおや、気が付きませんでしたか ?」

    【男 A】
        「そ、そんな馬鹿な!?」
        コイツあの時の !?

    【桂昌院翼】
        「お前たちの一部終始はそのパソコン搭載カメラで逐次、我々に転送されていたんですよ。」


    回収されたチップを携帯していた端末に差し込み、内容をチェックした。
    まちがいなく東郷が仕込んだ精巧なダミーデータだった。

    【松本社長】
        「確認しました。」
        「たしかにウチのデータですね。」

    【桂昌院翼】
        「お前たちが横流ししたAMPのデータは、帯締学園からの特注モーターでハヤブサに使われている。」
        「先日このデータを流用して製造されたと思われるモーターを搭載したAMPと帯締学園のハヤブサが交戦し、その際に耳のいいパイロットが、ハヤブサと同系統のモーター駆動音だったと報告している。」
        「相手の機体はテロ支援国家として貿易が禁止されているオーストラリアが建造したブーメランだった事が後の調査で判明した。」
        「そしてそのブーメランの開発の後ろ盾となっているのがお前たちが横流ししたシナの国営企業。」

    【松本社長】
        「モーターのデータが漏洩したのは私の管理ミスでした。」


    元社員たちは、これ以上説明しなくても、すべての証拠が揃って、もはや言い逃れはできないと判断した。

    【男 A】
        「俺達が提供したあの設計書通りにモーターの複製に成功し、ブーメランの量産には成功したと聞いた。」
        「残念ながら手遅れだったな。」

    【男 B】
        「ザマねぇな。 ははは。」

    【桂昌院翼】
        「残念 ?」
        「それはどうでしょ ?」

    【男 A】
        「なんだと ?」
        「どういう意味だ。」

    【桂昌院翼】
        「お前たちに任せていたプロジェクトの遅延がひどいと調査と対策の為に、潜入しておられた東郷様が情報漏洩に気づいたんですよ。」
            「そしてダミーサーバーを構築して、そこへもっともらしいニセデータを仕込んでおられたのよ。」

    【桂昌院翼】
        「偽モノとバレない程度に普通には動くけれど、限界性能を超えて稼働した場合、モーター全体にダメージが蓄積して突然瓦解するように設計されているのよ。」
        「シナは技術をコピーする際、なぜその製品がそのスペックを与えられているのかを知らないまま、安全マージンを無視して、最初から限界値まで引き上げた状態で常用する習性があるわ。」
        「調査をしないと言うシナの民族的習性から欠陥がバレることは決してないと判断し、イザと言う時にタイミング良く壊れやすいように設計されているのよ。」

    【男 A】ヽ(#`Д´#)ノ
        「くっ・・・」
        「べ、弁護士を呼べっ!!」

    【桂昌院翼】
        「それは残念でしたね」
        「我がアトランティス帝国の司法警察は日本の司法とは無関係です。」
        「我が国ではお前たちには黙秘の権利は認められておりません。」
        「黙秘した場合は自動的に死刑が確定します。」
        「おとなしく捜査に協力しなさい」


    【男 A】♪~( ̄ε ̄;)
        「くそっ・・・な、ならば」
        「俺たちはシナへ政治亡命を求める。」
        政治亡命は国際的にも認められた権利だ、拒絶は出来まい。


    【桂昌院翼】
        「政治亡命ですか ?」
        「ぉやぉや、起死回生の逆転ホームランを打ったつもりですか ?」
        「我々はアトランティス帝国ですよ。」
        「我々は日本を通じて地球諸外国と交易を結んでいますが、地球そのものとは国際難民条約は締結しておりません。」
        「なので、お前たちを政治難民としてシナへの亡命は認められません。」
        「勉強不足でしたね。」

    【男 A】(lll ̄□ ̄)    
        「・・・」
    なにもかも終わったことを悟った。

    【桂昌院翼】
        「さてと・・・」
        「あなた達がシナに送ったニセのデータは、改善ができない意図的な欠陥が仕込まれている以上、あのブーメランは欠陥機と言うことになるわね。」
        「その事実がアチラに知れたら、仮に亡命出来たとしてもあなた達の命は確実に無くなるでしょうね。」

    持っていた端末でダイアルして電話を繋いだ。

    【桂昌院翼】
        「もしもし」



    帯締学園の教室

    【東郷】
        「どうだった ?」

    【桂昌院翼】
        「ビンゴでした。」

    【東郷】
        「やはりか。」

    【桂昌院翼】
        「とりあえず背後関係を吐かせてみます。」
        「黙秘するようなら処分します。」

    【東郷】
        「判った。」
        「もし新しい情報が出てきたら連絡よこしてくれ。」


    【サッチ】
        「教官、どうしたのですか ?」
        「授業中に電話だなんて。」

    【東郷】
        「ぁぁ、悪い悪い。」
        「先日、君たちが大九野島で交戦した、正体不明のAMPだが、その正体が判ったんだ。」

    【サッチ】
        「ぇっ!? あの機体ですか ?」

    【東郷】
        「そうだよ。」
        「彼らはCA-12R ブーメランと呼んでいるそうな。」
        「オーストラリア陸軍が開発した水陸両用の超最新鋭機だ。」

    【サダッチ】(゚д゚)!
        「水陸両用!?   だから突然現れたように見えたんだ・・・。」

    【東郷】
        「使用しているモーターはサダッチが聞き分けた通り、ハヤブサのモーターをコピーしたものらしい。」
        「ヤマト・インダストリー社がこの学園の依頼でモーターを製造していたんだ。」

    【サダッチ】
        「ヤマト・インダストリー社ですか ?」

    【東郷】
        「そうだ。」

    【ナナ】
        「ヤマト・インダストリー ?・・・どっかで聞いたことある名ですね・・・。」

    自分の会社だと言うことは今更説明する気がなかったので東郷はスルーした。
    【東郷】
        「ま、社名はさておき、そこで開発されたモーターはとある複数の元社員によってシナの国営企業の手に渡り、そこでコピーされたモーターが、そのブーメランで採用されているらしい・・・というところまで判明している。」

    【ナナ】ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
        ぉい、スルーすんな。

    【サッチ】
        「元社員って、辞めちゃってたんですか ?」

    【東郷】
        「正確には解雇だけどね。」

    【東郷】
        「で、さきほど、その元社員が、仕掛けておいたダミーの設計資料を持ちだしたところを司法警察のコマンド部隊が強襲して逮捕したって連絡が入ったんだよ。」

    【サッチ】
        「司法警察・・・ですか ?   なんだか、ぉっかないですね。」

    【ナナ】
        「近々、アトランティスは大規模作戦を実施するので情報漏えいには敏感になっているのよ。」
        「添下学園にもハヤブサのモーターのスペックがバレてるのかなぁ・・・」

    【サッチ】
        「そうかもね。 毎年、添下学園には全然敵わないもの。」

    【サダッチ】
        「まぁ添下学園のバックについている企業体も優秀なハッカーを取り揃えているようなので、シナかオーストラリアの軍事サーバーをハッキングしてデータを逆入手している可能性はあるかもしれませんね。」

    【ナナ】_| ̄|○
        「ぇーーーそんなぁ。」

    【東郷】
        「心配しなさんな。」
        「君たちが勝てないのはハヤブサが時代遅れの旧式機だからだと思うか ?」
        「違うだろ。」

    【東郷】
        「個々のスキルは高いが連携ができないところに問題がある。」
        「仲良しの友達同士だと高い戦闘力を発揮できるが、1個戦闘単位で戦うとまるきりダメじゃないか。」
        「それは仲の良い友達は信用していても、それ以外の人たちとはまだ背中を預けられるほど信用はしていないと言うことさ。」
        「それができれば十分に添下学園に勝てると思うのだが。」

    【ケンジ】
        「ふん、何を偉そうに、素人の先公が何も知らないくせに。」

    【東郷】
        「ぉおお、そういう事を言うかぁ」
        「いいだろう、それなら次の実習では予定を変更してハヤブサで模擬戦やってみるか ?」

    【東郷】
        「うーーーん。 そうだな、みさ教官。」

    【みさ】(・o・)    
        「はい ?」

    【東郷】
        「すまないが、ケンジたちと模擬戦やってくれないか ?」

    【みさ】(,,゚Д゚)
        「私が・・・ですか ?  ぅ、ちょっと面倒を私に振らないでくれますか ?」

    【ケンジ】(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
        「ぇええー。ふざけんなよ。」
        「俺はテメーと模擬戦やりてーんだよ。」
        「女相手に勝っても全然嬉しくねーし。」


    【みさ】( ̄へ ̄井)
        「むっ!! #」
        「判りましたっ!! 私が "小僧" と模擬戦して勝てばいいのね。」
        ケンジの一言にカチンときたみさは、ケンジとの模擬戦を引き受ける気になった。

    【ケンジ】
        「なんで、みさ教官もやる気満々になってんだよっ!!」

    【東郷】
        「焦るなケンジ、みさ教官に勝てれば、次は今度こそ私が相手になってやろう。」
        「もしケンジがみさ教官に勝てば、私は今度の対抗戦について一切口は挟まない。」
        「しかし、みさ教官が勝てば、対抗戦の訓練メニューについては我々教官の指示に従ってもらう。」

    【東郷】
        「どうだ ?」
        「やる気になったか ?」

    【ケンジ】
        「いいだろう、その提案にのったぜ。」

    【東郷】
        「今回はハンデ戦として、みさ機に対しては、ケンジ、お前らいつもの5人トリオでまとめてみさと闘っていい事とする。」
        「ただし、銃器は使用しないこと。」

    【ナナ】
        「あの・・・。」

    【東郷】
        「なんだ意見か ?」

    【ナナ】
        「5人はトリオではないです・・・。」

    【東郷】
        「ぇ、そうなの ?」

    【ナナ】(-_-;)
        「はい。」
        「まことに残念ですが・・・。」


    【レオンハルト
        「3人でいいんじゃないの ?」
        「コイツの一味、あと2人はクラスが1コ下だから、私達の授業には出られないわよ。」

    【東郷】
        「ぁ、そうか。」

    【東郷】
        「じゃ、3人でみさを倒してみなさい。」
        「もし、みさを倒せたら、ケンジにサシで私に挑む権利があると認めよう。」

    【ケンジ】
        「よし、やってやらぁ。」
        「さっさとみさ教官を沈めて東郷のクビを取りに行くぞっ!!」

    【ケンジ】
        「テメーが赴任した時を覚えてるだろうな ?」
        「あの時は邪魔がが入ったけれど、今度は逃げられんぞ。」

    【ターニャ】
        「むっ#」
    ターニャが少し不機嫌そうになった。

    【ケンジ】
        「俺は戦闘機だけではなく、戦闘鬼の操作も得意と言う事を忘れんなよ。」
    いままで実力がわからなかった東郷の実力を試せる絶好の機会だ。


    【サッチ】
        「ねぇ、過去のみさ教官とケンジとの模擬戦の成績は ?」

    【サダッチ】
        「ちょっとまって」
    ナノリンクで過去の模擬戦の記録にアクセスをしてみる。

    【サダッチ】
        「ぁった。」

    【サダッチ】
        「・・・」

    【ナナ】
        「どうしたの ?」

    【サダッチ】
        「4勝 0敗」

    【ナナ】
        「さすが教官、強いわね。」

    【サダッチ】
        「ぃえ、4勝しているのはケンジの方よ」

    【サッチ】_| ̄|○
        「ぇ、全然ダメじゃん。」

    【サダッチ】
        「教官の専任は航空隊ですから、戦闘鬼は苦手なのかも ?」

    【サダッチ】
        「どうりでケンジが、東郷の条件を快諾したわけだ。」

    【ナナ】(# ゚Д゚)
        「快諾 ?   あれで快諾なの ?」
        「しかも、今回は、3 vs 1 なので、数の上でも圧倒的に不利。」

    【サッチ】
        「もう勝負は決まったも当然ね。」
        「それなのになんでみさ教官は自信満々に引き受けたわけ ?」

    【サダッチ】
        「知らないわよ。」


    戦闘鬼の模擬戦は狭い屋内バトルフィールドではなく、広い校庭で行われる。

    【さえ】
        「準備はいいですか?」

    【みさ】
        「私はいつでもいいですよ。」

    【ケンジ】
        「おぅ俺達も準備万端だぜ。」

    【さえ】
        「では、始めっ!」

    みさは開始の合図と共に呪符を取り出すと、起動コードを唱えること無く瞬時に4体の識神を展開した。
    スリープモードから覚醒した識神は、ただちにハヤブサの分身として形状化し、ケンジたちの前に立ちはだかった。

    【サッチ】
        「早っ!」

    【サダッチ】
        「起動コードなしで識神を展開 !?」

    【サダッチ】
        「サークル型術者が展開可能な識神は1体がせいぜいですが、呪符型術者は、複数同時に識神をコントロールが可能と言うわ。」
        「だけど、4体動時に制御できる人を見たのは実際私も初めてよ。」

    【エルメス
        「しかし武器が・・・。」

    【サダッチ】
        「4体生成するのが精一杯で武器にまで制御が及ばないのか!?」

    【コンブ】
        「オレたちのスピードに処理速度が追いつけなけれれば意味ねーぜ。」

    【ケンジ】
        「抜刀っ!!」
    ケンジたち3体のハヤブサは武器を持たない識神に突進した。
    識神を腰から上下にぶったぎるつもりで勢い良く抜剣しそのままの勢いで対装甲刀を振りぬいた。

    【アルビータ】ヽ(=´▽`=)ノ
        「出たっ!! ケンジの超重量居合い術」
        「対装甲刀の重量とパワーに任せた、どんな装甲をも切り裂く破壊的剣術・・・。」
        「ヒットすればタダではすまないよ。」

    【ケンジ】
        「何っ・・・!?」

    【ブリジット】(,,゚Д゚)
        「う、受け止めたぁぁぁぁ。」

    【マナブ】(,,゚Д゚)
        「識神が白刃取りだと ???」

    【コンブ】(,,゚Д゚)
        「そんな馬鹿な、生身の人間だって白刃取りなんてマネはフツーに出来るものではないぞっ!」

    しかも3人の剣を個別に同時に受け止めていた。
    一度、受け止められた刀を引き抜いて再アタックをしようにも、今度は引いても押しても刀はビクともしない。


    【サダッチ】
        「こ、これほどの精密な制御術は初めて見たわ。」
        「みさ教官って、エース級・・・ぃやそれ以上のスキルを持っている事になるわよ。」

    見学していたクラスメートたちからどよめきが上がった。

    【サッチ】
        「これが教官たちの実力なの ?」

        「4敗したと言うのは生徒を相手に手を抜いていたから・・・なの ?」


    【さえ】
        「艦内に侵入したオロチを迎え撃つとどうしても格闘戦になってしまう。」
        「宇宙艦の指揮官は艦の指揮さえ上手ければそれでいいというものではないのよ。」
        「自分たちの家でもある艦を守るために指揮官は先陣をきってオロチと戦うこともあるのよ。」


    【ケンジ】
        「くそっ」

    ケンジ達は刀を手放すと識神の腹にケリを入れて間合いを確保した。
    そして一気に加速して識神の懐に再び潜り込もうとした。
    識神はケンジ達から奪った刀を地面に投げ捨てると迎え撃った。
    頭部センサーを破壊すべく後ろ回し蹴りを放つが、腕でガードされ弾かれてしまう。

    【ケンジ】
        「ちっ」
    弾かれた際にバランスを崩したが、運良く識神が投げ捨ててくれた対装甲刀を拾うことが出来た。

    【ケンジ】
        「コンブ、そいつを抑えろっ!」
        「二人でやったほうが確実に押さえ込める。」

    【コンブ】
        「マナブ! 頼むっ!」
    コンブとマナブが2機がかりで、識神を抑えると、ケンジは刀で識神の制御モジュールを貫いた。

    制御を失ったナノマシンは形状崩壊を起こし姿を消す。
    しか、まだ3体残っている。

    【コンブ】
        「1人ずつ個別に相手にしては勝てないぞ。」

    【ケンジ】
        「3人で1匹ずっ片付けるんだ。」

    【マナブ】
        「おぅっ!」

    【さえ】
        「ぁら、単機格闘戦から集団剣術に切り替えたのね。」
        「脳ミソまで筋肉ではなかったのね。」

    【ケンジ】ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
        「なんだとっ!!」

    【コンブ】
        「審判が暴言吐くなぁ」


    識神が複数同時目標に対処できない事を見ぬいたケンジたちは、3人で協力して、残りの識神を倒した。

    まぁ実際には識神に自立コマンドを与えて8目標までの同時対処能力が付与できたが、今回は使用しなかった。
    生徒に対するハンデと言うことにしておきましょう。

    【ケンジ】
        「ようやく、4機やっつけたぞ。」
        「さて次はお前の番だ。」

    【みさ】
        「思っていたより速かったわね、ぼうやたち。」

    【ケンジ】
        「当たり前だっ!」
        「この程度の・・・。」

    まだ話し終えていないケンジにいきなりみさ機が襲いかかった。

    【ケンジ】
        「なっ!!」

    みさの正拳をかろうじで払いのけた。

    【みさ】
        「あら、いい運動神経ね。」

    続けてみさはハイキックを繰り出すと、さすがに衝撃に耐えかねてケンジはよろめいた。

    みさの背後からコンブ機が対装甲刀で襲いかかるが、気配を察知したみさは振り下ろされた刀を躱してコンブ機の背後に回り込むと、後部装甲に設けられた外部インジェクションレバーを操作した。
    外部インジェクションレバーは戦闘時に行動不能となった戦闘鬼にパイロットが閉じ込められ、甲冑から出られなくなった場合を想定して、外部から甲冑の着装を解除する為のもので、これが起動すると事実上活動停止となる。

    【コンブ】
        「ゴメンやられました。」

    【エルメス
        「早業だっ!!」

    周囲がどよめく。

    しかし動きを止めたみさ機を見逃さなかったマナブ機が間髪入れづに刀を切り込んできた。
    擱座したコンブ機が邪魔して、回避できる範囲が狭い事を見越していた。

    【マナブ】
        「もらったぁぁぁぁ」

    【みさ】
        「いい判断ね。」
        「しかし油断しすぎっ!」

    ガキっ!

    帯締学園の戦闘鬼には、近接格闘戦用のクローが腕部と脚部に標準装備されている。
    高速で振り下ろされてくる刀を、後ろ回し蹴りで迎え撃ち、その頑強な爪で受け止めた。

    【マナブ】
        「な、、、足で受け止めるのかっ!?」

    【サダッチ】
        「クローをそういう使い方をするのか ?」

    そしてそう簡単には折れない対装甲刀足場にして、その刀を受け止めた脚部を軸足に、
    そこからさらに回し蹴りを繰り出し、マナブ機の頭部センサーを破壊した。

    【マナブ】
        「くっそーー。 やられたぁ」

    【みさ】
        「残りはケンジね。」

    【ケンジ】
        「お前、思っていたより強いな・・・。」

    【みさ】
        「そう ?」
        「私はまだまだよ。」
        「私を倒さなければ、東郷教官とは戦えないわよ。」

    【ケンジ】
        「あのヤローはお前より強いと言うのか ?」

    【みさ】
        「そう言うことになるわね。」
        「私もさえも、彼には一度も勝ったことないですからね。」

    【コンブ】
        「これほどの実力を持ったみさ教官でさえ東郷には勝てないのか ?」

    【マナブ】
        「うそ・・・。」
        「あいつ、そんな強いようにはみえないぞ。」

    苦戦するケンジたちを応援していたクラスメート達は、東郷の方を見やった。

    【ケンジ】
        「!!」

    【コンブ】
        「電話してるしっ」

    【マナブ】
        「全然試合見てねーし。」

    【ケンジ】
        「ぉいっ!! あんなふざけたヤツが本当に強いのか!?」
        「いい加減にしやがれっ!!」

    ケンジは呪符を取り出すと、識神召喚のコマンドを入力した。
    【ケンジ】
        「召邪結破・・・」

    しかし、みさはこのコマンドの入力中に攻撃を繰り出し、コマンドの入力を阻止した。
    【ケンジ】
        「卑怯だぞっ」

    【みさ】
        「何言ってるのよ、君が遅すぎるのよ。」
        「実戦ならオロチが私達が武器を繰り出すのをいちいち待ってくれると思って ?」

    【マナブ】
        「な、なんてヤツだ。」

    【コンブ】
        「教官とは思えん態度だな。」

    【マナブ】
        「って言うか、あれがみさ教官なのか ?」

    【サダッチ】φ(..)
        「しかしみさ教官の戦法やアドバイスは的確です。」
        「私たちにも十分勉強になります。」

    【ケンジ】
        「それならっ!」

    新しい、呪符を5枚ほど取り出すと、みさ機に目がけて呪符を飛ばした。
    そして、呪符がみさ機に貼り付いた事を確認すると、

    【ケンジ】
        「爆っ!!」
    コマンドを入力すると、呪符が爆発した。


    【サダッチ】(*゚∀゚)
        「ぉ、あれは大九野島でナナが使った術と同じね。」

    【ナナ】(*´ω`*)
        「ほぇ ???」
        何 ?  私 ??  なんの事 ???

    【ケンジ】( ̄ー ̄)b
        「まぁね、帰ってきてデータ共有された時、これは使えるって思って仕込んでおくことにしたんだよ。」
        「さっそく使わせてもらったぜ。」
        「便利いいな。」

    【ケンジ】
        「これでみさ教官も無事ではすまないだろよ。」

    しかし、通常は損傷を受けて戦闘続行が不可能になれば、リタイヤの宣言が出るのだが、一向にその気配がない。

    【コンブ】
        「ぉかしいぞ。」

    ケンジは砂塵が収まって来てようやく異変に気がついた。

    【ケンジ】
        「身代わりの術かっ!」

    ケンジが周囲を見渡すと照明灯の上で腕組みをしているハヤブサを見つけた。
    いつの間にあんなところへ。

    ケンジが呪符を取り出した時点で、みさは識神を展開して退避していたのだった。

    【サッチ】
        「識神を身代わりにしたの ?」

    【さえ】
        「原理は宇宙艦のデコイと同じよ。」
        「バレないように展開して自分は逃げる」
        「そして敵の攻撃を識神に集中させて、そのスキに大勢を立て直す。」
        「識神の一般的な運用方法のひとつね。」


    みさ機は、地上に着地すると、加速してケンジ機に肉薄した。
    対装甲刀で払うがあっさりとかわされると、みさ機のマニピュレータがケンジ機の頭部装甲を鷲掴みにしてそのまま地面に押し倒した。

    【ケンジ】
        「げほっ!」
    仰向けに地面に叩きつけられた衝撃でエアバッグが展開した。

    【マナブ】(,,゚Д゚)
        「速ぇぇぇ」

    【コンブ】(゚д゚)!
        「リミッター外れてるんじゃねーのか ?」

    【フクちゃん】
        「ぃえ、そんな事はありません。 ちゃんと機能していますよ。」

    【マナブ】
        「そうなのか ?」

    【コンブ】
        「でもあの動きはなんなんだよ。」

    【フクちゃん】
        「各アクチュエーターに送信するコマンドはすべてメカニズムの動作の最短かつパーツに掛かる負荷の少ないコマンドで、非常に効率のよい動きを実現しているんですよ。」
        「だから動きに一切の無駄がなくてなめらかなのです。」

    ケンジは作動したエアバッグが自動的に収納されると、各種モニターで、機体の損傷をチェックした。
    いくつかのカメラが失われていたが、

    【ケンジ】
        「よし、まだいけるっ!」

    コクピットにアラートが鳴り響き、搭載AIが急接近してくる機体をしらせる。
    破壊されたカメラのせいで視界は制限されているものの、それが教官機である事は明白だった。

    おそらく動きを封じるために、頭部装甲を狙ってくる筈・・・。
    とっさに両腕をクロスしてガード姿勢を取った。
    バコンと腕部装甲の一部が吹き飛んで衝撃が伝わった。

    【みさ】
        「あら、うまくガードしたわね。」

    仰向けになりながらも右背側と呼ばれる足蹴りで応戦してくるケンジ機を後ろ飛びでかわして間合いをとる。

    【ケンジ】
        「ちっ、ハズしたか。」

    しかしみさ機が間合いをとってくれたため、機体を起き上がらせる事が出来た。
    が、すでにみさ機は次の攻撃アプローチに入っていた。
    カメラの損傷を見ぬいたみさは即座に死角に飛び込みケンシ機の背後に回り込むと、頭部装甲に後ろ回し蹴りを繰り出し、今度はうつ伏せに沈めた。


    ケンジが意識を回復した時は、ハヤブサから収容され担架の上にいた。

    【ケンジ】
        「やられちまったな。」

    【みさ】
        「どう気分は。」

    【ケンジ】
        「ああ、悪くねぇ。」
        「本気でやって、歯が立たなかったのは初めてだ。」
        「しかも同型機同士なのにこうも動きが違うとは、正直驚いたよ。」

    【ケンジ】
        「アンタ、スゲーよ。」

    【みさ】
        「そう?」
        「君もいい動きしていたわよ。」

    【みさ】
        「間違いなくエースになれる素質があるわ。」
        「これからもしっかりと鍛錬を重ねる事ね。」

    【ケンジ】
        「ああ、そうするよ。」
        「絶対にアンタより腕のたつパイロットになってやる。」

    【東郷】
        「さて、もう勝負はついたのかな ?」

    【コンブ】
        「いまごろノコノコやって来て、何のんきに電話してんだよ。」

    【東郷】
        「で、どっちが勝ったんだ ?」

    【コンブ】ヽ(`д´;)ノ 
        「って、ォイ、スルーかよっ!!」

    【さえ】
        「みさ教官です。」

    【東郷】(・o・)    
        「まぁそりゃそうだろうな。」

    【コンブ】ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
        「なんかムカつく」

    【マナブ】
        「結局、東郷の腕前は判らずじまいかよ。」

    【東郷】
        「なんだ、お前たち、そんなに私の腕を知りたいのか ?」

    【コンブ】
        「そりゃそうだろ。」

    【東郷】
        「そら残念だったな。」

    【マナブ】
        「くそっ! いつかは東郷の秘密を暴いてやるからな。」

    【フクちゃん】
        「しかし、壊れたパーツ、修理するのにまたお金かかりますよ。」

    【さえ】
        「これは授業だから修理代はちゃんと教育実習費から出ますよ」

    【フクちゃん】
        「それは良かった。」
        「ここ最近、新型機の開発が続いてて、重工学部の予算もカツカツなんですよ。」

    【さえ】
        「それはそうと、さっきはどちらと電話 ?」

    【東郷】
        「ぁ、あれね。」
        「おみくじからだよ。」

    【サッチ】(*´艸`*)
        「ぇっ!? 何々 ???」
        「なんて言ってたの ?」
        「おみやげ、何がいいかって ?」

    【東郷】
        「来週早々にアラク宇宙基地からアトランティスの艦隊が出動するそうだ。」
        「現地の基地広報から分校の生徒へ見学に招待されてるから一緒に行ってもいいか? ってさ。」

    【東郷】
        「あとで感想をレポートにして提出してくれるそうな。」

    【ナナ】(-_-;)
        「さすがにエリートは勉強熱心なのね。」
        「で、返事は ?」

    【東郷】
        「別に断る理由はないからな。」
        「OKしておいたよ。」

    【ナナ】
        「ふーーん。」

    【東郷】
        「なにか気になるのかな ?」

    【ナナ】
        「ぃえ、別になんかちょっと悪い予感がしただけよ。」

    【東郷】(-_-;)
        「ぉいぉい、縁起悪いこと言わないでくれよ。」

    【ナナ】ヽ(`д´;)ノ 
        「だから、なんでもないわよっ!」

    【東郷】
        「さて、お遊びも終わりだ。」
        「お昼時間が始まっているからさっさと昼食にして午後の授業に備えるんだ。」」

    【みんな】
        「へぇへぇ」
        「なんかうざー」

    しかし、この数日後、ナナの予感は的中した。

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