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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-9-4】環境テロリスト

環境テロリスト

【1-9-4】

 
ナナの突然の爆弾発言により教室内は騒然となっていた。

 

  【ナナ】ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
   「私のシモの世話はダーさんがしてくれだんだから。」

 

  【1組 生徒たち】(,,゚Д゚)
   「ぇーーーーっ!!」

 

  【ケンジ】(,,゚Д゚)

   「マジかよっ!!」

 

  【アグスティナ】(,,゚Д゚)
   「センセー不潔っ!!」

 

  【バネット】ヽ(`д´;)ノ
   「通報しときましたぁ。」

 

  【ヒデコ】(-_-;)
   「人でなしとは思っていたがまさか、教え子にわいせつ行為を働くとは。」

 

  【ナナ】
    「教官は何も悪くないよ。 何も。」
    「だって、教官は私のダーさんなのですから♪」

 

私を擁護するナナの発言が、さらに油に水を注ぐ展開となる。

 

【東郷】┐(´д`)┌
   「はぁ!?」
    「なんでトイレの世話しただけでナナが嫁になるんだよっ!!」

 

  【ナナ】(・o・)
   「だって私の恥ずかしいとこ全部見られちゃったんだから、責任を取るのは当然よ。」


ターニャは激怒していた。

 

  【ターニャ】
   東郷は渡せない。
    ナナを滅してもいいか ?

 

  【ナターシャ】
    だめよ。
    単にナナが暴走しているだけよ。 きっと。
    いちいち反応していたらバレるわよ。

 

  【ターニャ】(-_-;)
    「ぐ・・・・。」

 

  【ミーシャ】
    ってか、いつからパパを東郷と呼ぶようになったの ?

 

  【ターニャ】
   だって、バレるからその呼び方はやめなさいって・・・。

 

  【ミーシャ】
    そ、そうだったわね。私が言ったんだっけ・・・。
    でも、もうみんなそんな事は気にしていないわ、ジョークとしか思ってないわよ。

 

  【ターニャ】
   じゃ、パパと呼んでいいの ?

 

  【ミーシャ】(-_-;)
    ダメです。

 

東郷がターニャを一瞥し怪訝そうにクビを傾げた。

 

  【ターニャ】
   ナノリンクの通信を傍受されてる ?
    まさか・・・王室専用プロトコルがそう簡単に解読されるわけがないか・・・。

 

  【もっちゃん】( ・_・)
    「そういえば、なるみアンタも、そん時は身動きできなかった筈だよね。」
    「トイレはどうしていたのよ。」

 

  【フランシーヌ】(-_-メ)
    「最初に聞いた時は誤魔化さなかったかしら ?」
    「この際、アンタも正直いいなさい。」

 

  【なるみ】♪~( ̄ε ̄;)
   「・・・。」

 

  【もっちゃん】
   「なんか言えない理由でもあるの ?」

 

  【なるみ】(/ω\)
    「わ、私もお世話してもらいました。」
    「裸に剥かれて両手足を赤ちゃんバンザイさせられ、おむつ変えられたり・・・。」

 

  【フランシーヌ】(,,゚Д゚)
   「なんですって!?」

 

  【ナナ】(,,゚Д゚)
    「あ、赤ちゃん?」

 

  【なるみ】
    「そうよ。」
    「そして、からだの隅々まで蒸しタオルで拭いてもらったわよ。」

 

  【フランシーヌ】
    「か、か、からだ中 !?」

 

  【なるみ】
    「そう、手足の指の先から胸のてっぺんまでね。」

 

  【アルビータ】
    「ええーーーーっ!!!」

 

  【エルメス
    「先生最悪っ!!」

 

  【レオンハルト
    「不潔だわ。」

 

  【もっちゃん】
    「きれいに上を向いたあなたのその敏感な胸の先っぽ・・・アイツに触らせたと言うの ?」

 

  【なるみ】(・o・)
    「ぇ、ええ・・・まぁ、このさい仕方ないな・・・って。」

 

  【もっちゃん】ヽ(`д´;)ノ
    「ちょっと私にも揉ませなさいよっ!!」

 

もっちゃんが後ろの席からなるみの胸を両手で鷲掴みにして先っぽを指でつまみ上げた。

 

  【なるみ】(*´艸`*)
   「きゃーーーっ!!」
    「やめてよー♪」

 

  【もっちゃん】
    「どうせその体、識神なのだからいいじゃない」

 

  【なるみ】(*´Д`)ハァハァ
    「ボディの濃度を薄めるわよ」

 

といいつつも、なるみはまんざらでもない様子。

 

  【ヒデコ】
   「ナナはともかくとして、なるみにまで手を出すとは。」
    「このド変態っ!!」

 

  【東郷】(-_-;)
    「ぁ・・・。ぃや、その・・・事情が事情なだけに・・・。」

 

  【アグスティナ】ヽ(`Д´#)ノ
    「どういう事情なのよっ!!」

 

  【ナナ】(ノ`Д´)ノ
    「ちょっと、どういう事 ?」
    「なぜ、私だけでなく、なるみまで世話する必要があったのよ。」

 

  【ナナ】ヽ(`д´;)ノ
    「その、何 ?」
    「全裸の赤ちゃんバンザイだなんて、なんなのよっ!!」
    「わたしだって、そんなプレイしてもらっていないわよっ!!」

 

  【東郷】
   「ぷ、プレイ ?」
    「ってか。なんで 怒っているの ?」

 

  【ブリジット】
    「うーーーーん。」
    「あの真面目なクラス委員、妙な性癖に目覚めて戻ってきたわね。」

 

  【バネット】
    「ま、まぁ思春期大爆発ってことかしら。」

 

  【アグスティナ】
    「破壊力は核弾頭級ね・・・。」


   【ケンジ】(・o・)
    「でも、識神状態であるのなら、肉体とおなじ動きが再現できるんじゃね ?」
    「って事は、自分で体を拭くことくらいはできたんじゃ ?」

 

  【なるみ】
    「あーーー、そ、そうね・・・あはははは。」
    「で、でも、ほら、ナノマシンの使用はコストが掛かるから節約しなきゃだし。」

 

  【なるみ】
    「そうすると濃度が薄まると透過しちゃうから、結局は自分では無理ね。」
    「あはははは。」

 

  【アルビータ】
    「ふーーーーーーん。」

 

  【エルメス
    「こっちも、こっちで思春期か・・・。」

 

  【レオンハルト
    「そのようで。」


   【ケンジ】
    「なぁセンセー、動画は残ってないのかよ ?」
    「ちょっと記憶を辿らせてくれ。」
    「脳内ストレージには保存されているんだろ ?」

 

  【東郷】
    「なんでや。 嫌や」
    「生徒の重大な個人情報は一切公開できない。」

 

  【ケンジ】(-_-;)

    「ちっ!」
    あれは絶対に脳内ストレージに保管して自分一人で楽しんでるパターンだな・・・。

 

  【ヒデコ】
    「あんたもサイテーな男ね。」

 

  【ケンジ】
    「やかましいわっ!」

 

  【ケンジ】
    「おいっ、フクちゃん、ヤツのナノリンクをクラッキングできないのか ?」

 

  【フクちゃん】
    「んーーー、アレは無理!」

 

  【ケンジ】
    「なぜなんだよ ?」
    「お前の腕ならチョロいだろ ?」

 

  【フクちゃん】
    「どういうわけか、教官のファイアーウォール、いつも超鉄壁の防御で突破できないんだよ。」

 

  【1組 生徒たち】(-_-;)
   いつもやってるんだ・・・。

 

  【東郷】
   「あとで教官室へ来るように。」

 

  【フクちゃん】(,,゚Д゚)
    「ええええーーー。」

 

  【ナナ】(-_-;)
    「せいぜい絞られてきなさい。」

 

  【フクちゃん】(;´Д`)
    「とほほほ。」

 

  【東郷】
   「さて、この話はもうこれくらいでいいだろ。」

 

むりやり話を中断させた東郷に教室からブーイングが湧き上がる。
コハルとコユキも東郷に促され、しぶしぶ空いてる席についた。


  【東郷】
    「留学生がやってくる。」

 

とたんに教室が静まり返った。

 

  【ケンジ】(-_-;)
    「いよいよか・・・。」

 

  【東郷】
    「くれぐれも奴らとはケンカするなよ。」
    「外交問題になったら面倒だからな。」

 

  【東郷】
    「特に学園の外はアトランティス治外法権が適用されなくなるのでもっと面倒になる。」

 

  【フランシーヌ】
    「どうしてですか ?」

 

  【東郷】
    「対馬戦争集結後の和平協定の締結と復興事業を円滑に進めるために日本の国会でヘイトスピーチに対する規制が強化されたのは知っての通り。」(※1)

 

  【なるみ】
    「要するにこの法律とは、」
    「統一朝鮮やシナ人からいくらひどい事を言われても、決して言い返してはならない法律で仮に口論となった場合は、そのヘイトスピーチ厳格化法案に引っかかって検挙の対象となってしまうんだ。」
    (と、私は大げさに言ってみましたが、だいたいは合ってると思います。)

 

  【ノブちゃん】
   「なにも喋らなくてもダメだったケースもあるらしいよ。」

 

  【なるみ】
    「それ知ってるわ。」
    「在日の人々が店舗の商品を強奪したところを強盗犯を追いかけようとしたら、
反撃したとして逆に訴えられて敗訴したって・・・。」
   「それがニュースになってからは模倣者が続出して一気に日本の治安が悪くなったって話よね。」

 

  【フランシーヌ】(-_-;)
   「日本の警察ももはや市民を味方してくれないんだ・・・。」

 

  【コンブ】(-_-;)
   「ひどいな・・・。」

 

  【マナブ】
   「だれがそんな法律を作ったんだよ。」

 

  【ヒデコ】
    「当時の親シナ/親朝派の超党派議員連盟に加入している与野党のボンクラどもたちさ。」
    「ちなみに法案を作った三階という国会議員は地元の講演会で刺されて死んだそうよ。」

 

  【マナブ】(-_-;)
    「悪いことはするもんじゃない典型例だな・・・。」

 

  【ヒデコ】
    「そうね。」

 

  【東郷】
    「とはいえ、できてしまった法律はしょうがないので、面倒にならないためにも仲良くするようにな。」

 

  【コンブ】
    「この学園内はアトランティス治外法権に守られているから関係ないじゃん。」

 

  【東郷】
    「あちらさんはこの学園は日本国だと言い張ると思うぜ。」

 

  【ケンジ】
    「面倒だな。」

 

  【東郷】
    「だから面倒になると言っとろう。」

 

  【東郷】
    「それはさておき・・・。」
    「その、あちらさんはブーメランご持参でやってくるらしい。」

 

  【ケンジ】
    「ヒュー。」
    「もう隠す気はないのか。」

 

  【フクちゃん】
    「ハヤブサとの戦闘経験も積んで、相当に自信をつけてきたんでしょう。」

 

  【東郷】
    「だが、ハンガー内では、ブーメランの格納エリアは隔離され、我々の立ち入りはできなくなるから気をつけるように。」

 

  【東郷】(・o・)
   「撃たれてもしらんからな。」

 

  【コンブ】(,,゚Д゚)
    「えーーー。」
    「治外法権の中に治外法権が発生するのかよ。」

 

  【ノブちゃん】
    「あちらは公式にはアトランティス帝国とは日本が武装強化のための言い訳に
でっち上げたファンタジーとして喧伝している手前、当学園へは建前上、日本国への留学生派遣となるのでしょう。」

 

  【ノブちゃん】
   「なので向こうからすれば日本の中に暫定の領事館を設置するような感覚かもしれませんね。」

 

  【コンブ】
    「やつらは自分らの機体のメンテはどうすんだよ。」

 

  【東郷】(・o・)
    「しらん。」
    「自分でやるんじゃね。」

 

  【ノブちゃん】
    「部外者の侵入は学園として許可できないでしょう。」

 

  【ケンジ】
    「そもそも何しに来やがるんだよ。」

 

  【東郷】
    「目的はしらん。」
    「おそらく、対抗戦に初お目見えする新型機との模擬戦データの収集だろうな。」

 

  【オカちゃん】
    「あからさまなスパイ活動ですね。」

 

  【なるみ】
    「昔、リムパック(※2)に招待した時、招待艦とは別にスパイ船を送り込んで
各国の戦術データの情報収集を行うというマナー違反を犯し、招待を中止したことがあったよ。」

 

  【オカちゃん】
   「それはひどい話ですね。」

 

  【なるみ】
    「招待されなくなった後でもスパイ船を送りつづけたらしいけどね。」

 

  【ケンジ】(-_-;)
   「まじかよ」

 

  【なるみ】
   「この私が嘘をつくとでも ?」

 

  【もっちゃん】(-_-;)
   「アンタ、さっき話しを盛ったでしょ!」

 

  【なるみ】(・o・)
   「間違ってはいないよー、すこし大げさに言ってみただけだよ。」

 

  【もっちゃん】(-_-;)
   「その胸は盛って無かったようね、実寸通りに再現されてたわ。」

 

  【フクちゃん】
   「しかし我々も気をつけなければなりませんね。」

 

  【ヒデコ】
   「聞くところによると、そろそろ各国の新型機も出来上がってくるんでしょ。」
    「教官はなにか聞いてるの ?」

 

  【東郷】
    「ああ、各国の名目はいろいろとあるが、学園に搬入されてくる予定はある。」
    「対抗戦には間に合わせるだろうな。」
    「データがほしいのは他の国も一緒だからな。」

 

  【東郷】
   「我が学園も第5過程(※3)の風紀員を投入して警備は万全にする。」

 

サッチが戻ってきた。
ナノリンクにより、教室での会話の内容は把握していたようで、

 

  【サッチ】
   「そういえば、技術研修で来日している第5過程の、ベトナム人留学生と台湾人留学生は如何いたします ?」


  【東郷】
   「どうするって ?」

 

  【サッチ】
   「いえ、ベトナム国籍の子はご先祖さまがライダイハンさんでして、さらに台湾人については真台湾から来日している技術留学生です。」
    「トラブルにならないかと・・・。」

 

  【東郷】
   「そうだな・・・。」
    「でも心配はいらんだろ。」
    「彼らは、アトランティス王室の正式ゲストだから、ヘタに手出しはできんと思う。」
   「公式では日本国だと言い張っても、アトランティス王室の学園に留学する手続きをしてやってくる以上は、事実上アトランティスを国として認めていることになる。」

 

  【サダッチ】
   「しかし、あの国たちは一般的な外交儀礼は一切通用しない国なので生徒会としては心配です。」

 

  【東郷】
   「うーーーん・・・。そうだな。」
    「わかった風紀員に依頼してゲストに対する警備はそれとなく強化してもらう。」
   「だが君たちも留意してやってくれ。」

 

  【サッチ】
   「もちろんですわ。」

 

 

 

 


ふと外を見るとチェンテナリオを積んだ積車が校門前に停車したのが見えた。

 

  【ケンジ】(゚д゚)!
   「あ、あれ東郷のランボじゃね ?」

 

  【東郷】(*゚∀゚)
   「ああ、ほんとだ。」

 

  【ケンジ】(-_-;)
   「なんで ?」

 

  【東郷】
   「ぁ、十津谷へ放置してたのを運んでもらったんだよ。」
    「ちょっと行ってくる。」

 

  【ケンジ】
    「って1限の授業は ?」

 

  【東郷】ヽ(=´▽`=)ノ
    「自習だ!」

 

  【1組 生徒たち】
    「えええーーーーー。」

 

  【コンブ】
    「授業よりマイカーが大事なのかよ。」

 

  【東郷】(-_-;)
    「当たり前だろ。 オレの資産だからな。」

 

 

  【東郷】
    「すいません、わざわざ学園まで運んでいただいて。」

 

  【ナナの母】(*´艸`*)
    「いえいいのよ、娘を助けていただいたお礼ですわ。」
    「これぐらいお安い御用ですわ。」

 

積車から1人の女性が降りてきた。

 

  【東郷】(・o・) ?
   「娘 ?」

 

  【ナナの母】
   「あなたが東郷教官ね。」
    「この度はウチの娘を助けていただいて、何とお礼を申し上げてよいのか、感謝の言葉も見つかりません。」

 

周囲を探ると、離れた場所に黒塗りの乗用車が2台停まり、黒服サングラスの
男たちが警戒しているようだった。

 

  【東郷】
    この女性の警護なのか ?
    一体何者なんだよ。

 

  【ナナ】(,,゚Д゚)
    「お母さま!!」

 

ナナが駆け寄ってきた。

 

  【東郷】
   「お母さま ?」

 

  【ナナ】(-_-;)
   「なぜ、わざわざお母さま自ら教官のセンチュなんとかってのを運んできたのよ。」

 

  【ナナの母】
   「いやねぇ、ウチの娘の世話をしてくださった教官をひと目ご挨拶をと思って参ったのよ。」
    「ピンチを救ってくれただけでなく、仕事が忙しくて駆けつけられなかった私達家族に代わって娘のシモの世話までして頂いて本当に感謝しておりますの。」

 

  【東郷】
   ぎくっ!!

 

  【ナナ】
   「さっさとセンチュなんとかをおろして帰ってっ!!」

 

  【東郷】
   「チェンテナリオなんだけど・・・。」

 

  【ナナ】
   「え!?」
    「なるみが、センチュなんとかって教えてくれたよ。」

 

  【東郷】
   「間違った情報源はそこか・・・。」

 

  【東郷】
   「ま、まぁいいや、そこへ降ろしていただければあとは私が自分で駐車場へ戻しますから。」
    「今日はありがとうございました。」

 

  【ナナの母】
    「今度、お家にいらしくださいね。」
    「夕食にご招待いたしますわ。」

 

  【東郷】
    「いえ、そんな・・・ご迷惑ですし。」

 

  【ナナの母】
    「気になさらないで。」

 

  【ナナ】
    「もう、勝手に家に招待しないでよ。」
    「私の旦那が困ってるじゃないのっ!!」

 

  【ナナの母】
    「こらっ!! ナナっ!!」
    「東郷教官は旦那じゃないでしょ!!」

 

  【東郷】
    「そそ、私は旦那ではないぞ。 ははは、まったく何を言ってるんだ。」
    「入院してからはなんだか冗談言える明るい子になったんだね。」

 

  【ナナ】
    「何言ってるのよ。 私は東郷の妻なんだから。」

 

  【ナナの母】
    「あなたに結婚はまだ早いでしょ。 花嫁修業もしていないのに。」

 

  【東郷】
    「そうだよ。 まだ早いよ。 ははは。」

 

  【ナナの母】
    「いい?」
    「自宅にご招待差し上げるのは、将来の娘の旦那さまになられる方を、一族にきちんと紹介する為なのよ。」

 

  【ナナの母】
   「それを済まさない限りは東郷教官をナナの夫として迎えられないわ。 いいわね ?」
    「ウチのしきたりは守るのよ!」

 

  【ナナ】
    「うん・・・わかった。」

 

  【東郷】
   「ははは・・・は!?

 

  【東郷】(,,゚Д゚)
    「え゛えええええーーーーーっ!?」
    「ちょ、ちょっとまって、」
    「なんで、そうなるの ?」

 

  【ナナの母】(*´艸`*)
    「あら娘を救けていただいたお礼よ。」

 

  【東郷】
    「いやいやいや、お礼に自分の娘を差し出す親がいるかっ!!」

 

  【ナナの母】
    「それでは、私は仕事がありますので失礼いたしますわ。」

 

  【東郷】
    「ぁ、ちょっと。」

 

ナナのお母様は、積車に乗り込むと、さっそうと去っていった・・・。

 

  【ナナ】(・o・)
   「授業に戻らなくちゃ。」

 

  【東郷】
    「いやいやいや、この状況でよく冷静に授業に戻れるな。」

 

  【ナナ】(-_-;)
    「お母様の公認が得られたので私はそれで満足よ。 それが何か ?」

 

  【東郷】(,,゚Д゚)
    「えええーーーー!!」

 

 

放課後、東郷に呼び出されたフクちゃんが教官室に出頭してきた。

 

  【フクちゃん】
   「失礼します。」

 

  【東郷】
    「おお、フクちゃんか。」
    「まぁ、こっち来てくれ。」

 

  【フクちゃん】
    「すいませんでした。」

 

  【東郷】
    「ん ?」
    「なんの話 ?」

 

  【フクちゃん】
    「いえ、ナノリンクの防壁突破を試みたこと。」

 

  【東郷】
    「ああ、そのことか ?」
    「いいよ。」
    「実害は出てないんだし。」

 

  【フクちゃん】
    「そうなんですか ?」
    「では要件というのは ?」

 

  【東郷】
    「急な話だが、来週、関空アメリカから旧式の試作爆撃機がフェリーされてくるのでアビオニクスの入れ替えと調整をお願いしたい。」
   「昨日から小松の軍関係者らが関空に展開しており、受け入れ体制を構築しつつある。」

 

  【フクちゃん】(,,゚Д゚)
    「なぜ私が ?」

 

  【東郷】
    「その爆撃機の空力特性が日本軍が派遣される惑星の環境にピッタリと言うことで4機のB1-B(※4)とともに、日本軍がレンタルする事にした。」
    「まぁ、レンタルとは言っても日本軍は未帰還となる予定だから、実質日本が買い取るようなものだがな。」

 

  【フクちゃん】(-_-;)
   「は、はぁ・・・。」

 

  【東郷】
    「んで、その試作爆撃機はそもそも実戦用には作られていないから、戦えるように調整してほしいとの依頼だ。」 

 

  【フクちゃん】

    「それならなおさら名古屋(四菱)とかに持っていったほうがよかったのでは ?」

 

  【東郷】
    「日本の空軍は君の能力を高く評価しており、そのための支援スタッフも手配してくれたそうだ。」
    「新型機の調整に忙しいとは思うが行ってはくれないだろうか ?」

 

  【東郷】
    「あーーー、そういえば、爆撃機と言えば、ロシアからも急遽爆撃機が派遣される事になったなー。」
    「明後日にはロシアからブラックジャックと、バックファイアS2型(※5)が検疫のためにフェリーされてくるんだったっけ?」

 

米ロの戦略爆撃機が一堂に会することは公式にも非公式にもなく、同時に見られるチャンスが無いことから、ものすごくそそられた。

 

  【フクちゃん】(゚д゚)!
    「ぇ、そうなんですか ?」

 

  【フクちゃん】(*゚∀゚)
    「そうですね・・・判りました。」
    「わたしも評価されるのは悪い気分ではないのでやってみます。」
    「こちらの戦闘鬼のほうは、教官が手配して頂いた新型モーターの組付けも終わってあとは調整のみですから、その辺の作業は重工学部の連中に任せても大丈夫でしょう。」

 

  【東郷】
    「ありがとう。 頼むわ。」

 

 

学園寮

 

特殊部隊に襲撃され、あちこちが破壊されていた寮は見事に修復されていた。

 

  【ナナ】
   「襲撃の痕跡はほぼ消えたわね。」

 

  【セッちゃん】
   「うん、ナノリペアの使用許可が出て良かったわ。」

 

  【ナナ】
   「どうして ?」

 

  【セッちゃん】
   「修繕費の見積もりが3400万って言われちゃって顔面蒼白になったの。」
    「で、ナノリペアで修繕した場合のコストを計算したら2000万円で済むことがわかって、生徒会に申請したら OK が出たの。」

 

  【ナナ】(-_-;)
    「ケチなアンタがよく OK だしたわね。」

 

  【サッチ】ヽ(`д´;)ノ
   「ケチって何よっ!!」
    「今回はアテがあるのよ。」

  

  【ナナ】
    「アテ ?」

 

  【サッチ】
    「この寮はアトランティス大使館の外にあって治外法権の効力が及ばない場所。」
   「なので、日本政府がこの土地を地主から借り受けて、そこに寮が建てられているわけね。」
    「そこへ外国の武装勢力が襲ってきたというので、日本政府の施設が破壊されたと見なされるの。」
    「だから修繕費を出してくれるように交渉したら、官房機密費から予算を出してくれたってわけね。」

 

  【ナナ】
    「ぃや、それなら3400万で工務店に修理してもらってよかったんじゃ ?」

 

  【サダッチ】
    「今回はこの寮のセキュリティがダダ漏れだったのが問題なのよ。」
    「なので、今回はアトランティス関係者のみでこの寮を再建する事になったのよ。」

 

  【ナナ】
   「すごいっ!!」
    「生徒会って日本政府とも交渉するんだ。」

 

  【サダッチ】
    「当然です。 生徒会は渉外活動も仕事のひとつですからね。」
    「・・・って、あなたクラス委員でしょ ?」
    「なんで生徒会の活動を知らないのよ」

 

  【サッチ】
    「とはいえ、アトランティス人が木材を加工して日本家屋をどうこうできる技術を持っていないので、ナノマシンで修復する発想に至ったってことなのよ。」


   【ナターシャ】
    「へぇ~~~。」
    「にしても、よく再建できたじゃないの。」

 

  【セッちゃん】
   「でしょ。」

 

  【ミーシャ】
   「この木材どうやって入手したのよ。 すごく高級そうな木材を使ってそうなんだけれど。」

 

  【セッちゃん】
    「ぁ、それ、チタニウム合金よ。」

 

  【ミーシャ】
   「ち、チタニウム。」

 

  【セッちゃん】
   「そうよ。」
    「良く出来てるでしょ。」
    「吉野杉そっくりに加工するのは大変だったんだから。」

 

  【ミーシャ】
   セッちゃんって意外な才能を持っていたんだな・・・。

 

  【ナターシャ】
   「ぃや、じゃなくて、なぜチタンなのよ。」

 

  【サダッチ】
   「ナノマシン有機物を生成するよりは金属を生成するほうがコストが安いから。」
    「でも、そのおかげで、次からはJDAM(※6)程度の直撃弾なら軽く食い止められるわ。」
   「屋根で爆発したとしても中にまで衝撃が伝わらないようにしておいたから。」

 

  【ミーシャ】(-_-;)
   「ぃや、それだと衝撃が地表を伝って、かえって巻き添えになる民家が増えるよ。」

 

  【サッチ】(・o・)
    「それは知らん。」

 

  【ミーシャ】
    「ぃや知らんって・・・。」

 

  【サッチ】ヽ(=´▽`=)ノ
   「そうならないことを神に祈りましょう。」

 

  【ミーシャ】(-_-;)
   「ぃやだから私達は悪魔なんだってば。」

 

  【コハル】(^◇^)
   「あら、そう言う私は天使(※7)ですわよ。」

 

  【サダッチ】
   「そ、そういえばそうだったわね。」
    アンタの事を聞いたつもりはないんだけど・・・。

 

  【ナナ】(・o・)
   「天使と言っても、堕天(※8)じゃないの。」

 

  【コハル】ヽ(`Д´#)ノ
   「し、失礼ね。」
    「悪魔が私にケンカを売って ?」

 

  【セッちゃん】
   「まぁまぁまぁケンカしないの。」
    「せっかくの歓迎会が台無しになるじゃない。」

 

  【ターニャ】
   「ケンカはダメ」

 

  【コハル】(-_-;)
   「ま、まぁターニャさんがそうおっしゃるのでしたら、しかたありませんわ。」

 

  【ミーシャ】
   「なんでターニャの言う事なら聞くのよ。」

 

  【コハル】
   「ターニャさんは、コユキと仲良くして頂いてるからいいのよ。」

 

  【ナナ】
   「そういえばターニャが他の子に懐くのは珍しいわね。」

 

  【ミーシャ】(-_-;)
   「まぁ一人くらい友達いてくれないと私たち姉妹としても将来が心配だわ。」

 

  【ナナ】
   「そういえば教官は ?」

 

  【サッチ】
   「帰るのが遅くなるそうよ。」

 

  【ナナ】
   「そう。」

 

  【コハル】
   「東郷教官以外の方もこの寮に ?」
    「さえ教官の事かしら ?」

 

  【コハル】
   「さえ教官って、ちょっと冷たそうな感じの猿 ?」

 

  【セッちゃん】(-_-;)
   さ、猿って・・・。
    「そうよ。」
    犬族からすれば私達は猿と猫なのね・・・。

 

  【ナナ】
   「でも、さえ教官ってペット飼っていると聞いたわ。」
    「なので、いいヒトよ。 きっと。」

 

  【ナナ】
   「今頃赤ちゃん言葉でペットに話しかけていたりして。」

 

  【ナターシャ】(*゚∀゚)
   「ええーーーっ!!!  ありえなーい。」

 

  【ミーシャ】(-_-;)
   「あのさえ教官があかちゃん言葉って、それはないわー。」

 


その、さえ教官の自宅マンション

 

仕事モードからプライベートモードにスイッチが切り替わり、
スーツを脱いで下着だけになると、るんるん気分でベッドに一目散。
そしてベッドのど真ん中に占有する愛猫「クロ」を愛ではじめる。

 

  【さえ】(*´ω`*)
   「ふーー。」
    「さえちんは、今日もおちごと頑張りまちたぁ♪」

 

  【さえ】
    「クロちゃん、きょうもお留守番ごくろうさまでちたぁー。」
    「おりこうさんちてまちたかぁ ?」

 

クロは一瞬だけ片目を開けて、迷惑そうにさえを見たが、
また眠りにつこうとした。

 

  【さえ】(*´∀`*)
   「ねぇ、クロぉー。」

 

めんどくさそうに目を開けて、にゃーと返事するクロ。

 

  【さえ】
   「クロぉー。」

   目を閉じたまま、にゃーと返事するクロ。

 

  【さえ】
    「クロぉー。」

しっぽで返事するクロ。

 

  【さえ】(*´ω`*)
   「チミは相変わらずクールなのでちゅね?」
    「どうちてもコッチをみないのでちたら、究極奥義!!」

 

 

 

 

  【サッチ】(・o・)
   「でも、話しかけても無視されたりして。」

 

  【サダッチ】(-_-;)
   「それは悲しいわね。」

 

  【サッチ】
   「そこでペットを前に妙な踊りを踊りだして気を惹こうとしたりして。」

 

  【ナターシャ】
   「どんな踊りよっ!!!」

 

  【ナナ】(゚д゚)!
   「あーでも、ウチの実家でも、お父様がワンコに変な踊りを見せてたよ・・・。」
    「ワンコも嬉しくなって一緒にジャンプしてたー。」

 

  【ナターシャ】(*゚∀゚)
   「なにそれ意味ぷー。※9」

 

  【ミーシャ】
   「あなたのお父さまってそんなひょうきんな方だったの ?」
    「たしか運送業やってる任侠一族じゃなかったの ?」

 

  【ナナ】
   「他の家族が居ないワンコと二人きりでいるときだけだよ。」

 

  【ミーシャ】
   「それをなんでナナが知ってるワケ ?」

 

  【ナナ】(・o・)
   「隠れてコッソリ見てたから・・・。」

 

  【ナターシャ】
   「なにそれっ!?」
    「その様子を脳内ストレージの動画を、家族の前で再生してあげたら、盛り上がってなんだか楽しそう。」

 

  【ナナ】(-_-;)
   「そうなったら、お父様はたぶん切腹すると思うな。」

 

  【ナターシャ】(-_-;)
   「ぁ、そう・・・。」

 

  【ナナ】
   「でも、クールなさえ教官に似合わないわ。」

 

  【ナターシャ】
   「そうね、ないわね。」

 

 


一方でそのさえ教官の自宅マンションでは、およそ理解が困難な、珍妙な踊りを舞っていた・・・。
するとクロはおもむろにベッドから降りて部屋の隅の猫砂にしゃがみこんで用を足し、
無視される形でさえのスキンシップは終了を迎えた。

 

 

  【サダッチ】
   「その、さえ教官とみさ教官は、たまに泊まりに来るわよ。」
    「東郷教官が来る前までは、寮の監督責任者として交代で泊まり込みしていましたから。」

 

  【サッチ】
   「最初は寮母さん的な役割だったんだけれど、今はセッちゃんが寮母さんのようなもので、東郷教官も住んでいるので、ふだん彼女たちは自分のマンションに帰ってるわ。」
    「たまに来るくらいかしら。」

 

  【セッちゃん】
   「じゃ、先にはじめちゃおうか。」
    「東郷教官の帰りを待っていたら、せっかくのお料理も冷めてしまいますし。」

 

  【ナナ】
   「そうね。」

 

  【セッちゃん】
   「お口に合うといいのだけれど。」
    「お二人は普段はどんなご飯を食べているの ?」

 

  【コハル】
    「肉ですね。」

 

  【ナナ】
    「どんな ?」

 

  【コハル】
    「どんな ?って、猫族とか猿族とかな。」

 

  【ナナ】
    「私達のような ?」

 

  【コハル】
    「まぁ、私達やあなた達のように知性体として進化したタイプではなく、獣のまま進化が停滞している種を工場で養殖しているのよ。」

 

  【ナナ】
   「そ、そうなの・・・。」
    「なんだか複雑ね。」

 

  【コハル】
    「オロチ人からすれば私達もエサですけどね。」
    「この宇宙では弱いものが狩られる。 知性があるない関係ありませんわ。」

 

  【コハル】
    「それが宇宙という単一世界の絶対ルール。」
    「嫌なら抵抗すればいい。 それだけの事です。」
    「だから戦うのです。」

 

  【コユキ
    「くしゅんっ!!」

 

  【ナナ】(゚д゚)!
    「あらどうしたの ?」
    「風邪かしら ?」

 

  【セッちゃん】(,,゚Д゚)
    「エアコン強かったかしら ?」

 

  【コユキ】(-_-;)
   「大丈夫。」

 

  【コハル】
   「きっと地球の気候が涼しいからだと・・・。」

 

  【ナナ】
   「これで涼しいの ?」

 

  【コハル】
   「ええ、私達の星系では、平均気温が50度くらいありますから。(この単位であってるのかしら ?)」

   「40度は少し肌寒いわね。」

 

  【サッチ】
    「40度で肌寒いの?」

 

  【セッちゃん】
    「エアコンで、30度まで温度を下げているけれど、温度管理を考えなければなりませんね。」

 

  【サッチ】
   「しかし50度って考えられないわね。」

 

  【サダッチ】
    「そのうち、この星系もそうなるわよ。」

 

  【コハル】
    「そうね、あと数千年くらいすれば地球の気温もそれくらいになるでしょうね。」

 

  【ナナ】
    「どうしてわかるの ?」

 

  【サダッチ】
    「このアトランティス星系(太陽系)がダイダロス(天の川)銀河のアームから抜けつつあるのよ。」

 

  【サッチ】
    「銀河を周回する恒星系はすべてが同じ速度で回っているわけではなくて速度にばらつきがあるからね。」

 

  【サダッチ】
    「アームの中に収まっている間はアトランティス星系の周囲にも他の恒星系が密集するので、それぞれから放射される大量の宇宙放射線が降り注ぐわけだけれど、アームを抜ければ受ける宇宙放射線の量も格段に減少する。」

 

  【サダッチ】
   「宇宙放射線の量が減れば雲を形成する事が困難となり、その雲が減少する事で気温が上昇する。」

 

  【コハル】
    「大気を持つ惑星なら、この宇宙すべてに共通する基本的な気象現象よ。」

 

  【サダッチ】(-_-;)
    「あなたの脳内ストレージにもきちんと記憶されている筈よ。」

 

  【ナナ】
    「あははは、めったに使わない知識は圧縮して容量を空けているからすぐに思い出せなくって・・・。」

 

  【サダッチ】(-_-;)
    「貴女はいつもそのパターンね。」

 

 

 

 


しかしそのせっかく歓迎会も、警報により水を差される格好となった。

 

  【コハル】(゚д゚)!
   「何のサイレン ?」
    「空襲 ?」

 

  【サダッチ】(-_-;)
    「まぁ似たようなものね。」

 

  【サッチ】(-_-;)
    「どうせいつものシナ空軍の偵察機の侵犯でしょう。」


"居駒"の防空システムが大阪湾から高速で侵入してくる無人機の機影を捉え警報を発していた。
たかだが 3m ぽっちのサイズでしかない無人機とは言え、プロペラで12時間を滞空し、緊急時には大事な記録画像を持ち帰るために、プロペラを収納すると、緊急用マイクロジェットにより時速800Kmにまで一気に加速して離脱を図る高性能なモノを飛ばしてくる。

この分野では携帯端末と同じ部品で作成できる強みを生かしたシナの技術が突出しており日本は出遅れていた。

 

  【コハル】
    「あの国と戦争状態なの ?」

 

  【サッチ】
   「散発的には小競り合いはあるわね。」

   「でも大規模戦争にまで至ってないわ。」

 

  【コハル】
    「迎撃はしないの ?」

 

  【サッチ】
    「いちおう今夜はウチの学園がアラート待機しているので、5分待機組が先発としてもう出てる筈だわ。」
    「たいていは戦闘鬼を繰り出せば、引き下がっていくので大丈夫よ。」
    「実際に何度かドローンを撃ち落としていますしね。」

 

  【サダッチ】
    「まぁ、相手も落とされても人的被害のないドローンを投入しているから、
    こちらも遠慮なく発砲しているけれど、友人機なら大騒動になってるわ。」

 

  【サッチ】ヽ(=´▽`=)ノ
    「この前、広島で派手にやらかしましたからね。」

 

  【サダッチ】┐(´д`)┌
    「ええ、あの時はさすがに最後には日本軍が出てきましたけどね。」

 

  【コハル】
    「 ん ? 日本軍は防衛には参加しないのですか ?」

 

  【サッチ】
    「日本は先の対馬戦争を戦った反動が出ているのよ。」
    「復興事業が優先され防衛予算は半額に減らされ日本軍はそうホイホイと迎撃機をだせないのよ。」
    「なのでレーダーでたちまち危険ではなさそうと判断した場合は、彼らは最初から迎撃してこないの。」

 

  【コハル】
    「自国の防衛がままならないくらいに軍資金が不足しているのですか ?」
    「そういう軍がわざわざ私達の星系にまでやってくるというの ?」

 

  【サッチ】
    「そうだよ。」

 

  【コハル】
    「だ、大丈夫なのかな ?」

 

  【サッチ】ヽ(=´▽`=)ノ
    「大丈夫だよ。」
    「なんだかんだ言っても日本軍は世界最強の兵隊さんたちですし、出兵に必要な資金はアトランティス側が全額負担していますので万全な状態で作戦に参加すると思いますよ。」

 

  【サダッチ】
   「それに派遣に伴って日本の兵力も縮小されるので、その保証としても相当額が支払われるので日本軍としても慢性的な人手不足に悩むアトランティス艦隊に兵員などの要員を派遣する見返りとして防衛予算の不足分を補っているのよ。」

 

  【サッチ】
   「ただそうやって予算をやりくりできても、軍人が艦隊へ派遣されてるがために今度は肝心の自分ところの部隊が兵員不足に陥ってるんですけどね。」

 

  【サダッチ】
   「だから普段の日本軍の動きは鈍いのよ。」
    「そしてそれをいいことに、シナは占領した琉球国から四国沖へとメガフロートを進出させてメタンハイドレートの採掘基地を構築し、周辺警備の名目で度々日本領内に侵入してくるの。」
   「しかも最近になって、このヤマト盆地の領有権も主張しだして係争地域になってるわ。」

 

  【コハル】
   「どうしてこの地をシナの領土と主張するようになったの ?」

 

  【サッチ】
    「太古にこの地を治めていた政権が、シナや朝鮮から大量の移民や文化を受け入れていたのが属国だった証拠だと言うのよ。」
    「属国とは、すなわち自分の領土である証だと主張しているわ。」
    「だから、このヤマト盆地に偵察機を飛ばしてくるの。」

 

  【サダッチ】(-_-;)
    「まぁ本音は月へ至る宇宙エレベーターが狙いなんでしょうけどね。」



   【ナナ】(-_-;)
    「とりあえず、これでまた教官の帰宅はさらに遅くなるわね。」

 

  【サッチ】
    「病院に戻るの ?」
    「もっと食べて行けばいいのに。」

 

  【ナナ】
    「う、うん、戻ったら検査があるしね。」

 

  【ナターシャ】
    「アイツ(東郷)に伝言あるなら言っとくよ。」

 

  【ナナ】
    「ううん、別にいい。」

 

  【ナターシャ】
    「そう。」

 

  【ナナ】
    「じゃ、もう病室に戻るね。」

 

  【サッチ】(*゚∀゚)
    「ぁ、私、チャリで送っていくよ。」

 

  【ナナ】(-_-;)
    「二人乗りは禁止。」
    「ってアンタ生徒会でしょ。」

 

  【サッチ】
    「じゃ歩いて。」

 

  【ナナ】
    「そう ? それならいいわ。」
    「ありがとう、こころ強いわ。」

 

  【コハル】
    「今夜はありがとう。」
    「気をつけてね。」

 

  【ナナ】
   「ありがとう。」
    「また明日学校でね。」

 

 

 

 

その頃、アトランティス星系にほど近い無名の中域

 

  【掃討群体作戦オペレーターA】
   「敵群体を捕捉しました。」
    「距離200リメル」
    「勢力は約1000匹余り」
    「さっき逃した残党のようです。」

 

  【作戦参謀】
    「この先は、群体司令部から通達されている侵入制限区域があります。」
    「逃げ込まれると追撃が困難となります。」
    「如何なされますか ?」

 

  【司令官】
    「群体を分割して、一方を超短距離ジャンプで回り込んで逃げられなくできないか ?」

 

  【作戦参謀】
    「そうですね。」
    「我が方の群体から2000匹くらいを割いて、敵の退路を塞ぎましょうか ?」

 

  【司令官】
    「そうだな。」
    「よし、そうしてくれ。」
    「先日、裏切り者を取り逃がしてしまったからな・・・。」
    「今度は逃げられる前に完全駆除してやるぞ。」

 

  【作戦参謀】
    「はっ!」


  【掃討群体作戦オペレーターB】
    「まってくださいっ!!」

 

  【作戦参謀】
    「どうした ?」

 

  【掃討群体作戦オペレーターB】
    「これを見てください。」
    「センサーに見慣れない反応が・・・。」

 

  【作戦参謀】
    「ダイダロスか ?」

 

  【司令官】
    「何事だ ?」

 

  【作戦参謀】
    「ぃえ、大したことありません。」
    「制限区域内に展開している小規模な群れを発見しました。」
    「どうやらダイダロスの迷子のようです。」
    「重力探査を行っている痕跡はありませんので、戦意は無いようですが・・・」
   「掃討しますか ?」

 

  【司令官】
    「そうだな、しかし、まずは1000匹のほうを先に叩く。」
    「迷子のほうはその後だ。」
    「重力探査を行っていないという事は戦意が失われているんだろう。」

 

  【司令官】
    「なら、後回しでいい。」

 

 

 

 

アメリカ空軍宇宙艦隊

 

  【司令官】
    「アンドロメダ艦隊というのは間違いないのだな。」

 

  【戦術士官A】
    「はい、アトランティス艦隊のデータベースと照合しました。」
    「間違いありません。」

 

  【戦術士官B】
    「重力探査を受けましたので、こちらの位置は完全に補足されていますが、ダイダロス艦隊の追撃を優先しているものと思われます。」

 

  【司令官】
   「撤退中のダイダロス艦隊を支援する。」

 

  【艦長】
    「酸素重力開放発令!!」
    「全艦戦闘配置」

 

警報が伝達されると5分後には艦内のすべての空気を抜いて真空状態になり、重力もカットされるので全員が酸素供給機能を持ったスーツを着装しなければならない。
これは戦闘被弾時の火災延焼を食い止める事を目的としているが、医務室等の生命維持が特別に必要な一部の区画は酸素の供給は継続される。


   【司令官】

   「数においては我々は圧倒的に不利だが、敵は我々の正体を良く知らん。」
   「いつものように我々の武器システムを把握される前に叩くぞ。」
    「そして殲滅する。」

 

  【アトランティス艦隊 連絡将校】
    「そのとおりです。」
    「くれぐれも私達の正体が明るみに出ることは避けて慎重に任務を遂行してくださいね。」

 

地球艦隊はまだ生まれたてのヨチヨチ歩きと同じ状態。
一部の例外を除いては地球人が宇宙艦で艦隊行動をとり、さらにアトランティス艦隊とともに作戦を遂行するにはまだ難易度が高く訓練が必要であり、慣熟するまでは敵側に知られるわけにはいかなかった。
なので隠密行動しつつ比較的に小規模なアンドロメダ艦隊に対して戦闘を仕掛けて経験値を積ませていた。


  【戦術士官A】
   「フォーメーション・ライト消灯(※10)、全艦所定の位置につきます。」

 

密集隊形から戦闘隊形へと陣容を変化させつつ、フォーメーション・ライト消灯すると
光を反射しない光学迷彩の艦体は宇宙の闇に溶け込んで光学的に識別出来なくなった。


   【戦術士官A】
   「各艦、武器システムのオンラインを確認。」
    「Links88、データリンクを開始しました。」

 

  【アトランティス艦隊 連絡将校】
    「ナノマシンの使用権限を付与します。」

 

艦隊戦では大量のナノマシンを消費するが、そのナノマシンを駆動するには
隊司令部の認証が必要となる。
ただアトランティス艦隊の連絡将校が乗り込んでいる場合は、連絡将校がナノマシンの使用権限を艦隊司令から預かっており、艦隊司令部のサーバーにアクセスする事無くナノマシンの使用が可能となる。


  【シスターA】(※11)ナノマシン術者
   「ナノマシンの使用認証を頂きました。」
    「これよりサイキックジェネレーターの最大出力運転を開始します。」

 

  【艦長】
    「わかった。」

 

  【艦長】
    「魚雷いつでも使えるように全艦へ通達しておけ。」

 

  【戦術士官A】
    「了解っ!」

 

艦長はおもむろに魚雷に装填する核弾頭の起動キーを入力する端末を起動させた。
銀河間で使用している魚雷は、我々地球人の洋上(水中)艦隊が使用しているいわゆる通常弾頭ではなく、核弾頭が使用される。
つまり、魚雷を撃たれたという事は、核を撃ち込まれたと同義なのである。

 

  【艦長】
   「それから、近接対空戦闘の準備もしておけ。」
    「ただし、SPY-3Sは突撃開始まで切っておけ」
    「そのぶん周囲の警戒を厳にせよっ!!」

 

  【戦術士官B】
    「了解」

 

  【司令官】
    「さて、戦闘開始とするか」

 

  【艦長】
    「重力バレージ開始っ!!」

 

  【戦術士官B】
    「重力バレージ開始しました。」

 

  【艦長】
    「最優先脅威のターゲットから順次破壊する。」
    「Mk-77全プロックのSGM-123A・・・」

 

  【艦長】
    「・・・」

 

  【艦長】
    「全弾発射!!」

 

  【戦術士官A】
    「発射!!」

 

戦術士官が発射ボタンを押すと、VLSのキャニスターのフタが開き、SM-8、正式名称 SGM-123A 対艦ドローンが1発ずつ順番に発射されていく。
カラになったキャニスターは直ちにフタを閉じ、次弾を装填する。
Mk-77は、基本的には洋上艦が装備しているVLSと同じだが、発射機と弾薬庫と兼ねているイージス艦たちとは異なり、艦体規模が大きいので宇宙艦には再装填機構が付与されている。

 

  【艦長】
   「全艦亜光速ドライブ点火、突撃を開始!」

 

  【操舵士】
   「亜光速ドライブ最大戦速!」

 

対艦ドローンは直線では飛翔せず、事前にプログラミングしたルートで迂回しながら目標に届く。
だが熱量が大きいので敵のセンサーにも掛かりやすく、艦をただちに発射位置から遠ざけた。

 

  【艦長】
   「シールド展開っ!!」

 

  【シスターB】
   「人工電子結界、術式展開っ!!」(※12)
    「サタンさまのご加護があらんことを」

 

  【艦長】
    「まいどまいど思うのだが、神でないのが違和感があるな」

 

  【シスターA】(*´艸`*)
    「ええ、私達は悪魔ですから♪」

 

  【戦術士官B】
    「シールドの展開を確認しましたっ!」

 

  【艦長】
    「全艦 主砲、トリプルHEAT装填っ!!」

 

  【戦術士官A】
    「トリプルHEAT準備よしっ!」

 

  【シスターC】
    「トリプルHEAT弾に放熱術式展開っ!!」

 

シスターが放った術式は法術回路を通じて各砲塔に伝達され、砲弾1発ずつに施術されていった。

 

  【シスターC】
   「これで放熱は抑えられるので敵センサーには掛かりにくくなる筈よ」

 

シスターからの報告を確認すると艦長は号令を発令した。

 

  【艦長】
   「よし、全艦砲撃開始っ!!」

 

※1.ヘイトスピーチ厳格化法案
  対馬戦争勝利後、統一朝鮮との和睦を円滑に進めるために可決された法律で統一朝鮮やシナに対する批判的な言論を制限する事を目的としている。
  当時の政権与党内の親シナ、親朝議員を中心にして成立されたがその後に勃発する事になるシナ軍と統一朝鮮による倭の国奪還作戦勃発を機に同法律は廃止され、設立に加担した議員たちは国家反逆罪により処刑された。
  ※一部の議員は反対する政治結社により暗殺されている。


※2.リムパック
 環太平洋合同演習と呼ばれ、各国との共同作戦の能力向上を目的としてほぼ2年に一度開催されている。
 日本海軍は自衛隊の時代から参加しており地球最強を誇るアメリカ海軍を唯一倒せる海軍として名を馳せている。

 

※3.第5過程・・・アトランティスでの学業単位、日本で言う、高校2年に相当し、基本戦術の訓練やメカの整備方法などを学習する。
  ナノスキルを磨くため学園内の警備を担当する。
  第6過程・・・アトランティスでの学業単位、日本で言う、高校3年に相当し、現地実習等より実戦的な経験値を習得する。
 実力が高いと艦隊から招集を受ける場合がある。

 

※4.B1-B
  アメリカ空軍が配備していた、超音速爆撃機で予備役として保管されていた機体を日本空軍がアトラミス救援作戦に投入する目的で買い取った。

 

※5.バックファイアS2型
 ロシアが開発した戦術爆撃機
  過去の冷戦時代に開発された旧式機だが性能が安定しており、未だ現役として活躍している。
  このS2型はアップグレードされたばかりの最新型の機体。

 

※6.JDAM
 統合直接攻撃弾と呼ばれ、衛星からの信号やレーザーによる誘導で精密攻撃が可能な爆弾で簡単なキットで普通の爆弾もJDAM仕様に仕立てることができる。

 

※7.天使
 アンドロメダ艦隊は、枢機神【1-5-5】(※2)と呼ばれる意思決定機構、いわゆる "神" が決定した内容について配下の星系の艦隊が "天使" として銀河各地へ派遣され、忠実に作戦が執行される。

 

※8.堕天
  アンドロメダ艦隊に属していた "天使" が、"神" の罰によりアンドロメダ艦隊からの任務を解かれる事を "堕天" と呼ばれ粛清の対象となる。
  "堕天" に堕ちた天使は他の天使の攻撃を受け消滅する。

 アトランティスも元天使で、現役の堕天ではあるが、堕天に堕ちた天使は決して生き残ることが無いため
アトランティスの生き残りが存在している事は、アンドロメダ艦隊内部でも秘密にされておりアトランティスの残党が潜むと想定されている星系はアンドロメダ艦隊は立入禁止区域を設定しアトランティスとは接触しないように管理している。
  とは言っても両者が偶発的に接触して散発的な戦闘状態になることも頻発しており、そのたびにアトランティスと交戦したアンドロメダ艦隊には厳しい緘口令が敷かれるが兵士全員の口を塞ぐことは不可能で、アトランティスが生き残っている噂が"アトランティスの亡霊" として漏れ伝わる事態となっている。

 

※9.意味ぷー
 意味がぜんぜん解らない事。

 

※10.フォーメーション・ライト(艦隊密集航行灯/編隊飛行灯)
 元々は航空機が夜間飛行するために編隊飛行を維持するために近距離でようやく視認できるように光らせる発光器。
  アトランティス艦隊では宇宙に溶け込む光学迷彩を艦隊に塗布しているため光学的にまったく視認する事ができず、これが逆に艦隊行動を難しくするためにフォーメーション・ライトが設けられている。
  艦首、艦中央、艦尾に決められた形のライトを付け、さらに航行識別灯によりフネの向きや姿勢を宇宙の暗闇の中でも把握できるようになる。
  このライトがないと艦隊は密集隊形をとれず、レーダーを使おうものなら敵艦隊にも自分の位置を知らせてしまう危険を晒すことになる。

 

※11.シスター
 フネに乗艦する術者の総称で欧米の艦隊ではシスター、あるいはブラザーと呼ばれ、日本艦隊では巫女、あるいは禰宜(ねぎ)と呼ばれる事が多い。
  アトランティス艦隊のフネは AI がフネ全体を管理し、基本的な術式も使用するがシスターや巫女が展開する術式は、AIが発揮できる能力を遥かに上回っている。
  この為、シスターや巫女がフネをサポートする形で装備に術式を展開することで戦闘力や防御力を大幅に向上させる役目を担っている。
  同型艦であっても術者の能力で発揮できる性能が大きく変わってくる大変重要な役職である。


※12.人工電子結界
 各艦には人工電子結界と呼ぶシールドを展開する装置が装備されているが、装置単体では機能せず、乗艦している術者の固有スキルが合わさって防御システムとして機能する。
  さらにサイキックジェネレーターによるアシストを得て、効果が何十倍、何百倍にも引き上げられフネを鉄壁に防御する。

 

 

 

 

 

 

 

 

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