アトランティスの亡霊 アトランティス 亡霊 宇宙艦隊 ナノマシン 人工電子結界 陸戦型戦闘機 先進型機動甲冑 小説 SF 学園 軍事 鬼 悪魔 ミリタリー イラスト 美少女 萌
読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-2-1】不良娘の悪だくみ

【02】不良娘の悪だくみ

不良娘の悪だくみ

f:id:GhostofAtlantis:20150412203151j:plain

原作イラスト提供 きゅーぶ先生

 

 

【1-2-1】


■不良娘の悪だくみ

    重工学部 地下部室
    体育館(別名屋内バトルフィールド)の地下にある大きな部室だ。
    ここで開発した装備は、エレベーターで直接体育館に搬入できるようになっている。

    そんなちょっと薄暗いけれど、ひんやりとした部室に足を踏めいれた。
    【東郷】
        「福田くん、ちょっと手が空いたら来てくれ。」

    ちょっと奥のほうから返事が返ってきた。
    【フクちゃん】
        「ぁ、今大丈夫です。 行きます。」
        「なんでしょう?」
        この忙しいときになんなんだよ。

    【東郷】
        「この忙しいときになんなんだよ。・・・と思うかもしれないが」
    【フクちゃん】
        ぇっ!? なんでわかったのだろう?

    【東郷】
        「君の技能スキルを記録データから見せてもらった。」
        「いろいろ悪さもしているなぁ。」
        「ナノリンク・ネットワークをパソコンからハッキングしたところを捕まったんだってな。」
        「で、刑務所のかわりに、この学園に放り込まれた・・・ってわけだ。」
        「しかし、良い意味でも、悪い意味でも、ハッカーとしていい腕しているな。」

    【フクちゃん】
        「それはイヤミのつもりですか?」
        「ボクには褒め言葉に聞こえますが」

    【東郷】
        「最大級のな。」

    【フクちゃん】
        !!

    【東郷】
        「フクちゃん?とでも呼べばいいのかな?」
        「ハッカーとしての腕を見込んで頼みたい仕事がある。」
        「リストはこれをみてくれ。」

    PDA端末を受け取りリストに記載されている内容を一読する。
    【フクちゃん】
        「ナノリンク・プライベートファイアーウォールの強化ですか?」

    【東郷】
        「そうだ。」
        「君が証明したとおり、ナノリンク・ネットワークはパソコンから侵入が可能だ。」
        「本来は鉄壁の防御であるはずのネットワークが侵入可能だということは、万一よからぬ企みをもつ者が侵入すると、意識を乗っ取られ、操り人形のように犯罪に利用される可能性がでてくる。」
        「そこで、侵入ノウハウをもつ君に、対抗手段を講じてもらいたいわけだ。」

    【フクちゃん】
        「ハッカーのボクを信用しちゃっていいんですか?」

    【東郷】
        「もちろん信用するさ。」
        「私はこれでも、ハッカーとクラッカーとの意味の違いを認識しているつもりだよ。」

    【フクちゃん】
        ・・・。
        この先生、ボクと同じにおいがする。

    【東郷】
        「期限は5月末だ。」

    【フクちゃん】
        「理由は?」

    【東郷】
        「日本政府に対してシナと統一朝鮮からの政治圧力があり、6月からこの学園に留学生がやってくる。」
        「おそらくアトランティスにたいしての情報収集活動と思われる。」
        「それまでにナノリンク・ネットワークのセキュリティを強化しなければならない。」
        「これは、ナノ技術流出を阻止したい王室近衛隊からの要請なんだよ。」

    【まっちゃん】
        「しかし、先進型機動甲冑(※1)の開発はどうしましょう。」
        「いくつかのバリエーションを試作中ですが、夏までにすべての機体をロールアウト(※2)させたいのですよ。」
        「文化祭にお披露目したいのに間に合いません。」


            ※1 先進型機動甲冑・・・別名、陸戦型戦闘鬼
            ※2 ロールアウト・・・陸戦では初めての歩行動作をさす。 

   【東郷】

        「もちろん、王室のほうでは学生でありながらハヤブサ陸戦を開発したスキルを高く評価しているさ。」
        「最初に陸戦の開発に成功した帯締学園 重工学部のハヤブサは今や事実上のデファクトスタンダードとなっているからね。」
        「そこで、無理をお願いするお詫びのしるしとして、近衛隊企画開発部からそのリストの下のほうに記載されている基礎技術の設計データの提供を申し出てきてくれたんだ。」

    【フクちゃん】【まっちゃん】
        「陸戦動力システム概念資料」
        「陸戦武器システム概念資料」

    【フクちゃん】
        「動力システム概念資料って・・・・。」

    【東郷】
        「たとえば、陸戦は電池駆動であるいじょうは稼働時間に制約がある。」
        「これは一度戦闘に突入すると数週間や数か月以上も戦い続けなければならない戦場では、稼働時間が短いのはかなりキビシイ。」
        「いかに稼働時間を延ばすか? という技術的な案や課題等々が記載された資料だ。」
        「実験はしてみたが失敗したとか、理論だけでまだ実現されていないとか、そんなのも含まれている。」
        「しかし方法を変えればなんとかなるかもしれない・・・。」
        「もし、なんとかできるのであれば、やってみる?・・・と言う意味で渡された資料だな。」

    【まっちゃん】
        「この武器システムは?」

    【東郷】
        「アトランティス軍が開発している陸戦用装備の基礎研究資料だ。」
        「シールドシステムから手持ち火器システムまで、幅広い装備に関しての構想段階のものから実際に試作されたものまでいろいろと資料がそろってるよ。」
        「この資料ではまだ兵装としては実用化されていないものがほとんどなんだ。」
        「しかし理論だけでも十分に参考になると思うよ。」

    【フクちゃん】
        「うーーん。 たしかに、ボクたちには、これらの資料はとても魅力的だ。」
        「まさに宝の山だ。」
        「しかし・・・。」

    【まっちゃん】
        「予算がねぇ・・・。」
        「重工学部はいつも慢性的な予算不足に悩まされているのよ。」
        「工具や計測機器などはネットオークションや、でんでんタウンを徘徊してようやく見つけたバーゲン品を使っているのよ。」

    【東郷】
        「予算については、気にしなくてよろしい。」

    【フクちゃん】【まっちゃん】
        「えっ!?」
    めをパチクリさせた。

    【東郷】
        「重工学部に近衛隊の開発室別室を設けることで、建前上の共同開発ということにしたから、近衛隊の研究開発費の一部が、この重工学部に入ってくることになったんだよ。」
        「企業スポンサーを数多くそろえる添下学園ほど潤沢な資金ではないが、それでも学校予算ではなく、王室から予算が下りてくる意味はとてもでかいよ。」
        「そのかわり、ここだけの話だけれど、君たちには近衛隊開発部へも出向いてもらうよ。」

    【フクちゃん】
        「なにしに?」

    【東郷】
        「新造戦艦の開発計画があるんだ。」
        「超ヒミツのプロジェクトなのでそれ以上の話はできないが・・・。」
        「君は一度でいいからフネを設計してみたいとプロフィールに書いていたね。」

    【フクちゃん】
        「あれは、あくまで希望ですよ」
        「私の今の腕では、フネはまだまだ設計できません」

    【東郷】
        「勉強すればいいさ」
        「この分野はエンジニアが不足しているので将来はいい給料もらえるぜ」

    【まっちゃん】
        「すごいですよ先輩っ!!」
        「先輩の腕なら絶対にいいフネ作れますよ!」

    【フクちゃん】
        「す・・・すごすぎて、鳥肌が立ちそうです。」
        「私には無理と、あきらめていた分野でしたので・・・。」
    普段は感情を表に出さないタイプだが、さすがにうれしそうだ。

    【東郷】
        「協力してくれるかな?」

    【フクちゃん】【まっちゃん】
        「もっ、もちろんですっ!!」

    【まっちゃん】
        「忙しくなりそうですね。」

    【東郷】
        「なので、人員が不足するようであれば、近衛隊の開発室のメンバーや他の企業から応援をよこしてもらう。」
        「私にいってくれ。」
        「手配しよう」

    【フクちゃん】
        「先生は何者なんですか?」


    PDAを先生に返しながら聞いた。
    【東郷】
        「私か?」
        「"今は" フツーの教師さ。」
        「じゃ、教官室に戻るわ。」
        「システム概念資料はあとで、メールしといてやるよ。」

    振り向くことなく、片腕だけ軽く上げてあいさつして部室を出て行った。

    【東郷】
        「帰りはちゃんと戸締り忘れんなよ。」

    【まっちゃん】
        「この前まで、大阪で働いていたらしいよ。」
        「働く大人の人ってカッコいいなぁ♪」

    【フクちゃん】
        「あんなのが好みなのか?」
        「服装も鉄工所の作業員みたいで超ダサイし・・・。」

    【まっちゃん】
        「あらいいじゃないの。」
        「先輩は小畑さん一途なんだからカンケーないでしょ。」
        「しかし、先輩のほうこそ、あんだけ小畑さんに冷たい態度されてても、あの人のどこがいいのかしら。」

    【まっちゃん】
        「それより、全国の鉄工所の作業員さんに謝りなさいっ!!」

    【フクちゃん】
        「なんでだよ。」

    【まっちゃん】
        「さっき、モノづくりの大先輩たちにものすごく失礼なことを言った。」

RSS Feed Widget