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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-6-1】なのましんは魔法でもない!!

なのましんは魔法でもない!!

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原作イラスト提供 きゅーぶ先生

 

 【1-6-1】



    ハヤブサ・・・帯締学園が開発した、オロチ戦との近接格闘戦を想定した先進型機動甲冑のシリーズ名でマシンによるアシストがあるとはいえ、人類いや宇宙おいてオロチを相手に互角に戦える初の格闘兵器である。
    このタイプのマシンは、学園では陸戦型戦闘鬼と呼称しているが、一般的には AMP(Advanced Mobile Powerprotect) として、世界各国が開発にしのぎを削っている。
    ハヤブサは性能的にはまだ発展途上ではあるが、学園ではこの機体の能力と信頼性向上に日々努力しており、現在では、オロチの襲撃や未確認戦闘鬼に対するアラート待機に就いている。


    そのアラート待機中であるハヤブサの、おみくじ機とトミちゃん機は、両名が到着する頃には、メインパワーが投入され、すでに AL-TRON が起動していた。
    ハヤブサは背部装甲が開く構造となっており旧式の宇宙服のような感じに背中から足を突っ込む感じで着込んでいく。

    支援 AI によりあらかた主要な機体のチェック項目がクリアされており、左脚部は膝を地面につけて前かがみとなり、パイロットがハヤブサ(機動甲冑)を着込みやすく姿勢を低くして待機状態に入っていた。

    搭乗時のステップ代わりとなっている後ろへ差し出した右腕は、子供におんぶを促す母親のような姿勢だが、その臨時のステップを軽く踏み越え、左足からハヤブサの脚部に突っ込んでいく。
    すると AI は自動的にパイロットが搭乗した事を認識し、背部装甲が閉じられた。

    内部は暗闇につつまれたが、ナノリンクによりハヤブサとのリンクが行われたことで、ハヤブサの複眼カメラが得た映像が脳内モニターに投影され、自分の目で見ているのと同じ状況が創りだされる。

    【支援AI】
        「オハヨウゴザイマス」
        「ハッシンジュンビ・ハ・デキテイマス」

    【おみくじ】【トミちゃん】
        「メインパワー、スタンドアロンにスイッチ。」

    【支援AI】
        「リョウカイ」
        「めいんぱわー・すたんどあろんニイコウ」

    外部から供給されていた電力が内蔵バッテリーへ切り替わり自立行動ができるようになる。

    グランドクルーが数名がかりの台車でエルコン・対戦車ライフルを運んできた。

    【グランドクルー】
        「護身用リヴォルバーは初弾は空砲ですが、エルコンは全弾実包なので注意して下さい。」
        「予備マガジンは2個。」

    【おみくじ】
        「ファルコン01 了解!」

    【トミちゃん】
        「ファルコン02、了解!」


    今回はオスプレイによる空挺降下ではなく、短距離高速展開用のブースターで高度1万mまで打ち上げられる。
    フリーの姿勢となったハヤブサをリフトが掴み、ブースターに据え付けられていコフィンセルに固定され、打ち上げ体制が整った。
    ロケットの先端のようにフェアリングは装着されない。
    これは打ち上げ上昇中でも上半身だけで戦闘が出来るように配慮されているからである。


    グランドクルーから通知された装備の内容と、ハヤブサが読み取った装着内容とが一致している事を確認する。

    【おみくじ】
        「アーマメントリスト、チェック」
        「チェック OK」

    【トミちゃん】
        「アーマメントリスト、チェック」
        「チェック OK」


    2機のハヤブサはグランドクルーにサムアップで異状なしを報告する。
    それを見たグランドクルーは退避し発進に備える。

    すべての準備が整ったことを確認すると、いよいよ発進カウントが開始される。

    【発進管制官
        「発進、30秒前」

    【トミちゃん】
        「この瞬間緊張するね」

    【おみくじ】
        「心配するな」
        「一度も失敗したことないだろ」

    【トミちゃん】
        「うそつき」
        「緊張しているくせに」

    【おみくじ】
        「ぱれた ?」

    【トミちゃん】
        「もちろん。」
        「ナノリンクでつつ抜けよ。」


    すでに数度のスクランブルを経験しているとはいえ、やはりこの打ち上げの瞬間は緊張する。

    【発進管制官
        「発進、15秒前」

    15秒を切ると、管制官がカウントを読み上げるようになる。


    【発進管制官
        「10」
        「9」
        「8」
        「7」
        「6」
        「5」
        「4」
        「3・・・」

    【トミちゃん】
        「?」

    【おみくじ】
        「ウェイトした ?」

    3秒前でカウントが停止した。

    【支援AI】
        「ビョウヨミガ・テイシサレマシタ」

    【おみくじ】
        「何かトラブルか ?」

    【発進管制官
        「すいません、現在確認中です。」
        「しばらくお待ち下さい。」


    しばらく、無線の向こう側でなにやら話が行われていたが、その内容をノイズキャンセルアプリにより不要な雑音を除去したうえで聴覚ボリュームを引き上げて聞き耳を立てる。

    どうやら、添下学園がすべての不審機を追い返す事に成功したらしい。

    【トミちゃん】
        「出番はおあずけなのかなぁ ?」

    【おみくじ】
        「そのようだな」

    【支援AI】
        「デバンガナクテ・ゴメンナサイ」

    【おみくじ】
        「なんでお前が謝るのだよ。」

    【トミちゃん】
        「そうよ。 キミの責任ではないのよ。」

    【支援AI】
        「シカシ・イツモライバルバカリ・シュツドウシテ・ワレワレニデバンガナイ」
        「ハヤク・カツヤクシタイノデハ ?」

    【おみくじ】
        「そりゃそうだが・・・。」

    【トミちゃん】
        「こんなのは、出番が来ないほうがいいのよ。」

    【支援AI】
        「ソウナノデスカ ?」

    【トミちゃん】
        「そうなの。」


    しばらくしてナナが無線に出た。

    【ナナ】
        「発進は取り消しとなったわ。」
        「添下学園がすべて追い払ったそうよ。」

    【おみくじ】
        「そうらしいね。」

    【ナナ】
        「じゃ、着替えてひと休みしたら教室に戻ってきていいわよ。」

    本来は、終わったら直ちに教室に戻れと言いたいところだが、非常に緊張を強いられるスクランブルから解放されたあとはその反動が来るというもの。
    とりわけ青春真っ盛りの若いカップルとなれば緊張から解放されたらシタイことは一つしかない。

    本来学校というものは、不純異性行為として厳しく取り締まられている H行為も、アトランティスからすれば、種の保存は戦争に匹敵する最優先の課題でもあり、本校では特に規制はされていなかった。
    なので、ナナもさりげなく二人に配慮したのだ。

    【トミちゃん】
        「ナナ、ありがと。」

    【ナナ】
        「いいのよ。 ごゆっくり」




    シナ海軍/統一朝鮮海軍 琉球合同司令部

    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 A】
        「さきほど、倭国へ行った強行偵察機が追い返されたそうですな。」

    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 B】
        「倭国は以前よりは警備がだいぶ強化されているようだな。」

    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 A】
        「今回出てきたのは添下学園かサンダーボルトか・・・。」

    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 B】
        「そうだな。 まあハヤブサより新型なのでデータを得るにはちょうどよいだろう。」


    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 C】
        「最新の情報では広島の幸洋船渠宇宙事業部付近の防空は手薄となっているようです。」
        「大九野島に潜入した工作員の情報では、ドックに係留されている宇宙駆逐艦はここ2週間は動きがなく、やはり情報通り建造は打ち切られたようですな。」

    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 A】
        「しかし呉はどうする ?  あそこにはイージス巡洋艦がいるぞ。」
        「大型タンカーに偽装した鹵獲船は行きは警戒されること無く素通りできるとして、帰りは無事に通過できるかどうか。」

    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 C】
        「その心配は無用だ。」
        「とうぜんある程度の抵抗が予想され船体の損傷も想定済みだ。」
        「我が工作員がAMP部隊をもって幸洋船渠を強襲し、幸洋船渠の造船技師を一網打尽に拘束する。」

    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 A】
        「現地スタッフを拉致する気なのかっ ?」

    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 B】
        「何もビビる事はないだろ。 拉致は君たちの専売特許みたいなものだろ。」
        「先日だって、貴官殿の大統領を批判した日帝マスメディアを1人東京でかっさらって、わざわざソウルに連れ帰って無期懲役に仕立てたばかりではないか。」

    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 A】
        「あれは、我が大統領を侮辱したと言う罪状があった為だ。」
        「小日本政府が罪人の引き渡しを拒否した為、仕方なく強行手段に出ただけで、見せしめないとまた大統領を侮辱する懸念がある。」

    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 C】
        「それは我々も同じだ。」
        「我々シナに敵対する兵器開発を行った日帝罪を適用するまでの事だ。」
        「小日本は人名を尊重するから、大量の罪人を押収した駆逐艦とともに鹵獲船に乗船させれば問題はない。」
        「絶対に攻撃はしてこないから、大手をふって呉を通過できるそ。」

    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 D】
        「しかし、小日本の軍隊は侮れないぞ。」
        「東海作戦では我が海軍は苦戦を強いられたぞ。」

    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 B】
        「苦戦だと ?  あれが苦戦と言うのか ?」
        「私には一方的な敗北に見えたがな。」

    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 A】
        「見解の相違というヤツですな。」

    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 D】
        「そうだ。」
        「たしかに我々は独島を失ったが、代わりに釜山から博多までの高速鉄道海底トンネルルートを入手した。」
        「博多侵攻の足がかりとしては独島のような小島を死守するより、はるかに戦略的価値が高い。」
        「我々は勝利したのだよ。」

    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 C】
        「倭国奪還作戦では、その海底トンネルが存分に活躍してくれる事を期待するぞ。」

    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 A】
        「当然だ。」
        「そのために独島と引き換えにしたんだ。」




    小一時間ほどしておみくじとトミちゃんが教室に戻ってきた時は、なにやら起きている雰囲気だった。
    その結果、翌日・・・

    帯締学園第6過程の生徒たちは、広島県忠海にやってきていた。
    

    【ナターシャ
        「見て見て、ほら、ウサちゃんがあんなにいっぱぁい♪」

    【ミーシャ】
        「ホントだモフモフがたくさんだぁ

    【ターニャ】
        「モフモフがたくさん・・・。

    【ナナ】
        「こらこら、はしゃがないの!」
        「遠足じゃないのよ。」

    【ナターシャ
        「わ、わかってるわよ。」


    【ナナ】
        「とりあえず、はやくトラックをフェリーから降ろしちゃって。」

    カーボンファイバー製の巨大なコンテナをけん引する2台のトラクターのエンジンが掛かり、ゆっくりと慎重にフェリーのランプから浮き桟橋へ降りて行く。
    トラクターとは、トレーラーの荷台をけん引するための運転席の部分を指す。
    真っ黒で巨大なコンテナは非常に重そうだが、カーボンファイバーでできているので意外に重量は軽い。
    中は、陸送用コフィンセルに固定されたハヤブサが格納されていた。

    【辻木運輸:運転手】
        「お嬢様、後ろのヤツどこへ運びましょうか ?」

    【ナナ】
        「人前で "お嬢様" と言わないのっ!!」

    【ナナ】
        ぅーーーん。 どこへ運ぼうか・・・。

    とりあえず、学園を出るときに手渡された地図を広げてみた。
    ここは校区外のためナノリンクのAPは整備されておらず、サーバーからのダウンロードは出来ない環境だった。
    もちろん脳内ストレージに格納すればいつでも地図はイメージとして理解されるが、今回はナノスキルを有していないスタッフも同行しており、古典的な紙地図を持参していた。

    ・・・が、その地図の見方がよくわからないのだ。
    よくよく考えると、自分用にはデジタルマップを事前に脳内ストレージに格納しておけばよかったのだ・・・。
    多少ヌケているところがクラス委員長である彼女の欠点でもある。


    【ナナ】
        「ねえ、サダッチ・・・地図の見方わかる ?」

    【サダッチ】
        「そんなの判らないよ。」
        「紙の地図なんて見たことないもの。」

    【サダッチ】
        「って言うか、なんで脳内にダウロードしなかったのよっ!」

    【ナナ】
        「ごめん、うっかり・・・。」


    【ナナ】
        「もしかしたら、サッチなら判るかな ?」
        「彼女も私と同じキカイオンチだから、機械が苦手なら、古い地図くらい読めるのでは ?」

    【サダッチ】
        「そのキカイオンチの貴女だって、地図読めてないでしょう!」

    【サダッチ】
        「サッチは今アソコにいるから、聞くのは無理ね。」


    サダッチが目を向けた方向は、桟橋のはるか向こうに見える巨大な造船ドックだった。

    【サダッチ】
        あちらも今頃ハヤブサの搬入作業が行われているとこね・・・。

    【ナナ】
        「あちらの進捗、気になる ?」

    【サダッチ】
        「ぇ、ええまあね。」
        「生徒会会長とはいえ、キカイオンチだから、うまくやれているかどうか・・・。」

    【ナナ】
        「あっちにはまっちゃんやフクちゃん達がいるから大丈夫よ。」
        「私達の任務は、彼女たちの護衛よ。」

    【ナナ】
        「しかし、この地図どうしたものか・・・。」

    【運転手】
        「お嬢様、その地図、ちょっと見せてください。」

    【ナナ】
        「判るのですか。」

    【運転手】
        「そりゃまぁ陸送会社の運転手やってますから。」

    ナナから地図を受け取ると、周囲を見渡して、地図を正しい方向に合わせた。

    【運転手】
        「現在地はここですね。」

    【ナナ】
        「島の西側に移動させたいの。」

    【ナナ】
        「ちょうどこの辺ね。」

    ナナが地図を指さした方向は現在地とは真逆の方角だった。


    【辻木運輸:運転手】
        「島はそう広くはないですのですが、道幅はギリ・・・かもしれませんね。」
        「休暇村ホテルを過ぎてすぐのテニスコートを抜ければ広い敷地に出られそうなので、そこで積み荷を降ろしましょう。」
        「とりあえず行ってみましょう。」

    【ナナ】
        「それでは移動させてくださいます ?」

    【辻木運輸:運転手】
        「かしこまりました。 お嬢様。」



    大九野島
    ここには太平洋戦争時、旧日本帝国軍の極秘の毒ガス研究所があった島だ。
    戦争が終わるまでは島の存在は秘匿されていたが、戦後になって一般に開放されるようになった。
    近所の学校で飼育していたウサギが飼いきれなくなって、この島に放たれたことから、自然に繁殖し、うさぎの楽園と言われて世界中に名が知れるようになり、海外からも多くの観光客が訪れている。

    この日も多くの観光客が訪れていた。
    パンフレットにはシナ語で書かれており、この人達もシナから訪れた観光客のようだ。

    【ナナ】
        日シ両国がいつ戦争始めてもおかしくない緊張したこのご時世に、日本に観光旅行に来れるわね・・・。

    と思いつつ。

    【ナナ】
        「すいません。」
        「トラックが通りますので、少し寄って頂けますでしょうか ?」

    シナ人観光客はウサギよりむしろ、海の向こうに見える巨大なドックが気になっていたようでトレーラーには気が付いていなかった。

    【シナ人観光客A】
        「・・・。」

    シナ人観光客が愛想なく無言で道を開けたのを確認すると、トレーラーに指示を出した。

    【ナナ】
        「行っていいわ。」

    セーラー服来た女生徒が、大型トレーラーに指示を出しているのを気になったシナ人観光客が声を掛けた。

    【シナ人観光客B】
        「なにかのイベントですか ?」

    突然声を掛けられたナナは驚いたが、この任務はあまり人に知られるわけにもいかない。
    【ナナ】
        「ぇ!? ええ。」
        「この島で昔毒ガス作っていたのはそのパンフレットで知ってるでしょ ?」
        「地下にある残留成分がどれだけ残っているのか学校からの課題で調査するのよ。」
        「このトラックはその機材を運んでいるのよ。」

    ナナは、観光客が手にしていた観光パンフレットを指さしながらこの場を切り抜けた。

    【シナ人観光客B】
        「へぇそうなんですか。」

    【ナナ】
        「ぇぇ、そうなの。」
        「では先を急ぐから、失礼しますね。」

    ナナは話しかけた観光客に軽く会釈して、島の西側へ移動を開始した。

    飛び出してくるウサギを轢かないように、数名がレンタサイクルを借りてきてトレーラーの前を先導する。



    【シナ人観光客B】
        「どうかしました ?」

    【シナ人観光客A】
        「ん ?」
        「ああ、あのコンテナの積み荷はなんだろうなって。」

    【シナ人観光客B】
        「計測機器か何からしいですよ」
        「何か気になることでも ?」

    【シナ人観光客A】
        「あのコンテナに "Yamato Industries" って彫られていたな。」
        「運転台(トラクター)は、どうやら民間のチャーターのようだが、コンテナの方は軍所属のようだ。」
        「コンテナのバンパーにキョクジツキとアトランティスのシンボルが描かれていたぞ。」

    【シナ人観光客B】
        「気が付きませんでした。」

    【シナ人観光客A】
        「目立たなかったからな。」

    【シナ人観光客B】
        「って、どっかで聞いた名前ですね・・・。」

    【シナ人観光客A】
        「日帝の軍事企業だ。」
        「ハヤブサのパーツの製造元だ。」

    【シナ人観光客B】
        「ハヤブサって AMP・・・のですか ?」

    【シナ人観光客A】
        「そうだ。 AMPだ。」

    【シナ人観光客C】
        「"Yamato Industries" でハヤブサってAMPを製造しているわけではないのですか ?」

    【シナ人観光客A】
        「もともとハヤブサは学生が建造した AMP らしい。」
        「"Yamato Industries"は彼らに部品と武装を提供しているようだ。」

    【シナ人観光客C】
        「すると、さっきのコンテナにハヤブサが ?」

    【シナ人観光客A】
        「その可能性はある。」
        「コンテナのサイズの割に積載物の重量が軽い。」

    【シナ人観光客C】
        「見ただけでそんな事が分かるんですか ?」

    【シナ人観光客A】
        「さっきの荷台、軸、ようするにタイヤの一部が上へ引きこまれていた。」
        「あれは、リアアクスルと言って荷物の重量で自動的にタイヤが上下するようになっていてドライバーでは操作できない。」
        「タイヤが上へ引きこまれていたと言うことは、積み荷が見かけより軽い事を意味している。」

    【シナ人観光客A】
        「それに・・・」
        「さっきの女生徒の制服はおそらく "帯締学園" のものだろう。」
    
    手にしていた PDA端末で検索するとすぐに "帯締学園" の制服が出てきた。

    【シナ人観光客A】
        「ちょうど、あそこのドッグで建造されている宇宙艦を購入したのが、その "帯締学園" らしい。」
        「ヤツらは我々が来ることをどこからか情報を入手して警備に来た可能性がある。」

    【シナ人観光客B】
        「どうしますか ?」
        「もしハヤブサが、そのコンテナの中なら、今なら動き出す前にすべて破壊できますが ?」

    【シナ人観光客C】
        「それはマズイよ。」

    【シナ人観光客B】
        「どうして ?」
        「今叩かないとこれからの作戦に支障が出るぞ」
        「あわよくば、1機無傷のハヤブサを手に入れる事もできるかもしれない。」

    【シナ人観光客B】
        「うまく無傷で手に入れば、入院しているお前の妹さんだって、党幹部専用の病院に転院できるほどの報酬が手に入るかもしれないんだぞ。」


    【シナ人観光客A】
        「まぁ待つんだ。」
        「今、焦って騒ぎ起こすと、アッチ(ドッグ側)の警備が強化されるぞ。」

    【シナ人観光客A】
        「作戦開始と共に背後から強襲を掛ける。」
        「ヤツらは、島の西側に移動すると見た。」
        「つまり、我々の作戦ルートが読まれている事になる。」

    【シナ人観光客C】
        「我が軍を迎撃している背後から襲えば陣形はたやすく崩れるでしょうね。」
        「日帝は我々の敵ではない。」
        「ましてや相手は学生、所詮は素人集団だ。」

    【シナ人観光客A】
        「ヤツらは日帝ではないぞ。」
        「アトランティスに属しているらしい。」

    【シナ人観光客B】
        「また、そのプロバガンダを信じてるんですか ?」
        「宇宙人なんか、日帝が宇宙侵略を口実にした作り話ですよ。」

    【シナ人観光客C】
        「そうそう。」
        「あいつらどこからどう見ても小日本のガキどもですよ。」

    【シナ人観光客A】
        「ふ、まぁいい。」
        「あのフネを入手してテクノロジーを解析できれば、宇宙人かどうかじきに判るさ。」
        「日帝のテクノロジーであるならば、我々だって同じものが作れるはずさ。」





    幸洋船渠宇宙事業部ドッグ:民間駆逐艦 艦内

    【サダッチ】
        「どう? もっちゃん、動きそう ?」

    【もっちゃん】
        「んーー。 まだ全体に電源が回っていないのでなんとも。」

    【アン】
        「コレ、本当に動くの ?」
        「艤装のほとんどは中止になったんでしょ ?」
        「大丈夫なのかしら ?」

    【レイチェル】
        「しかし、どうして生徒会長はこのポンコツを引き取ると言い出したのかしら ?」
        「センサーなしで大気圏を飛行するデンジャラスな事なんて、今どきの旅客機でさえしないわよ。」

    【サッチ】
        「ぇええーーー!?  ポンコツだって ?」

    涙目で

    【サッチ】
        「ポンコツなの ?」

    【サダッチ】
        「私に聞かないでよ。」
        「手に入れると言い出したのは貴女よ。」

    【サダッチ】
        「ほとんど人力で動かす必要があるから、一番腕の立つもっちゃんを連れてきたのでしょ。」
        「ポンコツでも、もっちゃんさえ入れば百人力よ。」



    【幸洋船渠宇宙事業部ドッグ:機関技師】
        「もう、ポンコツ、ポンコツって言わないでくださいよ。」
        「これでもアトランティスと地球軍では最新鋭の駆逐艦(になる予定だった)なのですよ。」

    【幸洋船渠宇宙事業部ドッグ:機関技師】
        「だからシナ軍はこのフネの技術を奪いに来ると言うんでしょ?」
        「このフネが奪われでもしたら我が社の技術がほとんどシナへ漏れる事態となってしまいます。」
        「それはなんとしても回避していただかないと。」

    【サッチ】
        「しかし、その技術漏洩を一番恐れなければならないアトランティス艦隊や日本政府は無策を決め込んだ。」
        「泣き言はアトランティス艦隊と日本政府に言って下さいます ?」

    【サッチ】
        「艦隊や日本からも引き取り手のないこのフネを我が校が私財を投じて購入を決定したところに、
            鹵獲されるそうな危機がやって来たので、急遽こうして私達が駆けつけてきたのです。」
        「私達だってフネを奪われるワケにはいきませんからね。」




    そう、この話は、前日にさかのぼる。


    らぶらぶを楽しんで居室に戻ったトミちゃんとおみくじは、何やら深刻な雰囲気にただごとではない事態が起きていることを悟った。

    【トミちゃん】
        「どうかしたの ?」

    【おみくじ】
        「またスクランブルかっ ?」


    【アリョーナ】
        「あなたたちが先日、購入したフネあるでしょ ?」

    【おみくじ】
        「アリョーナ先輩。」
        「建造打ち切りになった駆逐艦の事ですか ?」

    【アリョーナ】
        「アリョーナでいいわよ。」

    【オレーシャ】
        「建造していた会社がここ数時間の間に会社の外部からクラッキングを受けているのよ。」

    【トミちゃん】
        「三原にある幸洋船渠宇宙事業部のことですか ?」

    【サッチ】
        「そうよ。」
        「現在、外部ネットワークから断続的な攻撃を受けており、すでに一部のファイルサーバーが陥落。」
        「新造駆逐艦の操船マニュアル一式が流出したのを確認したわ。」
        「他にも人事サーバーにも侵入されたそうよ。」

    【サダッチ】
        「目下、フクちゃんとまっちゃんが、幸洋船渠の支援に入ってて、ファイアーウォールの再構築をしているところよ。」

    機械オンチのナナには、フクちゃんとまっちゃんが何をしているのかまるで判らなかった。

    【ナナ】
        「どう ?」

    【フクちゃん】
        「今は、開発サーバーで攻防中です。」
        「ここが落ちれば駆逐艦の設計図が外部に漏れることになります。」
        「とりあえず、突然遮断したら怪しまれるので、DNSサーバーでパケットシールドを展開させました。」
        「20%のパケットだけを受信し、残り80%のパケットをブラックホールサーバーへ転送しています。」
        「今、80%のパケットの解析をまっちゃんがしていますが、そろそろ攻撃主が判明するかと。」

    【まっちゃん】
        「そんなラクな作業ではないんだけれど・・・。」
        「なんとかシッポ掴んで、もうちょっとで攻撃元を特定出来そうよ。」

    【みさ】
        「なんか、面倒な事になりそうね。」
        「今、学園長宛に幸洋船渠のCEOから電話が来てるそうよ。」

    【ナナ】
        「あのフネ・・・面倒見切れなくなったかな。」

    【アリョーナ】
        「まっまさか・・・。」
        「あのフネが誰かに狙われているとでも言うの ?」

    【ナナ】
        「それは分からないけれど、あのフネに関係してる事だと思うわ。」
        「さっきのスクランブルは陽動かしら ?」
        「あるいは、警備力を探っているとか ?」

    【トミちゃん】
        「ナナの感は鋭いからねぇ、当たったりして♪」

    【オレーシャ】
        「だとしても、あのフネは奪われたからと言ってそう簡単には動かせないわよ。」

    【オレーシャ】
        「・・・!!」
        「だから操船マニュアルが狙われたと言うの ?」

    【アリョーナ】
        「マニュアルが入手できたとして、やはりすぐには動かせないでしょう。」

    【ナナ】
        「うーーん・・・、大きなフネに乗せて運ぶとか ?」
        「人事資料がヤラレたと言うことは、エンジニアもさらって人質として船に乗せれば日本政府は手出しが出来ない・・・。」

    【みさ】
        「ちょっとまって。」

    ナナの何気ない一言に閃いたみさが、どこかへナノリンクを通じて電話をした。

    【みさ】
        「やはり・・・。」

    【サッチ】
        「みさ教官、どうかしたのですか ?」

    【みさ】
        「今、日本空軍の宇宙艦隊情報作戦部に警戒衛星からの情報をお願いしたの。」

    【サッチ】
        「何が判るの ?」

    【みさ】
        「宮崎沖を瀬戸内海へ向けて航行する大型タンカーが発見されたわ。」

    衛星写真が直ちにクラス全員がダウンロード出来るようになり、各自は脳内ストレージに保存した。

    【サッチ】
        「ぁ、ホントですね。」

    【ナナ】
        「こんな大きなフネがあるんですね。」
        「駆逐艦がすっぽり入っちゃったりして ?」

    【おみくじ】
        「ぉいぉい、悪い冗談はよせ。」

    【おみくじ】
        「画像から、このタンカーのサイズは判るか ?」

    【トミちゃん】
        「今、脳内アプリをインストールしたわ。」
        「画像処理で正確な艦名がわかると思うの。」

    【おみくじ】
        「ぉ、そんなアプリがアップされていたのか ?」

    【トミちゃん】
        「今、アプリで画像解析して、そこから艦名をデータベースで検索してみるね。」

    【ナナ】
        「すごい時代になったものですね。」

    【みさ】
        「あなたの方が今どき機械オンチすぎるのよ・・・。」

    【トミちゃん】
        「でたっ!」

    検索結果はすぐにクラス全員に共有される。

    【サダッチ】
        「長江級の超大型バラ積み船ね。」
        「南米から大量の穀物を輸入するために建造された20万トンクラスを誇る世界最大級のばら積み船のようね。」

    【ナナ】
        「バラ積み船って ?」
        「コンテナとかで梱包しないで、ダンプカーみたいに直接荷台に穀物とか鉄鉱石とか材料を積み込むのよ」
        「小分けにしないから大量に積載できる特徴があるのよ。」

    【みさ】
        「たしかに、これなら荷室と荷室の隔壁をとっぱらうのは容易だから、小型の宇宙艦1隻くらいならまるまる収まるわね。」

        「画像の航跡を見る限りでは喫水が浅いわね。」
        「荷室はカラのようね。」

    【みさ】
        「ぁ、はい・・・。」

    どうやら、ナノリンクでみさへ通信が入ったようだった。
    が、それはすぐに終わったようだった。

    【みさ】
        「さて・・・」

    一呼吸終えて発表した。

    【みさ】
        「任務よ。」
        「この駆逐艦、まだ艤装が終わって無くて何も装備はされていません。」
        「しかし見ての通り、なんだか狙われてそうな雰囲気なのです。」
        「にもかかわらず、製造を依頼したアトランティスや建造国の日本政府は、守る気まるでありません。」
        「なので、このフネ、明日にみんなで引き取りに行きます。」
        「学園長から与えられたあなた達への課題は、このフネを無傷でこの学園に持ち帰ること。」

    【一同】
        「・・・・・・・・・」

    【一同】
        「!?」

    【一同】
        「ぇえええーーーーっ!!!!

    【サッチ】
        「誰が操艦するのよ ?」
        「しかも武器は ? 武器も艤装していないの ?」

    【みさ】
        「そうよ、火力、防御共にゼロよ ?」
        「スッポンポンの丸ハダカの状態よ。」
        「ついでに、センサー系は・・・高度計は付けたけど速度計はまだと言ってたわ。」

    【ケンジ】
        「ぉい、レーダーとかもないのか ?」

    【みさ】
        「ナッシング。」

    【ケンジ】
        「これはとんだことになりそうだな・・・。」


    【サダッチ】
        「しかし、この学園で、いちばん操艦が上手い子は、もっちゃんだけれど」

    【サッチ】
        「謹慎中で校区から出られないか・・・。」

    【みさ】
        「もっちゃん、行ってくれる ?」

    【もっちゃん】
        「ぇっ !?」
        「私が? ですか ?」

    【みさ】
        「そうよ。 いちばん運転上手だから。」

    【もっちゃん】
        「しかし、私は謹慎中だし。」

    【みさ】
        「謹慎は解除よ。」

    【みさ】
        「もっちゃん一味は本日付で、謹慎は解除すると学園長からのお言葉よ。」
        「行ってくれるわね ?」

    【もっちゃん】
        「はぃっ!!

    【みさ】
        「ナナは当日、現場に行くメンバーの人選を宜しくね。」
        「艦を動かすメンバーだけでなく、周辺警備もお願いするわ。」
        「おそらく日本軍は警備に動けないでしょう。」
        「サッチは生徒会として政府行政関係に現地企業と自治体への説明と支援要請の折衝をお願い。」

    【ナナ】【サッチ】
        「了解

    と言うような流れで、広島にやって来た訳だ・・・。
    もちろん私こと東郷は、寮で療養中・・・と言うことになっている。
    しかし、生徒が不在だからこそ、その間にやっておかなくちゃならない事もたくさんあったりする。

 

 

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