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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-10-1】歴史捏造の権利

歴史捏造の権利

 

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原作イラスト提供 笹倉先生【きゅーぶ先生】

 

 【1-10-1】

 

 帯締学園 体育館(通称:屋内バトルフィールド)

初めてハヤブサを袖に通したコハルとノブちゃんとの模擬戦が始まり、まっちゃんの「はじめっ!!」の合図でコハルが飛び出した。

ナノマシンで標準装備の対装甲刀を具現化すると一気にノブちゃんとの間合いを詰めた。

が、ノブちゃんはコハルの最初の一撃を余裕でかわした。


【ノブちゃん】(・o・)
 ぉ、AIのサポートがあるとは言え対装甲刀(※1)を具現化したか

 

【コハル】
 「ガルルルルぅぅぅぅ」

 


【東郷】
 「君、刀の使い方を教えたのか ?」

 

【まっちゃん】
 「いえ。」
 「何も教えていないわよ。」

 

【ナナ】(,,゚Д゚)
 「うそでしょ ?」
 「レクチャーなしでブレードを具現化したと言うの ?」

 

【サッチ】(-_-;)
 「しかし、それよりもあの瞬発力・・・。」

 

【東郷】
 「さすが、犬族だな。」

 

【サッチ】(-_-;)
 「リミッター外れてないでしょうね ?」

 

まっちゃん端末を何度もチェックするが、データロガーが採取する各種パラメータには異常が見つからなかった。

 

【まっちゃん】
 「外れていないわよ。」
 「しかし各メカニズムはリミッター制限一杯で稼働しているわ。」
 「しんじられないわ。」

 


【コハル】
  なるほど。
  これが戦闘鬼のチカラというもなのね。
  確かにこれでしたら、オロチに対抗できる・・・と言うのも頷けるわ・・・。

 

【コハル】
 「しかし、この程度の性能ではオロチの中でも雑魚と互角が精一杯ね。」

 

【ノブちゃん】ヽ(`д´;)ノ
 「なんですって !?」

 

【コハル】
 「ですが、このアイテムは使いようによっては、いい戦力として利用できそうですわね。」
  一対一では無理でも二対一で戦えるなら大したものだわ。


コハルはさらに第2撃目を切り込む。


【ノブちゃん】
  「く・・・」

  速いっ!!

 

【ノブちゃん】(-_-;)
  まだ余裕でかわせるが、初心者と侮ると足元すくわれるな・・・。
 「なるほど、これが犬の能力か・・・。」
 「さすがに瞬発力は猫を超えるのね。」

 

【コハル】(*´艸`*)
 「あら、貴女こそ、器用にかわせたわね」
 「さすが猿・・・と言ったところかしら」

 


【サッチ】
 「見たことのない太刀筋ね。」

 

【サダッチ】
 「しかし、一切の無駄はない」
 「おそらく、犬特有の身体能力を駆使した剣術なのでしょう。」
 「それよりも・・・」

 

【まっちゃん】(*゚∀゚)
 「そう、リミッターが外れていない状態でこの運動能力。」
 「能力拘束状態のハヤブサをほぼ限界までの力を引き出しています。」

 


【コハル】
 「攻めて来ないのですか?」

 

【ノブちゃん】
 「それでは。」
 「私の方からも。」

 

【ノブちゃん】
 「参るっ!!」


直立状態から腰だめから刀を引き抜く抜刀術の体勢に遷移すると同時に対装甲刀の具現化シーケンスが開始され、その刀の形成を開始する時点ですでにコハルに肉薄していた。
そして抜刀した時点ではほぼ形成が終了しつつあり、さらに切り込んだ時には対装甲刀の具現化は完了していた。
対装甲刀の高速抜刀術の一つである。

 

【ノブちゃん】
 「もらったっ!!」

 

【コハル】(,,゚Д゚)
  速いっ!!


ガーーーーン!!
鈍い衝撃音が響き、ノブちゃんの一撃が弾かれた。


【ノブちゃん】(,,゚Д゚)
 弾かれた・・・だと!?

 

ノブちゃんは手加減をしていたとはいえ、素人が完璧に防御した事に驚きを隠せなかったがコハルの方も初めて目にする抜刀術に冷や汗をかいた。


【コハル】(-_-;)
  なんて速さの剣術なの
  これがこの学園トップクラスの戦闘力 !?
  お姉さまと互角・・・いやそれ以上かも・・・。

 

【コハル】
 「さすが生徒会とやらのナンバー3と言われるだけの事はあるようですわね」

 


【東郷】
 「これはすごい。」

 

【ナナ】(,,゚Д゚)
 「呪符式人工電子結界!? ・・・ですって?」

 

【サッチ】(,,゚Д゚)
 「うっそーーー!?」

 

 

【コハル】(´ε` )
 「しかし、コレ・・・説明では呪符式結界術と言うの ?」
 「なかなか斬新な防御壁ね。 面白い機能だわ。」


しかし容赦なく続けてノブちゃんの第二撃目がコハルを襲う。

 

【コハル】
  見かけによらず容赦なしね。
  お姉さまのようで気に入ったわ。

 

【ノブちゃん】
  よし今度こそヒットした。


パーーーーン!!
今度は高い音が響き、ノブちゃんの二撃目が食い止められた。


【ナナ】(,,゚Д゚)
 「うそ、そんな使い方をするの ?」

 


【ノブちゃん】(-_-;)
  ぉいぉいマジかよ・・・。


ノブちゃんの二撃目は、2枚に展開した呪符式結界による白刃取りで食い止められた。


【ノブちゃん】(-_-;)
 「そのシールドの使い方をどうやって知った ?」

 

【コハル】(・o・)
 「ぇ!? だって、ユーザーズマニュアルの武装取扱のページに書いてありましたわよ。」
 「ハヤブサ固有武装の展開方法ってところに。」

 

【コハル】
 「それに、このカタナ、"天羽々斬" と言うのですね。」
 「宇宙艦の装甲も切れるとは、気に入りましたわ。」
 「わたくしもコレ1本欲しくなりましたわ。」

 

 

【まっちゃん】(,,゚Д゚)
 「な・・・んだと!?」
 「ま、まさか、マニュアルを読みながら戦っていたの !?」

 

 

【コハル】(・o・)
 「ぇ、搭載しているマニュアルは見るためにあるのではなくって ?」

 

【まっちゃん】(-_-;)
 「そりゃそうだけど・・・。」

 

【ナナ】
 「呪符式結界術で白刃取りするだなんて見たことないよ。」

 

【サダッチ】
 「犬族は賢いとは言われてますが、これほどとは思いませんでした。」

 

【サッチ】ヽ(`Д´#)ノ
 「私達は馬鹿だと言うの?」

 

【サダッチ】(-_-;)
 「アナタは、バカとか言う以前にメカ音痴をなんとかしてください。」

 

【サッチ】(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
 「えーーー・・・。」

 

さらに第三撃を放とうとするノブちゃんに、東郷が遮った。

 

【東郷】
 「はいはい、もうそれくらいでいいだろう。」
 「コハル、どうだ? 戦闘鬼は?」

 

【コハル】(*´艸`*)
 「ええ、とても気に入りましたわ。」

 

【東郷】
 「そうか。 それは良かった。」

 

【東郷】
 「コハルの今の動きを各機にフィードバックを」

 

【まっちゃん】
 「わかりました。」

 

【コハル】
 「フィードバック? ・・・どういうことですの ?」

 

【まっちゃん】
 「私達の鬼シリーズは、各機の動きはリアルタイムで全機で共有して学習させる事ができ、貴女自身の戦闘データも逐次みんなで共有されるのよ。」

 

【まっちゃん】
 「ただ、あなたの挙動は犬族特有の動きが含まれており、骨格の違いからそのまま全機に反映すると、もしなにかの時に、さっきのような挙動を行うのが最適とAIが判断してそのような動きをした場合、私達猫族や猿族の身体にダメージを受ける可能性があるのよ。」

 

【まっちゃん】
 「なので、一旦共有機能は外しておいて、後で全員が使えるようにデータを補正してから共有する作業をするのよ。」

 

【まっちゃん】
 「そのうち、AIが種族の身体的能力を区別して自動的に微調整する機能を付与しようと思っているわ。」

 

【コハル】
 「そうすれば、みなさんが私の動きを再現できると言うの ?」

 

【まっちゃん】
 「あくまで、"近い動き" が可能になるという感じですね。」
 「だからあなたでも初めてのハヤブサでここまでの動きが出来たのよ。」

 

【コハル】m(_ _)m
 「なるほど。」
 「わかりましたわ。」
 「ありがとうございました。」

 

【コハル】ヽ(=´▽`=)ノ
 「辻さん、貴女強いですね。」

 

【ノブちゃん】┐(´д`)┌
 「貴女こそ、強いですね。」
 「これほどの戦闘力だとは思っていませんでしたわ。」
 「それから、私のことは "ノブ" でいいわよ。」

 

【コハル】(^◇^)
 「わかったわ、ノブちゃん、ありがとう。」


【ターニャ】
 「コハルすごい。」

 

【コハル】
 「いつかはターニャさんとも模擬戦をしてみたいですわね。」

 

【ターニャ】
 「わかった。」

 

コユキ
 「お姉さまだけズルイわ。」
 「私もターニャと戦いたい。」

 

【ターニャ】
 「わかった。」

 

コユキ】ヽ(=´▽`=)ノ
 「やったぁー♪」
 「絶対よっ!!」
 「絶対だからね!」
 「約束だからね!」

 

【ターニャ】
 「うん。」

 

【ナターシャ】
 「挑戦を約束するだなんて、戦いがキライなアンタにしては珍しいわね。」

 

【ターニャ】
 「そう ?」

 

【ミーシャ】
 「そうよ。」

 

 

教官室

 

【東郷】
 「いやぁ、いいもの見せてもらった。」

 

【サダッチ】
 「そうですね。」
 「彼女、かなり戦闘力が高いですわね。」

 

【サッチ】
 「しかも、彼女、まだ余力がありましたね。」

 

【東郷】
 「さすが前線で兵を率いる王家のお姫様だけの事はあるか・・・。」

 


そこへ学園長が顔を出して東郷たちに声をかけた。

 

【学園長】
 「東郷教官、ちょっと来てくれるかしら」
 「それから生徒会の貴女達も」

 

【サッチ】
 「なんだろ?」

 

【サダッチ】
 「なんでしょうね。」

 

 

学園長室

 

【学園長】
 「そこへ掛けてくれるかしら」
 「今、紅茶を入れるわ。」

 

【東郷】
 「ぁ、はぁ、どうも・・・」

 

【学園長】
 「有賀さんの報告にあった、アンドロメダ襲来の懸念について艦隊司令に問い合わせてみたの。」

 

【サッチ】(,,゚Д゚)
 「速っ!!」

 

【東郷】(-_-;)
 「もう聞いたのか !?」
 「さすが、学園長は仕事が早いね♪」

 

【サダッチ】
 「で、反応はどうでした ?」


【学園長】(-_-;)
 「一蹴されましたわ。」

 

【東郷】
 「まぁ、そんなことだろうな・・・。」

 

【サダッチ】(-_-;)
 「そうですね。」

 

【サッチ】(T_T)
 「そんな・・・。」

 

【東郷】(・o・)
 「大方、ウチの学園の生徒会が予算を捻出する為に、銀河間トレードでアンドロメダ陣営の債権を売買しているなんて、学園長が言えないだろうから、そこを触れないまま大艦隊襲来の懸念を伝えたところで、その根拠が示せない以上は、そんな話は信用できんって話じゃないのかな ?」

 

【学園長】
 「よくわかったわね。 そんなところよ・・・。」

 

【サダッチ】
 「まっとうな反応だと言われれば、その通りですね。」

 

【サッチ】
 「で、どうするのよ。」

 

【東郷】
 「このままでは、どうもできんな。」

 

【サッチ】
 「どうして ?」

 

【東郷】
 「我々はヒーローではない。」
 「巨大な軍事組織の中の小さな集団にしか過ぎない。」
 「この話は、その小さな集団が動いてどうこう出来る問題ではないんだよ。」

 

【サダッチ】
 「しかし・・・」
 「このままアンドロメダの大艦隊が襲来してくるのを手をこまねいて待つと言うのですか ?」

 

【東郷】
 「"このまま" では、と言ったろ。」

 

【サッチ】
 「なにか方法があるの ?」

 

【東郷】
 「予想では、日本艦隊が出撃した時期と重なるのだろ ?」

 

【サッチ】
 「え、ええ、大体それくらいの時期になるかと・・・。」

 

【東郷】
 「ならば、日本艦隊を無事に地球に帰還させる。」
 「艦隊上層部の頭の中には、もう日本艦隊は戦力にはカウントされていない筈だ。」

 

【サダッチ】
 「たしかに日本艦隊が無事に帰還できればアトランティスにとっては大きな力となります。」
 「もっとも、帰還した日本艦隊を、アトランティス艦隊自体が疎ましく思わなければの話ですが。」

 

【サッチ】
 「それに、仮に日本艦隊がすべて無事に帰還できたとしても、焼け石に水ではないの ?」
 「そもそも敵艦隊の規模そのものが我がアトランティス陣営とは比較にならないほど巨大です。」

 

【東郷】
 「そうだな。」
 「まぁ、それは無事に帰って来られたら考えるわ。」
 「その為には、あの5隻を引っ張り出すしかないか・・・。」

 

【サッチ】
 「あれを・・・ですか ?」

 

【東郷】
 「そうだ、アレだ。」

【サダッチ】
 「しかしネームシップの方が、AIが引き篭もった為に封印されてしまいましたが・・・。」

 

【東郷】
 「だとすると、4隻かぁ・・・。」

 

【学園長】
 「ふぅ・・・」

 

【学園長】
 「判りました。」
 「その4隻の戦艦を日本艦隊に貸与するように私の方で手配しておきますわ。」

 

【学園長】
 「ただし、この4隻は我が学園の経費で建造したフネである事をお忘れなく。」
 「東郷教官が責任をもって指揮してくださいね。」

 

【東郷】
 「判りました。 善処します。」

 

【サッチ】
 「ついでに相談が・・・」

 

【東郷】
 「ん? どうした ?」

 

【サッチ】
 「授業カリキュラムの変更の件で・・・」

 

【東郷】
 「そうか、留学生が来るんだったな。」

 

【サッチ】
 「はい。 そうなんです。」
 「彼らが居る間は最高機密に触れる内容についてはカリキュラムから外れるのはいいのですが、そうすると、授業で宇宙艦シミュレーターが使用できないので、せめて専攻科目に該当する訓練生だけでも放課後に残ってシミュレーターを使わせていただきたいのですが」

 

【東郷】
 「判った、今日中に参加する訓練生のリストを提出しておいてくれ。」
 「私が代わりに使用申請書を出しておいてやる。」

 

【サッチ】
 「ありがとうございます。」

 

 

 

博多駅

 

二種類の異なった制服を来た軍人たちが、入管ゲートをクリアして駅から出てきた。


【チュン・レイ】
 「鬼子(※2)の国って空が青いのね。」
 「釜山を出る時はあれほど空気が濁っていたのに。」

 

【キム・チョンア】
 「それは貴国から吹き込む大気が汚れているからでしょ。」
 「我が国も迷惑しているのですよ。」

 

【チュン・レイ】
 「なんですって ?」
 「我が国が悪いって証拠でもあるの ?」

 

キム・ヨンギュン】
 「おい、チョンア」
 「つまらん事で争うな。」
 「博多は、もともと我が国の領土だ。」
 「我々が任務をまっとうすれば我が国に返ってくる。」

 

【リン・リー】
 「何を言ってるのよ。」
 「占領したのは、モンゴルと我軍とで攻め込んだ時の一瞬だけだったじゃないの。」

 

キム・ヨンギュン】
 「なんだと ?」
 「占領したのは事実だ。」
 「という事は、歴史的にも客観的にも我が国の領土であったことは明白な事実である。」

 

【リン・リー】
 「はいはい、貴国に付き合ってると疲れるわ。」

 

【リン・リー】
 「それよりレイ、リニアの出発時刻を確認して頂戴。」

 

【チュン・レイ】
 「リニアは博多まで来ていないですよ。」
 「新幹線なら通っています。」

 

【リン・リー】
 「なんですって!? 新幹線が走っているの ?」
 「鬼子の国は我が国の新幹線までコピーしていたとは・・・。」


博多駅とは対馬戦争終結時に冷え込んだ統一朝鮮との交流を回復させる狙いで建設された新幹線対馬トンネル線の始発駅であり、運行開始当初は、日朝それぞれの新幹線が運行されていた。
しかし統一朝鮮側の新幹線車両にトラブルが多発したことで、トンネルといった閉鎖空間での安全な共同運行が困難と判断した日本の鉄道会社は新幹線対馬トンネル線での運行を取りやめ、今では統一朝鮮の新幹線のみが不定期で運行されている。
一方でリニア新幹線対馬戦争復興に必要なインフラ整備として開通が前倒しされており、名古屋と新大阪間では試験運行が始まっていた。


【チュン・レイ】
 「新幹線は20分後に出発する "のぞみ" で新大阪まで行けるわね。」
 「そこから関空までは直通特急乗れば概ね45分ってところかしら。」

 

【キム・チョンア】
 「でも、どうして直前になって、関空に寄れだなんて命令になったんです ?」


キム・ヨンギュン】
 「ブーメランを積んだ輸送機が先発して関空へ到着するんだそうな。」
 「我々はそれを受領してトラックで学園に向かうことになる。」

 

【キム・チョンア】
 「アレ、税関どうやって通すの ?」

キム・ヨンギュン】
 「我々は今回、大使に準ずる扱いになるから荷物の中身についてはフリーパスだ。」

 

【キム・チョンア】
 「ぁ、なるほど」

 

【キム・チョンア】
 「しかし、ブーメランのチューニングが間に合ったんですね。」

 

キム・ヨンギュン】
 「ああ。」

 

【キム・チョンア】
 「帯締の対戦校はたしか添下学園・・・でしたか?」

 

キム・ヨンギュン】
 「そうだ。」
 「あこは世界中の最先端企業が開発した最新鋭のAMPがテストを繰り返している。」
 「我々が帯締に派遣される理由は、帯締の対戦相手がその最新鋭機たちだからだ。」

 

【キム・チョンア】
 「ブーメランに経験値を学習させて戦闘力をさらにアップさせるには格好の目標ってことですね。」
 「そして、あわよくば頂く。」

 

キム・ヨンギュン】
 「そのとおりだ。」
 「帯締なんかが所有している旧式のハヤブサなんかでは経験値を積むことができない。」


【リン・リー】
 「へぇ~。」
 「貴国は以前に大九野島で、その帯締のハヤブサにコテンパにやられたんじゃなかったのかしら ?」

 

キム・ヨンギュン】
 「あれは豚足(※2)どもがなにか卑怯な手を使ったからだ。」
 「でないと我々の最新鋭機が豚足の第一世代機に負ける訳がない。」
 「そもそも、あの作戦に参加していた貴様たちも同じだろっ!」

 

【リン・リー】
 「あら、それは私の部隊ではないわ。」
 「もし私の部隊なら鬼子相手にそんな無様なヘマなどしはないわ。」

 

【リン・リー】
 「貴方、その生き残りらしいわね。」
 「貴方が朝鮮部隊のリーダーって、本当に大丈夫なのかしら ?」

 

キム・ヨンギュン】
 「な、なんだとっ!!」

 

【チュン・レイ】
 「ここで争わないでください!!」
 「早く "のぞみ" にのりましょうよ。」
 「間に合わなくなります!」

 

【チュン・レイ】
 「って、それよりどうして、"新博多" と "博多" の駅が離れているのよっ!!」

 

 

 

学園寮


【東郷】
 「ただいまぁ」

 

【セッちゃん】
 「おかえりー」
 「ちょうど晩ごはんが出来上がったのよ。」

 

【東郷】
 「いつも有難うな。」
 「毎日夕食作ってもらえると助かるよ。」

 

【セッちゃん】
 「今日から私が担当ではないの。」

 

【東郷】
 「ん!?」
 「誰が作っているのだ ?」

 

【セッちゃん】
 「ナナよ。」

 

【東郷】
 「ナナが ?」
 「ほぅ、珍しいな。」

 

【東郷】
 「で、今夜のメニューは?」

 

【ナナ】
 「カレーよ。」

 

【東郷】
 「それは楽しみだな♪」
 「チビっ娘たちも大好物だもんな。」

 

【ナターシャ】ヽ(#`Д´#)ノ
 「チビっ娘と言うな!!」

 

【東郷】
 「なんだいたのか ?」

 

【ナターシャ】ヽ(#`Д´#)ノ
 「いたのか、じゃない。」
 「私たちはチビじゃないもん。」
 「謝れ。」
 「いますぐ謝れ。」
 「なんなら一生謝れ。」

 

【東郷】
 「それは悪かったな。」
 「ほら、アメちゃんやるから機嫌直しておくれ。」

 

【ナターシャ】ヽ(=´▽`=)ノ
 「わ~い♪」

 

【東郷】
   ・・・。

 

【セッちゃん】 

 「いま食べたらダメよ。」
 「ご飯食べて、歯を磨く前に食べるのよ。」

 

【ナターシャ】
 「うん♪」

 

【ナターシャ】
 「ミーシャ、ターニャ、ほら、アメもらったわよ♪」

 

【ミーシャ】
 「アメもらって機嫌を直すだなんて、アンタ、まだまだお子ちゃまだね。」

 

【ナターシャ】(lll ̄□ ̄)
  がーーーーーん・・・!!
 「やられた・・・」


コユキ
 「カレーってなんですの ?」


【サッチ】
 「飲み物の一種よ。」

 

【ナターシャ】(ーー゛)
 「それは、アンタだけよっ!!」

 

【サダッチ】
 「食べてみればわかります。」

 

コユキ
 「わかりましたわ。」
 「どれ・・・。」

 

と、スプーンですくって一口食べてみた。

東郷もナナ特製のカレーを頂くことにした。

 

【東郷】
  ・・・。

コユキ
 「まぁまぁの味ですわね。」


【東郷】(・o・)
 「そうか ?」
 「普通はカレーライスというのは、もっと美味しくて、誰が作っても美味しいはずなんだ。」
 「それを起用にこんなに不味く作るとはある意味才能かもな。」

【ナナ】ヽ(`Д´#)ノ
 「なんですって!?」
 「もうアンタにはつくってあげないわよっ!!」

 

【東郷】
 「ぁ、すまんすまん。」
 「つい滑らせてしまった。」

 

【東郷】
 「でも、ほら、カレーを食べたことのないコハルとかは美味しいって言ってくれているじゃないか。」
 「ヒトによって美味しさの基準が違うんだよ。」
 「な、機嫌を直せよ。」

 

【ナナ】ヽ(`д´;)ノ
 「死にたいの ?」
 「彼女は "まぁまぁ" と言ったのよ。」
 「"まぁまぁ" は、美味しくないということなのよっ!!」


【東郷】
 「すんません・・・。」

 

【ナナ】( ̄へ ̄井)
 「ふんっ!!」

 

【セッちゃん】
 「ま、まぁ、喧嘩しないで・・・ナナは料理を作るのが今回はじめてなのよ。」

 

【セッちゃん】
 「初めてにしては上手だったわよ。」
 「大丈夫、貴女ならきっとすぐに上達するわよ。」
 「私が保証するわ。」

 

【セッちゃん】
 「ナナはね私が留守する間に "教官のために美味しい料理を作ってあげたいから料理を教えて" って頼まれたのよ。」

 

【東郷】
 「そうだったのか。」
 「悪いこと言ったな。」

 

【セッちゃん】
 「あの子は実際にやってみて上達するタイプだからすぐに料理が上手くなるわよ。」

 

【東郷】
 「今謝ってくるよ。」

 

【セッちゃん】
 「いいわよ。」
 「彼女、気にしてはいないわ。」

 

【セッちゃん】
 「本人も "初日の今日は失敗したかも。きっと不味いと言われるんだろうなって。" って言ってたし。」
 「"早くちゃんとした料理を作って褒めてもらうぞ" って意気込んでいたわよ。」
 「なので、今謝れるよりはちゃんとできた時に褒めてあげたほうが、きっと彼女は喜ぶわよ。」

 

【東郷】
 「そうか。」
 「教えてくれてありがとう。」

 

【セッちゃん】
 「いいのよ。」

 


アンドロメダ隊司令部のとある会議室


【艦隊将校A】
 「日本艦隊の準備はどうなっておる。」

 

【情報将校】
 「はい、滞りなく準備を進めている模様です。」

 

【艦隊将校A】
 「そうか。」

 

【情報将校】
 「さらに随伴を希望したロシアとペルシャの部隊も搬入機材の検閲と訓練を開始しております。」

 

【艦隊将校B】
 「猿族とはいえ、貴重な戦力をみすみす全滅させるのはもったいないな。」
 「ロシアとペルシャは一体どう言うつもりなんだ ?」
 「誰か止めはしなかったのか ?」

 

【情報将校】
 「ぃえ。」
 「ヘタに止めに入ると我々の計画が露呈して頓挫する危険があります。」

 

【艦隊将校A】
 「そもそも日本軍はもうとっくに気がついておろう。」
 「先日、地球に降り立ったアトラミスからの使者からも、日本艦隊に対する待ち伏せ計画がもたらされたとの報告も入っておるぞ。」

 

【艦隊将校C】
 「帯締学園でしたかな。」
 「そこに使者が匿われているそうだな。」

 

【情報将校】
 「はい、使者を始末するよう手配致しました・・・。」

 

【艦隊将校B】
 「が、結局は始末に失敗した。」

 

【情報将校】
 「どうやらアンドロメダ陣営からも刺客を送り込んでいたようで、現地で双方の部隊が遭遇する事態となり、予想外の戦闘となったようで帰還した者はおりません。」

 

【艦隊将校B】
 「その学園は皇室派と言うではないか。」
 「この失敗が計画に支障出なければいいのだがな」

 

【艦隊将校C】
 「まだ不穏な情報があるぞ。」

 

【艦隊将校A】
 「まだなにかあるのか ?」

 

【艦隊将校C】
 「つい先程、アンドロメダ艦隊の大規模侵攻の可能性を進言してきた者がおったそうではないか。」

 

【艦隊将校A】
 「事実なのか ?」

 

【情報将校】
 「はい、帯締学園からの情報です。」
 「しかし情報源が不明瞭のため真偽の程は判りません。」

 

【艦隊将校B】
 「また、帯締か・・・。」
 「そういえば、たしかあの学園には東郷が教官として在職していたな。」

 

【情報将校】
 「はい、我々が情報を掴んだときにはすでに艦隊に復帰しており、帯締に配属された後でした。」
 「復帰を取り消そうにも、配属先が皇室直轄となる為、我々には手出しができませんでした。」

 

【艦隊将校A】
 「この学園・・・邪魔だな。」

 

【情報将校】
 「しかし、東郷が日本艦隊を率いてくれるおかげで、日本軍と東郷の両方を抹殺できて一石二鳥となります。」
 「表面的には王室直轄の東郷が日本艦隊を全滅に追いやった事になるので、皇室そのものを弾劾できます。」
 「そうなると自然にアノ学園も粛清の対象となるでしょう。」

 

【情報将校】
 「さらにアメリカが国連という組織を使って、近く日本をアメリカの支配下に置くつもりのようですので自動的に大使館要員は駐米大使へと換わります。」
 「そうなるとアメリカの意向は無視できなくなりますので、大使館付属である帯締学園の活動は、どのみち大幅に制限されることになります。」

 

 

 
※1.対装甲刀
 NH(Nano-hackle)対装甲ブレードとも呼び、ナノマシンにてプラズマを発生させ装甲を裁断する。
生身のアトランティス人が護身用の個人携行型武装として開発し、天羽々斬と命名され携帯されていた。
最初の頃は個人携行用の標準サイズが制作されていたが、後に陸戦用として大型化したサイズも生産された。

※2.豚足、鬼子
 豚足・・・統一朝鮮で言う日本人のこと。
 鬼子・・・シナ国で言う日本人のこと。

  

 

 

 

 

 

 

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