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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-8-4】日本軍参戦

日本軍参戦

【1-8-4】

 

     回収現場は混乱していた。

    【ブーメラン本隊 隊長】
        「くそっヤツとは回線は繋げないのか ?」

    【ブーメラン本隊 隊員A】
        「国際周波数で呼びかけてはいますが、彼らからの応答はありません。」

    【ブーメラン本隊 隊員D】_| ̄|○
        「隊長! さらに3機、ヤラれました。」
        「我々とは機動力がまるで違います。」

    【ブーメラン本隊 隊員A】(lll ̄□ ̄)
        「これが第2世代と第3世代との差というものなのか ?」

    最新鋭と信じていた第2世代機のブーメランが見慣れぬAMPを相手に苦戦し、ブーメラン隊はマジで焦りを感じていた。



    【シャルロット】
        「ねぇ、フランシーヌ」

    【フランシーヌ】
        「何よ、戦闘中に喋ると舌噛むわよ。」

    【シャルロット】(・o・)    
        「敵さんから無線でなにやら呼びかけているようですけど。」

    【フランシーヌ】
        「そのようね。」

    【シャルロット】
        「どうするの ?」

    【フランシーヌ】
        「どうするって言ったって・・・。」
        「応答しようがないじゃないの。」
        「我がフランスが誇る最新鋭機が、今ココ(日本)にある事は秘密にしておかなければならないのよ。」

    【シャルロット】(-_-;)
        「そこは東郷の言うとおり殲滅するしかないのね・・・。」

    【フランシーヌ】ヽ(`д´;)ノ
        「そう言うことよ。」
        「でも東郷が言うからではないのよ。」
        「あくまで我がフランスのためよ。」

    【シャルロット】(-_-;)
        「へぇーへぇー」

    フランスの最新鋭機が日本にある事は内緒にしなければならなかった。
    独自に AMP を開発している事が EU に知られてしまうからだ。
    しかし、もし開発に成功して他国を出し抜ければ、NATO軍への正式配備に一歩近づく。
    もっとも、それはドイツやイタリアも同様で、各国が水面下では極秘に AMP を開発している事は公然の秘密となっており、だからこそ留学生を帯締学園に派遣して他国の情報を集めているのだった。


    【フランシーヌ】
        「ミーシャとナターシャは無事に離脱したようね。」

    【シャルロット】
        「3人姉妹のうち、あの二人は第2世代が相手とはいえ、生身で戦うだなんて、思っていた以上に戦闘力が高いようですわね。」

    【フランシーヌ】
        「そうね、あれで私達と同い歳なんだからアトランティス人ってホント化物ね。」

    【シャルロット】(*´艸`*)
        「ねぇ、ところで話が変わるけれど・・・試してみたい装備があるんだけれど。」

    【フランシーヌ】(*´ω`*)
        「あら、偶然ね。 私もよ。」
        「ナノスキルを試すには絶好のチャンスね。」

    【シャルロット】
        「あら覚醒がバレてたの ?」

    【フランシーヌ】
        「何年の付き合いだと思って ?」

    フランシーヌとシャルロットはここ数週間の間にナノスキルが覚醒しており不完全ながらも固有武装が展開できるほどに制御が上達していた。
    しかし覚醒についてはまだ内緒にしていた為、実習で使用することはなく、人目を気にせずにスキルを試す機会を伺っていたのだった。




    【ブーメラン本隊 隊長】
        「残り、6機・・・か。」
        「隊を分けたのが裏目に出たか・・・。」
        「これであの新型と戦ってさらに回収まで成功させるにはかなり難しいな・・・。」

    【ブーメラン本隊 隊長】
        「増援を要請できるか ?」

    【ブーメラン本隊 隊員A】
        「ダメです。 一帯が電子妨害されてて作戦本部とは連絡がつきません。」


    増援の要請は友軍には届かなかった。

    フランシーヌたちの会話は、耳の良いアトランティス人には筒抜けだった。


    【ナターシャ】ヽ(`Д´#)ノ
        「まったく化物って失礼ね。」
        「悪魔と呼びなさいよ。」

    【ミーシャ】
        「放った識神は ?」

    【ナターシャ】
        「今、バレージ(※1)を開始したわ。 当分増援の要請は届かないわ。」

    【ミーシャ】(-_-;)
        「でも、無関係の周波数までねごそき遮断したら、後で叱られるわよ」

    【ナターシャ】┐(´д`)┌
        「ターニャじゃあるまいし・・・高出力で全力バレージなんてできないわよ」
        「影響範囲は狭いけれど、周囲を山に囲まれた局地戦のエリアの中であれば効果は十分なハズよ」
        「5分で(識神が)消滅するようにセットしたわ」

    【ミーシャ】
        「第3世代型の応援か・・・。」
        「あそこから私達の姿も消えたことだし、フランス娘たちは安心して
            ここぞとばかりに残敵を必殺ワザのテストも兼ねて、一網打尽に抹殺するんじゃない ?」

    【ナターシャ】
        「そうね、あの子(フランス娘)たちも覚醒していたようですからね。」

    【ミーシャ】
        「じゃ、新幹線まで撤収するわ。」

    【ナターシャ】
        「駅のホームで待つとしましょうか。」



    一方で回収現場では

    【セッちゃん】
        「どう、開けられそう ?」

    警戒体制を取りながらセッちゃんが状況を確認する。

    【ターニャ】
        「大丈夫、システムの解析が終わって、今、セキュリティホールからパケットを流し込んでるところ。」
        バッファオーバーフロー(※2)起こしたら、緊急用プロトコルが起動するから、そうしたら安全装置が働いてハッチが自動的に開く。」
        「たぶん・・・。」

    【セッちゃん】
        「すごいね。」
        「私達とは異なる思想で動いているものを、よく中身が理解できたわね。」

    【ターニャ】
        「前に、でんでんシティーでジャンクを手に入れた。」
        「そのパーツに組み込まれていたコンピュータの動作アーキテクチャと非常に似ている」

    【セッちゃん】
        「ぁ、阿と吽がやって来た日のことね ?」

    【ターニャ】
        「ぅん。」


    そこへ、敵を掃討したフランシーヌたちがやって来た。

    【フランシーヌ】
        「まだやってるの ?」

    【ターニャ】
        「ぅん。」

    【シャルロット】
        「そんなのは、一発ぶった切ってしまえば ?」

    【セッちゃん】
        「さっきの聖剣で ?」

    まさかバレているとは思わなかったので一瞬何のことか分からなかったが、どうやら自分たちが繰り出した必殺技の事を言ってることに気づくのに少し時間を要した。

    【シャルロット】(-_-;)
        「ば、ばれてたのね。」

    【セッちゃん】
        「あれだけの大技を繰り出せば、誰でも気がつくわよ。」

    【フランシーヌ】
        「で、ソレ、どんな感じなのよ。」
        「開けられないなら、マジぶった切るわよ。」
        「いつ増援がやって来てもおかしくないんだから」


    【ターニャ】
        「・・・。」

    【フランシーヌ】(-_-;)
        「ほんとしゃべらない子ね。」

    【ターニャ】
        「・・・。」


    このフランス娘たちは、高飛車なだけでなく気も短かった・・・。
    なかなか作業が進展していないことと隠し事が難なくバレた事にフランシーヌは苛立った。

    【フランシーヌ】ヽ(`Д´#)ノ
        「何か言ったらどうなの ?」
        「上の二人の子はともかくとして、だいたい、なんでアンタのような特別な能力も持たない子が第6過程なのよ。」

    【シャルロット】(*´艸`*)
        「この学園最大の七不思議ね。」


    【セッちゃん】(,,゚Д゚)
        「こ、この子はメカに強いわっ!」

    なんとかフォローを試みたセッちゃんだが、余計に怒らせてしまった。

    【シャルロット】(ノ`Д´)ノ
        「何言ってるの!!」
        「メカに強い人なら、重工学部の連中がいるでしょう。」

    【フランシーヌ】( ̄へ ̄井)
        「ふん。」
        「どこのお嬢様かしらないけれど、あんまりいい気になるんじゃないよ」

    【フランシーヌ】( ̄へ ̄井)
        「私のお父様はあの世界的航空機メーカーのエアースペシャル社のCEOなんだから。」
        「そしてシャルはご先祖さまがフランス大統領をされてて今でも政界に広く交遊がある由緒あるご令嬢よ。」
        「あんたなんかどこの馬の骨かも判らない、ちょっと小金持ちなだけの平民とは格が違うのよ。」

    【ターニャ】
        「・・・。」

    【フランシーヌ】ヽ(#`Д´#)ノ
        「ねぇ、聞いてるの ?」

    【ターニャ】
        「・・・。」

    【フランシーヌ】ヽ(`Д´#)ノ
        「マジ、ムカつく。」

    フランシーヌは、脅すつもりで、さっきの聖剣を呼び出す構えを見せた。

    それを見たセッちゃんは、
    危険を感じ、とっさにターニャをかばった。

    【セッちゃん】(,,゚Д゚)
        「な、何をするの ?」

    【フランシーヌ】(*´艸`*)
        「なーに、お友達が少なそうな、そちらの無口な子とお友達になって遊んであげようと思っただけよ。」

    【セッちゃん】(,,゚Д゚)
        「でも、武器を具現化すると言うのは危険なのよ。 遊びではないわ。」

    【フランシーヌ】(*´艸`*)
        「何言ってるのよ。」
        「私たちは悪魔よ。」
        「ちょっとくらいの傷のひとつやふたつは、すぐに回復するわよ。」

    【セッちゃん】(゚д゚)!
        「バカ言ってないで、やめなさい。」

    【シャルロット】
        「へー、あなた達、平民の分際で、この私たちに指図するの ?」
        「いい度胸しているわね。」
        「アンタもターニャ同様に戦闘力たいした事ないくせに。」

    【フランシーヌ】(-_-;)
        「コイツら、一度シメた方が良さそうね。」

    【シャルロット】(*´艸`*)
        「いいわね。」

    普段表情をまったく変えないターニャの口元がかすかに笑ったのをフランシーヌが見逃さなかった。

    【フランシーヌ】(-_-;)
        「コイツ、笑いやがった。」

    【シャルロット】
        「まさか。」

    【フランシーヌ】
        「ぃや、間違いない。」
        「笑ったぞ。」
        「しかも寒気のする不気味な笑い方をしやがって・・・。」


    ターニャが作業を止めて、立ち上がってフランシーヌに向いた。
    普段は無口のターニャが突然口を開いた。

    【ターニャ】
        「2組の良子ちゃんもそうやって毎日いじめているんだ。」

    ターニャの不意の行動に一瞬フランシーヌも戸惑った。

    【フランシーヌ】
        「な、なによ。」
        「文句あるの ?」
        「良子はアンタに関係ないでしょ。」

    【シャルロット】(*´艸`*)
        「いいわっ!!」
        「ターニャ、貴女が希望するのなら良子と一緒に毎日可愛がってあげるわよ。」

    【シャルロット】┐(´д`)┌
        「あー、でも、運動神経鈍いのはダメだわ。」
        「アンタ、格闘技の訓練にはさっぱり出てこないし。」
        「運動は苦手なんでしょ ?」

    【フランシーヌ】(*´艸`*)
        「上の二人はあんなに運動ができるのに・・・ほんとに姉妹なのかしら ?」
        「まぁオタクってみな運動オンチなんだよねー。」

    【セッちゃん】(*゚∀゚)
        「そ、そんな事無いよね。」
        「ターニャは運動も出来るよね ?」

    【ターニャ】
        「・・・」

    【セッちゃん】
        「ほら、先日のカメーニャ防衛戦では、執事さんたちが見せてくれたあれだけの火力を、ターニャたちなら突破するって言ってたじゃないの・・・」

    【ターニャ】
        「・・・」

    【フランシーヌ】┐(´д`)┌
        「呆れた、あんなの信じているの ?」
        「能天気ねぇ。」
        「あんなのデタラメに決まってるでしょ。」

    【シャルロット】┐(´д`)┌
        「こんなどんくさい子があれだけの火力を突破できるわけないじゃないのよ。」
        「あんなのを無傷で突破できる戦闘力が本当にあるのなら悪魔どころか大魔王にだってなれるわよっ!」
        「それに、ほら、ターニャだって都合が悪いから黙っているじゃない。」


    しかし、再び口元が笑ったターニャを見て、フランシーヌが切れた。

    【フランシーヌ】ヽ(`Д´#)ノ
        コイツ、やっぱりっ!!
        「まじムカツクっ!」

    フランシーヌのユーロドローンは聖剣を具現化する構えに入り、聖剣生成用術式コード(※3)の入力に入った。



    頭に血が昇ったフランシーヌたちはすっかり失念しているが
    それは機体モニタリングによって学園にも中継されていた。

    【さえ】(・o・)
        「ねぇ」
        「あの子たち、止めましょうか ?」

    心配になったさえ教官が私に尋ねた。
    が、だいたい結末は判っていたので放置する事にした。

    【東郷】(・o・)
        「ぃや、いい。」

    【さえ】(・o・)
        「ぁ、そう。」
        「ならいいわ。」

    セッちゃんがターニャの全面に出て手を広げ、ターニャの盾になろうとしていた。

    【セッちゃん】
        「何やっているのよ。」
        「本当にやめてっ!!」

    【フランシーヌ】
        ふん、愚民どもめ。
        力のあるものがこの世を支配できる事を思い知らせてあげるわ。

    ターニャは思いの強い力で、セッちゃんを脇へ突き飛ばした。

    【セッちゃん】
        「きゃっ」
        「何するの ?」

    とつぜん、雰囲気が豹変したターニャにフランシーヌとシャルロットは一歩後退した。

    それは新幹線に乗車しようとしていたミーシャとナターシャにも気配が届いていた。

    【ミーシャ】(・o・)
        「ぁ・・・。」

    【ナターシャ】
        「どこかの馬鹿が、ターニャを怒らせたわね・・・。」

    【ミーシャ】(-_-;)
        「どうせ、あのフランスバカ娘なんでしょう・・・」
        「引き返す ?」

    【ナターシャ】(-_-;)
        「ぃや、面倒だからヤメとく。」
        「せめて殺されないことを祈りましょう。」

    やれやれと言った感じで二人は新幹線に乗車した。



    【ターニャ】
        「ふん、雑魚が。」
        「覚醒したばかりのナノスキルで浮かれよって。」
        「あの聖剣を具現化できたのは流石だ。 素質は持っているようだ。」
        「だが、その程度のスキルでいきなり実戦で使用するのは正気ではないな。」
        「死ぬ気か ?」

    表情はいつもの無表情だが、あきらかに何かヤバイ事が起きつつあることだけはシャルロットたちに伝わってきていた。

    【シャルロット】
        「こ、コイツ、なんだかヤバイぞ。」

    【フランシーヌ】(,,゚Д゚)
        「ぉ、お前は何者だっ!!」
        「わ・・・私達にナメた口叩くと本当に痛い目に遭うわよっ!!」


    【セッちゃん】
        「ターニャ・・・突然どうしたのよ ?」
        「相手を挑発するだなんて普段のターニャじゃないわっ!!」

    【ターニャ】
        「貴女は心配しなくてもいい。」
        「どうせあの雑魚どもは私に何も出来やしない」

    【フランシーヌ】
        「雑魚!?」
        「この私たちが雑魚だと ?」

    【フランシーヌ】
        「もう許さないっ!!」

    【東郷】(・o・)
        「勝負あったな。」
        「さて、仕事に戻ろっと・・・。」

    私は、十津谷からのモニタリングを切断して中継を終わらせた。

    【さえ】
        「最後まで見なくていいのですか ?」

    【東郷】
        「いいの。」

    【さえ】(-_-;)
        「そ、そうなんだ・・・。」



    フランシーヌは聖剣の生成術式を一気に完成させると、具現化起動コード(※4)を入力し、マニピュレーターを上から振り下ろす構えをとった。
    具現化すると同時に、一気に聖剣を振り下ろす構えのようだ。

    しかし

    【シャルロット】(-_-;)
        「どうしたの ?」

    【フランシーヌ】(゚д゚)!
        「ぐ、具現化できない・・・。」

    【シャルロット】(゚д゚)!
        「ぇっ!?」
        「マジ ?」
        「なんでよ!」

    【フランシーヌ】(゚д゚)!
        「判らない。」
        「具現化起動コードを入力してもデプロイ・エラー(※5)になって具現化できないのよ。」

    【シャルロット】(-_-;)
        「術式にビルド・エラー(※6)は出てないの ?」

    【フランシーヌ】
        「ビルド・エラーは出てないわよ。」
        「正常終了したわ。」

    【フランシーヌ】
        「しかし、具現化しようとするとエラーとなる・・・。」

    【シャルロット】(ノ`Д´)ノ
        「じゃ、どういうことよ。」

    フランシーヌは、具現化できない理由を示す警告メッセージを一瞬だけ読み取った。

    【フランシーヌ】(,,゚Д゚)
        Warning Royalty Privilege Protect ... ???
        王族特権プロテクト・・・だと ?

    その瞬間、フランシーヌが着込んでいたユーロドローンは電力が尽きた事を示す警報を発すと同時にハッチが強制開放されてパイロットが露出した。

    【フランシーヌ】
        「な・・・」

    続いて、シャルロットのユーロファイアーも活動を停止した。

    【シャルロット】(,,゚Д゚)
        「ちょ、ちょっとなにこれっ!!」
        「最小電池パックでも24時間は戦術駆動できる筈よ ?」


    何が起こったのか訳が分からずにテンパるフランス娘達にターニャが言葉を放つ。

    【ターニャ】
        「未熟者のお前たちがナノマシンを暴走させないであの聖剣を支配した事は褒めてやる。」
        「しかし真新しい機体と新しいスキルで有頂天になって、その結果、ナノマシンを暴走させて死んでしまったら意味はない。」

    【シャルロット】
        「暴走って・・・。」

    【フランシーヌ】
        「ナノ・インジェクション・バースト(※7)の事 !?」

    【ターニャ】
        「そうだ。」
        「死にたいのか?」

    【ターニャ】
        「それから、東郷は渡せん。」

    【フランシーヌ】
        「と、東・・・郷」

    【フランシーヌ】
        漏れるはずのない二人で話していた東郷の会話が聞かれていた・・・だと。
        どうやって ?

    【フランシーヌ】
        いや、しかし、重要なのはそこではなく、
        機体が停止する一瞬に表示された王族特権プロテクトの警告。
        あれは、以前に東郷のときにも発動された特別な者だけに与えられる反逆防止機能とも言える能力。

    【フランシーヌ】
        コレ以上コイツに構うと何だかかなりヤバイことになる予感しかしない・・・。

    この瞬間、フランシーヌたちは、ターニャが自分たちとは根本的に何かが違う "何者か" である事に気づき、争う気力が急速に萎えていった。


    【シャルロット】
        「正真正銘のば・・・ぃえ、悪魔ですね」
            一度は化物と言いかけたが、悪魔と言った。

    【ターニャ】
        「なぁに、心配することない。」
        「悪魔契約を経てナノマシンを体に宿したあなた達も、そのうちそうなるわ」
        「私たち(姉妹)には及ばないけどね。」

    【セッちゃん】
        「ふぅ・・・」
    一触即発の危機を脱し、安堵した。


    【ターニャ】( ̄д ̄)
        「ぁ、ハッチが開く。」


    普段のターニャに戻っていた。


    フランシーヌとシャルロットは、動かなくなった機体を脱ぎ捨て、脱出ポッドに駆け寄った。

    【シャルロット】
        「ようやくね」

    【フランシーヌ】
        「この勝負はおあずけよ。」

    【ターニャ】
        「うん。」

    ハッチのロックが段階的に解除されるメカニカルな駆動が聞こえてきた。
    シャルロットが警戒のため拳銃を具現化して、銃口をハッチに向けた。

    【ターニャ】
        「大丈夫。」

    しかしシャルロットは銃口を向けたまま警戒を続ける。

    パシューーーン
    気密が開放される音とともにハッチが開いた。

    狭いハッチの中には、2人の少女が眠っていた。

    【フランシーヌ】(・o・)
        「犬 ?」

    【セッちゃん】
        「マキリ人よ」
        「アンドロメダ陣営のアトラミス王国ね」

    アンドロメダ陣営と聞いたシャルロットが再び銃を構える。

    【セッちゃん】(^-^)
        「大丈夫よ。」
        「まだ眠っているわ。」
        「バイタルは安定しているようね。」

    彼女たちは強制的に眠らされていた。
    宇宙艦の脱出ポッドは基本的に、広大な宇宙空間に射出される為、すぐに救助されるとは限らない。
    そこで、脱出ポッドに乗り込むと、自動的に冬眠状態に移行するシステムが作動する。

    【セッちゃん】
        「今から蘇生処置を施すわ。」

    【フランシーヌ】
        「データベースの記録によると、アンドロメダ陣営は全部が犬というわけではないのでしょ ?」

    【セッちゃん】
        「そうよ。」
        「それに私達猫族と犬族はもともと交流があったのよ。」

    【フランシーヌ】
        「ふーーん。」

    【セッちゃん】
        「さて、蘇生のシーケンスは、と・・・。」

    なんだかよくわからない言語で書かれたパネルを指で追いながら手順を確認する。

    【シャルロット】
        「文字、読めるんだ。」

    【セッちゃん】
        「実家が外交官ですからね。」
        「アンドロメダの主要な言語はナノアシスト無しでも理解できるわ。」

    やがて、蘇生シーケンスが作動したのか、いくつかのランプが点滅し、バイタルモニターとおぼしき表示装置がさまざまな情報を映していった。


    【セッちゃん】
        「じきに目がさめるわ。」

    【セッちゃん】
        「さて、学園に報告しなきゃ・・・と。 あれ ?」

    【シャルロット】
        「通信ならとっくに切れてるわよ。」

    【セッちゃん】
        「仕方ないわ、いったんは学園に連れて帰るわ。」
        「あなた達は、その新型機で先に戻っていいわよ。」

    【シャルロット(-_-;)】
        「って言われても・・・動力落ちたし。」

    【セッちゃん】
        「あら、動いているわよ。」

    【シャルロット】(゚д゚)!
        「ぇっ!?」

    【フランシーヌ】
        「あらホント。」
        「いつ復旧したのかしら ?」
        「まったくこのポンコツめっ」
        「あとでお父様にクレームいれておかなきゃ。」


    それはナノマシンを操作してフランス機の電源を落としたターニャの仕業でフランシーヌの見当違いの怒りの矛先を聞いて、ターニャの口元がやや緩んだ。
    が、それは誰も気づくことはなかった。




    太平洋上空のAS16では、まだ戦闘が継続していた。


    【ナナ】
        「後方に回り込みつつある敵に速射砲で牽制できる ?」

    【なるみ】
        「わかったわ。」
        「クラスターでいい ?」

    【ナナ】
        「まかせるわっ!」


    【ナナ】
        「接近中の戦闘鬼の増援に近距離火力支援をっ!!」

    【ジョージ】
        「これは私が引き受けるわ。」
        「ファランクス(※8)、目標自動追尾モードに設定。」
        「甲板上以外の動く目標は全機攻撃対象に設定。」

    【ナナ】
        「サッチとサダッチ、聞こえる ?」
        「接近中の戦闘鬼増援をCIWSで掃討します。」
        「戦闘機動に備えて」

    【サッチ】【サダッチ】
        「了解っ!」

    ハヤブサに備えられているテンションワイヤーを甲板にぶっ刺すと戦闘鬼をゆるく固定した。
    甲板上に取り付いてる敵の戦闘鬼とはまだ戦闘中なのでガチガチに固定すると身動きが取れなくなって "マト"  になってしまうため、わざと動ける余地を残してワイヤーを展開したのだった。

    【サッチ】
        「こっちはいいわよ。」

    【ナナ】
        「やっちゃって。」

    【ジョージ】
        「了解っ!!」
        「攻撃開始。」

    AS16の表面装甲の下に隠されていた20mmCIWSが射界に侵入してくる信号を捉えると即座に攻撃を開始し、瞬く間に6機を沈める。

    【サッチ】
        「すごいね。」
        「なんで今まで使わなかったのよっ!!」

    【ジョージ】
        「デンキ不足なのよっ!」

    【サッチ】(-_-;)
        「そ、そうだったわね・・・。」

    【サダッチ】
        「電力はもう大丈夫なのですか ?」

    【ジョージ】(TдT)
        「全然だいじょうぶじゃないわよ。」
        「積乱雲から電力を確保するのに、今アンとレイチェルが必死で操艦してるわ。」
        「しばらく荒れるけれど頑張ってっ!」

    【サダッチ】
        「わかったわ。」
        「そちらもムリしないでね。」

    【ジョージ】
        「ありがとう、伝えておくわ。」

    この間に速射砲が断続的に射撃を開始していた。
    この速射砲はもともとスイスの銃器メーカーが開発した艦砲を転用したもので日本海軍の最新鋭護衛艦にも搭載されているのと同じタイプのものだ。
    しかし連続射撃に必要な水冷システムは空の上では使用できないため、射撃速度を毎分60発の空冷式にデチューンされたものが搭載されていた。
    それでも、1秒間に1発の間隔で空中から発射されるクラスター弾は、高速で飛行する航空機にとっては非常に脅威で、知らずに接近を試みた攻撃機は瞬く間に落とされてしまった。



    【まっちゃん】
        「ちょっとまって、マズイ事になってるわね。」

    【ナナ】
        「どうしたの ?」

    【まっちゃん】
        「さっき、警告をしてくれたプレイングカード号の早期警戒機が追われてるわ。」

    【ジョージ】
        「ええっ!?  なんでよ ?」

    【まっちゃん】
        「たぶん、バレた腹いせを受けているのでは ?」

    【ナナ】
        「陰険なのね・・・。」

    【まっちゃん】
        「まぁそう言う文化の民族が相手ですから」

    【ナナ】
        「で、状況は ?」

    【まっちゃん】(・o・)
        「通信内容から統一朝鮮軍のF35Aの追尾を受けているようですね。」
        「CAP(※9)に出動中のプレイングカード号の艦載機が現場に急行中ですが、どうも間に合わなそうな・・・。」
        「こっちのセンサーは現在パッシブですからそれ以上の事は判りません。」

    【ナナ】
        「日本軍のネットワークにダイブして対馬のレーダー情報を検索できる ?」

    【まっちゃん】
        「あとで怒られてもしらないよ ?」

    【ナナ】
        「日本軍のネットワークにダイブして対馬のレーダー情報を検索できる ?」

    【まっちゃん】(*´艸`*)
        「みちびき(※10)のレーザー回線に割り込めば、周辺の敵に知られる事なく日本国内のネットワークに入れると思うからちょっと待って下さい」

    高度な通信セキュリティをものともせずに、衛星の回線に割り込むと、その中から空軍のデータ通信のパケットのみをフィルタリングしてみた。
    すると案の定、膨大な通信の中に対馬から送信されたとみられるレーダー情報を発見した。

    【まっちゃん】
        「でました」

    【ナナ】(-_-;)
        「早かったわね ?」
        「セキュリティ、そんなザルだったかしら ???」

    【まっちゃん】(*´艸`*)
        「鉄壁のサーバーを突破するよりも通信を傍受した方が楽なのよ。」
        「このみちびきは静止軌道にあるからレーザー通信で大量のデータをやりとりするのにも使ってるわけ。」
        「なのでその中から空軍のものを探せばいいだけよ。」

    【まっちゃん】ヽ(=´▽`=)ノ
        「さて、見つけたわ。」
        「F35Aライトニング。」
        「やはり統一朝鮮軍が使用する旧世代のステルス機(※11)のようですね。」
        「どうする。」

    【ナナ】
        「たすけてもらったお礼をしなきゃ。」
        「状況は ?」

    【まっちゃん】
        「まだ追跡しているわ。」
        「時々激しいノイズが混ざるようですね。」
        「早期警戒機は逃げながらも妨害電波を発して激しく抵抗しているようです。」

    【ナナ】
        「なるみ、お願いを聞いてもらえるかしら ?」

    【なるみ】
        「わかってるわよ。」
        「すでにデータを受け取ってるから、いつでも主砲を撃てるわよ。」

    【ナナ】
        「F35がミサイルを放つ前に沈めなきゃ。」
        「やっちゃって。」

    【なるみ】(・o・)
        「了解っ!!」
        「撃ちー方はじめっ!!」

    太平洋上空から日本列島を横切って日本海に到達するには、最新の気象データを元に
    風の向きや速さ、そして気圧の変化を予測し、最終的には地球の自転と惑星の丸みを考慮して弾道計算を行うがそれを計算するコンピュータには電力が必要とする。
    しかし今の状況では電力の確保がままならず、なるみの天才的な勘に頼るしか無かった。

    何発か外したすえにようやく、ネットワークのパケットからF35のレコードが消えた。

    【なるみ】
        「どう ?」

    【まっちゃん】(・o・)
        「通信パケットからは検出できなくなったので堕ちたんじないの ?」

    【なるみ】
        「よかった。」

    さすがに神経をすり減らしたのか、なるみは安堵の笑顔を見せた。

    【ジョージ】m(_ _)m
        「我が同胞を救ってくれたことに感謝する。」
        「対馬戦争では我がアメリカは日本を助けてやれなかったのに・・・。」

    【なるみ】
        「私ではなくて、決断したナナにお礼を言ってよ。」

    【ナナ】
        「何いってるのよ。 私が言った時には、すでにスタンバってたくせに。」
        「私からもお礼を言うわ。 ありがとう、本当によくやってくれたわ。」
        「火器管制システムが動作しない中でのあの腕前は本当にスゴイわ。」

    【なるみ】(*´∀`*)
        「えへへへへ・・・・。」

    この時なるみは初めて褒められるのも悪い気分ではないと思った。



    十津谷の現場では、2人の美少女のうち、年上そうな女の子が先に目を覚ました。

    【マキリ人少女 A】
        「こ・・・ここは ?」

    まだ意識がハッキリとしないようだが、周囲を確認しようと起き上がろうとした。

    【セッちゃん】
        「まだ起きちゃだめよ。」

    【マキリ人少女 A】
        「ぁ・・・貴女は ?」

    弱々しく尋ねるマキリ人の少女に、ゆっくりと丁寧に、マキリ語でセッちゃんが答える。

    【セッちゃん】
        「ここは地球よ」
        「ダイダロス(天の川)銀河、アトランティス(太陽)星系第三惑星の地球。」

    【マキリ人少女 A】
        「ち、きゅう ?」

    【セッちゃん】
        「そうよ、現地の言葉で地球。」

    【マキリ人少女 A】
        「助かったのね ?」

    【セッちゃん】
        「ぇえ、助かったのよ。」
        「もうひとりも無事よ。 彼女もすぐに目がさめるわ。」

    【マキリ人少女 A】
        「そう・・・。」

    と、再び意識が遠のいて、眠りに入った。

    【フランシーヌ】
        「あらら、大丈夫なの ?」

    【マキリ人少女 A】
        「バイタルは異常ないわ。」
        「ただ、彼女たちの星とは大気の成分が異なるので、体が慣れるのに時間が必要かも。」
        「自力で歩くのは無理ね。」


    【シャルロット】
        「どうやって連れ帰るのよ ?」
        「応援呼ぶ ?」

    【セッちゃん】
        「その戦闘鬼で抱えて運搬するのはちょっと振動が大きいわね。」
        「新幹線に乗せるわ。」
        「要塞駅までおぶっていけるから大丈夫よ。」

    【フランシーヌ】
        「もうひとり、チビっこいのは ?」

    【セッちゃん】
        「ターニャ、この娘、おんぶ出来る ?」

    【ターニャ】
        「ぅん、問題ない。」

    【セッちゃん】
        「じゃ、その娘を駅まで頼むわね。」

    【ターニャ】
        「ぅん。」


    【セッちゃん】
        「残骸を回収するわよ。」

    ターニャがナノマシンを展開すると、ナノマシンがその構造をスキャンして情報に変換し、ストレージに保管すると、脱出ポッドそのものは分解されて消滅した。


    セッちゃんは、ターニャと共に、救出した2名の少女を担ぐと、駅へと急いだ。
    回復したフランス機は駅までセッちゃんたちを護衛した後、先に帯締学園に帰投した。



    AS16ではまだ戦闘が続いていた。

    【まっちゃん】
        「敵空母は未確認の新型のようです。」
        「ネットでの噂でしか情報は無かったのですが、電磁カタパルト搭載型の原子力空母が台湾本島で建造されていたとかで、もしかすると、ソレかもしれません。」

    【ジョージ】
        「それなら我が国の偵察衛星がキャッチしているとは思うのだが・・・。」

    【まっちゃん】
        「台湾有事を想定した断崖絶壁をくり抜いた大きな造船所があったんですよ。」
        「空からは見えないよ。」

    【ジョージ】
        「その造船所がシナ軍に接収されたワケか・・・。」

    【まっちゃん】
        「そのようですね。」

    【ナナ】
        「でも、敵の正体がわかったところで、今はどうしようもないわね。」
        「今、上がってきたひこーきの数は判る ?」

    【まっちゃん】
        「判ってるだけで、30機ほどかと。」

    【ジョージ】
        「5分たらずの間に、30機の戦闘機が一気に発艦できると言うことは、やはり電磁カタパルトを実用化したと言うことか。」

    【まっちゃん】
        「各機が散開して接近してきますので、さっきのように一撃で殲滅するのは困難です。」

    【ナナ】
        「学習したか・・・。」

    【なるみ】┐(´д`)┌
        「火器管制システムなしでこれ以上は厳しいわよ。」

    【ナナ】(-_-;)
        「うーーーん。 厳しいな。」
        「どうすれば・・・。」


    【レイチェル】(*゚∀゚)
        「逃げましょうっ!!」

    【アン】
        「私も同意っ!!」

    【ジョージ】(・o・)
        「甲板にとりついた敵戦闘鬼は ?」

    【ナナ】
        「サッチたちがいまだ交戦中です。」

    【まっちゃん】
        「甲板の敵がビーコンの役目をしているので、こちらの位置がバレバレです。」
        「せっかくのステルス機能が台無しです。」

    【まっちゃん】
        「確かにこれ以上この空域にとどまるのは敵を呼び寄せるだけです。」
        「すでの敵にはAS16の存在がバレている以上はここはもう逃げるしかないかと。」

    【ジョージ】
        「電力が確保できれば武器システムがフル稼働させられるのに・・・。」

    【まっちゃん】
        「仕方ないです。」
        「このAS16自体も、これほどの数を相手に、しかも断続的に続く戦闘経験はないですからね。」
        「今後の性能改善に活かすためにもこのフネはなんとしても持ち帰りましょう。」

    【ナナ】
        「そうね、みんなの言うとおりだわ。」
        「ここは撤退しましょう。」
        「学園に連絡をっ!!」

    【ジョージ】
        「私に任せてっ!」

    【ナナ】
        「サッチ、サダッチ、聞こえる ?」

    【サッチ】
        「何よ、今忙しいの。」ヽ(`Д´#)ノ
        「次から次へと敵がやって来てどうなってるのよっ!!」

    【ナナ】
        「甲板の敵はいいから、艦内へ戻って。」

    【サッチ】(,,゚Д゚)
        「ちょっと待って、なんでよ ?」

    【ナナ】(・o・)
        「ラチあかないから、この場からトンズラこくわ。」

    【ナナ】
        「全速力を出してもスピードでないから、
            装甲を兼ねた飛行甲板を敵さんもろともパージするの。」
        「少し軽くすれば定格速度よりは早く飛べる(気がする)わ。」

    【サッチ】(-_-;)
        「勝手に帝国のフネの装備を海へ投棄したりなんかしちゃって、後で怒られてもしらないよ。」

    【ナナ】
        「このフネはもうバレバレだから隠れることは難しいのよ。」
        「かと言って敵の手に落ちることは回避しないと。」

    【サダッチ】
        「確かに、それ以外の手はなさそうですね。」
        「私達も艦内に戻りましょう。」

    【サッチ】
        「判ったわっ。」
        「じゃパージしちゃって。」

    【まっちゃん】(・o・)
        「了解」
        「ポチっと・・・。」

    ステルス機能を有する飛行甲板は飛行船本体とはボルトで結合されており、緊急時には爆破してパージする事ができるようになっている。
    まっちゃんその機能を起動させた。
    すると、あちこちで飛行甲板が爆発し、細かなパーツ単位で海へ落下し始めた。

    【サッチ】ヽ(`Д´#)ノ
        「ひーーーーっ!!」
        「殺す気なの !?」
        「まだ戻ってないわよっ!!」

    【まっちゃん】(・o・)    
        「ぁ、ごめん、"判った" と言ったから、ボタン押しちゃった。」

    【サッチ】(ノ`Д´)ノ
        「条件反射で押すヤツが居るかっ!!」

    【ナナ】(*´艸`*)
        「まぁまぁ、元気な声が聞えるということは無事な証拠よ。」
        「敵は ?」

    【サダッチ】
        「一緒に堕ちていったわ。」
        「彼ら、フライトユニットを投棄してフネに取り付いたから、もう飛べないわね。」

    【サッチ】(-_-;)
        「ぁ、悪魔の所業だ・・・。」

    【サダッチ】
        「私たちは悪魔ですから。」

    【ジョージ】
        「学園からコンセンサスが得られたわっ!!」
        「学園長が直接近衛隊へ連絡してくれるそうよ。」

    【ナナ】
        「ありがとう」    

    【ナナ】
        「さて、最大戦速で逃げるわよっ!!!」

    【サダッチ】
        「もう船内に戻ったからぶっちぎっちゃってっ!!」

    サッチたちは傷だらけのハヤブサを脱ぎ捨てるとブリッジへと急いだが・・・。

    【サッチ】(-_-;)
        「ぉ、遅いわね・・・。」
        「判ってはいたけれど・・・こんな激遅だったっけ ???」

    【サダッチ】┐(´д`)┌
        「所詮、飛行船ですからね。」

    【ナナ】(^_^)
        「軽くなったので、これでも時速にして50キロぐらいは速くなったのよ。」

    【サッチ】(-_-;)
        「・・・。」

    【ジョージ】
        「アカラサマに落胆するのはよしてください。」
        「これでも皆さん頑張ったのですから。」

    【サッチ】(^o^)
        「ごめん、ごめん。」
        「しかし、この速度ではやっぱどのみち追いつかれちゃいますね。」

    【ナナ】(^o^)
        「そうなのよ、とにかく今は、太平洋上を迷走中」

    【サッチ】(,,゚Д゚)
        「えええーーーーーっ!!」
        「迷子になってるの ???」

    【ナナ】(^o^)V
        「ぃや、迷子になった訳ではないんだけれど、とりあえず、
            一番安全そうな方角へ・・・。」

    【ジョージ】
        「あの状況では、あの場から逃げるのが精一杯でしたから。」

    【サッチ】(-_-;)
        「まぁ状況は判ったわ。」

    【サダッチ】
        「現在地はわかりますか ?」

    【ナナ】
        「ええ」

    【サダッチ】
        「座標をくださるかしら ?」

    サッチとサダッチにDBへのアクセス権限を付与した。
    ナノリンクでAS16のデータサーバーにアクセスすると、その中からAS16の航法ログを抽出してナビゲーションマップにマージして、さらに、みちびきから得られた位置情報を元に思考をめぐらした。

    【サダッチ】
        「右舷10度、ここから約120キロに向かってくれます ?」

    【ナナ】
        「何があるの ?」

    【サッチ】
        「真台湾よ」

    【ジョージ】
        「アレ、実在するの ???」
        「噂でしか聞いたことないわよ。」
        「検索してもいい加減な情報しか出てこないし・・・。」

    【ナナ】
        「本当の話よ。」

    【ナナ】
        「シナ軍の台湾侵攻では多くの台湾人が海へと逃れたの」

    【まっちゃん】
        「その難民となった台湾の人達を収容すべく、当時の日本の海洋技術をフル動員して建造されたのが全長45Km、全幅20Kmの超巨大メガフロートで、軍民併せて1000万人を収容しているのよ。」
        「文字通り地球最大規模の移動海上都市よ。」
        「これを台湾の人々は真の台湾と名付け、第2の故郷として暮らしていると聞くわ。」

    【ジョージ】
        「でも、そんな大きな構造体なら、すぐに見つかって攻撃を受けるのでは ?」

    【まっちゃん】
        「そこは、台湾とシナとの技術格差がありますから、なんとか防いでるわ。」
        「それに日本の技術も融合していますしね。」
        「中央に居住区を配置し、その周囲を防衛システムで守り固め全周からの同時多発的な攻撃にも耐えるようになってるわ」
        「何度も弾道弾の攻撃を受けだけれど当たったのは過去に3発のみ、しかし、いづれも落下の勢いが大きすぎて構造体を突き抜けて水没しているわ。」
        「航空機を派遣しても瞬く間に落とされるものだから、次第にシナ軍もつつき回すのを敬遠するようになったと聞きます。」

    【アン】
        「海上都市というよりは、海上要塞って感じね。」

    【レイチェル】
        「でも、その都市の現在の位置が何故すぐに判ったの ?」

    【サダッチ】
        「日本軍も駐留しているからよ。」

    【まっちゃん】
        「日本の防衛システムともリンクしているので、衛星への通信信号をキャッチできればそこからだいたいの居場所を特定するのは簡単よ。」
        「まぁそもそも、その信号を何故生徒会が知ってるか・・・なんだけれど。」

    【サダッチ】
        「それは秘密よ。」

    【サッチ】
        「今では日本と台湾とは、アメリカ以上の同盟関係ですからね。」
        「我がアトランティスも日本国の集団的自衛権の枠組みに組み込まれている以上は、その同盟国との連絡網をもっているってワケよ。」


    【まっちゃん】
        「おしゃべりはここまでよ。」
        「追っ手が来るわよっ!!」

    【ナナ】
        「私は引き続きフネの指揮をとりますが、生徒会は台湾へ救援を要請できるかしら?」

    【サッチ】
        「もちろんよ。」
        「サダッチにお願いするわ。」
        「まっちゃんは台湾の日本軍へのアクセスを開いてちょうだい」

    【まっちゃん】【サダッチ】
        「判ったわ。」


    【ナナ】
        「では、全速前進といきますか!」

    【レイチェル】(,,゚Д゚)
        「もうすでにフルスピードですっ!!」

    【ナナ】(^o^)V
        「判ってるわよ、号令かけないと、なんだか気分が出ないでしょ ?」

    【アン】ヽ(=´▽`=)ノ
        「アイ、マム」
        「スターボード10」・・・面舵10度

    【レイチェル】
        「フル アヘッ ツー!!!」・・・ 両舷全速前進

    船内に機関最大のベルが響き渡り、AS16は真台湾へと進路を向けた。

 

 

 

 

 

         (※1)バレージ
            広範囲の周波数に渡り無差別に信号を妨害する行為。

        (※2)バッファオーバーフロー
            コンピュータのメモリに対して、その容量を超えるデータを送信する事でプログラムの暴走を促し、暴走した先で本来意図しない挙動を期待するプログラムを実行させる行為。
            どんなシステムでも友好なわけではなく、星系ごとに異なるアーキテクチャを知っている事が前提となり、SFの世界のように異文化のコンピュータシステムをやすやすとハッキングするシーンは絶対に発生しない。

        (※3)聖剣生成用術式コード
            聖剣を生成するに必要なコマンドをナノマシンに指示するプログラムコードを意味する。
            ナノ技術は錬金術ではないので、無から分質を生成する事はできないため、ナノマシンにハードを生成するに必要な分子レベルの素材の収拾と構築を指示する訳だがそれには高度なプログラミング技術を必要とする。
            一般的な装備は脳内アプリとしてリリースされてはいるが、副作用の少ない汎用的な利用が前提となっており、性能には限界がある。
            ただ、それらのアプリをカスタマイズしたりして自分用に機能を強化する事は可能。
            しかしそれらのアプリの中でも、生成するにも実体化した装備を扱うにも、精度の高い適性を必要とする一歩間違えれば命を落とすほどの危険なモノも存在しており、フランシーヌの聖剣生成用術式コードはこれに属している。

        (※4)具現化起動コード
            ※5で解説するナノマシンが生成した装備の材料を最終的に形として実体化するためのコマンドコードを指し、※5の段階でエラーがでなければ、特別な例外を除いてはここで処理が止まることはない。

        (※5)デプロイ・エラー
            ナノアプリが装備を具現化する為にナノマシンを制御して装備を実体化させるようにプログラムを動かす。
            これをビルドと呼ぶがビルドが終わった段階では、まだ装備は具現化されていない。
            ビルドが終わった工程というのは、ナノマシンが装備を具現化するに必要な設定値やパラメータ等を艦隊のライブラリからかき集めたり、あるいはライブラリに無いものを自作するなどして、装備の構成に必要な材料を一式準備する段階が完了した状態を指している。
            ここで何かしらの原因で、必要な材料が揃わなかった場合、デプロイ・エラーとなって処理が停止する。

        (※6)ビルド・エラー
            ナノアプリが装備を具現化する為にナノマシンを制御するためのプログラムを実際に起動する事でプログラムは仕事を開始するが、プログラムの内容に誤りがあると、エラーを発してナノマシン停止させる機能が組み込まれている。

        (※7)ナノ・インジェクション・バースト
            ナノマシンの暴走

        (※8)ファランクス
            近接個艦防御用の20mmバルカン砲の事で、長年安定した性能を誇るベストセラーの兵装。
            通常は、地球軍の水上艦艇に装備されているが、使い勝手の良さから一部のアトランティス艦隊にも導入されている。
            一般的には硬い対艦ドローンを迎撃する事を考慮して劣化ウラン弾頭を使用するが、日本海軍では一時期タングステン弾頭を使用していた。
            ただタングステンの合金は地球上で採取できる産地が限定されており、さらにそこが敵国であったため調達に支障が生じ、今では劣化ウラン弾頭に切り替わっている。

        (※9)CAP・・・Combat Air Patrol
            空母艦隊は危険を察知してから迎撃機を発進させていては高速で飛来する対艦ドローンに対して
            手遅れとなる危険が大きい。
            そこで、哨戒機として武装させた戦闘機で艦隊の周囲を警戒させる任務を与え、艦隊への接近を試みる敵性を排除する。

        (※10)みちびき
            対馬戦争後、日本国防省主幹となった準天頂衛星で、アメリカ製GPSの補完的な機能を持つ他、高速レーザー回線により太平洋/極東全域との通信業務を請け負う。
            また全天候型の高精度センサーを搭載する事でレーダーでは捉えられない飛行物体や艦船を追跡する機能も持っている。

        (※11)旧世代のステルス機
            F35クラスまでを第2世代型ステルス機と呼ばれ、旧世代のカテゴリに分類されている。


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