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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-9-3】環境テロリスト

環境テロリスト

【1-9-3】

 

十津谷

 

 ブーメランの襲撃を受けていたナナたちは反撃もできないまま
 ただひたすら逃げ回っていた。

 

 【なるみ】
  「しつこいわね。」
  「あの戦闘鬼は水をものともしないのね。」

 

 【ナナ】
  「アレって水陸両用の軍用だったんじゃないかしら ?」

 

 【なるみ】
  「そういえば、そうだったわね。」
  「でも、あんなの、普通のテロリストでは手にはいらないわよ。」

 

 【ナナ】
  「きっと背後に大きな組織が暗躍しているのではないかしら。」

 


 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員B】
  「なんてすばしこいガキどもなんだ。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「おい、撮影ドローンはちゃんと中継しているんだろうな。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員C】
  「問題なく送信されていますよ。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「ハリウッドやシリコンバレーのスポンサーさまたちは、わかりやすく明確な結果を求めておられる。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「運び屋を倒すさまを世界にナマで配信できれば、オレたちの認知度も上昇するし
俺たちの活躍が全世界の富裕層たちに中継されればもっと多くの寄付金が集まって
活動資金も大幅アップは間違いなしだ。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「必ずアイツらを仕留めるぞ。」

 

 

 【なるみ】
  「思うのですが・・・。」

 

 【ナナ】
  「なによ。」
  「舌噛むわよ。」

 

 【なるみ】
  「あいつら、操縦さっきより上手くなってない ?」

 

 【ナナ】
  「そのようね。」

 

 【ナナ】
  「この手のマシンはパイロットに適正があれば、乗ってるうちに上達するそうですからね。」
  「さらにハヤブサのようにアシストするAIが優秀であればなおさらよ。」

 


 シーブルドックの構成員は次第にブーメランの操作に慣れてきてスムーズに運動ができるように上達してきた。

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員B】
  「へへ、コイツの動かし方、判ってきたぜ。」
  「オレたち、意外に才能あるかもな。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「よし、作戦を変えるぞ。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「3機で、肉のケースを持ったヤツを追う。」
  「残り1機は逃げられないようにもう一人を追いかけろ。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長B,C,D】
  「了解。」

 


 【なるみ】
  確実に仕留める作戦に変えてきたか・・・。
  「ナナのコンテナは私によこして。」
  「私が3機を引き受けるわ。」
  「そのスキをついて、旅館まで走るのよっ!!」

 

 【ナナ】
  「ちょっと待ってよ。」
  「私はクラス委員よ。」
  「そんな事できるわけないじゃないの。」

 

 【ナナ】
  「なるみが行くのよっ!!」
  「判った ?」

 

 【なるみ】
  ここで言い争っても仕方ないか・・・。
  「わかったわ。」
  「私はこのまま旅館に向かうからナナはやられるんじゃないわよっ!!」

 

 【ナナ】
  「よし、走れっ ゴー!! ゴー!! ゴー!! ゴー!!」

 

 ナナたちは二手に別れて再び走り始めた。

 しかし操縦に慣れてきたブーメランが徐々に二手に別れた二人を追い詰めてゆく。

 

 

 

 白バイに追われながら山道を疾走する東郷は
 前方にドローンが山を越えていくのを見つけた。

 

 【東郷】
  あと少しで現場に到着するが、ドローンはまだあんなところなのか。
  間に合わないかもしれんな・・・。

 

 そのドローンは先行するなるみからも視認できた。

 

 【なるみ】
  あれがそうか。

 

 ドローンもなるみが発する微弱なナノリンクの信号をキャッチすると降下を開始した。

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員B】
  「なんだ ?」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員C】
  「ドローン ?」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「また面白いものが飛んできたな。」
  「高く売れるかもしれんぞ。」
  「手に入れろ。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員C】
  「了解。」

 

 【なるみ】
  「な、ドローンを奪う気なの ?」
  「ナノマシンだけは奪われるわけなはいかないわっ!」

 

 ドローンはなるみの上空にホバリングするとナノマシンの固有波長と顔認証により本人と判定し、ナノマシンのボトルを投下した。
 なるみはそのボトルを受け取るも、そのドローンはブーメランが投げつけたナイフが当たり体勢を崩して堕ちてしまった。

 世界に配信されているその中継動画はまるで狩りの模様を生放送しているようで、環境保護を自称する人々を熱狂させた。

 

 【動画視聴者】
  「いいぞっ!」
  「クジラを殺すヤツはみんな死んでしまえばいいっ!!」

 


 【なるみ】
  「やってくれたわね。」

 

 受け取ったカプセルのナノマシンは液体状になっており、経口摂取による体内から
ナノマシンが補給される。
 なるみは苦味を感じる間もなく一気に飲み干すと、ナノマシンのイニシャライズと
キャリブレーション(※1)を開始した。

 しかし、拾ったドローンを抱えながらブーメランがなるみに近づいてきた。
 ナノマシンを起動させるのに必要な設定がまだ終わらない・・・。

 

 【なるみ】
  間に合わないっ!!

 

 とっさに、なるみは緊急リカバリーシーケンスを起動させた。
 直後、ブーメランのナイフがなるみの胸を貫いた。

 

 【ナナ】
  なるみのナノリンクが途切れた ?
  まさか ?

 

 【ナナ】
  「なるみ、どうしたの ?」
  「大丈夫なの ?」

 

 応答がない。
 しかしナナ自身もピンチを迎えており、なるみの安否を気にかけている状況ではなかった。

 

 【ナナ】
  丸腰で3機はキツイわね。

  振り下ろされるナイフをギリでかわすも次第に追い詰められてゆく。

 

 【ナナ】
  このバックを手放せば逃げるチャンスはある。
  しかし大事な献上品。
  絶対に死守しなきゃ。

 

 バックを守ることで頭がいっぱいのナナはもう逃げ場を失い、
 バッグを抱えてうずくまってしまった。

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員C】
  「ようやく、観念したか。」
  「よし、そのコンテナをよこせ。」

 

 ブーメランがナナのバックを奪おうと手をかけたが
 ナナは血まみれになりながらも抵抗した。

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員B】
  「こいつまだ動くのかっ!!」

 

 ブーメランはナナを蹴り上げた。

 【ナナ】
  「ぐぶぁっ!!!」

 

 ナナは吹き飛び木に激突すると、口から大量の血を吹き出す。
 が、それでもバックを離さない。

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員C】
  「なんてしつこいガキなんだ。」

 

 とどめを刺すべくナイフを振り下ろす瞬間のブーメランを横目に見たときナナは覚悟した。

 

 【ナナ】
  ???

 ・・・が、何も感じなかった。


 恐る恐る目を開くと、ブーメランのナイフを刀一本で食い止めた男の後ろ姿が見えた。

 

 【ナナ】
  東郷教官・・・。

 

 顔が見えたわけではなかったが、何故かそんな気がした。
 ナナは安心すると気を失った。


 ナナが倒れる3分前

 私は車を乗り捨てると、そこへ遅れて白バイも到着した。

 今、眼の前で起こっている事が理解できないでいた。

 

 【白バイ隊員
  「おい、あれはなんなんだ?」

 

 【東郷】
  「テロリストだよ。」
  「うちの生徒が襲われている。」

 

 【白バイ隊員
  「テロリストだって?」
  「今どきのテロリストはロボットを所有しているのか ?」

 

 【東郷】
  たしか、この前、警察学校に教習用機材としてハヤブサを4体を整備して学園から納入したのが新聞にも載ったが、コイツは警察用の機体はまだ見たことがないのか・・・。

 と、思ったが口に出す状況ではなかった。

 

 【東郷】
  「あれは軍用の戦闘鬼だ。」

 

 【白バイ隊員
  「軍用だと ?」

 

 【白バイ隊員
  「ぶっそうな世の中になったものだ・・・。」
  「くそ、応援のヘリは役に立ちそうもないな。」

 

 【東郷】
  「ちょっとまて、ヘリを呼んだのか ?」

 

 【白バイ隊員
  「ああ、アンタがあまりに速すぎて、応援を呼んだんだよ。」

 

 【東郷】
  「そりゃまぁどうも。」

 

 【東郷】
  「それより、ヘリは必要になりそうだ。」
  「たしかナビでは近くに学校があったはずだ、着陸して待機させてもらえないか ?」
  「緊急搬送を頼むかもしれん。」

 

 【白バイ隊員
  「わかった。」
  「近くにオレの母校がある。」
  「そこへヘリを誘導させる。」
  「アンタは ?」

 

 【東郷】
  「私は、あの戦闘鬼を狩る。」

 

 【白バイ隊員
  「正気か ?」
  「かなり強そうに見えるが、生身でアレと戦うのか ?」

 

 【東郷】
  「コレでなんとかしてみる。」

 

 シートの裏に忍ばせていた、日本刀を模した対装甲刀を取り出した。

 

 【白バイ隊員
  「オレの前で銃刀法に違反するとはいい度胸だな。」
  「だが、人の命がかかっているのなら見なかったことにしておこう。」

 

 【東郷】
  「たすかる。」

 

 【東郷】
  「これ身につけてろ。」

 

 【白バイ隊員
  「なんだ ?」

 

 【東郷】
  「レシーバーだ。」
  「この山間部でも5Kmぐらいならどこでも通信ができる。」

 

 【白バイ隊員
  「ってこれも電波法に違反しとるやないけっ!!」
  「もうどうなってもしらんぞ。」

 


  対装甲刀は、オロチの頑強な装甲強度を誇る鱗をも貫く刃として開発しただけの事はあって、生身の人間が振り回すにはかなりの体力を必要とするが、その分、対戦闘鬼戦でも有効な武装であるとも言え、ブーメランのナイフを難なく受け止めた

 

 【東郷】
  さて、ノコノコとやってきたものの、生身で3機を相手か・・・。
  分が悪いな。
  なるみは・・・ナノリンクがディスコネクトしているが、
  ナナはまだリンクがコネクトしているから息は残っているか・・・。


 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員C】
  「なんだコイツは」

 

 新たな獲物の登場に、視聴していた環境保護を自称する人々は歓喜した。

 

 【動画視聴者】
  「おおおーーー!!! サムライブレードだぜ。」
  「いいぞ、そいつもやっちまえっ!!」

 

 動画中継はもはや自然保護という大義は吹き飛び、大衆娯楽と化していた。


 私は受け止めたナイフを払いながら、彼らに軽く挨拶を放った。

 

 【東郷】
  「このたびはウチの生徒が大変お世話になったようで。」


 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員C】
  「なにをふざけたことをぬかしやがるっ!」
  「所詮は生身、その刀でなにができる。」
  「お前がそのガキの教師なのか ?」
  「ならば教え子の後を追わせてやるっ!」

 

 ふたたびナイフを振り上げ渾身の一撃を振り下ろした。

 私はナイフの軌跡を演算して軽くかわすと刀をブーメランの足の関節部分に差し込んだ。

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊員C】
  「うぎゃーーー」
  「いてぇじゃねえかっ!!」
  「くそったれがっ!」

 

 激昂したブーメランのパイロットは闇雲にナイフを振り回し始めた。

 私はヤツの背後に回ると、今度は頭部アーマーの隙間から刀を差し込んだ。
 噴水のように高く血しぶきが舞い上がり、パイロットは即死した。

 

 【東郷】
  「その機体はハヤブサのコピーだと言うことが分かってるんだよ。」
  「やはり弱点も同じだったな。」

 

 有利に見えたショウタイムは、思いがけない反撃により
 視聴していた自称環境保護の人々は静まり返った。

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「くそ、お前は何者だ ?」

 

 【東郷】
  「なぁに私は彼女たちの担任さ。」
  「教え子を守るのも教師の務め。」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「た、担任だと ?」
  「馬鹿を言うなっ!」
  「教師がそんな強ぇワケないだろっ!!」

 

 【シーブルドッグ:ブーメランパイロット隊長A】
  「おい、いつまでも遊んでないでこっちに来いっ!!」

 

 なるみを襲った仲間を急いで呼び寄せた。

 

 【東郷】
  やはりなるみは手遅れだったか・・・。
  「おい、白バイ野郎、聞こえるか ?」

 

 【白バイ隊員
  「ああ聞こえる。」
  「って白バイ野郎とはなんだよっ!!」

 

 【東郷】
  「道路下の崖に女の子が倒れているはずだ。」
  「見つけ出してヘリに乗せてくれ。」

 

 【白バイ隊員
  「判ったこっちは任せとけ。」


 もう1機が合流し、3方から同時に東郷に襲いかかるが、素人が操縦する戦闘鬼など私の敵ではない。


 一番近くまで接近した機体のナイフの一撃を刀で払うと股下をすべりこんで背後に回ると、今度は腰椎の接続パネルに刀を差し込んだ。
 メインボードからアクチュエータ制御基板へ伸びる光ケーブルが断線して脚の動きが止まる。

 

 【東郷】
  「これで下半身は動けまい。」

 

 つづけて転進してくる2機目に目標を定めると、動けなくなった機体を踏み台にしてジャンプし、そのまま2機目を飛び越えて背後に着地しつつ足の関節に刀を差し込んで膝まづかせた。
 モーターに供給している電力ケーブルを絶たれて駆動力を失ったのだ。
 そして背後から接近する3機目に気がついた私は2機目の脇から前にすり抜けると
 3機目が振り下ろしたナイフが2機目の背後に刺さり、パイロットが絶叫して絶命した。
 パイロットを失った2機目が前のめりに倒れる瞬間、動力を失ったマニピュレータからナイフを奪うと、それを3機目の頭部に投げつけた。 

 

 【東郷】
  痛っ!!

 

 さすがに戦闘鬼(ブーメラン)用のナイフは人が持つには重すぎたか・・・。
 それでも投げたナイフは頭部のカメラにヒットして中継映像が途切れた。
 しかし音声は隊長機のパイロットが絶命するまで絶叫を流し続けた。

 そのあまりの酷さに環境保護を自称する人々は恐怖した。


 【東郷】
  「SB(シーブルドッグ)のスポンサーの皆さん。」
  「ショーは楽しんで頂けましたか ?」
  「お礼に、盛大なフィナーレをご用意いたしますので、楽しみにお待ち下さい。」

 

 多くの視聴者は、自動翻訳されて流れてきた言葉の意味することが理解できなかった。

 そしてこの24時間後、何者かの組織によって、ハリウッド関係者やセレブなど、87もの居住施設とシリコンバレーに構える23のIT企業の本社などが宇宙空間からの艦砲射撃を受けて消滅した。
 いづれもシーブルドック支援に名を連ねていた個人や企業で、ついでにシーブルドッグの出撃拠点となっていたオーストラリアとニュージーランドの海軍基地5箇所も砲撃を受けて機能を停止した。

 

 アメリカではこの事態をうけ緊急安保理の開催を要請する事となった。

 

 

十津谷襲撃事件から6時間後。

 

 【ナナ】
  「ここは ?」

 

 【東郷】
  「病院だよ。」

 

 【ナナ】
  「東郷教官 ?」

 

 【東郷】
  「気がついたんだね。」
  「君は無事で良かったよ。」

 

 【ナナ】
  「なるみは ?」

 

 【東郷】
  「残念ながら彼女は間に合わなかった・・・。」

 

 【ナナ】
  「そ、そう。」

 

 自分だけが助かったことに責任を感じたナナの目から涙が溢れた。

 

 【なるみ】
  「ちょっと勝手に殺さないでよっ!!」

 

 【ナナ】
  「ぇっ!?」
  「なるみなの ?」

 

 【なるみ】
  「そうよ。」

 

 【ナナ】
  「死んだのではないの ?」

 

 【なるみ】
  「この姿になったけれども死んでいないわよ。」

 

 【ナナ】
  「どうしたのその半透明な姿は。」

 

 【なるみ】
  「ああ、これね。」

  「ナノマシンを補給したもののキャリブレーションが終わらなくて、緊急リカバリーシーケンスを起動させたのよ。」
  「万一死んでもナノマシンが自動的に肉体を補修して生き返ることができるからね。」

 

 【ナナ】
  「じゃ、どうして蘇生しないの ?」

 

 【なるみ】
  「いやぁ、じつはクラウドからバイタルスキャンのデータをダウンロードしたもののそのデータが古すぎて肉体の傷ついた部分の再構成に失敗しちゃったの。」

  「まぁ器となる肉体と合わなくて魂の定着に失敗した的な感じ ???」

 

 【ナナ】
  「ほら、やっぱりアンタ死んでるんじゃないのよっ!!」
  「バカっ!!」

 

 【なるみ】
  「いや、でもね、これは一時的なものだからエラーを起こしている部分を修正すればもとの肉体に戻れるから。」
  「で、それまでは識神を仮の肉体として使ってるのよ。」


 【東郷】
  「だから、間に合わなかったと言ったのに(キャリブレーションが)」

 

 【ナナ】
  「まぎらわしい言い回しをしないでよっ!!」
  「本当に死んじゃったと思ったんだからっ!!」

 

 【東郷】
  「す、すまん・・・。」

 

 【ナナ】
  「じゃなぜ透けてるのよ」

 

 【なるみ】
  「いやぁ、私の本体が寝たきりになっちゃってナノマシンの補給がままならないから節約のためにナノマシンの濃度を薄めているのよ。」

 

 【なるみ】
  「足なんかほとんど見えないでしょ♪」

 

 【ナナ】
  「いや、病院でそれ冗談キツイからやめて。 見つかったら騒ぎになるわよ。」

 

 【白バイ隊員
  「オレの家族にも悪魔がいるが、実際に生き返るのを見たのは初めてだ。」
  「便利だな。 なんどでも生き返れるのか ?」

 

 【なるみ】
  「そうよ。」

 

 【なるみ】
  「演算装置となる頭さえ無事ならね。」
  「ってアンタだれよっ!!」

 

 【東郷】
  「ぁ、このヒトは白バイ野郎だ。」
  「君たちのためにヘリを呼んでくれた。」
  「だからすぐにここへ運んで応急処置ができたんだよ。」

 

 【白バイ隊員
  「アンタを追うために呼んだんだよっ!!」

 

 【東郷】
  「ここではそう言うことを言わないの。」


 【なるみ】
  「へぁ、いい男じゃないの。」
  「救けてくれてありがとう。」

 

 なるみは白バイ野郎の頬に軽くキスをした。

 

 【白バイ隊員
  「なっなななな・・・・。」

 

 【東郷】
  「何テレてんだよ。」

 

 【白バイ隊員
  「うっせーよ。」
  「幽霊になった悪魔にキスされても嬉しかねーよっ!!」

 

 【なるみ】
  「ひどい言われようね。」

 

 【東郷】
  「なるみ時間はいいのか ?」

 

 【なるみ】
  「あ、本当だ。」
  「そろそろ私は行くね。」

 

 【ナナ】
  「どこへ ?」

 

 【なるみ】
  「集中治療室。」
  「私はいまそこで寝たきりになってるから、ときどき様子を見に帰らないと・・・。」

 

 【なるみ】
  「壁すり抜けられるから超楽しいよ。」

 

 【ナナ】
  「だから、他の患者さんがビビるからやめないさいって。」


 【白バイ隊員
  「では、オレも署にもどるわ。」
  「部長に報告書出さなきゃなんねーし。」
  「置いてきぼりのバイクを取りに帰らなきゃ。」

 

 【東郷】
  「そういえば、一緒にヘリで運ばれてきたんだよな。」
  「バイクはどうしたのだ ?」

 

 【白バイ隊員
  「今頃、義父(オヤジ)が軽トラで家まで運んでると思うよ。」

 

 【白バイ隊員
  「じゃ、帰るわ。」
  「たっしゃでな。」

 

 

 【東郷】
  「しかし元気になって良かったね。」

 

 【ナナ】
  「でも体が動かない・・・。」

 

 【東郷】
  「両足、両腕、肋骨4本が骨折。」
  「動けなくて当然だな。」
  「しかし出血はしたものの普段のトレーニングのせいか臓器の損傷は軽微だそうな。」

 

 【ナナ】
  「・・・りがとう」

 

 【東郷】
  「ん、なにか言ったか ?」

 

 【ナナ】
  「ありがとう。」

 

 【東郷】
  「何が ?」

 

 【ナナ】
  「助けに来てくれたこと。」


【東郷】
  「私こそ到着が遅れて悪かったよ。」
  「なるみは肉体を失いかけているし君はこの状態だ。」

 

 【ナナ】
  「それより荷物は ?」

 

 【東郷】
  「ああ、クジラね。」
  「荷物は無事に届けられたよ。」

 

 【東郷】
  「君はよく頑張った。」
  「王室から2人に感謝状が送られるそうだよ。」

 

 【東郷】
  「そしてついさきほど、SBとその支援者へのお礼の旅と称して王室近衛艦隊の戦艦が出たそうな。」

 

 【ナナ】
  「それ、なんか嫌な予感しかしませんね。(当たりです)」

 

 【東郷】
  「そうだね。」

 

 しかしだんだんナナの口数が減って行くことに私は気がついた。
 それがこの後の展開に大きく影響を与える分岐点になろうとは・・・。

 

 【東郷】
  「どうした ?」

 

 だまったまま無口になってしまった。
 なにかベッドのシーツの中でもぞもぞしている様子だった・・・。

 

 【東郷】
  「かゆいのか ?」

 

 クビを横にふる ?

 

 【東郷】
  「看護師呼ぶ用のベルは持ってるだろ ?」
  「押したのか ?」

 

 うなづくナナ。

 しかしなかなか看護師が来る気配がない。

 

 【東郷】
  「しようがないな。」
  「私が呼びに行くから待ってろ。」

 

 【ナナ】
  「ちょ・・・」

 

 呼び止められた。

 

 【東郷】
  「どうした ?」

 

 【ナナ】
  「もう無理・・・。」

 

 【東郷】
  「何が ?」

 

 【ナナ】
  「・・・イレ。」

 

 【東郷】
  「ん ? 何 ?」

 

 【ナナ】
  「トイレ・・・。」

 

 思わず目で確認した。
 【東郷】
  本当なのか ?

 

 【ナナ】
  うん・・・

 

 小さくうなずくナナ。

 

 【東郷】
  これはマズイ、マズイことになったぞ。

 

 【東郷】
  「我慢できるか ?」

 

 小さくクビを横にふる。

 

【東郷】
  なんで今まで気がついてやれなかったオレのバカっ!!

 

 【ナナ】
  「も、漏れちゃう・・・。」

 

 【東郷】
  うう、どうしよ。

 

 【ナナ】
  「お願い教官・・・。」

 

 【東郷】
  「どうした。」

 

 【ナナ】
  「お・・・。」

 

 【東郷】
  「お ?」

 

 【ナナ】
  私のバカ、教官になんて事言おうとしているのよっ!!

 

 【東郷】
  「"お"がどうした ?」

 

 【ナナ】
  「私の・・・ッコを・・・ださい」

 

 【東郷】
  「ぇ!?」
  「何 ?」

 

 【ナナ】
  このバカっ!!
  女の子に何度も恥ずかしい事を言わせないでっ!!

 

 【ナナ】
  「私のオシッコを取ってくださいっ!!」
  「漏れちゃうっ!!」

 

 【東郷】
  「あ、はい、ごめんなさい、ごめんなさい、今すぐにっ!!」

 

 ナナに怒鳴られ、切羽詰まった状況をようやく理解した私は、
 慌てて周囲を見渡して容器のようなものを探した。

 

 【東郷】
  花瓶 ?
  コレちょっと違うな・・・。

 振り向くと、ナナの目が少し怒っていた。

 

 さらに探すと、白バイ隊員が置いていったミネラルウォーターのペットボトルが目に入った。
 振り向くと、今度は涙目になっていた。

 

 【東郷】
  これも違うな・・・。

 しかし、ふとベッドの下に尿瓶が置いてあるのを発見した。
 振り向くと、ちょっと安心した表情になっていた。

 が、問題はここからだ。

 

 【東郷】
  「自分でできる ?」

 

 【ナナ】
  「・・・。」

 

 少し考えていたが、力なく

 【ナナ】
  「無理。」

 

 【東郷】
  「だろうな。」

 

 【東郷】
  「どうしよ。」

  ここからどうすればいい ?

 

 【ナナ】
  「パン・・・」

 

 【東郷】
  「パン ?」

 

 【東郷】
  「パンがほしいのか ?」

 

 【ナナ】
  もうバカっ!!
  この状況でそんなワケないでしょっ!!


 【ナナ】
  このヒトはどうして最後まで言わせようとするのよっ!!
  もしかしたら、知っててわざとなの ?
  わざと、私を辱めて楽しんでいるの ?


 【ナナ】
  「お・・・お、お願いします。」
  「ど、どうか・・・わ・・・私のパンツを脱がして下さい・・・。」

 

 【東郷】
  「ぇえええーーーっ!!!」


 自分でも驚くぐらいに心臓の鼓動が一気に大きくなったのが判った。

 【東郷】
  「い、いやいやいや、それはさすがにマズイでしょっ!!」
  「大人の教師が女の子のパンツをずり下げるなんてムリムリムリっ!!」

 

 【東郷】
  「よし、同級生が見舞いに来るまで耐えろ。」
  「女の子同士なら犯罪にはならんだろう。」

 

 【ナナ】
  なに言ってるのよこのバカっ!!
  思春期の同級生に下の世話させるってどういう神経しているのよっ!!

 

 【ナナ】
  「いいから、は、はやく、私のパンツを降ろして、おしっこをとってほしいのっ!!!」
  「おねがいっ!! わたしのおしっこをはやくとってぇぇぇぇ・・・。」

 

 【ナナ】
  私ったらなんて事いっちゃたの・・・終わったわ・・・私の人生おわったわ。

 

 【東郷】
  「はい、はい、すいません、すいません・・・。」

 

 慌ててシーツを剥ぎ取り、パジャマの下を脱がした。
 いよいよガマンが限界なのか、ナナはパンツを脱がせやすいように少し足を開いた。
 相当我慢しているのか、明らかに出来たてと見られるシミが浸水一歩手前であることを物語っていた。
 震える手をパンツに手をかけるとゆっくり膝まで降ろした。

 

 【ナナ】
  「み、みないで・・・。」

 

 【東郷】
  「ご、ごめん、みてないよ。」
  「ってか足もうちょっと開かないのか ?」
  「入らない・・・。」

 

 原因はすぐに判った、パンツを足の中途半に位置に降ろしたものだから、わずかな隙間しか開かないのだ。
 尿瓶が入るには、結局全部脱がす必要があるわけだ。
 実はこの時点で女子のパンツは男子が思っている以上に伸縮性にとんだシロモノだって事を知らなかった。
 意を決して足元からパンツを抜き取ると、尿瓶を両足の間に差し込んだのだが・・・。

 

 【ナナ】
  「もうちょっと上。」

 

 【東郷】
  「上 ?」

 

 【ナナ】
  「みないで・・・。」

 

 【東郷】
  「いや、みないと位置がわからないし・・・。」

 

 目をつむったまま位置合わせをした結果、ビクンと体が反応したのが判った。
おそらくようやくフィットしたのだろう。
 その位置で両手で尿瓶を支えた。
 最初は漏れを用心して少しずつだったのが、次第に安心したのかシャーーーと言う軽快な音とともにみるみる尿瓶が重くなり、そしてぬくもりが両手に伝わってきた。
 ようやく苦痛から解き放たれた開放感から一瞬気持ち良さげな表情を見せたものの部屋中に響き渡る音に気がつくと、その顔はみるみる赤くなってしまった。

 

 【ナナ】
  「いやーーーーーーー聞かないでっ!!」

 

 【東郷】
  「むちゃを言うなっ!」


 【東郷】
  「たしか尿瓶は回収ステーションがあったはずだ。」

 

 尿瓶からこぼれないようにキャップで蓋をしつつ部屋を出ようとすると・・・。

 

 【ナナ】
  「まって・・・。」

 

 呼び止められた。

 

 【東郷】
  「どうした ?」

 

 【ナナ】
  「・・・。」

 

 【東郷】
  「持っていったらマズイのか ?」

 

 クビを横にふるる

 

 【ナナ】
  「拭いて下さい・・・。」

 

 【東郷】
  「何を ?」
  「ごめん、どこかにこぼした ?」

 

 【ナナ】
  「ちがうの・・・。」

 

 【ナナ】
  「かぶれちゃうから拭いてほしいの・・・。」

 

 【東郷】
  「ぁ、気が付かなくて悪かった・・・。」

 

 【東郷】
  そっか、男子は持って "振る" だけで "キレ" るからな・・・。
  女子はそうではないか・・・。

 

 もうこの段階になると、恥ずかしさも吹き飛んでいた。
 ティッシュを手にすると適度に折りたたんで優しく拭き上げた。
 ナナも吹っ切れたのか私の手の動きに身を任せてジっと窓の外を見つめていた。

 

 【ナナ】
  お父さま、お母さま、お嫁に行けない体になってしまった私をどうか許してください・・・。

 

 【東郷】
  「なるほど・・・介護って要するに "慣れ" だな・・・。」

 

 【ナナ】
  「なによっバカっ!!」

 

 【ナナ】
  「私にこんな恥ずかしいことしておいて何が介護よっ!!」
  「この責任は絶対にとってもらいますからねっ!!!」

 

 【東郷】
  「はいスイマセン・・・。」

 

 【東郷】
  って、いやいやいや、これって私のせいなのか ? 私が悪いのか ?


 プレートにナナの名前を記入した尿瓶を回収センターに持ってゆき戻ってくると。

 【ナナ】
  「くしょん・・・。」

 

 【東郷】
  「だいじょうぶか ?」
  「風邪か?」

 

 【東郷】
  「パンツはどうしたよ。」

 

 【ナナ】
  「あなたが脱がせたんでしょ!」

 

 【東郷】
  「そうだったな・・・。」

 

 【ナナ】
  「どこやったのよ。」
  「ちゃんと履かせてよ。」

 

 【東郷】
  「ぁ、それは無理だ。」

 

 【ナナ】
  「ぇっ!? なぜ。」

 

 【東郷】
  「シミつくってしまったからランドリーで洗濯しなきゃ。」

 

 【ナナ】
  「少しくらいのシミならいいわよ。」

 

【東郷】
  「ダメだよ。」

 

 【東郷】
  「不潔にしていたら病気になったら大変だ。」
  「下着は洗濯しておいてやる。」
  「シーツをかけてあげるからしばらくガマンしろ。」

 

 【東郷】
  「な、スースーしないだろ。」

 

 【ナナ】
  「ありがとう・・・。」
  「それから・・・」

 

 【東郷】
  「それから自販機でジュースを買っておいた。」
  「ほら、飲め。」

 

 紙パックにストローを挿して、飲みやすい位置にもっていってやる。

 

 【ナナ】
  「ありがとう・・・。」
  「よくわかったわね。」

 

 【東郷】

  「相当我慢していたようだからね。」
  「あんだけ大量に出してしまったら、そら喉くらい乾くだろうよ。」

 

 【ナナ】
  「バカ。」

 

 赤面しながら小さくつぶやいたナナだった。

 

 【東郷】
  「そういえば、さっき何かを言い掛けなかったか ?」

 

 【ナナ】
  無神経なところがあるけれどベースとしては優しいのね。
  そういえばどことなくお父さんに性格が似ているかも。

 

 【ナナ】
  「なんでもない。」

 

 【東郷】
  「そう?」
  「ふーーーん。」
  「判った、でも何かあったら言えよ。」

 

 【ナナ】
  「うん、ありがとう。」

 東郷の脳内ストレージから一部始終の記録の削除をお願いしようと思ったが言わないことにした。

 

 
 【なるみ】
  「こほん・・・そろそろいいかしら。」

 

 【ナナ】【東郷】
  「うわ、びっくりしたっ」

 

 【なるみ】
  「いつまでイチャラブってんのよっ。」

 

 【東郷】
  「いつからいたんだよ。」

 

 【なるみ】
  「いや、ついさっきだよ。」
  「だいたい "看護師呼ぶ用のベルは持ってるだろ ?" の付近から。」

 

 【東郷】
  「って最初からじゃねーかよっ!!」

 

 【東郷】
  「自分の体の方はどうだったんだよ。」

 

 【なるみ】
  「集中治療室のカベ、アレさぁ、鉛が入っててすり抜けられなかったわ・・・あははは。」

 

 【東郷】
  「ぃやぃやぃや、そもそも集中治療室に入れなかったのなら、どやって外に出られたんだ ?」

 

 【なるみ】
  「医師の後についてフツーにドアから出てきた。」
  「でも、閉まりかけたエレベーターに乗ろうとけつまづいて扉にぶつかったときに
すり抜けられることに気がついたの。」

 

 【なるみ】
  「で、仕方なくトボトボとココへ戻ってきたらなんだか面白そうな展開になっていたからずーーーと見てた。」

 「いやーーー、恥ずかしい言葉攻めのオンパレードに、私一人で一晩中何回でも逝って楽しめそうだわ。」

 

 【ナナ】
  「あなたって良子ちゃんをイジメてるくせに、Sだったのね。」
  「あの白バイ隊員さんはどんな言葉責めしてくれるのかしら・・・。」

 

 【なるみ】
  「ば、ば、バカっ!!  突然何を言い出すのよっ!!!!」

 

 【ナナ】
  「何動揺してるのよ。」

 

 【ナナ】
  「別にあなたの性癖、だれにも喋ったりしないわよ。」
  「あの白バイ隊員さんにもね。」

 

 【なるみ】
  「ぐ・・・。」

 

 【東郷】
  「しかし、見ていたのなら、後方支援ぐらいできただろう・・・。」

 

 【なるみ】
  「なに言ってるのよこの教官は。」
  「思春期の同級生同士で下の世話させる気なの ?」

 

 【なるみ】
  「で、ナナはどうなのよ ?」

 

 【ナナ】
  「私の方は現在のスピードで回復できれば明日には退院できるそうよ。」

 

 【なるみ】
  「そう、それはよかったわね。」

 

 【なるみ】
  「私のほうは、古いバイタルデータを新しいデータにコンバートするのに手間かかりそうなのでしばらくこのままね。」

 

 【なるみ】
  「ところで、教官・・・相談があるのですが・・・。」

 

 【東郷】
  「どうしたの ?」

 

 【なるみ】
  「ちょっと・・・。」

 

 

 


 【フランシーヌ】
  「ねぇ、授業終わったらなるみのお見舞いに行くんでしょ ?」

 

 【もっちゃん】
  「そうよ。」

 

 【シャルロット】
  「ねぇ、アンタお見舞い買ってきなさいよ。」

 

 【良子】
  「い、今から ?」

 

 【シャルロット】
  「そうよ。」
  「今でないと放課後に行けないでしょ。」

 

 【フランシーヌ】
  「さっさと行ってきな。」

 

 【良子】
  「う、うん。」
  「あ・・・あの・・・。」

 

 【フランシーヌ】
  「まだなにか ?」

 

 【良子】
  「いぇ、なんにも。」

 

 【フランシーヌ】
  「判ったらさっさと買いに行きなさい。」

 

 【良子】
  「うん。」

 

 良子はお金を誰が出すのかと聞けないまま授業を欠席した。

 

 

 

 

 


 【もっちゃん】
  「容態はどうなの?」

 

 【なるみ】
  「ご覧のとおりよ。」
  「肉体はまだ完全に復活していないわ。」

 

 【フランシーヌ】
  「死んでるの ?」

 

 【なるみ】
  「肉体的には一度死んでるけれど、意識や記憶のバックアップが残っているから
肉体が完全蘇生できれば魂を定着して黄泉から返れるわ。」

 

 【シャルロット】
  「トイレはどうしてるのよ ?」
  「身動きできないんでしょ。」

 

 【なるみ】
  「ぇ!?」
  「ぇえ、ま、まぁ、今は女性の看護師さんがやってくれてるから大丈夫。」

 

 【もっちゃん】
  「今は ?」

 

 【なるみ】
  「ぇっ!?」
  「い、いゃ、なんでもない、なんでもない、あははははは・・・。」

 

 【フランシーヌ】
  「今度シーブルドッグとか言うのが現れたら、私がコテンパにやっつけてやるわ。」
  「そもそも東郷に救助に向かったというのが気に食わないわ。」
  「ハヤブサがオーバーホール中でも、私の機体ならすぐ駆けつけられたというのに。」

 

 【もっちゃん】
  「そもそも貴女は帰宅していて連絡つかなかったじゃないの。」

 

 【なるみ】
  「まぁまぁ、彼が駆けつけなかったら私はマジ死んでいたわ。」

 

 【もっちゃん】
  「感謝しなきゃ。」

 

 【フランシーヌ】
  「ま・・・まぁ、確かにアイツも大人にしてはいいところがあると思うよ。」

 

 【もっちゃん】
  「ぇ、どうしたの ?」
  「あんだけ、ボロカス言って学園から追い出そうとしていたのに。」

 

 【フランシーヌ】
  「べ、別に私はアイツの事を認めた訳ではないんだから。」
  「あくまで、教官として "らしい" ことをやってるなぁって思っただけのことよ。」

 

 【なるみ】
  「へぇー。」

 

 【フランシーヌ】
  「なによ。 なんでそんな目で見るのよっ!!」

 

 【なるみ】
  「別に。」

 

 【なるみ】
  「なんか最近、急にキラキラ輝いてるなぁって思ったら、それかぁって。」

 

 【フランシーヌ】
  「はぁ? ぶつわよ。」

 

 【もっちゃん】
  「こら、病人のいる病室でほたえるな。」

 

 【フランシーヌ】
  「病人ではなくて、死人でしょ。」

 

 【なるみ】
  「それってヒドーイっ!!」

 

 

 CIA某会議室

 

 【CIA極東支部長】
  「日本軍のアトラミス救援作戦の準備はどうなっている ?」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「先日、戦車の検疫が始まったようです。」
  「航空機と違って直接地上へ下ろす機材に関しては種子はおろか
   細菌にいたるまで完全滅菌させてからコンテナへ梱包するとかで、
   それを機甲師団まるごとだから完了するのに数ヶ月はかかるとのことです。」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「それから予定外ですがロシアとペルシャの部隊も同行するとの情報が入ってきております。」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「なぜ奴らが ?」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「理由は分かりません。」
  「しかし日本艦隊は彼らを乗せて予定通り出撃する見通しのようです。」

 

 【CIA極東支部長】
  「そうか。」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「しかし、これだけ念入りに準備して片道だとは惜しいな。」
  「小規模艦隊とはいえわれわれ地球人からすれば貴重な装備を失うのは痛い。」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「仕方あるまい。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「こうでもしなければ宇宙産業は日本に握られたままだ。」
  「それにロシアとペルシャの戦闘力が戦わないまま失われるのであればそれはそれで良いことだ。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「その間、アメリカ艦隊はアトランティス艦隊の後方支援に4個の空母機動部隊を派遣する。」

 

 【北米防空司令部 司令官】
  「グルーム・レイク基地の拡張整備が終わっとらんので出撃に当たってはヴァンデンバーグ(※2)とケープカナベラルを総動員して物資の打ち上げを急がせておる。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「出払った後は米本土とアラスカ防衛が手薄になる。」
  「そうなるとカザフスタンとボストチヌイ上空に張り付くロシア艦隊が邪魔だな。」

 

 【北米防空司令部 司令官】
  「その艦隊は日本について行かないのか ?」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「予定は聞いておりません。」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「ただロシア艦隊はカザフスタン戦を牽制するために艦隊を移動できないうえ、主力のボストチヌイ基地を防衛しなければなりませんからたちまちロシアの驚異にさらされる事はないと思われます。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「そのバイコヌールはいつ落とせるのだ ?」
  「あの規模の港が手に入れば我が艦隊の支援は非常にラクになっていたのにな。」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「時期についてはなんとも言えません。」
  「現地で民兵武装させて訓練させていますが地上と宇宙からの攻撃により苦戦しています。」


 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「またいつもの手を使って巡航ミサイルを撃ち込むか。」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「また毒ガスを撒くのですか ?」
  「あの作戦、味方を裏切る行為に思えて好きではないですな。」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「慣れろ。」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「昔も今もメディアはロシアがやったと勝手に批判してくれる。」
  「戦争というものは情報を制したものが勝利する。」
  「戦いに勝ったものが正義でありそれがすべてだ。」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「しかしバイコヌールは無傷で手に入れなければ。」
  「"間違って" 味方の武装勢力誤爆しないでしょうね ?」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「我が合衆国の巡航ミサイルの精度は確実だ。」
  「狙った獲物は100発100中で、"正確な" 誤爆しかしない。」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「判りました。 作戦を立案しておきましょう。」

 

 【CIA極東支部 エージェント C】
  「過去に我々が育てた武装勢力は最終的にアメリカに反旗を翻させて、それを叩く事を繰り返してますが、今回はどするおつもりですか ?」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
 「いつも通りさ。」

 

 【CIA極東支部 エージェント C】
  「イラクウクライナ、そしてカザフスタンもそうですが、私達が政権を転覆させた国は、いづれも悲惨な状態に陥っています。」
  「宇宙戦争を目前にして泥沼化は避けたい。」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「なにを言う、それがビジネスと言うもので、我々の仕事なんだ。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「まず、カザフスタンのバイコヌールはなんとしても手に入れなければならん。」
  「毒ガス使ったあとにミサイルを撃ち込んでもいいし、それでもダメならまた旅客機に犠牲になってもらえればいい。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「どちらしても、もう時間はあまりないぞ。」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「カザフスタンの次はオビシメの宇宙エレベーターだな。」
  「アレがジャップにある事自体が間違っている。」

 

 【CIA極東支部長】
  「それについては近々総会で日本に対して敵国条項に基づき再統治する決議を提出す予定だ。」
  「そうすればエレベーターは無傷に手に入る。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「ん ? 敵国条項ってとっくに廃止されたのでは ?」

 

 【CIA極東支部長】
  「条項の削除は決議はしたが、実際に削除するには国連憲章の改正が必要でそれは放置されたままだ。」
  「つまり条項はまだ有効だと言うことだ。」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「だとしても、あの設備はアトランティス王室が管理しているが大丈夫なのか ?」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「基本的にアトランティスは地球の国際情勢には一切口出ししない方針を貫いている。」
  「実際、太平洋戦争でも日本の敗戦に介入してこなかった。」
  「でないと、日本に味方でもされていたら、逆に合衆国が日本に占領されていただろうな。」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「オレは宇宙人といえばネバダに墜落した、あのちっこいヤツらだけだと思っていた。」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「その我々がアトランティスアンドロメダの連中を知ったのはキューバ危機の時で日本政府が太古から隠していた情報をあのタイミングで公開したから核戦争は回避できた。」

  「まさか銀河で、そんなヤバイ事になっているとは想像すらしてなかったからそら "核戦争やってる場合ではない" ・・・ってなるわな。」
  「地球が滅ぶかもしれない危機でも介入してこなかったんだ。」
  「日本が再び占領されても何も起きないだろう。」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「なるほどな。」
  「あとは、あのペルシャのアラク宇宙基地はどうするのだ ?」
  「エルサレムを消滅させたあの基地を報復攻撃しろと、エルサレム協会から再三にわっての陳情を受けておるのだが。」

 

 【CIA極東支部長】
  「むちゃを言うな。」
  「あれは無理だわ。」
  「アトランティス艦隊の管轄だからマクレーン(※3)とて手出しはできん。」
  「我は大統領のクビをハネて付け替えることに関しては得意だが、それとことれは勝手が違う。」
  「アトランティス艦隊と戦えば我が国は、いや地球は簡単に滅ぶ。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「しかしエルサレム協会をなんとか納得させて彼らの支援を得なければ連邦議会選挙にも影響出るぞ。」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「噂ではエルサレムを消滅させた艦隊を率いていたのは日本人将校だとか ?」
  「さらに数時間前のシリコンバレーの企業や富裕層の支持者たちが宇宙から攻撃を受けた件についてもジャップ(※4)どもが絡んでいると聞いておるぞ。」

 

 【CIA極東支部長】
  「ああ、そのようだな。」
  「だから日本を再占領する口実にもできないかと国連大使と協議しておるところだ。」
  「それで納得してもらうのもアリだと思うのだが。」


 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「そりゃそうと行方不明となったナイトストーカーズの救援はどうするのだ ?」

 

 【CIA極東支部 エージェント A】
  「断念しました。」

 

 【CIA極東支部長】
  「最近、FBI(※5)が動いているらしい。」
  「どうやら大統領は何かを嗅ぎ付けて警戒を始めたようだ。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「この前だって、日本海海兵隊のヒコーキが統朝軍に襲われたんだろ ?」
  「トツタニに墜落したUFOについてなにか情報を知っていたのでは ?」

 

 【アメリカ太平洋艦隊 第七艦隊司令官】
  「それは面倒だな。」
  「計画を邪魔するようだと閣下には退場してもらうさ。」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「やれやれ世界でもっとも優れた民主主義というのはどこへ行ったのやら。」

 

 【CIA極東支部長】
  「気に病むな。」
  「そんな幻想はこの国の建国当初から存在しない。」
  「力こそ正義だ。 合衆国憲法がそれを保証している。」


 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「さて話は変わるのだが」
  「例のXシリーズ、量産化のめどはつきそうか ?」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「エルサレムの本社と製造設備が吹き飛ばされたものの、実機パーツがネバダ(AREA51)に運び込まれていたので組み上げることはできました。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「ん ?」
  「部品は全部揃っていたのか ?」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「いえ、国は失われましたが、シャイアン・マウンテンに設けられた軍のクラウド上にすべての設計図が残されておりましたから、足りない部品については難なく製造できました。」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「あとはパイロットの人選ですね。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「オビシメがサマー・ホリデーに入れば派遣していたパイロット候補生も戻ってくるのだろ ?」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「ええその予定にはなっていますが。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「じゃ、そいつらを使って量産前のテストを行ってくれ。」
  「我が国のテストパイロットの技量では限界性能がわからない。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「実際にハヤブサを使用しているパイロットなら問題なくXシリーズを着こなしてくれるだろう。」
  「必要あればサマー・ホリデーが終わる時に日本へ持っていって最終調整してもいいだろう。」
  「フランスとドイツがやってるようにな。」

 

 【アメリカ空軍宇宙艦隊 司令官】
  「まずは雷電(サンダーボルト)との格闘戦データがほしいが、あわよくばオビシメに集まってくる各国の新型機データも欲しいものだ。」

 

 【CIA極東支部 エージェント B】
  「判りました段取りしておきます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 【キヨちゃん】
  「ナナ、もう登校しても大丈夫なの ?」

 

 【ナナ】
  「う、うん。」
  「心配掛けてごめんね。。」
  「でも、検査があるから、まだ数日は寮には帰れないわ。」

 

 【キヨちゃん】
  「そうなんだ。」
  「でも、元気そうでよかった。」

 

 【東郷】
  「おおーい、席につけ。」
  「出席取るぞ。」

 

 【1組 生徒たち】
  「はーーーい。」

 

 【なるみ】
  「ちょっとまってーーーー!!!」

 

 【レオンハルト
  「誰 ? その声はまさか ?」
  「なるみ ?」

 

 【エルメス
  「あれ ?」
  「なるみも退院できたの ?」

 

 【アルビータ】
  「なんだ元気そーじゃんか。」

 

 【なるみ】
  「あはは、心配掛けてごめんね。」
  「でも、私今日はまだ幽霊だから♪」

 

 【サッチ】
  「ぇっ!?」

 

 ナノマシンの低消費モードに入っているため腰から下の濃度の関係から足がほとんど見えなかった。

 

 それを見た。 サッチ。

 【サッチ】
  「・・・。」

 バタン。

 

 【ケンジ】
  「大変だっ!!」
  「生徒会長が倒れたっ!!」

 

 【キヨちゃん】
  「誰かっ!! サッチをすぐに保健室へっ!!」

 

 ゴンっ!

 【なるみ】
  「いてっ!!」
  「なんでグーでどつくのよっ!!」

 

 【ナナ】
  「その格好でウロウロしたら騒ぎになるっていったでしょっ!!」

 

 【なるみ】
  「いや、だって、まさかサッチが気を失うなんて思わなかったし・・・。」

 

 【サダッチ】
  「彼女は、幽霊とか、その系統は大嫌いなんですよ。」

 

 【なるみ】
  「悪魔が幽霊とかおばけを怖がってどうするんですか!!!」

 

 【サダッチ】
  「保健室へは私が連れていきますので、朝礼をすすめてください。」

 

 【東郷】
  「ぉ、おう・・・。」


 【東郷】
  「さてと、新入生を紹介する。」
  「サッチとサダッチにはもう紹介が済んでるからいいか・・・。」

 

 【東郷】
  「さ、入ってくれ。」

 

 見慣れない制服を着た少女たちが教室に入ってきた。

 

 【ブリジット】
  「い、犬 ?」

 

 【バネット】
  「犬だよね。」

 

 【アグスティナ】
  「犬だ。」

 

 【アルビータ】
  「見たこと無い制服ね。」 

 

 【フクちゃん】
  「DBにあったっ!!」
  「あの制服、敵の艦隊のだっ!」

 

 【バネット】
  「うそ」
  「敵ってアンドロメダ ?」

 

 【東郷】
  「静にっ!」

 

 【東郷】
  「ここ数日の騒動ですでに何があったか知ってる者も多いと思うが、経緯や詳細はこのテーブルを参照してくれ。」

 

 と、ナノリンクにて、URLが転送されて情報が開示された。

 

 【東郷】
  「さ、自己紹介を」

 

 【コハル】
  「はい。」
  「みなさん、おはようございます。」
  「アトラミス王国第2王女、ルディ・コハル・ヴォルフガングと申します。」
  「コハルと呼んでいただいて結構よ。」
  「所属していた部隊は、アンドロメダ艦隊、元アトラミス艦隊です。」

 

 【コユキ
  「第3王女のルディ・コユキ・ヴォルフガング。」
  「コユキでいい。」
  「姉と同じ部隊に所属していた。 よろしく・・・。」

 

 【ブリジット】
  「お、王女さまだって・・・。」

 

 【ケンジ】
  「お姉さんは美人だが妹は無愛想だな。」

 

 【コユキ
  「むっ!!」
  「がるるるるるるるぅ」

 

 コユキはケンジに敵意をむき出しにした。

 

 【東郷】
  「こらこら威嚇するな」

 

 【コユキ
  「キュウン・・・」

 

 【1組 生徒たち】
  か、可愛いぃぃぃぃ、落ち込む姿がマジ犬だ。


 【東郷】
  「現在彼女たちのふるさとはアンドロメダ艦隊の激しい粛清にあっており種の存続が危ぶまれる事態となっているんだ。」

  「その危機的な状況にもかかわらず、彼女たちは今から数カ月後に派遣される日本艦隊への危機を伝えるべく命を掛けてこの星系にやって来ました。」

 「この娘たちが国へ帰れる日がくるまで、身柄は帯締学園が引き取ることになった。」
 「しばらく君たちと一緒に学園生活をおくることになるので仲良くしてやってくれ。」

 

 【東郷】
  「さて、君たち、空いている席がいくつかあるから好きに座ってくれ。」

 

 しかし、二人は東郷のソバからはなれようとしない。

 

 【東郷】
  「どうした ?」

 

 【コユキ
  「ここがいい。」

 

 【東郷】
  「いや、それは困る。」
  「席についてくれないと授業ができないから。」

 

 【コハル】
  「わたしもここで結構ですわ。」

 

 【ナナ】
  「コハルさん、コユキさん、はやく席につきなさい。」

 

 ナナが立ち上がって注意する。

 

 【コハル】
  「貴女はどちらさま ?」
  「貴女に何の権限があるというの ?」

 

 【ナナ】
  「私は若林奈々。」
  「このクラスの委員長で、東郷の妻よ。」


 【1組 生徒たち】
  「・・・。」

 

 【1組 生徒たち】【東郷】
  「ぇぇぇええええーーーーっ!!!!」

 

 【ターニャ】
  「ぶっーーーーっ!!!」

 ターニャも隠れて食べていた弁当を吹き出した。

 

 【東郷】
  「ちょ、ちょっと若林さん? 仰る意味がよくわからないのですが・・・。」

 

 

 ※1.キャリブレーション
  ナノマシンは呪符式、サークル式と異なる特性や種類を持った術式として
  効果を発揮するが、もともとは同じナノマシンの材料(ナノサブスタンス)を使用している。
  初期状態では単なる液体(あるいは粉末状)でしかなく、なんの効果も発揮しないが、
  イニシャライズ処理でナノマシンの能力を方向付ける事で使用可能となる。
  ただ、その状態では単に使用可能になるだけで、術者が保有しているナノスキルを
  100%発揮できるワケではない。
  そこでキャリブレーション処理を実施することで、
  術者固有のスキルに合わせてナノマシンの術式を微調整する事で、
  術者はナノスキルを全開運用する事が可能になる。

 

 ※2.ヴァンデンバーグ、ケープカナベラル、グルーム・レイク
  アメリカ空軍宇宙艦隊が使用している宇宙基地
  アメリカ国内の他の場所にも基地が存在しており、
  宇宙艦の離発着が可能なだけでなく、無人往復ロケットによる
  物資輸送も受け持っている。
  広大な敷地を有するエリア51も大規模な宇宙基地が建設中だが、
  こちらは空母艦隊の艦載機を収容する陸上航空基地として整備されている。
  アメリカの宇宙艦隊司令部はシャイアン・マウンテンに置かれている。

 

 ※3.マクレーン・・・CIA本部のあるマクレーン町を指しているが、
  CIAと言えば、かつては本部が置かれていたラングレーから
  ラングレー=CIA と呼ばれていた。
  FBIとは異なり、アメリカ市民の為ではなく、
  主にアメリカの国益(利権)のために動くため、
  世界最強のトラブルメーカーとして各国から怖れられている。

 

 ※4.ジャップ・・・日本を指す蔑称・・・とされているが一般的だが、
  現実には太平洋戦争中は日本人に対する恐怖を指す意味で使われる事が多かった。
  学園生徒たちの中にはアトランティス人との混血も多く在籍しているが、
  誇り高き大和民族の血を受け継いでいることを誇示するために彼ら(彼女ら)は
  あえて自分たちを I'm Jap と呼称しているケースが有る。

 

 ※5.FBI・・・連邦捜査局の略称であるが、CIAとの違いは、
  CIAの活動はアメリカ議会の意思が強く反映されるが
  FBIは海兵隊同様にアメリカ大統領の意向が強く反映され、
  CIAが国益のために多くの外国の政権を転覆させたり、
  武装組織(要するにテロ組織)を育成したりするが、FBIは、
  逆に大統領は大統領の信念によりそれらを潰しにかかる事がある。
  なのでホワイトハウススタッフと議会を運営する政党がねじれると
  利害が一致せずに面倒な事(他の国がとばっちりを喰らう)がよく起こる。

 

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