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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-3-1】基本をまなぶ

基本をまなぶ

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原作イラスト提供 きゅーぶ先生

 

 

【1-3-1】

    大阪東大阪市上空15000m・・・オスプレイ2機上

    【ナナ】
        「リーダーから隼各機へ」
        「全機、順次 降下開始!!」



    パージサインが切り替わり、オスプレイ2から対戦車ライフルを手にした隼が4機ずつ切り離されて降下を開始していく。
    第一次降下4機の切り離しを終えると、カラになったコフィンセルは収容されて、新たなコフィンセルがオスプレイ2の機外に伸ばされる。

    【なるみ】
        「いよいよ私たちの番ね」
    【シャルロット】
        「ぅぅ・・・・」
    【フランシーヌ】
        「ほら、いつまでも泣かないの」
    【もっちゃん】
        「各機、ちゃんと私についてくるのよ。」
    【なるみ】【シャルロット】【フランシーヌ】
        「らじゃ!!(了解)」


    【オスプレイパイロット】
        「気流が乱れますので、少し待機してくださいっ!!」

    しかしパージサインが赤から青に切り替わってしまい、機体が切り離されようとしたその瞬間、オスプレイ2は乱気流に乗り激しく揺さぶられ、機体の姿勢を大きく乱してしまう。
    態勢を立て直そうとするがカーゴランプが開かれ、コフィンセルのブーム(伸縮アーム)を展開中によりバランスを立て直すのは容易ではない。
    なるみ、シャルロット、フランシーヌの機体は、かろうじで機体の切り離しに成功し、空へ放出されたがもっちゃんの機体が確認できない!?

    【もっちゃん】
        「何!? どうなってるのよ!」

    もっちゃんの隼がオスプレイ2からリリースできない状態でいた。
    揺さぶられた瞬間にコフィンセルが損傷を受けたのだ。
    機体内では警告音が鳴り響き、モニターに赤い警告メッセージが次々と表示されていく。

    「パージシステム不具合・・・離脱不能
        ぇ!? 降下できない?

    「パージシステム不具合・・・緊急停止信号断線・・・回収不能
        ぇえっ!! オスプレイ2にも戻れないの ???

    いちばん仲良しのなるみがいち早く異変に気付いた。
    【なるみ】
        「もっちゃんっ!! どうしたのよ!」

    【もっちゃん】
        「パージシステムのトラブルで機体が切り離せないわ」

    【フランシーヌ】
        「オスプレイ2に回収できないの」

    【もっちゃん】
        「中止信号を受け付けないのよ!」

    オスプレイ機上で監視していたナナも異変に気づく。
    【ナナ】
        「先生っ!」
        「森下機でトラブル発生、降下できない模様です!」

    【東郷】
        「発進の中止は?」

    【ナナ】
        「どうやら、信号トラブルが発生しておりオスプレイ2にも回収できないようです。」
        「このままではオスプレイ2もバランスを崩して危険な状態に陥ります!」


    バキンっ!
    鈍い金属音と衝撃とともに、もっちゃんの機体が、下へ引っ張られた。

    【もっちゃん】
        ぁっ、なんだかマズイかも・・・。

    予感は的中していた。
    コフィンセルと機体を接続していたメインボルトが折れたのだった。
    本来は、発進時にはラッチと呼ばれる爪だけで隼の機体をひっかける状態になり、そのラッチが解放されると自由落下を開始する構造になっていた。
    しかしオスプレイ2が異常な角度に傾いた際に、そのラッチの母体そのものが損傷を受け脱落しようとしていたのだ。
    ラッチの母体はコフィンセルに付属し、隼を物理的に拘束する器具のため、そう簡単には脱落しない構造となっていた筈なのだが、よほどの圧力を受けたのか、コフィンセルと拘束具を接続する4本のメインボルトのうちの3本が破壊され、今は1本のみで隼を繋ぎ止めていた。


    状況を監視モニターで見ていたが
    【東郷】
        ちっ! マズイぞ。
        「私が出るっ!」
        「リリースタイミングをフリーにしてくれっ!!」

    【ナナ】
        「どうさなるつもりですか?」

    【東郷】
        「長くはもたん」
        「脱落して落ちるぞ」
        「随伴して何か対策を講じてみる」

    【ナナ】
        「何かって?」

    【東郷】
        「わからん」

    【ナナ】
        「わからないっ???」

    オスプレイ2の操縦室から飛び出して自機に飛び乗ると、緊急発進シーケンスに入った。
    【東郷】
        「直接、状況を見てみないと判断がつかんっ!!」
        「出るぞ」
        「後の指揮は頼むぞっ!!」
        「他の生徒たちを予定通り降ろしてやれっ!!」

    東郷機は、リリースタイミングがフリーになったため、すべての安全手順をすっとばかして、外へ飛び出していった。

    【ナナ】
        むちゃくちゃな人だわ。


    東郷機が、飛び出したと同時に、もっちゃん機を支えていた最後のボルトも破壊され、バキっと言う金属音とビシンっという接続されていた配線がちぎれる音とともに、宙に放り出されていた。

    【シャルロット】
        「もっちゃんが堕ちてるっ!!」

    シャルロットの絶叫に
    【なるみ】
        「えっ!?」

    【フランシーヌ】
        「もっちゃんパラシュートは???」

    【もっちゃん】
        「この高度でパラシュートは無理よっ!!」
        「それに・・・。」

    【なるみ】
        「どうしたの?」
        「どこか問題でも?」

    【もっちゃん】
        「コフィンセルのパーツがついたままで、リリース扱いになっていないの」
        「パラシュートが開けない・・・」

    【フランシーヌ】
        「ちょっとまってよ、冗談言わないでよ」

    【もっちゃん】
        「冗談じゃないわ」

    【なるみ】
        「そのパーツみたいなの外せないの?」

    【もっちゃん】
        「無理よ。」
        「仮にはずせてもリリース扱いにするにはコフィンセルから送信される離脱信号が必要だわ」
        「この信号を受信しないと機体は拘束されていると誤認識を続けパラシュートは開かない」

    【シャルロット】
        「だれか!?」
        「先生には報告したの?」

    【もっちゃん】
        「まだよ。」
        「でも異常には気づいている筈だわ。」

    【フランシーヌ】
        「あの東郷がどうにかできると思う?」

    【なるみ】
        「私がなんとか抱きかかえて降りられないか試してみるわ」

    【もっちゃん】
        「むちゃよ」
        「いくらフル装備の隼を支えられるパラシュートとはいえ、さすがにまるまる2機分の重量なんて支えられないわ」
        「私はいいから、皆はちゃんと降りて。」

    【シャルロット】
        「そんなの嫌だよっ!」

    【もっちゃん】
        「わがまま言わないの」

    【シャルロット】
        「だって・・・」

    【フランシーヌ】
        「あっ誰かこっちに来るよ」

    【東郷】
        「森下君は無事か!?」
        「状況を教えてくれ。」
    氷点下の気温で機体表面には薄く氷の膜に覆われていた。
    時折その氷の膜がはがれて後方へ流れてゆく。


    【シャルロット】
        「なんで東郷が来んのよっ!!」

    【東郷】
        「緊急事態だからに決まってるだろ?」
        「で、どうなんだ?」

    【もっちゃん】
        「べ、別にあんたなんかに助けてもらわなくたって・・・」
        「この状況、把握したところでどうにかなる訳でもないわ」

    【フランシーヌ】
        「そうよ!」
        「いざとなったら自分の立場ばかり守ろうとする大人なんか信用できるもんか!!」

    【東郷】
        「言いたいことがあったら後で聞いてやる」
        「君たち3人は、予定通りそのまま降下しなさい。」
        「気を取られていると、君たちも地面に激突するぞ」

    【シャルロット】
        「命令しないでよっ!」

    【東郷】
        「つべこべ言わずに、命令に従えっ!!」

    【なるみ】
        「ちっ!」
        「シャルロット、フランシーヌ行くわよ」

    【フランシーヌ】【シャルロット】
        「だって・・・」

    【なるみ】
        「私たちがいてもやっぱりどうにもならないわ・・・」

    【シャルロット】
        「3人で協力してもっちゃんを下せばいいじゃないのよ」

    【なるみ】
        「何言ってるのよ」
        「全員のパラシュートが絡んだら4人ともアウトなのよっ!!」

    【フランシーヌ】【シャルロット】
        「・・・わかった」

    【もっちゃん】
        「なるみ、ありがとう」
        「あの子たちよろしくね」

    【なるみ】
        「もっちゃんこそ、アンタ、無事に帰ってくるのよっ!」

    【もっちゃん】
        「わかってる」


    徐々に3人は、落下を続けるもっちゃんの機体から離れていった。


    【もっちゃん】
        「さて、せんせい、これからどうするつもりなのかしら?」

    【東郷】
        「外見だけだが、機体の状態を見させてもらった」
        「コフィンセルのパーツが外れていないな・・・」
        「離脱信号は来ていないだろ?」

    【もっちゃん】
        「ぇえっ、来てないわ。」

    【東郷】
        「もうパラシュートを開く手段はないか・・・。」
        「軽量化しようにもライフルを手放したら、民家に落ちる危険が大きいか・・・。」

    隼が両手で保持している対戦車ライフルはスイス、エルコン社の30mm対空機関砲を対戦車戦闘用に改修したものだが、手持ち火器用に軽量化されているとはいえ、200Kgの重量はある。
    それを空から落とせば、万一人に当たれば怪我ですまなくなってしまう。


    【もっちゃん】
        「さっき、一人で2機分を支えて降りようと提案した馬鹿な子がいたわ。」
        「同じことを考えていないでしょうね ?」

    【東郷】
        「ん!?」
        「なにか言ったか ?」
        「スマン、考え事をしていた。」
        「なんだね?」

    【もっちゃん】
        「えっ?」
        「もぅいいわ・・・」
        こんな時にのんびりと考え込むとはおバカな先生だこと・・・。
        期待できないわね。

    しばらく思案を巡らせていたが・・・。
    【東郷】
        「君は確か、サークル型A級だったな。」

    【もっちゃん】
        「えっ? えぇそうよ」

    【東郷】
        「A級の出力を出せるのなら、可能性はあるな・・・」

    【もっちゃん】
        「何の話よ!?」

    【東郷】
        「ナノマシンの展開パターンをダウンロードしてみようか」

    【もっちゃん】
        「ぇっ今 ?」

    【東郷】
        「そうだ今だ。」
        「コフィンセルのラッチが解除されたなんて信号を改竄するには、パラシュート制御のアプリを再構築する必要がある。」
        「しかしだな、アニメぢゃあるまいし機体には開発環境なんて乗せてはいない。」
        「せめて出来ることは、別のアプリをダウンロードして、他の方法で落下を食い止めるくらいだ。」

    【もっちゃん】
        「そんなパラシュート以外の方法で降りられるアプリなんてあるの ?」
        「聞いたことないよ」

    【東郷】
        「艦隊ネットワークに接続できるか?」

    【もっちゃん】
        「やったことないよっ!!」

    【東郷】
        「わかった。」
        「そっちの隼とこっちの隼を上位権限でリンクする。」
        「君のナノリンクに接続するパスワードを教えてくれ。」
        「隼の通信システムでテザリングして君の脳内ストレージにアプリを直接ダウンロードしてやる。」

    【もっちゃん】
        「あとで、パスワードは変なことに使わないでよっ!!」

    【東郷】
        「ぁあ、あとで生きてたら考慮しよう」

    2機の隼は落下しながら、艦隊ネットワークに接続を開始してゆく。
    最初に、緑草山に設置されている三笠防空宇宙レーダー基地を経由して、アトランティス艦隊に接続した。
    その手順が、もっちゃんの脳内モニターにも映し出されてゆく。
    隼のモニターはあくまで補助的なもので、必要な情報の大部分は直接パイロットにアップロードされていく。

    【もっちゃん】
        ぇっ、帯締学園を経由しないで、三笠防空宇宙レーダー基地を経由して艦隊にアクセスですって?

    艦隊ネットワークに接続して、そこから別のネットワークに接続してゆく。
    画面に映し出されるログイン画面には、「王家直轄近衛艦隊」と表示されている。


    【もっちゃん】
        ぇっ、おっ王家・・・って何 ???
        なんで、地球人が近衛艦隊のネットに入れるのよ ???


    難なくログインに成功し、さらにコンテンツメニューを開いて奥へ入っていくと、ナノスキル専用のダウロードサイトが置かれていた。
    パスコードを入力して、さらに入っていくと、その奥のほうにさらに開発中個人フォルダーが置かれていた。

    "ここから先は、特別な権限がないと入れません"

    【もっちゃん】
        そらそうでしょうねぇ・・・こんなヤバそうなところに勝手に入ったら、見つかったら一発で軍法会議だわ・・・。
        この人何を考えてるのかしら・・・。
        「先生、ここマズイんちゃないの?」

    【東郷】
        「・・・」
    ためらいもなく、中に入ろうとすると、認証画面が現れた。

    【もっちゃん】
        「ほら、やっぱり、ここもパスコードが必要よ。」
        「もういいよ、引き揚げましょうよ」
        「なにもこんなヤバイところに入らなくても・・・」

    認証画面をクリアした。

    【もっちゃん】
        「ぇっ!? なんで ???」

    "認証コードを確認しました。"
    "ようこそ、「Admiral Tougou」 奥へお進みください"

    【もっちゃん】
        「ぇっ!? うそっ、はいれた ???」

    【東郷】
        「残りの高度を確認しておけ、時間がないぞ」

    【もっちゃん】
        「ぁ、はっ、はいっ!!」

    【フランシーヌ】
        「大丈夫かなぁ・・・」
        「2機とも動かないよ・・・」

    【東郷】
        「あった、見つけたっ!!」
        「直接脳へダウンロードしてやる」
        「取説も落としておくから、すぐに読めっ!!」

    【もっちゃん】
        「で、でも高度の確認が・・・」

    【東郷】
        「両方頑張ってくれ」

    【もっちゃん】
        「そんなぁ」

    【東郷】
        「できなきゃ死ぬぞ」

    【もっちゃん】
        「えぇぇぇぇ」

 

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挿絵提供 笹倉先生 【2019/09/03 挿絵追加】

 

 


    【東郷】
        「がんばれっ!!」
        「君は優秀な子だろっ!!」
        「大人を見返してみろっ!!」

    【もっちゃん】
        「アプリのダウンロードが終わったみたい」

    【東郷】
        「まだ展開するな」
        「起動する前にセットアップに必要なパラメータを変更する。」
        「もともとまったく異なる特性のスキルの為に開発されていたアプリだ。」
        「このまま起動しても動かない可能性がある。」
        「ヘタしたら地面に落ちるより先に拒絶反応で死ぬかもしれんぞ」

    【もっちゃん】
        「そんなヤバイものなの ?」

    【東郷】
        「ああ、ナノマシン用のアプリにだって完璧はないからな。」
        「だが、今はやるしかない。」

    高度が予定の4000mをきり、生徒たちは次々とパラシュートを展開し減速してゆく。
    その光景は地上に待機する支援班や回収班にも視認できるが・・・。

    【ナターシャ】
        「なんかあの2機、パラシュート開かないわね。」

    【ミーシャ】
        「トラブルかな?」

    【ターニャ】
        「堕ちてくるの・・・ぱぱの機体・・・。」

    【ミーシャ】
        「ぇっ!? うそっ」

    【ナターシャ】
        「この距離からよくわかるね・・・」
        「せんせい、何やってるのかしら」

    【ミーシャ】
        「離れたところで降下してるのは、井上(なるみ)機とシャルロット機とフランシーヌ機ね」
        「ということは、森下機でトラブル?」

    【ターニャ】
        「なんでたーにゃは地上待機なの?」
        「シャルとフランシーと同じ年なのに」

    【ナターシャ】
        「あの二人は要人令嬢だから特別扱いなのよ」
        「それに、仮にその場にいたところでターニャにお手伝いできないでしょ。」

    シャルロットのクラスメイトが血相を変えて飛んできた。
    【アルフォンス】
        「聞いて、1組の機体でトラブル発生よ」

    【ミーシャ】
        「森下機でしょ」

    【アルフォンス】
        「よくわかったわね」

    【ナターシャ】
        「見えてるからね」

    【アルフォンス】
        「もう一機落ちてるわね」

    【ナターシャ】
        「私の担任よ」

    【マリ】
        「あなたの担任、なにやってるの?」
        「森下機の救出?」
        「あの残り高度じゃ2機とも地面に激突するわ」

    【ターニャ】
        「ぱぱ・・・。」

    地上班はその光景に凍りついたまま身動きしない。


    【もっちゃん】
        「せんせい、もう離れて!」
        「このままだとあなたも一緒に地面に激突するわ」
        「それに先生の機体には、その・・・。」

    【東郷】
        「まだ、もうちょっと時間がかかる」
        「それに、」

    【もっちゃん】
        「もういいよ、先生。」
        「ありがとう。」
        「指揮官は部下に死ねと言うのが仕事でしょ!!」

    【なるみ】
        「何いってるのよっ!!」
        「あきらめないでっ!!」

    【東郷】
        「まだ、もうちょっと時間がかかる」

    【フランシーヌ】【シャルロット】
        「せんせい何やってるの!!」
        「早くしてよ」
        「もっちゃんが堕ちちゃう!」

    【東郷】
        「それに」
        「今は戦時ではない!」
        「戦闘時以外では、上司は部下を絶対に死なせないことが仕事だっ!!」

    高度を1500mを切った。
    【東郷】
        「よし、作業が終わった!!」
        「マニュアルは読んだか?」

    【もっちゃん】
        「ぇ、ええ、一応ダウロードしたものはすべて記憶してるわ」
        「脳内モニターに起動コードが出てあなたの認証が必要みたいなの!」

    【東郷】
        「認証画面をこっちにまわせ。」

    【もっちゃん】
        「はいっ!!」

    ナノリンクネットワークを通じて、もっちゃんの脳内で表示されていた認証画面が送信されてきた。
    【東郷】
        「パスコードを入力した」
        「どうだ?」

    【もっちゃん】
        「確認したわっ!」

    【東郷】
        「1000mを切った。」
        「アプリを展開して起動しろっ!!」

    【もっちゃん】
        「やってるわっ!!」
        「今、起動中!」

    【東郷】
        「よし、拒絶反応の危険は回避した。」

    【東郷】
        「確かに翼を授けたぞ。」
        「大事に使いたまえ。」

    【もっちゃん】
        「ナノウィング起動っ!!」
        「制動開始っ!!」
        「止まれぇぇえええ!!!!」

    隼から暗黒のような黒い影が現れ、瞬時に光り輝く翼に成形されていく。
    しかしまだ空気抵抗をうけるほどの密度のナノマシンが放出できていない。
    機体の落下が続く。

    【なるみ】【フランシーヌ】【シャルロット】
        「光の翼!?」

    【ナナ】
        「し・・・信じられないっ!!」
        「ナノマシンで翼を形成したって事なの ?」


    【ナターシャ】
        「あの翼・・・」

    【ミーシャ】
        「ぇえっ、そのようね」

    【ターニャ】
        「ぱぱの翼・・・」

    徐々にナノマシンの密度が高まり空気抵抗が増してくると、機体はわずか400mのところで減速に成功しゆるやかに降りてくる。
    【もっちゃん】
        「私、宙に浮いてるの ?」

    【シャルロット】
        「スゴイっ!! 完全に浮いてるよ!」

    【フランシーヌ】
        「ナノマシンってこんな事ができるの?」

    そして、落下していく東郷の機体に気づく。

    【もっちゃん】
        「先生っ!!」

    【なるみ】
        「もうダメだ・・・。」


    【東郷】
        「パラシュートは開かないのか?」

    【ハヤブサ・AI】
        「ハイ、ヒラキマセンデシタ」
        「展開こーどヲ送信シマシタガ受理サレマセンデシタ。」

    【東郷】
        「ちっ!!」
        「こっちもトラブルなのかよっ!」
        「まっ生徒が助かっただけでもヨシとするか・・・。」

    【ハヤブサ・AI】
        「Mr.Tougou ヲ死ナセルワケニハイキマセン」
        「人工電子結界、6層連続展開!!」
        「出力最大!!」

    機体はどういうわけか、
    東郷の意思とは無関係に高度100mのところで隼の防御機能である人工電子結界を地表に向かって6層にわたって展開した。
    機体は次々と結界を破り地表に向かって突き進んでゆくが、徐々にスピードが落ちてゆく。
    しかし、それでも減速に必要な高度が足りないっ!!
    水柱とともに大和河に落ちた・・・。

    【ターニャ】
        「着陸した・・・。」

    【ナターシャ】
        「墜落したってのが正しくなかと?」

    【ナナ】
        「ふぅ・・・」
        「あそこまで減速できら死ぬことはないでしょ・・・。」
        「まったくあの人ったらムチャするわね」
    ナナも降下しながら東郷の着水を見送った。

 

 

 

 

 

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