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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-12-3】高速巡洋艦「衣笠」の冒険

高速巡洋艦「衣笠」の冒険

【1-12-3】

 

重巡洋艦 衣笠

 

【衣笠 艦長】
 「全艦 総員起こし!」

 

響き渡った号令により、艦内が慌ただしくなってきた。

 

【衣笠 副長】
 「ロングジャンプ、M30」(長距離ジャンプ30分前)

 

【衣笠 艦長】
 「本艦はこれより30分後に1回目の長距離ジャンプを行う!」
 「各員、ただちに持ち場の安全を確認の上、上官へ報告せよ。」
 「以上!!」

 

【衣笠 艦長】
 「周辺警戒を厳とせよ!」

 

【衣笠 艦橋クルー】
 「令!」

 

【衣笠 副長】
 「15分前になったらジャンプ・ターゲットに予備トラクターを発信して障害物を確認してくれ。」

 

【第2分隊 A】
 「令!」


そしてクルーがジャンプに備え各システムの安全確認を終える頃には30分を経過しようとしていた。


【衣笠 副長】
 「30カウント、ロングジャンプ」

 

【第3分隊 C】
 「30秒後に長距離ジャンプへ移行」

 

【衣笠 副長】
 「NGD、ジャンプモード・スタンバイ!」

 

【第3分隊 C】
 「ネガティブ・グラビティ・ドライブ、ジャンプモード起動」

 

【衣笠 副長】
 「NGG、機関最大出力」

 

【第3分隊 C】
 「ネガティブ・グラヴィティ・ジェネレーター 全機関 最大出力!!」

 

【衣笠 副長】
 「JGセット」

 

【第3分隊 C】
 「ジャンプ・ゲード設定」

 

【衣笠 副長】
 「ターゲット、ヒルコンMP55Q001(※1) マーク!」

 

【第3分隊 C】
 「ジャンプ・ターゲットは、ヒルコンMP55Q001 にセット!」

 

【第2分隊 A】
 「30分前の予備トラクターの結果から、ヒルコンMP55Q001の座標は確定済みで誤差はなし!」
 「さらに天体予報士からの報告でも進路上に障害となるデブリ等は存在せずとの報告です!」

 

【第3分隊 C】
 「ジャンプモード起動を確認。」

 

【衣笠 副長】

 「ジャンプ・サイン、センド!」

 

【第2分隊 A】
 「ジャンプ・サイン発信を確認」

 

【衣笠 副長】
 「JS展開」

 

【第3分隊 C】
 「ジャンプ・シールド展開を確認。」

 

【衣笠 副長】
 「慣性システムチェック」

 

【第3分隊 C】
 「慣性システム、正常を確認!」

 

【衣笠 副長】
 「ジャンプっ!!」

 


 

■帯締学園 多目的講義場

 

学園では月面で行われる対オロチ特別講習に参加する訓練生の中から、希望者に対してオロチの生態についての講義が行われていた。
特別講習自体は極秘の訓練ではあるが、その講義は内容的に隠す必要がないことからオープンデッキにて行われていた。
通常、共有すべき情報は脳内ストレージへ資料やデータを複製する形で行われるが、
経験値の積み上げが必要なケースもありその場合はデータ共有ではなく講習という形で情報が伝達される。

そこへ帰国するでもなく手持無沙汰にしていた留学生たちが通りかかった。


【さえ】
 「さて、この通り、オロチは哺乳類ではなく爬虫類に近い存在と言えます。」
 「性別は地球で言うところの雌雄が存在しますが単体でも卵を産卵できます。」

 

【さえ】
 「この卵はサイズこそは地球の鶏程度の大きさでしかありませんが、非常に堅固で、我々地球人のもつ戦車砲を持ってしても破壊は困難です。」

 

【さえ】
 「この卵の外殻自体に圧縮された高濃度の栄養分が含まれており、中の雛が育つにつれ卵のサイズも変化し大きく成長しますが、栄養に取られた分だけ強度がやや低下してきます。」

 

【さえ】
 「最終的には地球で言うところのダチョウの約2倍にまで成長すると羽化を始めます。」
 「このタイミングが一番外殻の強度が弱くなっており、駆除に適した瞬間といえますが一度羽化を許してしまうと、生まれたての雛の段階から狩りを始めて自分で餌を求めて活動を開始します。」

 

【さえ】
 「こうなってしまうと、あなた達ではもはや武器を使用しないと駆逐できないでしょう。」

 

【訓練生】
 「生まれて間もないのにどうやって狩りを覚えるのですか ?」

 

【さえ】
 「それはいい質問です。」

 

【さえ】
 「彼らは卵を産み落とした瞬間には狩猟民族特有の狩りの仕方を親から雛へプリセット情報として残すことが可能で 生まれたときには本能として狩りの能力を発揮できるのです・・・。」


【リン・リー】
 「これはなんの授業なのかしら ?」


【みさ】
 「これは生物学の講義ね。」
 「私達の天敵であるオロチについての生態を解説しているようですね。」


【チュン・レイ】
 「オロチって、まさか我が党の上層部が最先端の軍事支援を受ける条件として常駐を許可したあの恐竜のような化け物の事でしょうか ?」

 

みさに聞こえないよう、小声でリーに聞いた。

 

【リン・リー】
 「さあ、どうでしょう ?」
 「アノ件については触れてはならないと箝口令が敷かれているからな。」

 

【みさ】
 「どういたしました ?」

 

【リン・リー】
 「あ、いえ、なんでもありません!!」

 

【リン・リー】
 「この講義でそのオロチとやらに勝てると ?」

 

【みさ】
 「ええ、そのための知見を得る授業であり、そして我が学園の重工学部が開発したハヤブサがあれば十分に対抗が可能ですわ。」

 

【リン・リー】
 「馬鹿な!」

 あの化け物がもしオロチだとしたら、世代の新しい我々の"尖閣" が束になっても抑えられないほど凶暴なヤツなのに、時代遅れのハヤブサなんかでは到底太刀打ちはできないぞ!!


【リン・リー】
 そっか、日本の連中はあの化け物については何も知らないんだな。

 

【リン・リー】
 ハヤブサはそのオロチとやらとはいい勝負はできるかもしれないが、我々の知る化け物相手には束になっても敵いっこない。」

 

【リン・リー】
 「どうやら我々の知る化け物とオロチとは別々の生物らしいという事が分かっただけでも収穫だな。」

 

【チュン・レイ】
 「そうですね。」

 

ひそひそ話のつもりではあっが、彼女らの会話の内容はシッカリとみさの脳内アプリにて記録されていた。

 


 

■米国大統領 

 

【米国大統領】
 「日本からの回答はどうだった ?」

 

大統領補佐官
 「予想通り、拒否されました。」

 

【米国大統領】
 「そっか、ではいつものアレを発動だな。」

 

大統領補佐官
 「よろしいのですか ?」
 「現在 金融市場は大混乱しております、ここでさらに日本を SWIFTから締め出したら 混乱をさらに拍車を掛ける事になります。」
 「それに制裁のたびに SWIFTの制限を掛けて来た経緯から現在のアメリカ市場の信頼度も 大きく落ち込んだまま完全に回復には至っておりません。」

 

【米国大統領】
 「構うものか。」
 「我が合衆国の経済には大した影響はない。」

 

【米国大統領】
 「ただちに金融制裁を実行に移すんだ。」
 「リストに挙げてある閣僚の口座資金の流れもメディアにリークするのだ。」

 

大統領補佐官
 「わかりました。」

 

【米国大統領】
 「さて、合衆国としては穏便に解決しようと善処はしたのだが、日本国政府によってそれは拒否されてしまったわけだ。」

 「アトランティス大使館を置かれている一帯を制圧するぞ。」
 「さっそく準備に取り掛かるんだ。」

 

大統領補佐官
 「いや、まってください。」
 「軍を動かすには議会の承認が必要です!」

 

【米国大統領】
 「承認など必要はない。」
 「海兵隊を差し向ければいいだけの事だ。」
 「海兵隊に出動を命じることが出来るのは私だけなのだからな。」

 

大統領補佐官
 「・・・わかりました。」

 

大統領補佐官
 「であれば、日本に進駐している海兵隊に出動を依頼いたしましょう。」

 

【米国大統領】
 「そうしたまえ。」

 

 


 

NATO カザフスタン派遣隊 ハヤブサ破壊チーム

 

【アルビータ】
 「さて、アゼルバイジャンへ向けて移動を開始してかれこれ8時間か・・・。」

 

レオンハルト
 「そうですね。」

 

レオンハルト
 「この8時間で、残存NATO軍と米軍の撤退部隊が合わせて3000名と合流。」
 「幸いにも彼らが激戦地から離れていたおかげで食料と燃料、そして移動発電機のおかげでバッテリー切れの心配はなくなったが・・・。」

 

エルメス
 「そう、核爆発の電磁波の影響はまだ解消できておらずいまだに司令部との通信は途絶したまま。」

 

エミリア
 「見捨てられたのではと不安がる若い兵士たちも出てきています。」

 

【カンピオーニ】
 「まあ事実 彼らは見捨てられたんだがな・・・。」
 「どこかのタイミングで事実を伝えなくてはならんだろ。」

 

エルメス
 「でも、それを今 言うタイミングでもないでしょ・・・。」

 

そこへ仲介する米軍の連絡将校から緊急の報告が入った。

 

【アルビータ】
 「どうしたんだ ?」

 

【アグスティナ】
 「彼の話によると米軍の移動レーダーが高空から接近してくる機影を確認したそうです!!」

 

【アルビータ】
 「数は ?」

 

【アグスティナ】
 「1機のみだそうなんですが・・・。」
 「私のセンサーでは捉えてはおらず裏どり出来ないんです・・・。」

 

【アグスティナ】
 「ぁ、ちょっと待ってください、私も機影を確認しました。」
 「対空センサーの性能が米軍の専用レーダーより劣るので識別に少し時間が掛かってますが・・・。」
 「確かに・・・確認できる機影は1機ですね。」

 

【アグスティナ】
 「ぁ!!」

 

【アルビータ】
 「どうした ?」

 

【アグスティナ】
 「何かを投下したようです。」

 

【アルビータ】
 「なんだと ?」
 「数は?」

 

【アグスティナ】
 「5つです・・・。」

 

【カメーリア】
 「こっちのセンサーにも掛ったわ!!」
 「攻撃的な信号を感知!!」
 「脅威度、最優先!!」

 

【カメーリア】
 「この付近一帯をセンサーで探られていますっ!!」
 「我々も探知されたようです!」

 

エルメス
 「このタイミングで?」

 

レオンハルト
 「誰だ ?」
 「残存部隊の始末か ?」

 

【カンピオーニ】
 「まさかな・・・いや、核を撃ち込んでくるくらいだ。あり得るな。」

 

【アルビータ】
 「迎撃に出れる者は ?」

 

【カンピオーニ】
 「あんたと、エルメスレオンハルト、そしてイタリアからは私とスペインからはエミリア、この5鬼が比較的損傷度合いが軽くすぐに出られる。」


【アルビータ】
 「わかった、アグスティナとカメーリア、ヴィオレッタはすまないが避難部隊の護衛を任せる!」

 

【アグスティナ】【カメーリア】【ヴィオレッタ】
 「了解!」


【アルビータ】
 「何者かは知らんが 抵抗はさせてもらう。」
 「動ける4人はついて来い!!」

 

 


 

NATO フランス代表チーム

 

【フランシーヌ】
 「ねぇ、本当にこのルートであってるの ?」

 

フランス軍輸送機パイロット】
 「ああ、まちがいないと思うよ。」
 「我々のNATO軍が米軍によって見捨てられた場合、独自ルートを確保して脱出するにはここしかないからな。」

 

【シャルロット】
 「我々は消息を絶った原因の調査と発見が今回の任務だ。」
 「そして当然この動きは米軍本体とNATO上層部も把握しているだろう。」
 「情報漏えいを防止するために証拠を隠滅しにかかる筈だ。」
 「我々第2の任務はさらなる悲劇を回避することだ。」
 「気合をいれるわよっ」

 

【アルフォンス】
 「ナノサブスタンスの残量が10%かぁ・・・よく許可が得られましたね。」

 

【シャルロット】
 「この調査任務はアトランティス艦隊近衛艦隊からの依頼でもあるからな。」

 

【ジャンヌ】ヽ(=´▽`=)ノ
 「だからかぁ。」

 

【シャルロット】
 「そういう事だ。」

 

【マリ】
 「あ、輸送機のレーダーが左前方に移動中と思われる地上部隊を発見したようです。」

 

【シャルロット】
 「識別できるか ?」

 

【マリ】
 「私のセンサーを機外に出してサーチしてはみたものの・・・ギリギリですね・・・あ、でも判明しました!」

 

【マリ】
 「NATO軍と米軍のようです!」

 

【シャルロット】
 「不用意に接近すると撃ち落とされる危険があるから、ここから我々だけが降下して実際に確かめに行くぞ!」

 

【フランシーヌ】【アルフォンス】【ジャンヌ】【マリ】
 「令!!」

 

【シャルロット】
 「各自、敵対勢力との遭遇戦に備え武装を確認!」

 

【フランシーヌ】【アルフォンス】【ジャンヌ】【マリ】
 「令!!」

 

【フランシーヌ】
 「30秒後に投下してください。」
 「これ以上の接近は危険を伴います。」
 「私達を放りだしたら全力でこの場から離れてね!」

 

フランス軍輸送機パイロット】
 「あいよ。」

 

フランス軍輸送機から投下された5鬼は誤射を避けるために急降下を行い地面スレスレで飛行した。

 

 


 

NATO カザフスタン派遣隊 ハヤブサ破壊チーム

 

【アグスティナ】
 「センサーから反応が消失!」
 「目標、山の稜線の影に消えました!」

 

【アルビータ】
 「身を隠したという事はこちらを捉えたいう事か・・・。」
 「これより接近してくる目標をボギー1から5と呼称する。」

 

【アルビータ】
 「各員戦闘配置!」
 「迎撃するぞっ!」

 

エルメス】【レオンハルト】【エミリア】【カンピオーニ】
 「了解!」


エミリア
 「微細な振動波を検知!」
 「戦闘鬼ですっ!!」

 

レオンハルト
 「ハヤブサか ?」

 

エミリア
 「いえ、聞き慣れない駆動音です!」
 「隠ぺいされている感じがします。」

 

エミリア
 「山の裏側に沿う形で次第に接近してきます!」
 「このままだと残存部隊に接触します!!」

 

エルメス
 「動きが早いっ!」

 

【アルビータ】
 「飛び出してくる位置は想定できるか ?」

 

エミリア
 「はい、左前方の渓谷を抜けてくるものと類推されます!」

 

【アルビータ】
 「よし、我々はその渓谷から飛び出した瞬間を背後から叩く!」
 「ついてこい!」

 

エルメス】【レオンハルト】【エミリア】【カンピオーニ】
 「了解!!」

 

 


 

NATO フランス代表チーム

 

【マリ】
 「降下中に得た情報だと この渓谷を抜けた先、右方向23キロ地点に地上部隊が存在するはずです。」

 

【シャルロット】
 「分かった、各自、再度武装をチェック!!」
 「不意の遭遇戦に注意しながら二手に分かれて目標に接近するぞ!」

 

【フランシーヌ】【アルフォンス】【ジャンヌ】【マリ】
 「令!」

 

 


 

NATO カザフスタン派遣隊 ハヤブサ破壊チーム

 

【アルビータ】
 鬼影の判別が難しいな・・・偽装用カムフラージュ塗装か・・・どこの国だ ?
 く、しかも速い! 
 飛行パック装備なのか・・・どうりで展開が速いワケだ。

 

レオンハルト
 「ここで食い止めないと撤退部隊と遭遇する恐れがあるな。」

 

【アルビータ】
 「ファイアー・アーム、マスター・スイッチ ON!!」
 「これよりエンゲージするっ!!」
 「一撃で足を止める。」

 

【アルビータ】
 悪く思うなよ!

 

最初の遭遇戦で相手のバックを取ったのはNATO軍鬼だった。

突然ロックオン警報が鳴り響き、AIが回避方法を指示する。
とっさの回避でNATO軍鬼の放った初弾をすべて回避したフランス鬼。


【アルビータ】
 「この近距離で全弾回避しただと!?」

 

エルメス
 「恐ろしく精度の高いセンサーと機動力の高い戦闘鬼だ!!」

 

レオンハルト
 「ハヤブサと同等かそれ以上の機動力をもっていると言うのか ?」

 

エミリア
 「ハヤブサってそんなだっけ ?」

 

【アルビータ】
 「ああ、お前はまだリミッターを解除したハヤブサを知らないんだっけな。」
 「あれと同じくらいの機動力を持っているぞ。」

 

 


 

NATO フランス代表チーム

 

【アルフォンス】
 くっ!! 背後を取られた!!
 「こんな近距離に戦闘鬼!?」
 「なぜ気が付かなかった!」

 

【マリ】
 「センサーの反応が鈍いです!」

 

【アルフォンス】
 「故障か ?」

 

【マリ】
 「いえ、機器は正常に動作しています。」
 「が、反応が低すぎてクラッターを何重にも除去しないと信号として認識できません!!」

 

【マリ】
 「ステルス機能を有しているようで、火器管制システムがあの戦闘鬼に追従できません!」

 

【ジャンヌ】
 「どこかの新型鬼なのか ?」

 

ロックオンされた事を示す警告が脳内に直接伝達される。
AIが提示するいくつかの回避パターンを即座に選択しロックオンを自動的に回避する。

 

 


 

NATO カザフスタン派遣隊 ハヤブサ破壊チーム

 

レオンハルト
 くそ、ちょこまかと!

 

エルメス
 「一度ロックオンしてもすぐに解除されてしまう。」
 「コイツらブーメランより手強いぞ!!」

 

【アルビータ】
 こっちが手負いである事を差し引いても性能では我々と同じかそれ以上かもしれないな・・・。

 「絶対に撤退部隊に近づけるな!!」

 

【カンピオーニ】
 「・・・たっく、一体どこの国の新型鬼なんだ!!」

 

エミリア
 「ロシアが秘密裏に開発した戦闘鬼という可能性は ?」

 

レオンハルト
 「ないですっ!」

 

エルメス
 「どうして分かる!!」

 

レオンハルト
 「あのような繊細な動きをするような戦闘鬼を開発する事が可能な民族だと思って ?」

 

エルメス
 「それは・・・。」

 

【カンピオーニ】
 「くそ、では米軍か ?」

 

レオンハルト
 「その可能性も排除できません!」

 

レオンハルト
 「味方を抹殺するために極秘開発中のものを投入してきた可能性もヤツらなら十分にありえます。」

 

 


 

NATO フランス代表チーム

 

【アルフォンス】
 ちっ!
 ブーメランより手強いなっ!!
 「振り切っても振り切ってもすぐに回り込んできやがる!」
 「性能ではこちらと同等かそれ以上か・・・。」

 

【シャルロット】
 「こんなのが相手じゃ万一あの地上部隊と遭遇したらひとたまりもないぞ!」
 「なんとしてもここで撃破するぞ!」

 

【フランシーヌ】【アルフォンス】【ジャンヌ】【マリ】
 「令!!」

 

【マリ】
 「あの3鬼だけ、モーターの駆動音が恐ろしく静かです。」

 

【フランシーヌ】
 「なにか分かったのか ?」

 

【マリ】
 「いえ検索データベースに近い駆動周波数を持つモーターは存在しません。」
 「もしかしたら隠密目的の鬼体かもしれません。」

 

【マリ】
 「他の鬼体も3鬼ほどの隠密性能は有してはいないようですが、
 「該当する鬼体が存在せず、おそらくアレらも新型鬼と思われます。」

 

【ジャンヌ】
 「ロシアが秘密裏に開発した戦闘鬼という可能性は ?」

 

【マリ】
 「ないですっ!」

 

【ジャンヌ】
 「なぜ分かる!!」

 

【マリ】
 「あのような繊細な動きをするような戦闘鬼を開発する事が可能な民族だと思いますか ?」

 

【ジャンヌ】
 「それはそうだな・・・。」

 

【アルフォンス】
 「なら米軍か ?」

 

【マリ】
 「その可能性は排除できません!」
 「味方を抹殺するために極秘開発中のものを投入してきた可能性も・・・。」

 

 

 


 

アメリネバダ州 某所


上層部の許可が降りたというのでアメリカが極秘で開発中の戦闘鬼を着装する機会を得たアメリカチームだったが・・・。

 

アメリカ空軍 サマーズ中佐】
 「どうだね?」
 「いいでしょ!!」

 

【ジョン】
 「いや、鈍重だね。」

 

【オリビア
 「死ぬほどノロイね。」

 

アメリカ空軍 サマーズ中佐】
 「な、何をいうかお前たち!!」
 「失礼にも程があるぞ!」
 「これだから近頃の若いヤツらというのは・・・。」

 

【ヴィクトリア】
 「だってそうじゃない!」
 「これじゃ第一世代のハヤブサには到底及ばないわよ!!」

 

【ヘンリェッタ】
 「こんなのが世界最高性能とはよく言えたものね!」

 

アメリカ空軍 サマーズ中佐】
 「そんなことは絶対に有り得ない!」
 「圧倒的なパワーで支える重装甲と高火力を前に、紙切れのような装甲しかもたない旧世代のハヤブサなんか木っ端微塵だぞ!」

 

【アン】
 「はいはい。」

 

【ヘンリェッタ】
 「私、所属する隊の隊長から聞いていたのですが、その隊長によると、日本軍と結構な頻度で模擬戦をしていたらしいのですが、日本人にとって、たった1世代前の機体程度では彼らにはハンデにはならないとおっしゃってました。」

 

【トレイシー】
 「ぁ、それ、私が訓練を受けた部隊の教官も同じことを言ってたわ。」
 「昔、無敵を誇っていたイーグル戦闘機が、模擬戦でスターファイターに撃墜判定を食らったって言ってたわよ。」

 

【アーネスト】
 「その話、オレも知ってるぜ。」
 「とにかく日本軍を相手にする場合は、1対1のタイマンでは絶対に勝てないから卑怯でもなんでもいいから2対1で挑めと言われたぜ。」
 「ましてやロシアの連中なんかは3対1で挑めと教育されているらしいからな。」

 

【レイチェル】
 「うちの艦隊なんか、高性能な駆逐艦多数で空母の周囲で護衛していたにも関わらず、日本軍の小さな潜水艦1隻にその空母が撃沈判定を食らったことがあったって言ってたわ。」
 「しかもそれが一度や二度ではないって。」
 「当時はまだ同盟国だった南朝鮮の連中たちはそんな事があるワケがないと嘲笑していたけれど、対馬戦争を仕掛けたらやっぱり日本軍には手も足も出なくて、結局は苦し紛れに東京湾へ核を撃ち込んだって話よ。」


アメリカ空軍 サマーズ中佐】
 ふん、どいつもこいつも馬鹿な都市伝説を信じやがって・・・。
 これだから最近の若者と言ったら・・・。
 まぁいい。
 近々は発動されるミッションにてその圧倒的性能が世界を震撼させる事になるだろう。

 

【ジョージ】
 「ねぇ、このAMPにはナノマシンのサブスタンスタンクは搭載していないの ?」

 

アメリカ空軍 サマーズ中佐】
 「ナノマシン?」
 「あのような特定のDNAにしか恩恵を受けられないドーピングシステムなんぞ、コイツには必要ないさ。」
 「コイツはだれでも最強の鎧と最強の攻撃力を身に纏えるんだ。」
 「数で圧倒すればオロチだかなんとか言うトカゲ野郎だって敵ではない!」

 

【ジョージ】
 「試着されてくれるっていうから期待したんだけれど・・・。」
 「とんだ無駄骨だったわね。」
 「帰ろ帰ろ・・・。」


アメリカ空軍 サマーズ中佐】
 「まったく・・・試着させてくれと言うから、OKだしてやったら とんだクレーマーだな!」
 「帰れ帰れっ!!」

 

アメリカ空軍 サマーズ中佐】
 「おいそこのお前っ!」

 

【極秘施設 整備員】
 「は、俺っすか ?」

 

アメリカ空軍 サマーズ中佐】
 「そうだ。」

 

【極秘施設 整備員】
 「なんすか ?」

 

アメリカ空軍 サマーズ中佐】
 「あいつら帰ったら塩まいとけ!!」

 

【極秘施設 整備員】
 「嫌ですよ。 なんですか ? それ、何かの呪文ですか ?」

 

【アン】
 「なにか分かった ?」

 

【オリビア
 「そうね。」

 

【オリビア
 「性能については言わずもがな・・・だけれど、」

 

【オリビア
 「ひとつ気になる点が。」

 

【アン】
 「何 ?」

 

【オリビア
 「このAMP、グローバル戦術共有システムが内蔵されてて・・・、」

 

【アン】
 「あ、米軍が推し進めている世界のどこでもいつでもあらゆる戦場の情報を共有して
支援が可能なシステムとして現在研究が進められているシステム・・・だったよね。」

 

【オリビア
 「そう。」

 

【アン】
 「それがどうかしたの。」

 

【オリビア
 「それとほぼ同機能なシステムがすでにこのAMPには搭載されているのよ。」

 

【アン】
 「えっ!?」
 「そうなの?」
 「研究ではなくてもう出来ていたんだ。」

 

【オリビア
 「ええ・・・。」

 

【オリビア
 「ただ、問題はそこでなく、このAMP、実験機といいながら、多数の試作機が先行モデルとしてラインオフしているようなの・・・。」

 

【ジョン】
 「量産が始まっているって感じ ?」

 

【オリビア
 「そうね、正確には先行量産型と言ったほうがいいのかもしれないわね。」

 

【オリビア
 「量産型を製造する前に一定数を試験的に量産して、生産体制の不備や問題点を洗い出す一方で、試験部隊にも実際に配備して運用上の課題を調査するのだけれど、その試作モデルの多くが試験部隊にではなくて、すでに世界に配備されているのよ。」

 

【ヴィクトリア】
 「どういうこと ?」

 

【オリビア
 「つまり試験配備ではなくて実戦配備が始まっているって事よ。」

 

【ヴィクトリア】
 「でも、それってよくある、情勢が緊迫してきたために配備を前倒ししましたってパターンじゃないの ?」

 

【オリビア
 「まぁそうとも言えるのだけれど、その配備先というのが海兵隊なの。」

 

【アーネスト】
 「大統領直轄の騎兵部隊か・・・。」

 

【オリビア
 「そう。」

 

【オリビア
 「そして、その配備先にも日本が含まれいるのよ。」

 

【ジョージ】
 「日本も ?」

 

【レイチェル】
 「ま、まぁ日本に海兵隊が駐屯しているのだから、あるかもなぁ。」

 

【オリビア
 「ただ、その数が尋常ではないのよ。」

 

【アン】
 「数 ?  どれくらい ?」

 

【オリビア
 「得られた情報が正しいとするなら、ざっと128機」

 

【アン】
 「128機だと !?」

 

【オリビア
 「し、声が大きいっ!!」

 

【アン】
 「それは確かなの ?」

 

【オリビア
 「確証はないわよっ!!」
 「言ったでしょ! 正しければ・・・って!!」

 

【レイチェル】
 「しかし、事実とすれば、かなりの規模ね。」
 「先行量産って規模じゃないわね。」

 

【オリビア
 「そうなの。 で、それだけの数をすでに生産していた事には驚いたけれど、それを日本に集中配備しているって事にもっと驚いたわ。」
 「クーデターでも起こすつもりかしら ?」

 

【アーネスト】
 「可能性がまったくないと否定できないところが我が国の悲しい過去の歴史ですね・・・。」

 

【ジョン】
 「まさか・・・同盟国だぜ ?」

 

【オリビア
 「同盟国と言いましても、国連での日本の立場はいつでも武力制圧が可能な実質的には敵対国の扱いですよ。」
 「国連というのはあくまで第二次世界大戦での戦勝国のための組織ですからね。」

 

【レイチェル】
 「まぁなんにせよ、なにを目的にこれだけの規模を日本へ配置しているのか気になりますね。」

 

【アン】
 「そうね。」
 「いい予感がしないわ。」

 

【オリビア
 「でしょ ?」

 

【アン】
 「とりあえず報告はしておくか・・・。」

 

 


 

重巡洋艦 衣笠

 

【衣笠 副長】
 「状況を報告しろっ!!」

 

【第1分隊 B】
 「ジャンプアウトしたとたんに攻撃を受けました。」

 

【第2分隊 A】
 「左舷後方、B甲板に被弾3箇所!」
 「損害は軽微。」

 

【第2分隊 A】
 「多層積層装甲の表面を軽く焙られた程度です。」
 「ほっといてもすぐに自然回復が可能です!!」

 

【衣笠 副長】
 「反撃しますか ?」

 

【衣笠 艦長】
 「いやまて!」
 「どこの陣営かまだ分からないのだろ!」
 「アトランティス艦隊の複製DBから攻撃を受けた時の損害パターンで検索に掛けて原因を特定しろ!」
 「それまで全力で回避に専念しろっ!」

 

【衣笠 副長】
 「令!!」

 

【第2分隊 A】
 「続けて攻撃を受けました!」
 「今度はナノシールドで防ぎました。」
 「サークル型が有効のようです。」

 

【衣笠 艦長】
 「次のジャンプ位置まではどれくらいだ ?」

 

【衣笠 副長】
 「およそ5時間弱かと・・・。」

 

【衣笠 艦長】
 「それまでなんとか振り切りたいものだな。」

 

【第2分隊 A】
 「銀河協定オープンにて、通信波を傍受!!」
 「停船命令ですっ!!」
 「臨検との事です!」

 

【衣笠 副長】
 「どこの艦隊だ!?」

 

【第2分隊 A】
 「ア、アンドロメダ艦隊ですっ!!」

 

【第1分隊 B】
 「こんな場所に・・・だと!?」

 

【第2分隊 A】
 「停船しないと逃走の意思ありとして沈める・・・と、翻訳が正しければ概ねそんな感じの内容ですっ!」

 

【衣笠 艦長】
 「見つかったということは、こちらから信号を出してもよかろう。」
 「全天探信! 放てっ!!」


【衣笠 副長】
 「1発だけだけだぞっ!!」

 

【第2分隊 A】
 「令!」

 

【衣笠 副長】
 「よしっ、やれっ!!」

 

しばらくブリッジ内に沈黙が流れる・・・。

 

【衣笠 副長】
 「どうだっ!?」

 

【第2分隊 A】
 「戦艦:56」
 「航空母艦:64」
 「巡洋艦:356」
 「駆逐艦:1256」

 

【第2分隊 A】
 「AIによると通常の小規模なパトロール編成です!」

 

【第1分隊 B】
 「小規模とは言っても地球艦隊の総力に匹敵する規模だなっ!!」

 

【第2分隊 A】
 「このまま停船してしまえば目的地へたどり着けない公算が高いかと・・・。」
 「現在の位置関係だとまだ振り切れる可能性が高いです!!」

 

【衣笠 艦長】
 「だな・・・ならば」

 

【衣笠 副長】
 「逃げるのみですね!!」

 

【衣笠 艦長】
 「うむ」

 

【衣笠 副長】
 「亜光速ドライブ最大出力!!」
 「できるだけ振り切るぞ!!」

 

【衣笠 副長】
 「反撃は最小限に!」
 「こちらに戦闘の意思が無いことを示せればそれでいい。」

 

【第3分隊 C】
 「令!」

 

【第3分隊 C】
 「難しい注文だぜ!!」

 

 


 

アンドロメダ艦隊 ダイダロス侵攻軍 斥候群体

 

【作戦オペレーター B】
 「おい、加速を始めたぞ!」

 

【作戦オペレーター C】
 「逃げる気か!!」

 

【作戦 指揮官 B】
 「周囲を探査して状況を把握した上で、それでも尚降伏ではなくて逃亡を図るとはいい度胸しているな。」

 

【作戦 指揮官 A】
 「しっかり狙って当ててるんだろうな?」

 

【戦術オペレーター D】
 「当たってますよ!」

 

【戦術オペレーター D】
 「えらく硬い表皮(装甲)のようです!」
 「このタイプのフネは始めての遭遇です。」

 

【作戦オペレーター C】
 「どこの星系のものでしょうね。」

 

【作戦オペレーター B】
 「質量的には巡洋体って感じがするのですが・・・。」

 

【作戦オペレーター C】
 「受信したジャンプサインには所属星系の情報が欠落してて所属がわからない上、
亜光速ドライブの熱源パターンに該当するデータがないです!」
 「ただ、感じとしては昔存在したアトランティスのものに近いですね。」

 

【作戦オペレーター B】
 「アトランティスか・・・もう滅んでしまった文明の亡霊が出没しているって噂はよく聞くがあれが例のヤツ ?」

 

【作戦 指揮官 A】
 「どうだろうな。」
 「ヤツの正体を知りたければ動きを止めて調べれば済むだけのこと。」

 

【戦術オペレーター D】
 「しかし、威嚇モードでは威力が足りません。」

 

【作戦 指揮官 A】
 「そうだな・・・破壊モードの切り替えて一発だけ当ててみろ!」

 

【戦術オペレーター D】
 「わかりました。」

 

オペレーターは捕獲を目的とした威嚇モードから撃沈を目的とした破壊モードに
威力を切り替えての砲撃を僚艦に指示した。

 

【戦術オペレーター D】
 「駄目です。」
 「エネルギーが吸収されて致命弾となっていません。」
 「相当に分厚い表皮を纏っているようです。」

 

【作戦 指揮官 A】
 「この一匹だけか ?」

 

【作戦オペレーター B】
 「そのようですね。」
 「センサーによると周囲宙域に同種の群体は見られません。」

 

【作戦 指揮官 A】
 「群れをなさずに一匹だけの単独行動か・・・。」
 「群体からはぐれたか、それとも別命を受けて群体から離れたか ?」
 「ますます興味深いな。」
 「生け捕りにしたいな。」

 

【作戦 指揮官 A】
 「足の速い群体を前にだせ。」

 

【作戦 指揮官 A】
 「1000リメル(地球メートル法換算:約2000万キロ)にまで接近して全周から取り囲め」

 

【戦術オペレーター D】
 「わかりました。」

 

 


 

重巡洋艦 衣笠

 

【衣笠 副長】
 「被害は ?」

 

【第2分隊 A】
 「軽微です!」

 

【第2分隊 A】
 「砲の威力を上げたようです!」
 「あちらの最新の艦はビーム砲の打ち合いで反射させるか回避する事でダメージの軽減を図りますので、反射しきれないエネルギー密度をぶつけてきたんでしょう。」

 

【第1分隊 B】
 「我々は重装甲の盾で直撃弾は熱に変換して放出するか、回生エネルギーとして回収する事でダメージ軽減を図ってますから、幸いにも彼らの先進的な兵器でもなんとか持ちこたえることが出来ています。」

 

【第2分隊 A】
 「彼らのフネは我々の水上艦と同じで命中弾を受けないで全弾回避する事を基本戦術としていますから、きっと我々のフネは宇宙進出黎明期の時代遅れの戦闘艦に見えることでしょうね。」

 

【衣笠 副長】
 「どうだ ?」
 「振り切れそうか ?」

 

【第3分隊 C】
 「あちらも、なかなか足の早い部隊をこちらに差し向けているようで、なかなか差が広まりません。」

 「ただ、おそらく亜光速ドライブの総合的なパワーはこちらが上だと思われますので
この先、加速がついてジリジリと引き離しに掛かれると思います。」

 

【衣笠 副長】
 「わかった。」

 

 

 


 

■帯締学園 生徒会室

 

【サッチ】
 「今日の校門はいつになく長い列ね。」

 

【サダッチ】
 「ああ、日本艦隊の出発に併せて従軍記者の募集を始めたらしいですからね。」

 

【サッチ】
 「あら、あからさまに怪しい人物も混ざってるのね・・・。」

 

【サダッチ】
 「まぁスパイ活動や、将来の反日キャンペーンなどで歴史を捏造したくて
ウズウズしている者たちが当然混ざってるでしょうからね。」

 

【サッチ】
 「どうするの ?」
 「無条件で通すの ?」

 

【ノブちゃん】
 「まさか。」
 「ちゃんと一次審査を通った者が面談に進めるようになっているよ。」

 

【サッチ】
 「一次審査 ?」

 

【ノブちゃん】
 「そうだよ。」
 「宣誓式で艦隊の指示に一切従う制約をさせられる。」
 「勝手に行動されて死なれちゃ絶対に責任云々と言い出すに決まってるからな。」
 「なので宣誓式の突破は必須条件だな。」

 

【サッチ】
 「へぇ・・・でも、"誓いを守ります" と、だけなら嘘でも言えるよ。」

 

【ノブちゃん】
 「そこはちゃんと考えられているさ。」

 

【ノブちゃん】
 「まずは、竹島対馬、博多の地図を掲示して、どこの国の領土かを問いただし、躊躇なく日本と答えられ、さらにはアトランティス近衛艦隊旗と、日本艦隊の旭日旗が掲揚されているので それに対して宣誓式を執り行って、それらの様子も動画でアップロードされるので 反日的な記者は、まずはここで確実に振るいにかげられるってスンポーなのさ。」

 

【サッチ】
 「すごっ!!」
 「誰なんだ? その天才的な発明をしたヤツは!!」

 

【ノブちゃん】
 「東郷教官だよ。」

 

【サッチ】
 「嗚呼、あの教官かぁ・・・。」


【サッチ】
 「あの人、門から飛び出していったと思ったらどこかへ電話してるね。」

 

【サダッチ】
 「あ、きっと大手メディアへ専属交渉を始めたんだろ。」

 

【サッチ】
 「専属交渉 ?」

 

【サダッチ】
 「そう。」
 「ウクライナ事変によるナチス支援に始まり、対馬戦争における偽情報の流布と言った大手メディアによる日本国益を大きく損なう報道活動を規制すべく、メディア各社は一切の引用報道を禁止されて、各社の責任下での専属記者による直接取材のみの報道に厳しく制限されたのは知ってるよな。」

 

【サッチ】
 「ええ、社会科の授業で習ったわ。」

 

【サダッチ】
 「あの者はおそらくフリーの記者で、日本軍従軍が決定したんだと思う。」
 「なので、大手のメディアに自分を売り込みを図っているんだ。」
 「高い値でニュースを購入してもらうために複数社と交渉するんだろ。」

 

【サッチ】
 「そんなのアリなの ?」

 

【サダッチ】
 「まぁ法律で禁止されている訳ではないからな。」

 

【サダッチ】
 「グレーではあるけれど最終的に報道される時点で、その記者が専属で所属していればいいんだからメディアは多くの記者を抱えるほどの資本的余力はあるわけでなく、よほどの敏腕記者で無い限りは、ああやって都度フリーの記者と契約する事で現地取材を実現しているのさ。」

 

【サダッチ】
 「フリーの記者たちも情報の信用度が自分の信用に直結するのでニュースの信頼性も飛躍的に向上する事につながったんだ。」

 

【サッチ】
 「へぇ・・・。」

 

【サッチ】
 「あ・・・あれ、向こうの女性ばかりの列は例の慰安婦の応募 ?」

 

【ノブちゃん】
 「そうだよ。」
 「どうしたの ?」

 

【サッチ】
 「今回は外国人が多いのね ?」

 

【ノブちゃん】
 「ええ、日本人ばかりの募集は国籍差別だと言うとある女性人権団体からの指摘があって全世界に募集枠を拡大したってわけ。」

 

【サッチ】
 「女性人権団体 ?」
 「なにかの間違いでは ?」

 

【ノブちゃん】
 「いや、なんでも、"危険だからという理由で女性の職業を制限するのはおかしい"
と言い出して、そこから国籍の問題に発展したんだ。」

 

【ノブちゃん】
 「アトランティス大使館側は日本政府と協議して、外国人慰安婦を受け入れる前提として、これも将来的に国際問題に発展しないようにと、宣誓式を義務付けられられているんだそうな。」

 

【サッチ】
 「動画で公開されるの ?」

 

【ノブちゃん】
 「まさか。」
 「彼女たちのプライバシーを考慮してそこまではしないさ。」
 「ただ未来に裁判になった時には参考資料として提供されるのでは ?」


【サッチ】
 「へぇ・・・そこまでして応募するからには給料はいいワケ ?」

 

【サダッチ】
 「らしいね。」

 

【サッチ】
 「いくらくらい ?」

 

【サダッチ】
 「日本人の高卒初任給の平均月額の約10倍くらいだそうよ。」

 

【サッチ】
 「そ、そんなに!!」

 

【サダッチ】
 「だいたいどこの国も従軍慰安婦って給金は高いわよ。」
 「ただ、今回は地球のどこかでって話ではなく、宇宙の果てでのお仕事だから特別に割増しされているそうよ。」

 

【サッチ】
 「わ、私も応募していいかしら!!」

 

【サダッチ】
 「会長はまだ未成年だから無理ね!」

 

【サッチ】
 「失礼ね!! 私だってもう18だから大丈夫だよっ!!」

 

 


 

NATO カザフスタン派遣隊 ハヤブサ破壊チーム

 

【アルビータ】
 「くそ!」
 「銃撃戦では射線を見破られて回避されてしまうな・・・。」

 

エルメス
 「あの空中へ逃れて回避する能力も大したものだ。」
 「相当高性能な予測演算のアルゴリズムを搭載しているようだ。」

 

【アルビータ】
 「どうする ?」
 「リスクは高いが、近接格闘戦に持ち込むか?」

 

レオンハルト
 「そうですね。」
 「携行火力の残弾の事もありますし、どのみち長期戦はムリかと。」

 

【アルビータ】
 「やむを得んか・・・。」

 

【アルビータ】
 「そもそも飛行能力を持った戦闘鬼だなんて、まだどこも実戦配備していない。」

 

レオンハルト
 「帯締学園のハヤブサの飛翔アプリも最近になってようやく実用の目途がついて訓練メニューに加わったばかりですからね。」
 「あとは・・・そうですね。 たしかフランスだってまだ試作段階でしたね。」

 

【アルビータ】
 「フランス?」
 「おい、フランスの新型鬼のデータはあるか ?」

 

エミリア
 「ぇっ!?」
 「ええ、あるとは思いますが・・・」

 

【アルビータ】

 「あの鬼体と鬼影を照合できるか ?」

 

エミリア

 「やってみます!!」

 

 


 

NATO フランス代表チーム

 

【マリ】
 「EMPの影響下ではありますが、輸送機を経由して世界のデータベースからあの新型鬼が使用しているモーターが絞れてきました。」

 

【シャルロット】
 「どこだ ?」

 

【マリ】
 「一番近い特性としてドイツのシーメンツの災害派遣用の高出力モーターがヒットしました。」

 

【シャルロット】
 「ドイツのシーメンツだと ?」

 

【マリ】
 「はい。」
 「もともとは遠隔医療用のロボットアームで使用されている非常に静穏性にすぐれたモーターで、その発展型が瓦礫の下に埋もれる市民を探査できるよう静粛性にすぐれ、
且つ瓦礫を除去できる大パワーが要求される災害派遣ロボットに採用されており、あのモーターの特性がそれに近いようです。」


【シャルロット】
 「正体を突き止めるには近接格闘するしかないか・・・。」

 

【フランシーヌ】
 「力づくで抑え込んで直接話を聞く・・・と ?」

 

【シャルロット】
 「ああ危険だがそういう事だ。」

 

【フランシーヌ】
 「でしたら、私に任せて頂いてもよろしいかしら?」

 

【シャルロット】
 「いや、普通ここは私が行くべきだろ」

 

【フランシーヌ】
 「そら貴女は単独格闘戦闘術の課程ですから適任なんでしょうけれど」
 「私だってこの機会に対剣術戦闘のスキルを向上させておきたいのよ!」
 「この子ったら抜刀術の能力付与されていないし・・・ね ? いいでしょ ? シャルちゃん!」

 

【シャルロット】
 「ぐぬぬぬ・・・。」
 「・・・はぁ・・・わかりました。」

 

【シャルロット】
 「では、リーダーはアレのどれだか分かります ?」

 

【フランシーヌ】
 「この場合は、だいたい先頭に立ってるやつがそいつですわね♪」

 

【シャルロット】
 「・・・。」

 

【フランシーヌ】
 「では参りますわっ!!」

 

【シャルロット】
 「データリンクだけは絶対に切るんじゃないぞ!!」
 「私たちにもリアルタイムでスキルを向上させないと意味が無いんだからな!」

 

【フランシーヌ】
 「もちろん承知してますわよ!」

 

【ジャンヌ】
 「気を付けて!」

 

 


 

NATO カザフスタン派遣隊 ハヤブサ破壊チーム

 

【アルビータ】
 「ほほぅ、ヤツがリーダーという事なのか ?」
 「いいだろう存分に相手してやる!」

 

 


 

NATO フランス代表チーム

 

【フランシーヌ】

 「察しがよくて助かりますわ。 あちらもリーダーが出てきたようですわね。」


お互い手にしていた火器を僚機に預けると、近接格闘用装備に持ち替えた。


【フランシーヌ】
 「へー、日本刀とはいいセンスしてますわね。」
 「抜刀術は得意ではないけれど、近接戦闘に持ち込めば相手の正体が分かると言うもの。」

 

 


 

NATO カザフスタン派遣隊 ハヤブサ破壊チーム

 

【アルビータ】
 「なるほど・・・そちらも日本刀というワケか・・・。」
 「では挨拶代わりの一太刀といこうかっ!」


ユーロドローンとシュヴァルベとのすれ違いざまの最初の一撃は互いの剣が交錯してダメージを与えることはできなかった。

 

低い姿勢を維持したまま相手の背後へ回り込もうと岩に爪を食い込ませ急制動を掛けつつ体勢を反転させるとブースターのアシストを得ながら第2撃を放つべく再度両鬼が接近する。

 

戦闘鬼の2足歩行としての最高速度は瞬間的に時速300kmが限界とされているが、世代の新しい両鬼はブースターによる推進を併用する事で300km超を記録した。

 

しかしフランシーヌとアルビータが同じ考えだったため第2撃を放つには急激に接近しすぎ、両鬼はやむを得ず相手の懐へ拳を放つ事となった。

 

とっさの格闘術を放ったにもかかわらず支援AIはいい仕事をしており、これも空振りとなる。

しかし突進の勢いは維持しており今度は回し蹴りを繰り出した。

 

渾身の蹴りは互いボディにヒットしたが、ユーロドローンは翼を展開して飛翔する事で衝撃を拡散し、シュヴァルベは忍者のごとく華麗な宙返りで体勢を立て直してダメージを回避しつつ急減速し、着地と同時に腰に隠し持っていた格闘戦ナイフを3本放つがユーロドローンもこれを難なく躱した。

 

隠密行動を得意とするシュヴァルベは格闘戦を主眼において設計されただけあって地面の上での瞬発力は格闘戦を得意としないユーロドローンを圧倒したが、リリースが先行し実戦データの蓄積がある分、AIによる回避判断とフランシーヌの経験との組み合わせがシュヴァルベを翻弄した。

 


エルメス
 「すごい・・・互角だ・・・。」

 

レオンハルト
 「格闘術でこれほど戦える戦闘鬼の開発に成功した国が我が国以外にも存在していたとは驚きだ。」

 

エミリア
 「迷彩ノイズを除去してようやく正体が掴めました!」

 

【アルビータ】
 「よくやった!!」
 「どこのだ!?」

 

 

 


        ※1・・・ヒルコンMP55Q001 太陽系からやや離れた恒星ヒルコンを基準とした
        ジャンプターゲットの座標で、ダイダロス(天の川)銀河の外側に位置している。

 

 

 

 

 

 
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