アトランティスの亡霊 アトランティス 亡霊 宇宙艦隊 ナノマシン 人工電子結界 陸戦型戦闘機 先進型機動甲冑 小説 SF 学園 軍事 鬼 悪魔 ミリタリー イラスト 美少女 萌
読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-6-5】なのましんは魔法でもない!!

なのましんは魔法でもない!!

【1-6-5】



    幸洋船渠宇宙事業部ドッグ:民間駆逐艦

    【ヒデコ】
        「索敵結界内に多数の侵入を感知っ!!」
        「おそらくさっき、引き上げた部隊が引き返してきたのかもしれません。」
        「数が同じです。」

    【サッチ】
        「どっか途中のそこらへんで燃料を補給したというの ?」

    【フクちゃん】
        「Il-78h給油機でしょう。」
        「この近辺で一番近くの空軍基地は、伊丹基地です。」
        「ですがF35が到着する頃には給油機は引き返しているでしょうね。」

    【サッチ】
        少し急いだほうがよさそうね・・・。

    【サッチ】
        「第一小隊の収容状況を報告してください。」

    【レイチェル】
        「セッちゃんがまもなく、カンピオーニのもとに到着します。」

    【アン】
        「民間スタッフの収容は完了しました。」
        「目下荷物をタイダウンベルト(※7)でデッキに固定中で、まもなく完了するそうです。」

    【オカちゃん】
        「しかし、ナナがまだ輸送艦から発進したと思われる艦載機と交戦中です。」

    【アン】
        「ナナ、手間取ってるの ?」
        「一気に一掃してしまえばいいのに。」

    【サッチ】
        「それはムリだわ。」

    【アン】
        「どうして ?」

    【サッチ】
        「私達が与えられているナノマシンの使用量は訓練用のみ。」
        「使用できる量にリミッターがかけられているのよ。」

    【アン】
        「そ、そうだったわね。」

    【サッチ】
        「彼女はもともと私と同じように機械オンチなものだから、ハヤブサをまだきちんと着こなせてはいないのよ。」
        「現状、ナノマシンに頼りきった戦い方を強いられる訳だけれど、そのナノマシンにも制限が掛けられている状況では、しんどいと思うわ。」

    【レイチェル】
        「でも、ああやって、あそこで逃げないで頑張ってるのを見ると正直スゴイと思うわ。」
        「尊敬できる人よ。」

    【サッチ】
        「だから、クラスの皆は彼女に命を預けてもいいと思って、学級委員を任せているのよ。」
        「私達、一人ひとりの実力は大したことは無いけれど、彼女は私達非力な力を纏めあげて、それをコントロールできる能力がある。」

    【サッチ】
        「軍隊にとって、アニメやSF映画のような突出した戦闘力を持ったヒーローやヒロインは必要としない。」
        「それは、個人技がいかに優れていようとも、大局の中では屁のつっぱりにもならないからよ。」
        「それよりも少ないコマを有効に活用できる兵法に優れた指揮官さえいればどんな不利な戦局をもひっくり返すことができるわ。」

    【サッチ】
        「私達は、圧倒的なアンドロメダ陣営を前に、その劣勢をものともしないで勝利を導く人材として期待され、この帯締学園で教育を受けてるわけ。」
        「その中でも彼女はアトランティスでは最も数多くの勝利を導いてくれるに違いないわ。」

    【レイチェル】
        「あの子、最初の開戦時より刀さばきが上手になってるわね。」

    【サッチ】
        「実戦で強くなるタイプなのよ。」

    【アン】
        「彼女、もともと格闘技が得意なだけあって、闘いながら戦闘技量がみるみる向上しているけれど、」
        「でも、そろそろ回収しないと、華々しい戦果を上げる前に、あそこで逝っちゃうよ・・・。」

    対装甲刀で飛んでくる対戦車ミサイルを次々と両断するハヤブサをモニターで見て、そろそろ限界が近いと感じられた。



    【サッチ】
        「ナナ、どんな感じ ?」
        「そろそろ出発したいんだけれど。」
        「置いていっちゃうわよ。」

    【ナナ】
        「えええーーーー。」
        「ちょっと待ってよぉぉぉぉぉーーー。」
        「てか、ハッチもう閉まりかけてるしっ!」


    【サッチ】
        「アンタが遅いんでしょ。」
        「ほらサッサと乗り込まないと、こっちにヒコーキが沢山向かってるから、逃げられなくなるわよ。」

        
    【ナナ】
        「わかった、最後のナノマシンを全力投入して、ハッチまでジャンプしちゃうからっ!」


    ナナの回収が始まり、そこへせっちゃんからの連絡が届いた。

    【セッちゃん】
        「いま、カンピオーニのところに到着したわ。」

    【サッチ】
        「容態は ?」

    【セッちゃん】
        「よくないわ。」

    【セッちゃん】
        「今、ハヤブサを脱がして、患者をデッキに固定するところ。」

    【サッチ】
        「わかったわ。」
        「もうすぐ、敵航空兵力と交戦するかもしれませんから、操艦が荒れると思います。」
        「患者をしっかり固定してください。」

    【セッちゃん】
        「わかったわ。」


    【サダッチ】
        「彼、助かりそう ?」

    【セッちゃん】
        「心肺が停止してまだ間がないから、助かる可能性はあるけれど、出血がひどいわ。」

    流血した血液から、ナノマシンを使用して型を特定する。

    【セッちゃん】
        「んーーーと彼の血液型は・・・と、」
        AB型マイナス ???
        2000人に一人の血液型か・・・。

    【サダッチ】
        「どうしたの 何か問題 ?」

    【セッちゃん】
        「彼の血液型、ABマイナス なのよ。」

    【サダッチ】
        「普通の AB型とは違うの ?」

    【セッちゃん】
        「ほとんどの場合、プラス型なのだけれど、たまにマイナス型因子の抗体をもつ血液型があって、当然プラスとマイナスとでは抗体が異なるから攻撃の対象となるの。」

    【アグスティナ】
        「私の血を使ってっ!」
        「私もマイナスよ。」

    【セッちゃん】
        「ぇっ!? 貴女もマイナスなの ?」

    【アグスティナ】
        「そうよ」

    【アグスティナ】
        「もう結婚は無理かもと諦めていたのに、よりによってコイツ(カンピオーニ)が、マイナス因子とはねぇ・・・。」
        「とにかく、私はコイツに助けられのは事実だから、私の血液をわけてあげて。」
        「たしか、学園内のABマイナスは、私とコイツの二人だけだった筈よ。」

    【サダッチ】
        「よく、彼の血液型知ってたわね。」

    【アグスティナ】
        「先日のナノメディック講習の時、テレメートリーをこそっと見ちゃったのよ。」
        「私としても同系統の血液型は少ないから緊急時の輸血元を探していた・・・という理由もあったし。」

    【セッちゃん】
        「わかったわ。」
        「貴女も裸になって、そこに横になってちょうだい。」
        「ロープで縛ってあげるから。」

    【アグスティナ】
        「ぇっ!?」

    【セッちゃん】
        「ぃえ、そんなエッチな事なんてしないわ。」

    【セッちゃん】
        「敵の航空機が退去してやってくるので、もうすぐしたら、このフネ激しく揺れると思うの。」
        「術式の最中に患者が転げまわったりしたらダメなので固定させてもらうだけよ。」
        「少しの間だから我慢してね。」

    【アグスティナ】
        「ぁ、いや・・・。しかし・・・」

    アグスティナは、身ぐるみ剥がされた状態で拘束されているカンピオーニを横目で見て、ちょっと照れた。

    【セッちゃん】
        「大丈夫よ、貴女の裸は "死にかけている" 彼に見られることはないわ。   もう "ほぼ" 死んでるけれど。」
        「それでも万一、貴女より彼が早く目が覚めそうだったら、私がその場でトドメを指してあげるわ。」

    【アグスティナ】
        「そう ?」
        「それなら安心ね。」

    【セッちゃん】
        「さて、ナノメディックの術式を開始するわよっ!」

    【セッちゃん】
        「サダッチ、ここはもういいわ。」
        「ブリッジに行って、サッチをサポートしてあげてちょうだい」
        「地図よ。」

    サッチからブリッジへ至る経路のマップがナノリンクによって転送されてきた。

    通常一般的な SF モノの映画やアニメと言えば、ブリッジは船体から外側に出っ張った状態に貼り付いているが、
    リアルな戦闘を考慮した場合、そんなデンジャラスな場所に重要区画を設置するわけがない。
    最重要区画は必ず、艦中央の分厚い装甲に守られた防御区画内に設置されている。

    【サダッチ】
        「ありがとう、カンピオーニを任せたわよ。」

    ハヤブサを着装したままブリッジへと急いだ。

    【セッちゃん】
        「まずはカンピオーニの全身スキャンを実施。」

    ナノマシンによって全身スキャンを開始するが、アトランティス艦隊のネットワークから切断されている為、カンピオーニの負傷する前の状態のスキャンデータがダウンロードできない状態だった。

    【セッちゃん】
        「胸部裂傷は修復を断念・・・代わりにナノコーティングで欠損箇所を補填。」

    これは、修復に必要なデータが揃わなかったからと言って、放置するわけにはいかないので、負傷した部分をナノマシンで覆ってしまって、一時的に失った肉体の機能を補完をする技術である。
    本来は正式なナノメディックの資格がないと発揮できない高等テクニックではあったが、セッちゃんは独学でこの技術を身につけていた。

    【セッちゃん】
        「左腹部2箇所に腰へ掛けての貫通痕。」
        ナノマシンによって縫合。」
        しかし

    念のため、遠隔操作で1回のみ心臓にパルスを送信して脈を打たせてみた。
    AEDで蘇生を試みても出血箇所を特定して処置しないと大量に血液が失われる恐れがあったからだ。
    1回のパルスにより、心臓は1回だけ鼓動し、血液を送り出す。
    そして正確な血管の損傷箇所が絞り込まれる。

    【セッちゃん】
        「動脈破裂による出血箇所を特定。」

    【セッちゃん】
        大量出血の原因はこれか・・・。
        しかし、損傷が激しい上に出血箇所塞ぐわけにもいかないか・・・。
        動脈を止血すれば、どこで酸素が滞ってしまうのかわからないし・・・。

    動脈の損傷がひどく、縫合で止血できるレベルを超えていた。

    【セッちゃん】
        「うーーーん。」
        どうしよ・・・。

    少し考えて、すぐさま代案を思いつく。

    【セッちゃん】
        「ナノカテーテルを生成し、バイパスを設置。」

    【セッちゃん】
        他の血管損傷箇所は見当たらず・・・と。
        これで酸素の供給が再開されるわ。

    ざっくりと、ナノスキャンを掛けて、あらかた応急手当てが終わったことを確認した。
    あとは、心臓に再起動を促す電気パルスを送信し、不足している血液をアグスティナからわけてもらうだけだ。

    一方、ブリッジでは、現場からの離脱準備に追われていた。


    【まっちゃん】
        「ADE-MGD03B、オンラインっ!」
        「一部の制御系にエラーがあるものの、予定の推進力は確保出来そうです。」

    【サッチ】
        「亜光速ドライブスタンバイ」(亜光速ドライブ起動っ!!)

    【アン】
        「推進チェンバー、加熱開始っ!!」

    【レイチェル】
        「ドライブ点火準備完了っ!」


    【サッチ】
        「スラスター サイド」(スラスターを右舷側にセット)

    【もっちゃん】
        「スラスター サイド、アイ」(スラスターを右舷側セット、了解)


    【サッチ】
        「ハーフ アスタン スターボード」(右舷半速後進)

    【もっちゃん】
        「ハーフ アスタン スターボード、アイ」(右舷半速後進、了解)

    【サッチ】
        「スロー アヘッド ポート」(左舷微速前進)

    【もっちゃん】
        「スロー アヘッド ポート、アイ」(左舷微速前進、了解)


    【サダッチ】
        「遅くなりました。」
        「赤松、ブリッジインします。」

    【サッチ】
        「遅いっ!」

    【サダッチ】
        「ごめん。」
        「状況は ?」

    【サッチ】
        「今、離陸準備中よ。」

    【サッチ】
        「CIR(戦闘情報分析)をお願いできるかしら ?」

    【サダッチ】
        「OK 判ったわ。」


    【サッチ】
        「ハーフ アスタン ツー」(両舷半速後進)

    【もっちゃん】
        「ハーフ アスタン ツー、アイ」(両舷半速後進、了解)


    【サダッチ】
        「そういえば、委員長は ?」

    【サッチ】
        「ナナなら回収したわ」
        「彼女も、そろそろ到着するころかしら ?」

    【サダッチ】
        「そう」

    【サッチ】
        「スラスター センター」(スラスターを中央に戻す)

    【もっちゃん】
        「スラスター センター、アイ」(スラスター中央、了解)

    【ナナ】
        「すっかり遅くなったわ。」
        「若林、ブリッジインします。」

    【ナナ】
        「ごめんね、サッチ」
        「すっかり任せちゃって。」

    【サッチ】
        「いいのよ。 これくらい」
        「いまは離陸準備中よ。」

    【ナナ】
        「そうなんだ。」
        「あとで替わってあげるわ」
        「でも、今はちょっと休憩させて。」
        「疲れたよぉぉぉぉ。」

    【サッチ】
        「あれだけの数を相手によく頑張りましたね。」

    【ナナ】
        「あのヘリコプターがなんか動きが読めなくて、なかなかやっつけられなかったの。」
        「ヘリコプターなんかキライだ。」

    【サッチ】
        「ミジップ」(舵中央)

    【もっちゃん】
        「ミジップ、アイ」(舵中央、了解)

    【サッチ】
        「リングアップエンジン」(港内操船から巡航状態に移行)

    【もっちゃん】
        「リングアップエンジン、アイ」(巡航状態、了解)

    【アン】
        「堺航路クリアー」

    【ナナ】
        「あの送電線を引っ掛けないように注意して」

    本土から大九野島を中継して大三島へ送電線がひかれていた。
    通常は高さはあるものの、さすがに巨大な宇宙艦が下をくぐるにはやや高度が低く繊細な操艦を強いられた。



    【サッチ】
        「305度」(針路を305度へ)

    【もっちゃん】
        「305度、アイ」(針路305度、了解)

    【サッチ】
        「ヘッドウェイ25ノット」(前進速度25ノット)

    【もっちゃん】
        「ヘッドウェイ25ノット、アイ」(前進速度25ノット、了解)


    【ヒデコ】
        「ドローン接近っ!」
        「セブン・オクロック・ミッドにバンデッド、マルチっ!」(艦の7時正面に複数の危険目標)

    【サダッチ】
        「近接防御は ?」

    【オカちゃん】
        「ハヤブサ各機は、艦内へ収容作業中です」

    【サダッチ】
        「やはり迎撃は無理か」

    【ナナ】
        「私は、無理、もう無理よ。」


    それを聞いたサッチはとっさに艦を右へロールさせつつ舵を切った。

    【サッチ】
        「フル スラスター トップ スターボード」(右舷スラスター上方最大出力)
        「フル スラスター ボトム ポート」(左舷スラスター下方最大出力)

    【もっちゃん】
        「フル スラスター トップ スターボード、アイ」(右舷スラスター上方最大出力、了解)
        「フル スラスター ボトム ポート、アイ」(左舷スラスター下方最大出力、了解)


    【サッチ】
        「スター ボード45度」(右舵45度)
        「ハーフ アヘッ スターボード」(右舷半速前進)

    【もっちゃん】
        「スター ボード45度、アイ」(右舵45度、了解)
        「ハーフ アヘッ スターボード、アイ」(右舷半速前進、了解)

    艦の左後方から接近してくるドローンに対してドライブを向ける危険な状態にはなったが、艦の方向が島と島の間を抜ける方向となったため、離陸に向けて艦の体制が一通り完了した。


    【もっちゃん】
        「操艦、替われる ?」

    【アン】
        「いいけど、どうするの ?」


    【もっちゃん】
        「私が対空迎撃に出ます。」

    【アン】【レイチェル】
        「ぇっ!?」
        「なんで ?」


    【もっちゃん】
        「私は、東郷教官からナノウィングを頂いたの。」
        「この場で空中迎撃が可能なのは私だけよ。」


    【サッチ】
        「しかし、あれは滑空用ではなかったの ?」


    【もっちゃん】
        「短時間程度なら飛行できるスキルを開発したわ。」
        「音速の1.5倍程度なら、ナノシールドとの併用でなんとか5分間は活動できるわ。」

    【アン】
        「5分しか持たないの ?」

    【もっちゃん】
        「まだ慣れていないのよ。」
        「それに、あまり長く外にいると、艦に引き離されて戻れなくなるわ。」

    【サッチ】
        「わかったわ。」
        「外の迎撃お願いするわ。」

    【もっちゃん】
        「操艦をアンナたちにお任せするわ。」

    【アン】
        「OK 任せて。」

    【レイチェル】
        「絶対にドローンを近づけさせないでね。」

    【もっちゃん】
        「当然よ。」


    【もっちゃん】
        「フクちゃん、私が送信するナノウィングとナノクラフトモーターのテレメートリーを記録しておくのよ。」
        「後で詳細な実戦データを元に、量産型の飛行システムが構築出来るようになるわよ。」

    【フクちゃん】
        「わかりました。 ログは僕に任せてください。」

    【もっちゃん】
        ハヤブサ森下機、出撃しますっ!!」


    翼状に展開されたナノマシンによって浮力を得たハヤブサが艦のハッチから飛び出すと、すぐに索敵を開始し、低空から接近してくる対艦用ドローンを3発を見つけた。

    12.7mm チェーンガンを装備する森下機は、ドローンの進行方向に対して、弾丸をばらまいた。
    バルカン系の機関砲は、非常に破壊力があり、基本的に一発必中を狙う撃ち方はせず、数をばらまいて、1発でも命中させる事を目的としている。
    威力が大きいので1発でも当たれば致命傷を与えられるのだ。
    これはアメリカや日本の戦闘機に搭載されているバルカン砲や、艦載の近接防御システムでも同じ思想で運用されている。

    弾丸をドローンの進路前方にばら撒いた結果、ドローンは弾丸の雨の中を突っ込む形となり、弾頭のセンサーを破壊され方向を見失って進路からそれるものや、翼をもがれて水面に叩きつけられたりして瞬く間に、すべてのドローンが破壊された。

    つづいて、ナナが撃ち漏らしたヘリを捉えた。


    【もっちゃん】
        「これが委員長が苦手としていたヘリね。」
        「さすが、戦闘ヘリだけあって機動力は大したものね。」

    ナナが手こずっていた厄介なヘリは12.7mm のダイアモンド弾頭によりハチの巣にされ、すべてが海に沈められた。

    【ナナ】
        「あの12.7mmの掃射ってすごいわね。」
        「あれって全部人工ダイヤモンドでしょ ?」

    通常、近接防御で使用される弾頭はタングステン合金が使用するが、世界の9割近くが現在係争中のシナでしか採取できないため、その代替資源として強化人工ダイヤモンドを弾頭として使用している。

    【オカちゃん】
        「しかし、あんなのがあれば、今度の対抗戦は優勝できるかもしれないわよ。」

    【ヒデコ】
        「でも、毎年そんなこと言って、今まで散々な結果に終わってるじゃないの。」


    しかし、もっちゃんは息つくまもなく索敵結界に新たなドローンの接近を捉えた。

    翼を得たとはいえ本来はオロチを相手に戦う事を想定した陸戦型戦闘鬼は、高速で移動する小型のドローンを迎撃するには不向きであるのは明らかで、迎撃は次第に飽和しつつあった。

    【もっちゃん】
        数が多くてさばききれないわ



    シナ空軍 "殲" 航空隊

    【第一波 パイロットB】
        「隊長、おかしいです。」
        「ミサイルがあたっている気配がありません。」
        「まさかとは思いますが、迎撃されているのではないでしょうか ?」

    【第一波 リーダー】
        「どうやってだ ?」
        「離陸中の艦の甲板の上で、AMPで迎撃にあたらせていると言うのか ?」

    森下機のハヤブサは大きな艦と重なっていたために、シナ軍たちのレーダーには写っていなかった。

    【第一波 リーダー】
        「迎撃できたとしても、どうせ乗り込んだAMPだと同時迎撃可能数に限界はあるさ。」(アタリです)
        「それならば、さらに追加のミサイルを送り込んでやれ。」
        「どのみち持ってきたミサイルは持ち帰れないので全弾放ってちまえばいいだけの事さ。」


    【もっちゃん】
        「またドローン ?」
        こう次から次へと・・・
        いったい敵はどんだけ居るのよっ!!


    【ハヤブサ森下機:支援AI】
        「せんさーニ感ノアッタどろーんノ数、23発。」
        「同時ニ、射程距離ニ入ッテ来マスノデ、撃チ漏ラストあうとデス。」

    【もっちゃん】
        「わかってるわよ。」

    【もっちゃん】
        ちっ3発が突破されたわ

    【もっちゃん】
        「回避してっ!!」


    ただちに艦はロールをうって海面ギリギリにまで高度を落とした。
    レーダーで艦を追跡していたドローンは一発が高度を下げすぎて海面で爆発したが、2発がなお艦の亜光速ドライブを目掛けて追跡していた。

    【もっちゃん】
        ドライブに当たれば離陸するのに必要な推進力が得られないわっ!

    他の目標の迎撃を放棄して、その2発のドローンに狙いを定めたが、すでに近接防空迎撃を想定した回避機動に入っており、なかなか狙いが定まらない。
    レティクルの中心にとらえてトリガーを引くもののかわされてしまう。

    ドローンがドライブまで500m近くまで接近したとき、トリガーを引いても弾が出なくなった。

    【もっちゃん】
        ぇ何故 ?

    SAFTY のアラートが表示され、トリガーがロックされていた。
    つまり、誤射防止の為、ドライブに当たりそうだとFCSが判断して攻撃中断を指示したのであった。
    これにより、ミサイルの迎撃が不可能となった。

    【もっちゃん】
        もうダメか ???

    と思った矢先、2発のドローンが爆発して破片が水面に落ちて行った。

    【もっちゃん】
        「ぇ、何 ?」
        センサーには何も感じなかったわ ?



    突然、国際VHFの16ch(156.8MHz)で呼びかけてくる聞き覚えのある声が流れてきた。

    【ケンジ】
        「やっと繋がったか・・・。」
        「ナノリンクだと圏外だったので、緊急救難無線の周波数を使わせてもらったぜ。」

    国際VHFの16chとは、航空機の緊急通信用に割り当てられている無線周波数の一つで、
    周辺の航空関係は常にこの周波数をモニターし遭難事故に備えている。
    もちろん、これはハヤブサにも搭載されていた。

    【もっちゃん】
        「この周波数ってあとで怒られない ?」

    【ケンジ】
        「怒られるもんか、今、攻撃を受けているんだから、それこそメーデーだろうがよっ!!」

    【もっちゃん】
        「さっきのドローンはアンタなの ?」

    【ケンジ】
        「ああ、そうだ。」

    【もっちゃん】
        「センサーには引っかからなかったわよ。」

    【ケンジ】
        「そりゃそうだ。」
        「ドローンをぶっぱなす際にナノコーティングを施して対ステルス仕様にでっちあげたんだからな。」
        「で、助けは必要か ?」

    【もっちゃん】
        「見て判らないの ?」

    【ケンジ】
        「じゃ帰るとすっか。」

    【もっちゃん】
        「鬼かっ!!」
        「後で狩ってやるっ!」

    【ケンジ】
        「ぉおーー怖ぇ。」
        「判ってる判ってる。冗談だ。」

        愛媛方面から、多数の航空機が接近しているな。
        レーダーの反応が薄いから、きっと自称ステルスだな。
        だが、薄くてもレーダーにさえ映ってれいれば怖くはないぜ。

    【もっちゃん】
        「"ロシアのヒコーキなのに" レーダーで見えてるの ?」

    【ケンジ】
        「まぁな。」

    【ケンジ】
        「って言うか、さらりと失礼なことを言うな。」
        「ロシアのレーダーだって性能はいいんだぜ。」
        「まぁもっともこの機体のはそれよりもっと高性能な日本製だけどな。」

    【ケンジ】
        「それにAS16(戦域監視飛行船)とのデータリンクもあるから、半径2000km周囲のステルスだってリアルタイムで追跡できるぜ。」


    【ケンジ】
        「ちょっとケチらしてやるから、待ってろ。」
        「ってか、お前が、そこにいるって・・・誰があのフネを運転しているんだ ?」

    【もっちゃん】
        「レイチェルたちに替わってもらったわ。」

    【ケンジ】
        「そっか、直掩は任せておけ。」
        「お前はフネに戻ってな。」

    【もっちゃん】
        「でも・・・。」

    【ケンジ】
        「陸戦で対空戦闘はまだ無理だろうが。」
        「足手まといになるから、さっさと引っ込んでいろ。」

    確かに、戦闘機対戦闘機との航空戦の中に機動力の劣る陸戦が混ざるのは良くなかった。

    【もっちゃん】
        「わかったわよ。」
        「あのフネにドローンを当てたら承知しないわよっ!」

    【ケンジ】
        「ああ、任せておけ。」


    福山上空から対艦ドローンの迎撃に成功した5機のスホーイは、愛媛方向から飛来する多数の目標をIRST(※6)と、AS16からのデータ・リンクにより的確に補足していた。

    【ケンジ】
        「まずは、センサーで一番手前の2機を攻撃するぞ。」

    複数のデータセンターから得られたBIGデータの解析結果により、先行して飛行する2機を脅威判定で最優先で危険と判定しており、コンピュータが攻撃許可を求めてきていた。
    僚機とはデータリンクを通じて同時に同一目標を攻撃しないように個別に対空ドローンを誘導することが可能で、リーダー機が攻撃を許可すると、各機から放たれたドローンは個別に指示された2機の先行機に向かった。

    2機がセンサーから消失したことで、撃墜判定が下る。



    シナ空軍 "殲" 航空隊

    【第一波 パイロットD】
        「3時方向(だいたい福山方面)にレーダーに反応しない複数の機影を確認。」
        「IRSTの赤外線画像解析によれば、恐ろしく低放射のためコンピュータ画像解析での識別が極めて困難ですがこの独特な機体形状はコンピュータ解析するまでもなく最新鋭のSU-55(※5)です。」

    レーダーセンサーには反応はないが、IRSTのセンサーには確かに反応が現れていた。
    しかし赤外線放射の量が少なくコンピュータは未確認機として処理されていた。


    【第一波 パイロットB】
        「SU-55だと ?」
        「そんなバカな。」
        「まだ量産されていないはずだぞ。」
        「しかも、ここは日本の領空、いや我がシナの九段内の領空だぞ。」
        「我が領空内にロシアの戦闘機が無断で飛行するなどありえない。」

    【第一波 パイロットD】
        「どうしますか ?」
        「すでにこちらはアイツに2機撃墜されました。」
        「反撃しますか ?」

    【第一波 リーダー】
        「まつんだ。」
        「まず、相手の所属と飛行目的を確認するんだ。」

    【第一波 リーダー】
        「もし、本当にロシア機となると外交問題になるぞ。」
        ここで事を構えればロシアの警戒が強化される事になり今後予定されているウラジオストク奪還作戦にも影響がでる。

    【第一波 リーダー】
        「今は友好のフリをしなければならん。」

    しかし、そのSU-55は、殲部隊になお接近しつつあった。
    このままでは、5機のSU-55は、尾道からしまなみ街道にそって低空で南下し、生口と伯方沖で殲部隊と交錯する事になる。

    【第一波 リーダー】
        どう言うことだ?
        あのロシア機、こちらの位置を正確に把握している ???


    すでに因島と生口をわたす生口橋の下を低空でくぐり抜け、
    殲部隊の飛行経路を横切る形で確実に接近していた。

    島影から、5機のスホーイが飛び出し有視界に入った。

    【第一波 パイロットD】
        「発見した。」
        「やはり SU-55 です。」

    突然、レーダー照射を浴びせられた事を示すアラートが響いた。
    慌てて殲戦闘機もレーダーをオンにしたが、やはり何もキャッチできない。

    【第一波 リーダー】
        「うろたえるな。」
        「こちらのレーダーもまだあの機体を捉えられていない。」

    にしても、あの機体、排気煙がないな。
    新型エンジンの開発に成功したと言うことか ?


    【第一波 パイロットB】
        「隊長、ミサイルですっ!」

    【第一波 リーダー】
        「何 ?」
        IRSTでは反応ないぞ。
        しかもミサイルなら排気煙が目視出来るはずだ。

    【第一波 パイロットB】
        「間違いありません。」
        「一瞬だけですが機体下面から炎のような閃光が見えました。」

    【第一波 リーダー】
        くそっ
        「全機警戒体勢っ!!」
        「ミサイルが来るぞ。」
        「排気煙が見えないから、いきなり飛んでくるぞ。」
        「気をつけろっ!」

    【第一波 リーダー】
        あの機体の見えないエンジン排気の煙。
        そしてこれも見えない排気煙のミサイル。
        それに、こちらの動きを正確に捉えてるとしか思えない機動。

    【第一波 リーダー】
        スホーイではないのか ?

    いろいろ推測している間に、さらに3機がヤラれてしまった。

    あの5機は整然と編隊を組んだまま一直線にすれ違おうとしていた。

    【第一波 リーダー】
        「ちっ、このままではヤツらに全機が落とされるぞ。」
        「全機散開っ!!」
        「ヤツを撃墜しろっ!」
        「たった5機だ。」

    灰色の機体とすれ違いざまに国籍マークを確認した。
    ロービジー化された国籍マークではあったが、プロのパイロットであれば音速ですれ違っても容易に識別できる間違いようのない単純なマークだった。

    日章旗

    【第一波 パイロットD】
        「日本空軍だっ!」

    【第一波 パイロットB】
        「あのスホーイは日本軍だぞ。」
        「ちっ、ロシアは我々には新型戦闘機の輸出をしぶったくせに、小日本には売ったのかっ!!」
        「SU-35や、SU-50だけでなく、金に目が眩んで開発中のSU-55まで日本の手に渡していたとは。」

    【第一波 リーダー】
        「きっと共同開発したんだろう。」
        「日本が昔「心神」と言う第六世代機の実験機を開発していた。」
        「それらの技術をスホーイに応用したんだ。」

    シナ軍は伝統的にロシアから戦闘機を購入してはリバースエンジニアリングと言う手法で解析を行ってコピー機を生産すると言う手法をとっていたが、未だにコピーが出来ないで開発に難航しているのが、戦闘機の要となるエンジンと機体を統合的に制御するコンピュータであった。
    第4世代後期以降の戦闘機はジェット排気に黒煙を吐かない工夫がされており、目視での発見を遅らせる効果かあったが、シナ軍が自称ステルスと呼ぶ新鋭戦闘機ですらこの無煙化の技術を搭載できないでいた。

    接近戦においては、ステルスはほとんど役に立たず、純粋な機体性能が勝敗を決める。
    急速な近代化で自国のレーダーには写らない自称ステルス機の開発には成功したものの、アビオニクスや戦術データ・リンクについてはまだまだ発展途上にあった殲戦闘機は、スホーイが開発した先進の機体と地球人最高の電子工学を駆使した四菱製の電子機器との組み合わせで完成したSU-55とのすれ違い戦闘で、さらに5機を失ってしまった。

    だが、長距離を飛行するために、携行した武装は最小限であったため、この一撃で燃料と弾薬が枯渇し、SU-55は補給の為に離脱を余儀なくされた。

    この戦闘で、殲部隊は赤干山まで退却して、損耗した部隊を再編する事態となった。




    【ケンジ】
        「国後からツポレフの給油機の支援を受けつつ日本海を突っ切ってきてやったぜ。」

    【なるみ】
        「アンタ、操縦資格試験(※1)はどうしたのよ ?」

    【トミちゃん】
        「放り出してきたの ?」

    【ケンジ】
        「ああ ?」
        「あれは、国後の司令官が、もし全員が生きて帰ってきたら合格にしてやるって言ってたぜ。」
        「ただしヒコーキには傷ひとつ付けるな・・・とも言ってた。」

    【ケンジ】
        「ところで、そっちのフネに、ヒコーキの燃料と武器は届いているか ?」

    【なるみ】
        「ええ、あるわよ。」
        「どうして知ってるの ?」
        「甲板の上にオスプレイ2が朝から落としていったわ。」

    【ケンジ】
        やはりか・・・。

    【マナブ】
        「いや、現地の司令官が、
            "一週間ほど前に、お前んとこの教官から武器と燃料の手配を頼まれたんだ。
            国後での資格試験でどうして広島くんだりまで武器と燃料を運ばねばなんねーんだと思っていたが、
            ようやく意味が理解したぜ。
            って言うかお前の教官は未来を予知できるのか ?
            こんど、モスクワのくじのアタリ番号教えてくれるように頼んでくれよって"
            ・・・だとさ。」

    【ケンジ】
        「あのタヌキ親父めっ、こうなる事を一週間前から予測して仕込んでやがったのかっ!!」

    【なるみ】
        「まっ、まさか、偶然よ。」
        「この広い宇宙で戦争やってて、超能力もった種族がいるって報告はないわよ。」

    【コンブ】
        「そりゃそうだな。」

    【ケンジ】
        「ってか、どこに着艦すればいいんだよっ!」

    【トミちゃん】
        「左舷の後部甲板に飛行甲板があったわよ。」

    【マナブ】
        「ああ、確認した。」
        「ってか甲板が斜めになっとるやないかっ」

    【なるみ】
        「だって宇宙空間では斜めは関係ないでしょ。」

    【コンブ】
        「ぃや、重力あるのに斜めに着艦できるかっ!」
        「落ちるわっ!」

    【サッチ】
        「重力発生器はまだ未実装だから、飛行甲板への着艦はまだ無理ね。」

    【サダッチ】
        「しばらく艦を斜めにすれば発着には問題ないかと・・・。」

    【サッチ】
        「そうね」
        「艦を右45度にロールできる ?」

    【アン】
        「まぁ45度傾いて各部署から文句が出ないのなら。」

    【サダッチ】
        「燃料と弾薬の補給にどれくらい時間かかりそう ?」


    【ケンジ】
        「コイツはこの前の戦争での教訓が取り入れられてるから、燃料補給に最短で5分、弾薬補給で5分、同時にやれば、5分で再出動が可能だ。」

    【サッチ】
        「でも、それってそれなりの訓練しての話でしょ ?」

    【コンブ】
        「燃料は、機体側にも吸い上げ用ターボポンプを内蔵しているから普通のタンクローリーからでも高速で給油が可能な上、弾薬の装着もほぼ自動化されているので素人でもなんとか補給はできるそうだ。」


    先の戦争で多くの被害を出した日本軍(当時の自衛隊)は、不足した人員を地元のボランティアによって補給を確保していた。
    しかし不慣れで危険な作業のため事故も多発し、この教訓から、人員不足の戦場でも滞り無く迅速な補給活動ができるようにスホーイの最新鋭型は補給が自動化されている。

    【ケンジ】
        「で、どうすんだよ。」
        「こっちは、必要最低限の武器でしか積んでなかったから、さっきので使いきっちまったぜ。」
        「そっちにあるのならさっさとよこせ。」

    【サッチ】
        「ちょ、ちょっとまってよ。」
        「艦をロールさせるから着艦はまってよ。」

    【ケンジ】
        「あたりめーだっ!!」
        「重力に逆らって傾いてる艦に着艦させる自信はねーよ。」


    【サッチ】
        「ミジップ」(舵中央)

    【アン】
        「ミジップ、アイ」(舵中央、了解)

    【サッチ】
        「スロー スラスター トップ スターボード」(右舷スラスター上方微速)
        「スロー スラスター ボトム ポート」(左舷スラスター下方微速)

    【レイチェル】
        「スロー スラスター トップ スターボード、アイ」(右舷スラスター上方微速、了解)
        「スロー スラスター ボトム ポート、アイ」(左舷スラスター下方微速、了解)

    【サッチ】
        「スロー アヘッ ツー」(両舷微速前進)

    【アン】
        「スロー アヘッ ツー、アイ」(両舷微速前進、了解)




    微速前進とは言え、宇宙艦の尺度からすれば、航空機が離着艦できるほどの速度はでる。
    なんとかスラスターを駆使して艦をロールさせ、飛行甲板を地球重力に対して水平になるようにコントロールした。

    【サッチ】
        「スラスター ホールド」(スラスター 固定)
        「ミジップ ホールド」(舵中央 固定)

    【レイチェル】
        「スラスター ホールド、アイ」(スラスター 固定、了解)

    【アン】
        「ミジップ ホールド、アイ」(舵中央 固定、了解)

    これにより、艦は45度傾斜した状態を維持し、飛行甲板が重力に対して水平になった。

    【サッチ】
        「着艦可能になったわ」。

    【ケンジ】
        「了解。」
        「どうせ、FLOLS(※2)なんてまだないんだろ ?」
        「勝手に着艦するぞ。」

    といいながら、次々に着艦して来た。

    通常の戦闘機は、短距離着陸で静止させられない場合はワイヤーでフックして強制停止させるが、田舎地方の短い滑走路でも離着陸ができるように設計されているスホーイには強大なブレーキが装備されており、着艦フックがなくても難なく着艦を成功させてきた。

    【マナブ】
        「おつかれっす。」

    【なるみ】
        「よく着艦設備もないのに降りてこられたわね。」
    
    【コンブ】
        「まぁな。」
        「国後の鬼教官のおかげだな。」
        「まったくロシア人のがさつな操縦をマネしてたらどこにだって着陸できちまうよ。」

    【ケンジ】
        「さて、時間がないから、さっさと補給を済ませるぞ。」
        「例のものは ?」

    【トミちゃん】
        「アレよ。」

    【ケンジ】
        「あのコンテナか ?」

    【トミちゃん】
        「そうなのよ、キーがないので開けられないわ。」
        「どうするの ?」

    【ケンジ】
        「そのキーなら預かってきた。」

    暗証キーを入力するとロックが解除され中からSU-55用の武装が大量に出てきた。

    【ケンジ】
        「おいおい、最新鋭のK-77KS(※3)かよ。」

    【コンブ】
        「これはスゴイな。」
        「まだ配備が始まったばかりの弾道弾も迎撃可能なドローンだぜ。」

    【マナブ】
        「R-66R(※4)まであるぜ。」

    【ケンジ】
        ロシアでさえ前線に行き渡っていないものを・・・。
        東郷のやつ、やってくれるぜ。

    【ケンジ】
        「さて、敵さんはどうせ体勢を立てなおしてすぐに戻ってくるだろうから、急いで補給だ。」


    (※1)操縦資格試験
    戦闘機とは言え、操縦にはライセンスが必要。
    航空機の場合は1機種につき専用の操縦資格を取得しなければならない。
    アニメや映画ドラマであるような、さくっと他の航空機に乗り換えるなんて事は、操縦資格を持っていないと出来ないのである。
    SU-55 の場合は、日本に帰属した国後に、ロシア空軍と共同運営のトレーニングセンターを開設してそこで操縦資格試験を行っている。

    (※2)FLOLS・・・フレネルレンズ光学着艦装置
    元は太平洋戦争時、当時の日本海軍は航空機の進入角度や方向によって照明の見え方が異なる画期的な着艦指導灯を開発し、それがさらに改良が加えられ現代空母に搭載されている。
    アトランティス艦隊の着艦システムは電波誘導式の為、敵に補足されるリスクがあったものの、この地球製のFLOLSを採用したことで航空母艦の隠密行動が出来るようになった。

    (※3)K-77KSは、2000年初頭に本格的な実戦配備が始まった、高性能ドローンで、そのKSタイプは、特に宇宙空間での使用も考慮され、エンジンノズルの方向は上下左右方向に対してシームレスに真横の90度を超える100度まで偏向する事が可能で、さらに日本軍が対馬戦争前に開発した弾道ミサイル迎撃用のPAC-3スラスターの技術を転用することで、地球軍のドローンとしては最高性能を誇る、アクセルターンを実現している。
    KSタイプは、姉妹型としてSSタイプが存在し、宇宙艦VLSから発射される。


    (※4)R-66Rは、ロシアが開発した短距離の近接防御用のドローンで、K-77KS同一の偏向ノズルと弾頭スラスターを採用することで、大気圏内での超音速飛行時でも発射直後には180度ターンが可能で、真後ろについた敵を狙うことが出来る。
    姉妹型としてSタイプも存在し、K-77と同様に宇宙艦VLSから発射される。

    (※5)SU-55
    第6世代に相当する、最新型の大型制空戦闘機。
    双発の高性能ターボファンエンジンに供給する酸素を機体上面のエアインテークから吸気し、機体下面には旋回式コンフォーマルウェポンベイが設置されている。
    この旋回式武装システムに搭載されるK-77KSやR-66R等の高機動型ドローンは、発車直後でも急旋回してSU-55後方の目標を攻撃する事が可能だが、このような急激な機動は相手のセンサーにも捉えられやすい欠点を持つ。
    先制攻撃時には相手のセンサーに捉えられない位置関係を確保しつつ、ミサイルを目標方向へ投射する能力を得たことで、より一掃先制攻撃時の成功率を高める事に役立っている。
    尚、旋回式コンフォーマルウェポンベイは、緊急時に投棄する事で格闘戦能力を50%向上させる事が出来る。
    この機体には、J型が存在し、このタイプの機体には日本製火器管制システムを搭載し日本空軍にて運用されている。
    開発当初、一時この機体がF-3と噂されていた。    

    (※6)IRST・・・(infra-red search and track system, IRST system)赤外線捜索追尾システム
    航空機が大気内を高速で移動すると、空気との摩擦で熱を帯びたり、推進剤の燃焼による排気により膨大な熱源を発生させる。
    これらの熱の赤外線の特徴を分析することで、レーダー波を使わずに、相手の機種や、距離、移動方向を知る事が出来る。
    レーダー技術に劣勢だった、旧ソ連が空中戦で優位を確立するために採用したこの技術は、ステルス技術の発達で自ら電磁波等を放射しないアクティブ型のセンサーより相手が放射する電磁波や熱源を解析する方が隠密性にすぐれる為、近年、世界中で急速に発達した分野である。
    たださすがにロシアは先駆者だけあってこの分野の技術においては世界水準から突出しており、レーダーを一切使用しないで攻撃できるシステムを構築している。

    (※7)タイダウンベルト
    荷物を床に固定する特殊な繊維で編まれたベルト。
    通常、ラチェットと呼ばれるベルトの巻き上げ器具と一体となっており、強力なテンションを掛ける事で
    荷崩れを防止する。




     -----------------------------------------------
    【1-6- *】 END
    -----------------------------------------------
    ■なのましんは魔法でもない!!
    登場人物
    -----------------------------------------------
    ●帯締学園
    【おみくじ】
    【トミちゃん】
    【ナナ】
    【ナターシャ
    【ミーシャ】
    【ターニャ】
    【サダッチ】
    【サッチ】
    【もっちゃん】
    【アン】
    【キヨちゃん】
    【オカちゃん】
    【レイチェル】
    【セッちゃん】
    【アリョーナ】
    【オレーシャ】
    【フクちゃん】
    【まっちゃん】
    【みさ】
    【ケンジ】
    【ジョージ】
    【エルメス
    【アルビータ】
    【カンピオーニ】
    【アグスティナ】
    【レオンハルト
    【バネット】
    【ジュリア】
    【ヒデコ】
    【なるみ】
    【マナブ】
    【コンブ】

    【支援AI】

    【グランドクルー】
    【発進管制官

    ●帯締学園 関連
    【辻木運輸:運転手】
    【運転手】
    【幸洋船渠宇宙事業部ドッグ:機関技師】
    【乗員】


    ●シナ & 統一朝鮮
    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 A】
    【統一朝鮮太平洋艦隊 作戦参謀 D】
    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 B】
    【シナ太平洋艦隊 作戦参謀 C】

    【シナ人観光客A】
    【シナ人観光客B】
    【シナ人観光客C】
    【ヨンギュン】

    【シナ人民解放軍 A】
    【シナ人民解放軍 B】
    【シナ人民解放軍 C】
    【シナ人民解放軍 D】

    【鹵獲隊 戦闘員】
    【鹵獲隊 隊長】
    【鹵獲隊 戦闘員B】
    【鹵獲隊 戦闘員C】

    【シナ空軍 "殲" 航空隊 第一波 リーダー】
    【シナ空軍 "殲" 航空隊 第一波 パイロットB】
    【シナ空軍 "殲" 航空隊 第一波 パイロットC】
    【シナ空軍 "殲" 航空隊 第一波 パイロットD】

    【ドッグ制圧部隊:隊長】
    【ドッグ制圧部隊:隊員B】
    【ドッグ制圧部隊:隊員D】

RSS Feed Widget