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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-5-5】なのましんは錬金術ぢゃない!!

なのましんは錬金術ぢゃない!!

【1-5-5】

    アンドロメダ群体(艦隊)情報作戦本部・・・意向通達会議

        アンドロメダ陣営は複数の超巨大な企業が星系を牛耳っており国家というものは存在するものの、実質的には企業の意向で動く独裁政権と同じである。
        意向通達会議とは、企業の利益が出るように、企業から軍に対して作戦を指示する為の会議である。
        企業は一部の富裕層の為に利益を追求しており、軍はもはや国家国民のための軍ではなく企業のために戦っていた。

        しばらく降着状態だったダイダロス陣営との紛争は、戦争のトロ火状態となり巨大な軍需産業にとっては大変都合が良かった。
        アンドロメダ陣営はこの心地良い戦局により莫大な収益を記録していたが、ここ数百年で頭を悩まし始めたのが隣のリヴァイアント帝国(地球で言うとM33銀河)が国境を超えてアンドロメダ星域内に侵入しはじめた事である。
        ダイダロス軍を相手に戦争に夢中になっている間に、いつのまにか急速に勢力を伸ばしアンドロメダ星域に脅威を与えつつあった。


    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】(※1)
        「先日は、そちらの群体は手ひどくやられたそうですな。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「まったく情けない話で・・・」
        「国境で示威行動中の主力群体2個部隊が襲撃を受けて全滅させられてしまった。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「なんと、それは穏やかな話ではないな。」
        「主力群体2個を同時に失うとは、リヴァイアントの連中はよほどの大規模な群体を繰り出してきたと言うことか ?」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「ぃや、敵の規模はそう大きいものではなかったらしい。」
        「救助された僅かな生存者からの情報を元に情報を精査しているところだが、当時我が方の主力群体は、同じく国境付近でパトロールしていると思われた小規模の群体を発見し、国境への侵入を阻止すべく 2個群体で、相手に威嚇射撃を行ったらしい。」
        「まぁ最初は相手も逃げまわっていたのでナメてかかっていたのだが、そのうちだな、なかなか国境付近から退却しないことに業を煮やして 1発だけ命中させたところ、反撃を受けて全滅に追い込まれたそうだ。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「数で劣る相手に負けたというのか ?」
        「これだけの戦力を一挙に失うとは枢機神(※2)が黙ってはいないぞ」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「我が方も油断していたとはいえ、戦力には自信があった。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「こうも我々の群体がリヴァイアントの連中相手に無力であるとは思いもよらなかった。」
        「統括情報部は事前に相手の戦力を把握している訳ではなかったのか ?」

    【統括情報部 将校】
        「この事案につきましては、私どもの方でもやや情報が混乱しておりまして・・・。」
        「実は枢機神の方でリヴァイアントの何かしらの情報を持っている感じなのですが、その情報がなかなか下りて来ないんですよ。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「枢機神は何か我々に隠している事があると言うことか・・・。」

    【統括情報部 将校】
        「はい、おそらく。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「しかし、それとは別に情報部独自にリヴァイアントの調査は行っていたんだろう ?」
        「何かしらの成果は得られなかったのか ?」

    【統括情報部 将校】
        「それが・・・」
        「リヴァイアントに派遣したエージェントが全員行方不明となっており、あちらの情報がまったくない状況でして・・・。」

    【統括情報部 将校】
        「しかし、そのような状況で、枢機神はなにか隠しておかなければならない重大な情報掴んだのだと思われます。」
        「最近のダイダロス銀河に対する本格攻略戦は、この情報と関係があると思われます。」
        「リヴァイアントとの本格戦争に備えてダイダロスをやつの銀河に閉じ込め、しばらくこちらに出てこれないようにしたい意向のようです。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「いよいよリヴァイアント討伐に動くと言うことか ?」
        「だが今の我が陣営には2つの銀河と正面戦争するだけのパワーはないからな・・・。」
        「そのためにはダイダロスには大人しくしてもらわないといけないわけか・・・。」

    【統括情報部 将校】
        「断言は出来ませんがおそらく。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「しかし、ワシとこの今の戦力では早期にダイダロスを銀河の奥まで追いやるのは無理だ。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「どうしてだ ?」
        「最近は連戦連勝で、ダイダロスは拠点を順次放棄して撤退していると聞いておるぞ。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「たしかにそうだが、ワシらの侵攻ルートに存在する恒星系がちょっと面倒なことになっててうかつに手が出せない事態に直面しとる。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「手が出せないとはどういう事だ。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「以前からこの星系には我が陣営が時折偵察隊を送り込んでいるのだが、生還出来たものが居ないのじゃ。」
        「すこし前に出した斥候からの報告では、まだその星系では文明が誕生したばかりで、」
        「交通手段は土着性物を飼いならして移動しているとの報告で、脅威度か低いと認定はされたが直後に音信が途絶えた。」
        「事故でも起きたのだろうと、別の斥候を出しよったところ、次の報告では蒸気機関の開発に成功しているとの報告が届き、また連絡が途絶えた。」
        「次にまた斥候を出すと、核実験をするまで科学力が向上しており、すでに地域戦争で同じ種族に対して核兵器を使用しておる。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「おなじ種族を相手に核を使用したのか ?」
        「この種族は気は確かなのか ?」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「しかし驚くのはソコではない。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「そうだ。」
        「斥候を出すたびに、上がってくる報告が、前回より科学力が異常な速度で進化している点だ。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「奇妙に思った士官がデータベースでこの星系の記録を検索しようとしたら、何重にも厳重にガードされてて閲覧できなかった。」
        「このワシの権限でも検索できなかった。」
        「斥候が任務途中で連絡が途絶えるのも不自然で、ワシはこの星系にはなにかあると見て用心しておる。」

        「ただ・・・。」

    話しかけたが、途中で諦めた。

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「どうした ?」
        「なにか気になることでも ?」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「ぁ、いや、下士官どもが付近の星系を攻略した際に、現地の貿易商の連中から妙な噂を聞いておるんだ。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「妙な噂だと ?」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「ぁあ、そうだ。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「昔、我がアンドロメダに属していた種族が絶滅して、その僅かな生き残りがダイダロスの星系内に留まっているらしいと。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「絶滅した種族でダイダロスと関係があったのは・・・。」
        「まさか!? アトランティス帝国か ?」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「まぁ、あくまで噂だがな。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「私は、やつらは絶滅したと聞いておるぞ。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「そのとおりだ。」
        「アトランティスは我々が討伐して一匹残らず抹殺した筈だ。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「しかし前線でいくつかの群体がアトランティス群体とおぼしき群体と交戦したとの報告が上がってきている。」
        「これが、その時の戦闘記録だ。」

    各群体の高官の前に画像が転送され、戦闘記録の動画が再生される。
    情報収集の為に戦場ではドローンを放つのはセオリーで、あるゆる角度から戦闘が記録され分析にまわされる。


    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「見かけないタイプの船体構成だな・・・。」
        「我が陣営のものではない。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「一見しただけでは旧式のアトランティス艦には見えるが、ところどころにダイダロス艦の特徴が見られるな。」
        「やはりダイダロス銀河ということだからその影響を受けているのか ?」

    参集した各方面の司令たちは、身を乗り出して動画に見入った。


    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「そのようだな。」
        「しかし、これらの船体構成は記録にはほとんど残されていないのだが、アトランティス帝国絶滅時に一部で就役した当時の最新鋭艦と非常に酷似しておるのだ。」

    比較用に昔の記録データを再生し両方を見比べた。
    対ダイダロス攻略群体の司令が指摘する通り、その船体の特徴は見事に酷似していた。

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「ぅむ・・・」
        「アトランティス群体の残党と言うことか。」

    シートに深く身を沈め天井を見上げてつぶやいた。
    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「マズイな・・・。」


    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「まだ確定情報ではない。」
        「だが、下士官の連中どもは、やつらをアトランティスの亡霊と呼んでおる。」
        「今後やつらの星域に近づけばいづれは交戦する率も高くなろう。」
        「緘口令を敷いてはおるが、隠し通せなくなってくる。」

    その時、さっきの将校が割り込んできた。

    【統括情報部 将校】
        「あの・・・ちょっと宜しいでしょうか ?」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「なんだ、君は何か知っているのか ?」

    【統括情報部 将校】
        「ぇえ、もちろんですとも。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「言ってみたまえ。」

    【統括情報部 将校】
        「分かりました。」
        「でも、お話の内容は "今は" 他言無用にてお願いたします。」

    その場に居たものは全員無言だったが、それは暗黙の了解とみなされている。

    【統括情報部 将校】
        「ではお話をいたしましょう。」

    【統括情報部 将校】
        「対ダイダロス攻略群体司令が遭遇している相手は、アトランティスで間違いありません。」
        「どうやら生き残りがダイダロス側に寝返っていたようです。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「それは確かな情報なのか ?」

    【統括情報部 将校】
        「もちろんです。」

    【統括情報部 将校】
        「われわれは、ヤツらの星系にエージェントを侵入させており、そこからの情報なので間違いはありません。」
        「しかし、」
        「対ダイダロス攻略群体が送り出してきた斥候の相手は厳密にはアトランティスではありません。」
        「正確には猿族をアトランティス人によって遺伝子が組み換えられて進化したものです。」
        「しかし、アトランティス人との融和性が非常に高く、現在は双方の遺伝子交流がなされているようです。」
        「つまり交配ですね。」

    【統括情報部 将校】
        「彼らの文明は急速に進化はしましたが、寿命は異常に短くて科学のレベルもまだ低く、我々の脅威とはなっていません。」
        「しかし、猿族の繁殖率が爆発的に高く、これにアトランティス人と交配が促進されるような事になれば、今後は明らかに脅威となります。」

    【統括情報部 将校】
        「幸い、アトランティス群体残党軍のテクノロジーは、絶滅当時からほとんど進化はしておらず、友好関係にあると思われるダイダロス側からの技術的な交流もそれほどすすんでいないようです。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「つまり、叩くのならテクノロジー的に我々が圧倒している今のうちだ・・・と言うことか。」

    【統括情報部 将校】
        「はい、そうです。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「しかし、枢機神がどう判断するかだな。」

    【統括情報部 将校】
        「おそらく大丈夫でしょう。」

    【統括情報部 将校】
        「枢機神はすでにアトランティス残党については把握しております。」
        「じきに討伐司令が出されるでしょう。」
        「枢機神サイドは、新たに出現した猿の種族に対して危機感を抱いておられます。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「どうしてだ ?」

    【統括情報部 将校】
        「は!?  何か気がかりなことでも ?」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「猿族の進化のスピードには眼を見張るものがあるのは確かだが、テクノロジーに関してはまだ我が方が圧倒しておるではないか」

    【統括情報部 将校】
        「このデータを御覧ください。」


    新しいデータが再生される。

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「これは最近、我が群体と接触した星系に現れる群体と同じですな。」
        「つまり、このフネもアトランティスの残党と言うことか・・・。」

    【統括情報部 将校】
        「いいえ。違います。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「何 ? 違うとはどういう事だ。」

    群体・・・要するに艦隊の中から一つのフネをセレクトして、船体の一部を拡大してみせた。

    【統括情報部 将校】
        「このシンボルを見て下さい。」

    モニターに星条旗が映し出される。

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「何のシンボルだ ?」

    【統括情報部 将校】
        「このフネが所属する種族のコロニーがもつシンボルです。」
        「アメリカと言う品種です。」
        「そして、隣の記号は、その種族共通で使用している言語の英語と言う表記法でフネの固有名詞を記しています。」


    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「フネに固有名詞を付けるとは珍しい種族だな。」

    【統括情報部 将校】
        「このフネの名前は、戦体(戦艦)オクラホマと言うらしいです。」
        「コンゴウ・クラスの量産3番艦です。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「なるほど・・・。」
        「で、これらのフネが今の猿族とどういう関係があるのだ ?」

    【統括情報部 将校】
        「このフネがさっきの猿族のフネです。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「な、なんだと !?」
        「ついさっき、核兵器を発明して、もう宇宙群体を編成してきたと言うのか ?」
        「冗談はよしたまえ、君。」

    【統括情報部 将校】
        「冗談ではありません。」
        「このフネのマークも御覧ください。」

    今度は旭日旗のマークを付けたフネが再生された。

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「さっきのアメリカ? とは異なるシンボルだな。」

    【統括情報部 将校】
        「このシンボルはキョクジツキ・・・センパンキとも言うらしいです。」
        「このシンボルの種族も同じ猿族のヤマト民族と言う蛮族の品種のものだそうです。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「単純なシンボルだな。」

    【統括情報部 将校】
        「このヤマト民族と言う品種は別名ニッポンとも呼ばれており、我々工作員を受け入れたシナと言う品種と敵対しており、猿族の品種が確立した時代からの敵対関係にあるらしく、何度もシナはこのヤマトに対して属国になるよう工作を企てたものの、反抗的な態度を繰り返した挙句に逆に攻め込んできてナンキン攻防戦と呼ばれる戦いでは 350万匹もの非戦闘員のシナ品種を虐殺したとの情報です。」
        「このセンパンキはヤマト民族の獰猛の象徴らしいです。」

    【統括情報部 将校】
        「この戦体(戦艦)は、ストイツ・ハイバーン級、ミカサと呼ばれるもので、元はアトランティス群体のフネですが、先日のアトラミス王国討伐にて、このシンボルを付けた少数規模の群体が確認されています。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「ああ、最新鋭の基幹群体で攻め込んだあと、事故で遭難したって噂のアノ作戦か・・・。」

    【統括情報部 将校】
        「そうです。」
        「アトラミス王国討伐と言う初期の作戦は成功したのですが・・・」
        「じつは、アトラミス王国討伐群体は、遭難したのではなく、このニッポン群体によって殲滅されました。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「そんな馬鹿な事があるものかっ!!」
        「ストイツ・ハイバーン(級)のような旧式戦体で我が方の最新鋭艦が負けるはずなど・・・。」
        「しかも数的優勢をどうやってひっくり返した。」

    【統括情報部 将校】
        「我が討伐群体が殲滅させられた原因は、今もって不明です。」
        「なにしろ隠密作戦だったので司令部との通信は切れており、戦域共有ネットワークは使えない状態で記録が何も残されておりません。」
        「かろうじで生き残った兵士からのレポートからでも何が起こったか皆目検討もつかず、結局アトラミス王国討伐の作戦そのものは成功したものの緘口令が敷かれ、無かった事にされたのです。」

    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
        「枢機神はそれを隠していたのか・・・。」

    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
        「しかしダイダロスへの本格侵攻を前に、隠し通せなくなるので我々に情報を事前提供して来たということか。」

    【統括情報部 将校】
        「エージェントを受け入れたシナ種がオロチ隊の進駐にも合意しており、まもなく現地へ潜入する予定です。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「オロチだと ?」
        「大丈夫なのか ?」
        「あんな扱いにくい凶暴な肉食種を受け入れさせて、エサはどうする気だ ?」
        「騒ぎでも起こされたら、我が方の作戦が事前に漏れる可能性があるぞ。」

    【統括情報部 将校】
        「それは心配ないそうです。」
        「どうやら猿族にの中でも隔離されている種があるらしくて、ウィグルやチベットというコロニーの中であれば自由にその品種を捕食しても情報が漏れることは無い・・・との報告を受けています。」
        「事前に数匹分のウィグル品種を食品サンプルとしてシナから提供を受けオロチが試食を行い、美味との評価がでいます。」

    【対ダイダロス攻略群体 司令】
        「同じ種族を差し出すとは・・・。」
        「シナは本当に信用できるのかね ?」

    【統括情報部 将校】
        「シナは我々の科学力を欲しているようです。」
        「一応、"我々への貢献度によっては前向きに検討してみる" とは回答していますが、同族を売り渡す種など信用できないので、役目が終わればシナはオロチの狩場にでもしてやります。」




    そんなヤバイ会議が銀河の彼方で行われている同じ頃、
    帯締学園、屋内バトルフィールドではナノメディックの講習が続いていた。



    【オレーシャ】
        「さてナナ、あなたの番よ」

    【ナナ】
        「いつでもいいわ。」

    【オレーシャ】
        「あら余裕ね。」
        「それなら遠慮無くいくわよ。」

    【オレーシャ】
        「識神展開っ!!」

    ナノマシンにより識神が構成されていく。

    【ナナ】
        「ぁ、あれは」

    オレーシャが構成して手にした識神は AK-47 カラシニコフ銃だった。

    "パパパン!!"
    カラシニコフ特有の軽い銃声が3発連続でバトルフィールド内に響き、
    その場の訓練生は全員は一斉にその音の方を見ると、ナナが倒れる姿が目に入った。

    【セッちゃん】
        「ナナっ!!!」
    助けに入ろうと、せっちゃんが飛び出そうとするが、ミーシャが止めた。

    【セッちゃん】
        「ミーシャ何するのよっ!!」
        「ナナが倒れたのよっ!」

    【ミーシャ】
        「大丈夫。」
        「心配ないわ。」
        「全弾急所外している。」

    【ナターシャ
        「ナナのバイタルも正常値に戻りつつある。」
        「起き上がるわよ。」

    ナターシャの言うとおり、ナナが何事もなかったように起き上がった。

    【アリョーナ】
        「何っ!?」
        「もう回復したと言うの ?」

    【オレーシャ】
        「あら、意外にやるわね。」
        「それなら。」

    "パパパン!!"
    "パパパン!!"
    今度は6発の銃声が響く。

    が、ナナは今度は倒れず踏んばった。
    そして着弾した箇所の傷がみるみる塞がってゆく。
    最後に体内から9発の弾丸が浮かび上がると床に落ちていった。


    【セッちゃん】
        「ナナっ!大丈夫 ???」
        「痛くないの ?」

    【ナナ】
        「そら痛いに決まってるわよ。」

    【オレーシャ】
        「あなた回復力が速いわね。」
        「思った以上に優秀で驚いたわ。」

    【ナナ】
        「実弾を9発も撃ちこんできた。 私は、そっちに驚いたわ。」
        「手加減しないのね。」

    【オレーシャ】
        「あら」
        「私、遠慮無くいくわよ・・・って言ったわよ」

    【オレーシャ】
        「さて最後は浅野節子さん・・・セッちゃんと呼べばいいのかしら ?」

    【セッちゃん】
        「あれ ?」
        「カラシニコフ姉妹は ?」

    【オレーシャ】
        「ああ、彼女たちはいいのよ。 知ってるから。」

    【セッちゃん】
        「ぇえーー。 ちょっと不公平だよ。」

    【オレーシャ】
        「大丈夫、じき彼女たちの力が判る時が来るから。」

    そしてセッちゃんの講習もあっとうまに終わってしまった。

    さすがに、多少のナノメディックの心得があるだけの事はあり、
    オレーシャが撃ちこんでくる弾丸をリアルタイムで処理して次々と損傷箇所を修復していった。

    【アリョーナ】
        「さきほどのナナより修復速度がさらに速いですね。」
        「リアルタイム処理をする生徒なんて初めて見たわ。」

    【オレーシャ】
        「この娘はシールドなんていらないんじゃないの ???」

    【アリョーナ】
        「ぃやぃやぃや、そういう問題では無いから。」
        「シールドより修復の方がパワーを使いますから。」

    【オレーシャ】
        「わかってるわよ。 冗談が通じないわね。」

    【ナナ】【セッちゃん】【ミーシャ】【ナターシャ】【ターニャ】
        「・・・」


    まぁそんな感じでのんきにナノメディックの講習が続いた時に、スクランブルアラートが鳴り響いた。

    【オレーシャ】
        「何!? このサイレン ?」

    【アリョーナ】
        「何でしょう ?」

    ナノリンクで連絡を受けた生徒会が動きはじめた。

    【ナナ】
        「また来たの ?」

    走り寄ってきたサッチたちにナナが声を掛けた。

    【サッチ】
        「ええ、警戒警報が出たわ」
        「国籍不明の輸送機が接近中と連絡よ。」
        「添下学園がアラート待機中のサンダーボルトにSC(※3)をだしたわ。」
        「私達にもバックアップの準待機命令が出ました。」

    【オレーシャ】
        「アラート待機って何よ。」
        「私達がココに通っていた時はそんなの無かったわよ。」

    【サダッチ】
        「シナ軍が頻繁に領空を侵犯してくるの。」
        「アトランティスが大使館を置いて、月と往来できる重力エレベーターの存在が明らかになった直後に領有権を主張しはじめて日本政府も対応に苦慮しているわ。」
        「この大和盆地は、太古の昔は倭国と言って、当時のシナと交易があったのですが、それを根拠に大和盆地の領有権を主張しているのです。」

    【アリョーナ】
        「昔、まだ沖縄が日本の領土の一部だった頃、尖閣諸島に頻繁に出入りたらしいわね。」
            「結果として琉球は独立してそのままシナに編入されてしまったけれど、当時と同じ方法で圧力をかけているのね。」

    【サッチ】
        「そういうことです。」

    【サダッチ】
        「戦闘機や偵察機が飛来した場合は、八尾や伊丹に駐留している空軍の戦闘機が迎撃に向かいますが、輸送機やヘリが侵入してきた場合は、相手は陸戦を出してくる可能性があるのです。」

    【サッチ】
        「陸戦を保有しているのは、我々帯締学園と添下学園しかなく、それで持ち回りでアラート待機についているのよ。」
        「今日は添下学園のサンダーボルトが出て、私達のハヤブサはバックアップとして待機するわけよ。」


    本日のバックアップ要員としてエントリーされていたおみくじとトミちゃんはサイレンと同時に反応し、パイロットスーツに着替え終えていた。


    どこの学校にもだいたい体育館の裏には、交通安全講習場、要するにミニチュア横断歩道が設置してあり交通安全を学ぶ為に活用されている。
    もちろん、当校にもそれはあり、屋内バトルフィールドの裏に設置されていた。
    が、ここでは実際には市街戦を想定したホンモノサイズの横断歩道と信号機などが設置されており、市街地での出会い頭遭遇戦を想定した訓練に使用されていた。
    この訓練場の横断歩道の中央は、半年ほど前に改装されており、地下格納庫から直接ブースターでハヤブサを打ち上げる為のコールドランチシステムが備えられていた。
    ここは校舎とも近く、SC待機の時でもこの射場から5分以内に打ち上げられる。

    もし、この射場が破壊された場合、もしくは大量発進を要する場合は、予備の発射場としてプールの中から打ち上げられることになる。

    他にも発進ルートは用意されてはいるが、格納庫から直接緊急発進できる射場はこの2箇所のみである。

    ハヤブサは現段階では、飛行能力は備わってはいないが、ブースターで打ち上げられ、空挺降下を行うことで陸路を走破するよりも迅速に目的地に展開する事が可能で、すでに機器のチェックを終えたハヤブサが交差点中央部に備えつけられ待機していた。


    【ナナ】
        「情勢は ?」

    【サッチ】
        「輸送機がもう一機、現れたそうよ。」
        「添下学園機は最初の1機目に向かったわ。」
        「帯締学園生徒会へ正式にバックアップ要請発令されましたっ!」

    【ナナ】
        「分かりました。」
        「生徒会からの出動要請を受理しました。」

    【ナナ】
        「池田【おみくじ】、島田【トミちゃん】両名に出動命令っ!!」

    ナナが言い終える前には、すでに二人は屋内バトルフィールドを飛び出していた。





        (※1)・・・首都防衛艦隊を意味する。
            アンドロメダ艦隊は、原則として企業利益で動く組織である以上、各企業本社がもっとも警備が厳重で最新の艦隊が配置されている。
            実質的にそれがその星系の防衛を担うこととなっている。
            莫大な費用を必要とする宇宙艦隊を擁している企業は、本社がある場所が首都となっている。
            建前として軍は各星系政府が共同で運用している形となっているため、便宜上は首都防衛艦隊と呼ばれているが、実態は本社防衛艦隊として機能している。

            首都防衛艦隊のみは、各企業が生産している装備で配備が統一されているが、それ以外の艦隊は企業が支払うアンドロメダ艦隊への予算の配分比率によって変わってくる。

            アンドロメダ艦隊がダイダロス艦隊と戦うために編成した艦隊は、各星系の政府が拠出して編成された艦隊である。 宇宙に進出を始めた文明は、まず企業から宇宙艦を購入する事から艦隊を編成していく。
            その際、活躍した企業の宇宙艦が売れ筋商品となる。
            なので、各企業は配下の様々な艦隊に軍人をアウトソーシングで派遣しており、彼らが活躍する事でえられる広告効果によって装備の売上促進につながる構図となっている。


        (※2)・・・枢機神
            アンドロメダ星系企業から派遣された役員によって構成される軍の意思決定機構。
            事実上の軍の最高機関であり、アンドロメダ星系内の各国政府の意思には従わず企業の利益の為だけに軍を動かしている。
            この機構は太陽系時間に換算して数万年続く対ダイダロス大戦以前からも存在しており、この機構の意思に逆らう星系は粛清され滅ぼされてしまい、かつてアンドロメダ星系に所属していたアトランティス帝国もこの機構の方針に逆らったために滅ぼされてしまった。

        (※3)・・・SC
            スクランブル
            大和盆地では添下学園と帯締学園が1週間のローテーションで、24時間アラート待機についている。
            アトランティス大使館が置かれているため、陸戦型戦闘機による空挺強襲に対してこの2つの学園が
            防衛の任に付いている。
            警報発報5分以内に、短距離ブースターにより打ち上げられ、最短コースで侵入者の迎撃に向かうチームと30分待機と呼ぶ、バックアップによる2段構えで事態に対処している。
            どちらか1校が、5分待機、どちらかがバックアップとして30分待機となる。
            また警戒レベルによって4時間待機と8時間待機というものもあり、ハンガー(格納庫)が攻撃を受ける事を想定して、キャリアで陸戦を分散配置して待機させる事もある。

 


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    【1-5- *】 END
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    ■なのましんは錬金術ぢゃない!!
    登場人物
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    ●帯締学園
    【ミーシャ】
    【ナターシャ
    【ターニャ】
    【サッチ】
    【サダッチ】
    【ナナ】
    【まっちゃん】
    【セッちゃん】
    【東郷】
    【ノブちゃん】
    【さえ】
    【おみくじ】
    【バネット】
    【レオンハルト
    【アジェリーナ】
    【ケンジ】
    【アントン】
    【マナブ】
    【コンブ】
    【トミちゃん】
    【トルシナ】
    【マギナ】
    【シャルロット】
    【フランシーヌ】
    【加藤良子】
    【アルフォンス】
    【マリ】
    【アーネスト】
    【コリンズ】
    【アリョーナ】
    【オレーシャ】

    ●添下学園
    【添下学園:本木】
    【添下学園:山下】

    ●統一朝鮮
    【工作員A】
    【工作員B】
    【統一朝鮮大統領】
    【統一朝鮮大統領秘書】


    ●アンドロメダ群体(艦隊)のみなさん
    【アンドロメダ群体 第20216方面群体(首都防衛群体) 司令】
    【対リヴァイアント防衛群体 司令】
    【対ダイダロス攻略群体 司令】
    【統括情報部 将校】

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