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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-3-2】基本をまなぶ

基本をまなぶ

【1-3-2】
    高居病院の一室

    その怒鳴り声は病室の外の廊下にまで響いていた。
    【ナナ】
        「あなたはね!! 自分がやったことの重大さが理解できているの?」

   
    【シャルロット】
        「ごめんなさぁい・・・・」
        「こんなことになるなんて思ってなかったぁーーー。」

    【フランシーヌ】
        「まさか パラシュートが開かなくなるなんて思わなかったし・・・」

    【ナナ】
        「あのねぇ、パラシュートを開くタイミングを変更するというのは、一歩間違えると開かなくなって、地面に落ちることを意味するのよっ!!」
        「あなたたちは殺人を企てたのと同じなのよ。」
    【なるみ】
        「大変申し訳なく思っています・・・。」
    【もっちゃん】
        「上級生の私に責任があります、この子たちを監督できなかったミスは罰だけでは済まないと反省しており、しかるべき処分を覚悟いたします。」

    【サッチ】
        「若林さん、ここは生徒会に処分を任せてもらえないかしら」
        「2組の生徒も含まれていますのでクラス委員の判断できる範疇を超えているわ」
        「司法警察(※1)も介入してくるでしょうから学校全体の問題となるでしょう」

    【ナナ】
        「たしかに、そうね」
        「わかったわ、処分を一任するわ」

    【東郷】
        「別にいいんぢゃね?」

    【ナナ】
        「そういうわけにはいきませんっ!!」
        「ぇっ!?」

    【サッチ】
        「ぁ、生き返りましたね・・・」

    【ナナ】
        「あら、ほんと」

    【東郷】
        「ぇ、!?」
        「なんか感動が薄いんだけど・・・。」
        「ここは、"先生っ生きててよかったぁ!!" って抱きついてくるシーンのはずなのだが・・・」

    【ナナ】
        「川でなくグラウンドに落ちればよかったのに!」

    【サッチ】
        それは確実に死ぬわ。
    ・・・と思った。

    【東郷】
        「ん!?」

    【もっちゃん】
        「せんせい、今回は多大なご迷惑をおかけして大変申し訳なく・・・」

    【東郷】
        「いいよ」
        「別にあれは単なる事故で、誰の責任でもないさ」
        「君が謝罪する必要などどこにもないさ」

    【フランシーヌ】
        「しかし、先生のパラシュートに仕掛けを入れたのは私なの。」

    【シャルロット】
        「すこし開くタイミングを遅くしようとしただけなのに、こんなことになるとは思わなくて・・・」

    【フランシーヌ】【シャルロット】【なるみ】
        「ごめんなさい!!」

    泣きながら謝罪する姿に耐えられなかったのは東郷のほうだった。
    【東郷】
        「もういいよ」
        「私はちゃんと生きてるし」
        「ほら、よく考えてごらんよ」
        「たとえパラシュートが開いたとしても、どのみち高度が足りずに地面に刺さってたさ。」
        「パラシュートが中途半端に開いたところで、川に落ちるとは限らないし。」
        「むしろ、開かなかった方がラッキーだったかもしれないでしょ」

    【フランシーヌ】【シャルロット】【なるみ】
        「そんな・・・」

    【サッチ】
        「しかし、先生!」
        「それだと、他の生徒にしめしがつきません」
        「今回のケースはたまたま軽い怪我ですんだものの一歩間違えれば命を落とす危険な行為です」
        「厳重に処分しなければ!」

    【東郷】
        「私の機体に細工がされた事は他の生徒には?」

    【ナナ】
        「まだ公表されていません。」
        「知っているのは、ここにいる者と、学園内の教官だけです。」

    【東郷】
        「じゃ、このままでいいじゃない?」

    【ナナ】
        「ぇ!?」
        「意味がよくわかりませんが・・・。」

    【東郷】
        「このまま無かったことにすれば。」

    【サッチ】
        「しかし、先生!」
        「やはり、したことの重大さを考えると・・・」

    突然眼球が鋭くなり、一言
    【東郷】
        「しつこいぞ」
        「お前はそんなにクラスメイトを刑務所送りにしたいのか?」

    【サッチ】
        「ぃいえ、けっしてそういうつもりでは・・・。

    【東郷】
        「だろ?」
        「だったらいいじゃん。」
        「結果として全員が無事だった。」
        「それをみんなで素直に喜ぼうや」
    いつもの間の抜けた顔に戻った。

    【サッチ】
        「・・・わかりました」

    【東郷】
        「君は?」

    【ナナ】
        「えぇ・・・先生がそれでいいとおっしゃるのなら、問題ありませんわ」
        「この問題はここだけの話としましょう」

    【東郷】
        「感謝するよ」

    【ナナ】
        「ぃぇ。」

    【東郷】
        「ほら、君たちもいつまでも泣いてないでっ」
        「せっかくの美人が台無しじゃないかぁ!」

    【フランシーヌ】【シャルロット】【なるみ】
        「ぁ、はい、すいません。
    少し、落ち着いたようだった。


    【東郷】
        「ぁ、そういえば、あの翼・・・」

    【もっちゃん】
        「すいません。」
        「あの翼の扱い・・・どのようにすれば・・・。」
        「脳内ストレージからアンインストールできないようなんですよ。」

    【東郷】
        「やるよ」

    【もっちゃん】
        「ぇっ!?」

    【東郷】
        「あれは、私がまだ若いときに面白半分で作ったものなのだが、ナノマシンで翼を作るのはふざけるにも度がすぎると思って封印したんだ。」
        「今となって考えれば、もっとふざけたアプリが出回ってるから、もういいや。」
        「だから、その翼は君のものだ」

    【東郷】
        「ただし条件がある」

    【もっちゃん】
        「なんでしょう?」

    【東郷】
        「完璧に使いこなすこと」
        「今は滑空しかできなくても、そのうち自由に飛べるようになるはず」
        「福田君に言っておくから、飛行データは残しておくように」
        「飛行方法が確立できれば順次一般生徒たちにもフィードバックさせなさい。」

    【もっちゃん】
        「判りました」



    【東郷】
        「さてと・・・」
        「あれ?

    【ナナ】
        「どうされました?」

    【東郷】
        「ぉ、起き上がれない・・・」

    【ナナ】
        「先生、あなた重症なのよ」

    【サッチ】
        「そうですよ」
        「左腕と、肋骨4本が骨折」
        「内臓にも損傷を受けているらしいわ」

    【ナナ】
        「隼のシールドを緩衝材に使い、その上、あの狭い範囲にもかかわらず地面ではなくて河に落ちた。」
        「呆れた人ですこと。」

    【サッチ】
        「2か月は退院できないらしいわ。」

    【東郷】
        「2か月かぁ・・・」

    【ナナ】
        「ナースに手をだしたらダメですからねっ!」

    【東郷】
        「何の話だっ!!」



    (※1)司法警察・・・アトランティス帝国の警察組織は本国が崩壊したために、

                        警察機構も失われてしまった。
                        しかし艦隊には、警察と同等の捜査権を持つ組織が編成れており、軍と言う特殊事情
                        に埋もれた犯罪を法に基づき捜査し事件の解決をはかっている。
  

 

帯締学園の校門前

    高居病院と学園とはそんなに遠くはなく、ナナやサッチたちは歩いて学園まで戻ってきた。

    【ナナ】
        「ぁ、」

    【サッチ】
        「どしたの?」

    【ナナ】
        「先生に救急搬送要請で支払った救急車の代金を請求しなきゃ。」
        「建て替えたのよ。」

    【サッチ】
        「そんなに高くはないんでしょ?」

    【ナナ】
        「1000円取られた」

    【サッチ】
        「高っ!!」
        「救急車ってそんなに高かったかしら???」

    【ナナ】
        「んーーー・・・。」
        「少し高く設定しないと、昔救急車をタクシー代わりに利用して問題となったことがあるらしいわ。」
    【ナナ】
        「搬送先の病院で緊急性が認められると、診断書が発行されるからそれを役所に提出すると、全額返ってくるよ。」
        「でも、面倒なので手続きしない人も多いらしいわ。」

    【サッチ】
        「緊急搬送されても、受け入れ病院がなくて手遅れで亡くなられたりすれば、その1000円って意味ない気がするなぁ。」

    【ナナ】
        「緊急搬送の患者を受け入れた病院は、その患者に対する診療報酬が2倍に設定されているので、基本的に受け入れ拒否はないわ」
        「急患の受け入れはオイシイので、どの救急指定病院でも、ある一定数の急患用のベッドスペースは確保されてるわ。」

    【サッチ】
        「病室はいつも満室にならない?」

    【ナナ】
        「骨折等、常時病院にいなくても大丈夫な患者の診療報酬がかなり低く設定されているから、そのような患者は基本的に自宅療養となるわ。」
        「先生も、すぐに寮に戻ってくるわよ。」

    そこへサダッチが走って駆け寄ってきた。


    【サダッチ】
        「森下さんのお母様がお見えになられてますの」

    【もっちゃん】
        「母が ???」

    【サダッチ】
        「ええ」
        「どうやら、あなたを危険な目に遭わせた、そのクレームに来たようですわ。」

    【サッチ】
        「すぐに行きますわ」


    【シャルロット】
        「ぁ、あれはフランス大使の公用車だわ。」

    【フランシーヌ】
        「私のほうもエアースペシャル社極東支店のお車が来ているみたいだわ。」
        「私達も急ぎましょう。」

    【ナナ】
        「なんだか面倒な事になりそうな気配がしますわね。」

    【もっちゃん】
        「とにかく急ぎましょう」

    【シャルロット】【フランシーヌ】
        「はいっ」


    帯締学園の学長室
    学長室では、学長を前にPTA会長である森下さんの母と、PTA副会長の井上さんの母、そして、偉大なフランス大統領家系で外交官であるシャルロットさんの父に、フランスの航空機メーカー、エアースペシャル社のCEOであるフランシーヌさんの父と言う顔ぶれだ・・・。

    【森下さん母】
        「まずは、この際、学園からは正式な謝罪と原因究明、そして再発防止策を求めます。」
        「その上で、東郷教官の懲戒を求めるのが私達PTAからの要求となります。」

    【桂昌院蘭:帯締学園の学長】
        「少し、落ち着いて、冷静になって話しあいましょう。」
        「今回の事故に関して、まだ調査中と言うこともあり早急に結論を出すのはまだ早いかと思うのです。」

    【井上さん母】
        「調査中と言いましても、ほぼ原因は特定されているのでしょ?」
        「時間を稼いで情報を隠蔽しようとしているのではないのかしら?」

    【桂昌院蘭】
        「そんなことはありません。」
        「ただ、とてもデリケートな問題も絡んでまして、安易には公開できない部分もありまして・・・。」

    【森下さん母】
        「やはり、何か情報を隠そうとしているのではないのかしら?」
        「こちらのご家族は、大政治家の家系と大手航空機メーカーの家系で対応を誤れば外交問題にもなりますわよ。」
        「そこをご理解いただいてらっしゃるのかしら?」

    【桂昌院蘭】
        「・・・」

    【井上さん母】
        「何か都合の悪いことでもあるのかしら?」

    【桂昌院蘭:帯締学園の学長】
        「ぁの・・・」
        「大変、申し上げにくい事なのですが・・・。」

    【森下さん母】
        「内容によっては貴女にも責任をとっていただきますわよ。 学園長。」

    【桂昌院蘭】
        「ぇえ・・・」

    【桂昌院蘭】
        「その今回の事故に関しまして」
        「森下さんの事故が発生した訓練といいますのは、この学園だけでなく、添下学園でも行われている通常の訓練でして、特別今回だけ何か変わった事をしたわけでも御座いません。」
        「ただ、今回は訓練を開始する高度での大気の状態が不安定だった為に、輸送機の飛行が突発的に乱れ、輸送機と陸戦とを接続している器具に過度な負荷がかかり損壊しました。」
        「もともと陸戦を輸送機を拘束する器具が破壊される事は想定されていませんでしたので、陸戦がパラシュートを展開可能な状態である事を知る手段がなく、」
        「パラシュートを開くことが出来なかった・・・と言うことです。」
        「この事から、パラシュートを強制的に展開可能なロジックを陸戦に仕込む仕様を検討中です。」
        「このパラシュートシステムは、添下学園の雷電にも搭載されており、同じ改修が必要となるでしょう。」

    【井上さん母】
        「しかし、東郷教官の処分はどうなさるおつもりですかっ!」

    【桂昌院蘭】
        「その件につきましては、当学園としては特に処分は考えておりません。」

    【井上さん母】
        「どうしてですか?」
        「森下さんのお嬢様は、今回の事故で危うく亡くなられるところだったのですよ。」
        「東郷教官、本人の謝罪もまだですし。」
        「責任をとるのが常識だと思うのですがっ!!」

    【桂昌院蘭】
        「現在、東郷教官は入院中につき・・・。」

    【シャルロットさん父】
        「聞くところによると、私達の娘3人で森下嬢を救出しようとしたのを断ったそうじゃないか。」
        「一人で無茶して救出できる可能性があるのならともかくとして、大勢で救出しようとしなかったのは何故かね?」

    【桂昌院蘭】
        「訓練内容については軍の機密なので本来は公開は出来ませんが、ご家族のご関係者と言うことですので、特別に私の権限で記録をお見せいたしましょう。」
        「今からお見せする内容については、アトランティスと地球との協定に基づき、もし他言された場合は、あなた方がどのような立場の関係者であったとしても・・・、」
        「身柄は拘束され処罰されます。」
        「よろしいですか ?」


    詰めかけた保護者は無言で頷いた。

    【桂昌院蘭】
        「判りました。」

    室内の照明がおとされ、巨大スクリーンに記録画像が再生され始めた。
    【桂昌院蘭】
        「発進作業を監視していたクラス委員の報告で東郷教官は初めて事態の発生を知ることとなりますが」
        「それが深刻な状態である事をひと目で認識し、輸送機から脱落する前からすでに彼女を救出すべく行動に入っています。」
        「自分の危険を顧みず通常の発進シーケンスをすべて省略して空中に飛び出して行きました。」

    【フランシーヌさん父】
        「発進シーケンスを全部省略するとは危険極まりない。」
        「大事故につながったらどうするつもりだったのかね?」

    【桂昌院蘭】
        「お父さん、貴殿は大手航空機メーカーのCEOでらっしゃるので、発進シーケンスの重要性はよくご存知ですよね ?」

    【フランシーヌさん父】
        「無論だっ!」

    【桂昌院蘭】
        「東郷教官は、その重要なシーケンスを省略してまで現場に急行しています。」
        「それほど切羽詰まった状況だったと言うことです。」
        「森下さんを救出するのに一刻の猶予も無かった。」

    動画がさらに再生され、3名を森下機から引き離す場面が流れた。
    【桂昌院蘭】
        「4人で救出を試みた場合、非常に高い確率でお互いのパラシュートが絡んでしまいます。」
        「2次被害を防止するために救出を担当する人数を東郷教官1名のみにした判断は正しいでしょう。」

    【井上さん母】
        「しかし1名になったからと言って、森下さんのお嬢さんを助けられる保証はなかった訳でしょう!」

    【桂昌院蘭】
        「そのとおりです。」

    【桂昌院蘭】
        「この場面を見てください。」

    東郷教官が艦隊ネットワークに入ってアプリをダウンロードするところが再生されてゆく。
    セキュリティの関係からパスコードはマスクされているが、ログイン成功した時に表示された
    メッセージに親たちの目が釘付けになった・・・。

        "認証コードを確認しました。"
        "ようこそ、「Admiral Tougou」 奥へお進みください"

    【井上さん母】
        「この名前は・・・。」

    学園長が制止した。
    【桂昌院蘭】
        「これ以上、口に出さないでください。」
        「この名前は重大な機密事項となっています。」

    【桂昌院蘭】
        「そして、この音声通話を聞いてください。」
        「これはプライベート回線なので、普段は外部から傍受できないようになっていますが、ミッションレコーダーの記録を再生したものです」

    画像のない音声だけの記録が室内に流れる。

    【フランシーヌさん父】
        「な、なんてことだ・・・」

    4人が東郷教官を追い出す作戦についての会話が流れていた。

    【井上さん母】
        「何かの冗談でしょう?」

    【桂昌院蘭】
        「いいえ、これはすべて事実です。」
        「後に4名に事情聴取を行い、東郷教官のパラシュートシステムに細工した事を認めました。」
        「おそらく司法警察が動くことになり、しかるべき処罰を受けることになると思います」


    少し動揺しているようだ。
    【シャルロットさん父】
        「・・・こ、この事は」


    【桂昌院蘭】
        「まだ学園内の教官しか知りません。」
        「現在、緘口令を敷いています。」


    内線の呼び出し音がなり、学長が対応に出る。
    外線がかかってきたようだった。
    【桂昌院蘭】
        「あら、起きて大丈夫なのですか?」
        「具合はどうですか?」

    【桂昌院蘭】
        「そうですか・・・。」
        「今、こちらに家族の方がお見えになっておられまして・・・。」

    【桂昌院蘭】
        「ぇっ!?」
        「いいのですか?」
        「しかし、これは事件として扱われる重大な事案ですよ。」

    そこへ、もっちゃんたちが飛び込んできた。
    【もっちゃん】
        「お母さんっ!!」

    【森下さん母】
        「信子っ!!」
        「今、学長から聞いたわ。」
        「東郷教官の機体に細工したのは本当なの?」

    【もっちゃん】
        「・・・」
        「ぇ、ええ本当よ・・・。」

    【森下さん母】
        「なんて事したのよっ!」

    【シャルロット】
        「ごめんなさいっ!!」
        「本当は私が悪いのっ!」
        「もっちゃんは悪く無いわっ!」

    【シャルロットさん父】
        「シャルロット、お前は一族の名に傷をつける気かっ!!」

    【シャルロット】
        「・・・」

    学長が電話を終えた。
    【桂昌院蘭】
        「あら、戻ってきてたの?」
        「ちょうど良かったわ。」
        「今、病院の東郷教官から電話があったところよ。」

    【桂昌院蘭】
        「今回の件に関して、問題としない方向でお願いします・・・との事をお願いされたわ。」

    【サッチ】
        「私達も先ほど教官をお見舞いに伺い、その際に、この件は無かったことにするようにと・・・。」

    【桂昌院蘭】
        「あの人らしいと言えば、らしいんですが・・・。」

    【桂昌院蘭】
        「ふぅ・・・。」

    【桂昌院蘭】
        「さて、東郷教官の強い要望もあることですし、この件についてはこれ以上大きくしないで、無かったことにしようと思うのですが・・・」
        「如何なさいますか?」
        「先ほどお見せした記録に関して他言さえしなければ、ご家族の方も、そちらの生徒さんも、今後一切何もありません。」

    4人の保護者は、黙って頷くしかなかった・・・。

    【桂昌院蘭】
        「これで一件落着ね」
        「あなた達も、明日からも今までどおり勉学に励んでください。」
        「さっ、帰っていいわよ。」

    【ナナ】
        「ふぅ」
        「一時はどうなることかと思いましたわ。」

    【サッチ】
        「さすがに、遅くなったので寮に戻りましょう。」

    【サダッチ】
        「りょうかーい♪」

    【サダッチ】
        「そう言えば先生、いつ退院できるの?」

    【ナナ】
        「きっと、すぐに病院を叩きだされてくると思うわっ!」

    【サダッチ】
        「???」

    ナノリンクでこっそりと、
    【サッチ】
        骨折とかは自宅療養だからすぐに退院できると思うわ。
        一番喜んでるのは、ナナね。

    【サダッチ】
        ああ、なるほどねっ!

    【ナナ】
        「何か、コソコソしてない ?」

    【サッチ】【サダッチ】
        「べっ、別にっ!!」

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