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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-2-4】不良娘の悪だくみ

不良娘の悪だくみ

【1-2-4】
    寮に戻ってきた。
    職員会議が長引いて遅めの帰宅となった・・・。

    【東郷】
        「ただいまぁ。」

    シーン
    ・・・として返事がない。

    【東郷】
        もう寝たか?

    居間の電気がついてるようだった?
    【東郷】
        消し忘れたのか?

    【東郷】
        「ぅおっ!!!」
    全員が居間にいた。」

    【東郷】
        「びっくりするし。」
        「どうしたの?全員集まって真剣な顔して?」
        私が何かしたのか?
        ぃやぃやぃや、思い当たるフシはまったくないっ!!
        断言してもいい。

    【ナナ】
        「せんせいも、そこに座ってくれるかしら」

    【東郷】
        「ぁ、ハイ? なんでしょう?」
        なんだこの重たい空気は?

    【ナナ】
        「今日はこの3姉妹のお風呂に入れてあげたの」

    【東郷】
        「はぁ」

    【ナナ】
        「そしたら、この子達、お風呂で粗相したのよっ!!」
        「叱っても3人そろって私は悪くないっていうのよ。」
        「どんなシツケをされているのかしら?」

    【東郷】
        「粗相ってなにしたの?」

    口にするのが恥ずかしいのか、言葉を選んで・・・。
    【ナナ】
        「そ・・・その、ぉ、オトイレよっ・・・」

    【東郷】
        「まぁ、相手は子供なんだから、そう目くじらたてなくても・・・。」

    【ナナ】
        「そうはいきませんわ」
        「シツケはキチっとしておかないと、軍隊という団体行動においては統率が乱れる原因となりますわ」

    【ナナ】
        「それなのに、サッチやほかの先輩たちも注意してくれないのよ。」

    【東郷】
        「ミーシャはどうしてお風呂場でおトイレしちゃったのかな?」
        「どうしても我慢できなかったのかな?」

    【ミーシャ】
        「私わるくないもん。」
        「みんなしているもん」

    【東郷】
        「んんん・・・ごめんね。」
        「みんなしているもん・・・の意味がよくわからなかったんだけれど」

    【ミーシャ】
        「だって、みんなしてるもんっ!!」

    【ナナ】
        「そんなワケないでしょ」
        「私は嘘つかれるのはキライなのよ」

    【東郷】
        「まぁまぁ、子供相手にそこまで言わなくても。」

    【東郷】
        「ふぅ・・・」
        みんなってのが気になるなぁ・・・。

    【東郷】
        「ああ、ちょっとみなさん、注目ぅぅぅ!!」
        「念のためにみなさんに確認したいのだけれど・・・」

    慎重に一呼吸をおいて、

    【東郷】
        「この中でお風呂でおトイレ派の人は手を挙げてくださいぁい」

    【ナナ】
        「なによ、そのおトイレ派っていう意味不明な質問はっ???」

    ナナ以外の全員が、ちょっとうつむき加減に赤面しながら小さく手を挙げた。

    【ナナ】
        「ぇっ!? ちょっとまってよ、何全員が手を挙げるのよ?」
        「意味わからないわ」
        「ぃえ、私が意味が分からないではなく、あななたち・・・質問の意味を理解している???」

    【セッちゃん】
        「ホラだって、お風呂に入るとおトイレ近くなるでしょ?」
        「わざわざ体拭いておトイレ駆け込むより、おふろばでシた方がてっとり早いというか・・・。」
        「どうせ水が流れているから汚くならないし・・・。

    【サッチ】
        「そうよ、わざわざ、おトイレいくのは大変ですわよねぇ」

    【サダッチ】
        「そもそも、お風呂場でオシッコしちゃダメって教えられなかったよ。」

    【ノブちゃん】
        「アトランティス人ってそれがフツーだよねぇ」

    【ナナ】
        「あなたは日本人でしょっ!」
        「っていうか、先生!アナタもですかっ!!

    【東郷】
        「まぁ、私は別にトイレが近くなるってわけではないのだが・・・」
    【ノブちゃん】【東郷】
        「なんか、開放的な気分が味わえるんですよねぇ♪」

    【ナナ】
        「どんな性癖しているのですか!」
        「アナタたちは揃って変態ですかっ!!」

    【東郷】
        「まぁ、ここは圧倒的な多数派だから、今のままでいいんぢゃないの?」

    【ナナ】
        「先生、アナタは違うでしょ!!」

    【サッチ】
        「よかったわね。 あなたたちは無罪よ。」

    【ミーシャ】【ナターシャ】【ターニャ】
        「うんっ!!」
    笑顔になった。


    【ナナ】
        「ぅぅ、ちょっとカルチャーショックを受けたわ・・・。」
        「文化の違いならどうしようもないのか・・・。」

        「ああ、頭が痛くなってきたわ。 今日はもう寝る。」

   
    【東郷】【サッチ】【サダッチ】【セッちゃん】【ノブちゃん】【ミーシャ】【ナターシャ】【ターニャ】
        「おやすみなさぁい♪」

    お風呂派同盟のみなさんに見送られて居間を出ていくナナだった・・・。

    【セッちゃん】
        「そういえば、先生、夕食はまだでしたでしょ?」

    【東郷】
        「ああ、そうだった」
        「すっかり忘れていたよ」

    【サダッチ】
        「あら、私たちがお風呂でおトイレするところを順番に想像しているのね?」
    【サッチ】
        「恥ずかしいからやめてくださいっ!」

    【セッちゃん】
        「はい、今夜は麻婆豆腐よ」

    【東郷】
        「それはいいねぇ」

    【東郷】
        「おいしそうぢゃないか」
        「いただきまぁすぅ♪」

    【東郷】
        「んんんーーーん、いい感じの辛さだねぇ。」
        「やっぱセッちゃんはお料理が上手だね。」
        「いいお嫁さんになれるよっ」

    【セッちゃん】
        「あら、ありがとう、私もたくさん食べてくれる人は好きよ♪」

    【東郷】
        「ん!?」
        「どしたのターニャ??? 何を見ているの?」

    【ナターシャ】
        「ターニャは、さっき食べたでしょっ!」

    【東郷】
        「ぁ、麻婆を狙っているのね・・・。」

    【ターニャ】
        ・・・

    【東郷】
        嗚呼、こっちみてるよ。

    【ターニャ】
        ・・・

    【東郷】
        まだ、こっちみてるよ。

    【ナターシャ】
        ・・・

    【東郷】
        おねがいだから、そんな目で見ないでぇぇぇぇぇ!!

    【東郷】
        「わかったよ、ひとくちお食べ。」

    【セッちゃん】
        「先生っダメぇぇぇぇっ!!!!!」
    セッちゃんが大慌てでとんできた。

    スプーンですくって、一口食べさせてあげた。

    【セッちゃん】
        遅かった・・・

    【ターニャ】
        ・・・
    モグモグモグ、モグモグモグ・・・

    【ターニャ】
        ・・・・・・・・・・・・・・・。

    【ターニャ】
        「★§@♂●@♀★ーーーーーーっ!!!」

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挿絵提供 笹倉先生 【2019/04/15 挿絵追加】

 

 
    【東郷】
        「セッちゃん大急ぎで水水水っ!!!」

    大急ぎでコップにいっぱいの水をもってきてくれた。
    【セッちゃん】
        「はぃ、もってきたわよ」

    【東郷】
        「ぁ、ありがとう」

    涙目になって辛さに耐えるターニャに水を飲ませた。

    【ミーシャ】
        「ふん、いじきたないことするからよ。」

    【セッちゃん】
        「ごめんね。 ちょっと辛かったわね。」
        「夕食のときは、3姉妹用には辛さを控えめにした子供用のを別に作っていたのよ。」
        「ほんとうにごめんね。」

    【東郷】
        「セッちゃんが謝るもんではないよ。」
        「私の不注意だった。 ゴメンっ!!」

    こうして、今日も騒々しい一日が過ぎて行った。


    シャワーしてから部屋に戻り、眠る前に一仕事をしなければならなかった。
    重工学部が提出してきた課題管理票のチェックが必要だった。

    【東郷】
        鬼44式 二式陸戦型戦闘鬼かぁ・・・。

    鬼44式 二式陸戦型戦闘鬼、通称:鍾馗
    重工学部にてもともと有人機として開発されたが無人機での運用も可能だ。
    月面アトランティス要塞で無人警備用に採用された。
    しかし、完全無人運用は初のケースであったために、ちょくちょく不具合をだしており、その対策が随時行われている。

    優先度の高い不具合が報告されてきたのだが、重工学部の部員が別の案件に総動員されており、鍾馗の問題解決に
    人員が割けない状態となっていた。
    で、しかたなく私が生徒たちに代わってコッソリと修正できるのかを確認してるって訳だ。

    【東郷】
        「ぅーーーん。」
        ブラックマイン(※1)に記載されている報告書によると有線モードから無線モードに切り替わるタイミングで、パワーがダウンして活動が停止する・・・と書いてあるなぁ・・・。

    とりあえず、トータルMainversion(※2)で最新のソースをサーバーからダウンロードしてエミュレーター(※3)でデバッグ(※4)してみる。


    【東郷】
        「ん?」
        機体が有線モードが解除されるタイミングで発生するイベント(※5)とは何だろう ???


    【東郷】
        「ぁっ」
        すこし思い当たる箇所があるかも・・・。

    デバッガ(※6)で、有線が断線した場合に発生するイベントにブレーク(※7)を仕掛けてみると、有線モードからバッテリー移行モードに切り替わる際、有線モードのスレッド(※8)が終了する前に、バッテリーモードが起動してしまっており、電力管理スレッドが2重起動状態になってしまっていた。
    有線モードから起動された電力管理スレッドとバッテリーモードから起動される電力管理スレッドは同じプログラムだが、同時に動くことなんて考慮して設計されていないので、ここで処理が固まることが予想された。
    ・・・というか、間違いなくここだろう・・・。
    こういう、再現性の困難な不具合をバグと言うんだ。

    さくっと対策を組み込んだ。
    とりあえず、トータルMainversionで他の派生プロジェクト(※9)に影響がないかチェックしたうえで、リリース(※10)することにした。

    【東郷】
        「とりあえず・・・誰にしようかな?」
        自分の名前でリリースノートを書くのは嫌だったので、勝手に "まっちゃん" 名義でリリースしてやった。



            ※1 ブラックマイン・・・プロジェクト管理システムの名称で、開発状況の進捗状況や、不具合報告やその対策した結果などを記録するシステム
            ※2 トータルMainversion・・・プロジェクトのバージョン管理システムの名称で、一般的にブラックマインと連携して使用する。
                    プログラムはサーバーで管理されている。
            ※3 エミュレーター・・・プログラムの動作できる環境を仮想的に実現するシステム。
            ※4 デバッグ・・・バグをやっつける意味でつかわれている。
                バグとは、探してもなかなか見つからない不具合の事を差し、葉の裏に潜む虫(Bug)が呼び方の由来とされる。
                簡単に見つかる不具合はバグとは呼ばず、単にコーディングミス(プログラムを作った際のチョンボとか)と呼び、バグとは明確に区別されている。
                たいていの場合、発見した不具合をバグとして扱うかコーディングミスとして扱うかにより、エンジニアの腕前が判ってしまう。
                要するに、ちょっとした不具合でも、バグバグと連呼している人は、たいていはペーペーのエンジニアと断言しても差し支えない。
            ※5 イベント・・・プログラムの動作中にあるきっかけで割り込み処理がはいること。
            ※6 デバッガ・・・プロジェクトの実行状態を追跡できるシステム、プログラムがその時点でどのような動きをしているか把握する事ができる。
            ※7 ブレーク・・・プログラムを一旦停止させたい場所につける目印みたいなもの。 この目印に差し掛かるとプログラムは止まってくれる。
            ※8 スレッド・・・プログラム本体から呼ばれる処理で、プログラム本体とは独立して別行動で動作する。
            ※9 派生プロジェクト・・・開発しているある段階で、同じプログラムを使って、別の新しいシステムを作っちゃう・・・的な感じ。
                    なので、基にしているプログラムで不具合が出たり修正したりすると、他にも影響が出る可能性がでてくる。
                    あるいは、今のシステムの基となっているプログラムも同じ問題を抱えている可能性があったりする。
            ※10 リリース・・・作成したプログラムや修正したプログラムを正式にシステム全体の構成部品として組み込まれることを意味する。
                    リリースす時には、リリースした担当者の氏名や、リリースした目的等、メモを残すのが流儀(リリースノートと呼ばれる)。

 

 

 

 

 

 

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