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アトランティスの亡霊

Ghost of Atlantis

【1-8-2】日本軍参戦

日本軍参戦

【1-8-2】


    日本空軍にチャーターしたC3輸送機で硫黄島宇宙港を出発してから数時間、太平洋 2万m上空の紺碧の中にその物体が浮かんでいた。

    遥か下には白い雲海が広がっている。

    AS16・・・戦域監視飛行船と呼ばれるこの半硬式飛行船は地球人独自の技術で建造した中では比較的大きな部類に属する航空機で、ステルス機を補足可能なフェーズドアレイレーダーを装備している。

    旧航空自衛隊対馬緊迫化にともなって整備を計画した機体だった。
    結果として対馬戦争には間に合わなかったものの、当時の戦訓を可能な限り取り入れ、人類としては最先端の装備が施されている。

    戦後日本の経済は疲弊し、AS16の建造計画は中止の危機に見舞われたが、
    アトランティス大使館(当学園)防衛への利用を条件にアトランティス帝国から開発予算が提供され、複数の機体がロールアウトしている。


    そのAS16は、C3が硫黄島を発する前、つまり格納庫から出てきた瞬間には既にコンピュータによって追跡を開始しており警戒体制を敷いていた。

    距離が50Kmを切った時に、C3は事前に決められていた信号をAS16へ送信して、味方機である事を通知した。
    これにより、AS16は 30分だけ、当該の機体のみ警戒対象から外される。
    これをやらないと、20Km以内にまで接近するとAS16が鉄壁を誇る自動迎撃システムのお出迎えを受けることになる。

    C3はカタログ限界の16000mを超える高度を飛行しているが、あのAS16はまだはるか上空を悠々と遊弋していた。
    通常、AS16は15000mを運行高度に設定されているが、この日は進路上に発達した積乱雲が展開しており、避難的に高度を上げていた。

    光学迷彩を解除したその飛行物体は、空飛ぶ巨大な白鯨と形容するには十分な美しい光景だった。


    酸素の薄い高度を飛行するC3は与圧を保っていたが、訓練生たちは、念の為に高高度用酸素マスクを装着をしていた。

    【ナナ】(,,゚Д゚)
        「思っているより大きいのね・・・。」

    【なるみ】ヽ(`д´;)ノ
        「管理している生徒会はともかくとして・・・なんで、あんたまでついてくんのよっ」

    【ナナ】(*゚∀゚)
        「当然じゃないのよ、私は貴女のクラスのクラス委員長よ。」

    【アン】m(_ _)m
        「すまない・・・2組の案件なのについてきてもらって。」

    【ナナ】(^_-)-☆
        「いいのよ。 気にしないで。」

    【まっちゃん】(*゚∀゚)
        「しかし、さすがに大きいですね。」

    【レイチェル】
        「まっちゃんは、まだあの艦を見たことはないのですか ?」

    【まっちゃん】(TдT)
        「私も身分的にはペーペーですからねぇ。」
        「この世には重工学部の副部長の私にも、めったに触れられない機密情報というものがあるのよ。」
        「だから、大喜びでついて来たんですけどね♪」

    【なるみ】(-_-;)
        「ここからは砲は見えないのね」

    【まっちゃん】(^_^)
        「資料によるとステルス性能を維持するために普段は格納されているようですね。」


    サッチが、サダッチと共に、前方のコクピットの方へ向かった。

    【ジョージ】
        「委員長、どちらへ ?」

    【サダッチ】(>_<)
        いてっ!!

    サダッチは不意に尋ねられ、振り返った瞬間に低いドアのてっぺんに頭をぶつけながら答えた。
    【サダッチ】
        「着艦申請を出しに行くのよ」
        「アレを送信して許可を貰っておかないと、フネの中に入れないわよ。」
        「そして30分が経過した時に私たちは敵対行動とみなされ落とされるってワケよ。」

    【ジョージ】(-_-;)
        「ぁ、そぅ・・・面倒なんですね・・・。」



    C3はしばらくAS16から離れた場所を旋回していたが、やがて徐々に高度を上げていくのを感じた。

    【ジョージ】
        「高度が上がってますね。」

    【サダッチ】
        「着艦が受理されたのよ。」

    コクピットからサッチたちが戻ってきた。

    【サッチ】
        「さぁ、シートベルトを確認するのよ。」
        「もうすぐ着艦態勢に入るわ。」

    AS16の周囲を旋回しつつ徐々に高度を上げていくC3からは、AS16の上部甲板に敷き詰められた太陽光パネルがスライドして飛行甲板が現れる光景が見られた。

    【まっちゃん】ヽ(=´▽`=)ノ
        「すごいね。」
        「濃い結晶で作られている太陽光パネルは眼下の黒い太平洋のカムフラージュにもなっているんですか・・・。」

    【ナナ】(・o・)
        「でも、眼下に雲が広がってると、目立つマトだね。」


    【まっちゃん】ヽ(=´▽`=)ノ
        「しかし、側面と下面はタイル状に湾曲液晶が貼られていて反対側の風景が映されて完全に空に溶け混んでいるわよ」
        「昔、光学迷彩って研究されたんだけとれど実用化は断念されたのよ。」
        「反対側の複雑な風景を投影しても、見る角度によって風景が変わるので同時多方向には対応できなくてね。」
        「でも空の上でなら障害物もなにもないから、どの角度から誰がどんな人数で見ても同じに見える。」
        「まさか、空でこの技術を見られるとはねぇ。」



    限界高度を遥かに超えて飛行するC3は、ヨレヨレと安定しない挙動を示しながらも、日本空軍のパイロットは力ずくで、機体を着艦コースへと誘導していく。

    【サッチ】
        「着艦しても勝手にハッチを開けて外に出ないでよ」
        「空気薄いから死ぬわよ。」
        「各自、ナノリンクの導通をチェックして。」

    【ナナ】
        「艦内にナノリンクのAPが設置されてるの ?」

    【サダッチ】
        「そうよ。」
        「携帯や無線機ナシでも各自、意識レベルで共有されるので緊急時でも即応が可能になるわ。」

    【なるみ】
        「でも、どうやってあの中に入るというの ?」

    【サダッチ】
        「それは見てのお楽しみよ。」


    時速300Kmで移動するAS16に対して、C3は後方から時速400Kmで接近して、相対速度100Kmと言う比較的ゆっくりとした速度で、意外にもふわりと着艦した。
    しばらく惰性で前進すると、拘束パレットと呼ばれる四角い板状のモノの上に到着した。
    板には無数の穴が開いており、ここから粘着性の高い樹脂が飛び出すようになっており、C3のタイヤに密着するとその粘着性により機体は固定される仕掛けになっていた。

    そして今度は拘束パレット全体がエレベーターと化して艦内に沈んでいく。


    【ナナ】(・o・)
        「すごい仕掛けね。」

    【サダッチ】
        「そうでしょ。」
        「この拘束パレットは、もともと宇宙艦に装備される艦載機緊急制動装置(※1)を改良したものなのよ」

    【まっちゃん】
        「しかも日本企業が開発したものだよ。」

    【ナナ】
        「拘束パレットについては知ってたの ?」

    【まっちゃん】
        「まぁね。」
        「我が重工学部も宇宙艦の開発支援の依頼がやって来るでしょ。」
        「だから一部の装備については知識が共有されていたりするの。」
        「アレと同じタイプのものが大和型にも搭載されているわ。」

    C3が艦内に収容されると、AS16は艦内気圧と温度の調整を始めた。
    AS16は通常は無人で運行されており、艦内の気圧や温度は地上に合わせる必要が無いため、着艦申請時に提出されている作業計画書を元に必要な区画に対して都度、気圧と温度を調整しているのだ。


    やがて乗艦許可が降りて格納庫内の照明が点灯する。

    【ナナ】(+д+)
        「さ・・・寒いわね・・・。」

    開放された後部ランプから格納庫に降り立ったナナが白い息を吐いた。

    艦内の気温はジャスト0度。
    外気温がマイナス60度を思うと、まだ天国だ。

    【サッチ】(・o・)
        「体操服(ジャージ)の上着、座席に忘れてたわよ。」
        「艦内は寒いから降りるときに忘れないでと言ったじゃない。」

    【ナナ】(・_・)
        「ぁ、ごめん・・・聞いてなかったわ。」

    【サダッチ】(-_-;)
        「しかし・・・。」

    サダッチの視線はナナのスカートの下へ・・・。

    【ナナ】
        「何よ ?」

    【サダッチ】
        「そのスカートの下にジャージ履くのはみっともないからやめなさい。」

    【ナナ】(・o・)
        「サッチも履いてるよ。」

    【サッチ】(^o^)V
        「ん!? 何、何の話してるの ?」


    【サッチ】(・o・)
        「ああ、その格好ねぇ。」
        「ヨソの女子生徒もみんなスカートの下にジャージ履いてチャリ乗って通学してるわよ。」

    【サダッチ】(-_-;)
        ふぅ・・・。
        「ま、ま・・・まぁいいでしょう。」
        「しかし、学園に戻ったら、その格好はやめなさい。」
        「そんなので外をウロウロされたら学園の品格が問われるわ。」

    【サッチ】(゜_゜)
        「今更品格とか言われてもねぇ・・・。」

    【サダッチ】ヽ(`д´;)ノ
        「生徒会長である貴女がそんなのでどうするんですかっ!!」


    【まっちゃん】(゚д゚)!
        「ねぇ、それより通路のドアがロックされてて開かないんですけど・・・。」

    【サダッチ】(,,゚Д゚)
        「ああ、ごめんなさい。」
        「今開けるわ。」

    【サダッチ】
        「さぁサッチもドアの鍵の半分を持ってるんでしょう。」
        「シリンダーに差し込むのよ。」

    【サッチ】(゚д゚)!
        「ぁ」

    【サダッチ】(-_-;)
        「何!?  その、"ぁ" と言うのは ?」

    【サッチ】(*´艸`*)
        「鍵忘れちゃったっ!」
        「てへっ♪」

    【サダッチ】ヽ(`Д´#)ノ
        「ぇえええーーー何をやってるんですかっ!!」
        「あれほど、忘れ物はないか念には念を押して確認したではないですか !!」

    【サッチ】(*゚∀゚)
        「ほら、冗談だよぉ~♪」

    ポケットの中からキーを取り出してヒラヒラしてみせた。

    ゴツンっ!!

    【サッチ】(ノдヽ)
        「サダッチがグーで殴ったよぉぉぉぉーーー!!」

    【サダッチ】(-_-;)
        「ふざけた罰ですっ!」

    【ナナ】(・_・)
        「・・・。」

    【サダッチ】ヽ(`д´;)ノ
        「さっさと、その鍵をよこしなさいっ!!」

    サッチから強引に鍵を奪うと、2個あるシリンダーの1個に差し込み残り1個はドアの左右反対側のシリンダーに自分のを差し込んだ。

    しかし、さすがにドアを挟んでは2個の鍵を同時には回せない。

    【サダッチ】
        「同時に回さないと行けないから、そっちの鍵は頼むわよ。」

    【サッチ】(-_-;)
        「わかったわよ。」

    ふてくされながらサダッチと息を合わせて、同時にシリンダーを回す。

    すると、ドアに設置されているモニターに明かりが灯り、今度はパスコードの入力を促す。
    ナノリンクを有しない者はタッチパネルから直接キーを打ち込むしかないが、サッチたちはこの端末にはナノリンクで接続できるため、思考でパスコードを入力する。

    ロックが解除され、ドアが開いた。

    【サダッチ】
        「さて、作業開始するわよ。」

    【サッチ】
        「まっちゃんチームは、CICへ行ってシステムのアップデートを開始して下さい。」
        「なるみチームは、交換バレルの搬入と設置をお願いするわ。」

    【全員】
        「了解!」

    【なるみ】
        「私は、バレルを見てくるわ。」
        「積み荷をお願いするわ。」

    【ナナ】
        「判った、私に任せて♪」

    【ジョージ】
        「さて、ハヤブサを起動するとしますか。」

    交換対象のバレル1本の重量は3トンで、比較的軽い。
    これは技術検証のために学園の生徒たちが手作りした為だか、新しいバレルは本格的な戦闘目的で高精度に作成されており、重量は3倍の9トンに達する。
    とても人力では運べないので、戦闘鬼によるパワーアシストが必要なわけだ。


    【ナナ】
        「重量が3倍ってどんだけー。」

    【ジョージ】
        「見た目のスンポーは変わらないんでしょ ?」

    【サダッチ】
        「新しいバレルは、大和級に装備するのと同じ精度で作られているので耐久力は別次元で高いわよ。」
        「たがら重いのよ。」

    【ナナ】
        「なんだか、今までのがおもちゃみたいな感じ ?」

    【サダッチ】
        「それは重工学部の前では言わない事ね。」

    8体のハヤブサがC3から降ろされ、2体がC3の荷物を下ろすのに、2体が交換するバレルを取り外すためになるみの元へと向かった。
    そして残った4体は武装して待機させておく。
    これは生徒会長たちと2組の甲冑だった。


    バレルが収まったコンテナの梱包を解除している間、突然艦内に警報が鳴り響いた。

    AS16のデータセンターから提供される詳細なデータがナノリンクにより一斉に生徒の脳内ストレージにダウンロードされる。

    【ナナ】(,,゚Д゚)
        「ドローンの発進だって ?」

    【サダッチ】
        「そうよ。」
        「きっと進路上で発達している積乱雲の気象データを採取する目的でドローンを発進させるのね。」

    【ジョージ】
        「あの機体は、我軍のプレデター・タイプと同じですね。」

    【サダッチ】
        「基本的に同じハズよ」

    【ジョージ】
        「それなら、空中発射は可能としても、どうやって回収するので ?」
        「この高さまでは上がれないわ。」

    【サダッチ】
        「回収しないで、硫黄島に着陸するのよ。」
        「そこで整備されて定期便でこの艦に再配備されるのよ。」

    【ジョージ】
        「ふーーーん。」


    そしてかれこれ、作業開始から6時間・・・ようやく、すべてのバレルの交換が終了した。


    【サダッチ】
        「サッチ、そちらの状況は ?」

    【サッチ】
        「こちらも、火器管制システムのアップデートがそろそろ終わるわ。」
        「でも、肝心の射撃統制システムだけが残っているの。」
        「FCSと射撃システムの連動チェックはそのあとになるので、試射はもうちょっと待ってください。」

    【ナナ】
        「FCSと射撃システムは一体ではないのね。」

    【まっちゃん】
        「FCSはあくまで各警戒システムと武装システムを統合運用するためのものですからね。」
        「レーダーや武器は様々なメーカーが製造する訳ですが、それらのシステムを統合して管理するのはFCSを製造するメーカー側の独自の技術やノウハウが必要なのよ。」
        「FCSの能力の高さは、この寄せ集めの技術を以下に効率よく使いこなすか、ただその一点に注力を置いて開発されるの。」
        「日本も戦闘機の自主開発で一番苦労したところね。」

    作業が続いてるCICに、バレル交換が終わった生徒たちも集まってきた。
    手持ちぶさたなのか日本空軍の輸送機のパイロットたちも作業の見学に訪れていた。

    【レイチェル】
        「みなさんせっかくお揃いになったのですから、お茶にしましょうよ。」
        「まっちゃんたちも作業もうちょっと掛かるんでしょ ?」
        「少し休憩しなさいよ。」

    【まっちゃん】
        「そうね。」
        「ぶっとおしの作業だから、さすがにお腹がすいたわね。」

    【サッチ】
        「あら気が利くのね。」

    【レイチェル】
        「まぁ今回私は引率以外のする事がないですからねぇ。」
        「せめてなにか美味しいものをお届けして、それで皆様さまが満足して気持ちよく作業ができればと思うわけでして。」

    【サダッチ】
        「何を持ってきたのです ?」

    【アン】
        「アメリカン・ドッグとコークよ。」

    【ナナ】(*゚∀゚)
        「おおお」
        「それは私はまだ食べたこと無いのです。」

    【サッチ】(-_-;)
        「アナタお嬢様ね・・・食べたことがないんだ。」

    【アン】
        「いい機会だわ。」
        「このアメリカン・ドッグとコークの組み合わせこそが、アメリカンスピリッツの象徴なのよっ!!」
        アメリカにも日本にまけないくらいのジャンクフードがある事を思い知るがいいことよ♪」

    【まっちゃん】
        「でも、それどうやって温めるのよ。」
        「艦内にはレンジは配備されていないよ。」

    【アン】
        「その心配はご無用よ。」

    【ジョージ】
        「私達、サークル型ナノスキルは、熱光学兵器からの防御に特化したシールドを展開しますが、逆にその特性を利用して、逆に熱を発生させる事もできるのは知ってるよね ?」

    【アン】
        「つまり、こうやって、シールドを展開して、アメリカン・ドッグを四方から結界で覆ってて、熱を加えると、電子レンジの代わりになるのです。」
        「まぁ、火力調整がめちゃ難しいのですけどね・・・。」

    【ジョージ】
        「最適な出力でアメリカン・ドッグを温めるコツを覚えるのに、まる一日かかったわよ。」

    【まっちゃん】(,,゚Д゚)
        「き・・・貴重なナノマシンでなんてことをするのですかっ!」
        「科学力の無駄遣いはヤメて下さい。」


    【レイチェル】(-_-;)
        業務スーパーで大量に仕入れた冷凍ドッグを何本灰にしたことか・・・。」

    【ジョージ】┐(´д`)┌
        「余計なことを言わないの。」
        「レイチェルはずっと見てただけじゃない。」

    【レイチェル】(-_-;)
        「私はサークル使えないから。」

    【サダッチ】
        「そっか、レイチェルは白人では珍しい呪符式の術者だったわね。」

    【レイチェル】
        「うん。」


    なんだかんだと、いい感じにアメリカン・ドッグが焼きあがってきた。


    【サッチ】(*´Д`)
        「なんだかいい感じね」

    【サダッチ】(*´ー`)
        「ま、こういうのも悪くないでしょう。」
        「繊細な火力調整は実戦でも役に立つときがあるでしょう。」


    【ジョージ】(*´艸`*)
        「さっ、ナナも食べてみてよ。」

    【ナナ】
        「ど、どうすればいいの ?」

    【ジョージ】( ̄ー ̄)b
        「マスタードケチャップ、お好みのを掛けて、頬張るだけよ。」

    【ナナ】
        「うーーーん、お好みと言っても・・・。」

    【ジョージ】(*゚∀゚)
        「じゃ、両方いてまえ。」

    【ナナ】(,,゚Д゚)
        「両方ありなの ?」

    【ジョージ】(^o^)V
        「もちろんよ♪」


    そんな賑やかな休憩の最中、

        「パーンパーンパーン、メテオ、メテオ、メテオ」

    国際緊急信号を受信した AS16は、CIC内の照明を落とすと同時に電波の発信源と、内容の解析にとりかかる。


    【ナナ】ヽ(#゚Д゚)ノ
        「何、何、何、この警報は ?」
        「敵襲なの ?」

    【まっちゃん】(-_-;)
        「ぃえ、違います。」

    【まっちゃん】
        「AS16は、絶えず広範囲の帯域の無線信号を傍受しており、その中でも非常に緊急度の高い信号をキャッチしたのよ。」

    【サダッチ】
        「その信号の内容というのが、さっきスピーカーで流れたコード・メテオよ」

    【ナナ】(・o・)
        「聞いたことないわね ?」

    【アン】
        「それ、我がアメリカ軍が使用するコードね。」
        「発信者は特定できて ?」

    【まっちゃん】
        「日本海に展開中の空母プレイングカード所属と思われる早期警戒機からの信号ですね。」

    【サッチ】
        「メテオって ?」

    【サダッチ】
        「なんで私に聞くのよ ?」
        「アメリカ軍につていては知らないわ。」

    【レイチェル】
        「対艦弾道ミサイルだと思う。」

    【サッチ】
        「プレイングカード号を狙ってるの ?」

    【レイチェル】
        「ぃぇ、これは友軍に対する警告です。」

    【アン】
        「自分の空母を狙っているなら、直掩の巡洋艦が問答無用に迎撃しますからね。」
        「この信号はどこを攻撃するかは判らないけれど 味方へ向けられた可能性のある場合に発せられます。」

    【レイチェル】
        「かなり広範囲に点在するすべての味方に対する緊急警告と言えばいいのかしら。」



    すると、AS16はレーダレンジを切り替え、索敵範囲を拡大すると、琉球国から上昇中のメテオをキャッチした。

    【ナナ】(・o・)
        「紀伊半島に向かって無くない ???」

    【ジョージ】(-_-;)
        「そうとも見えるね。」

    【アン】
        「日本を狙って撃ったと言うのかしら ?」

    【サッチ】┐(´д`)┌
        「嗚呼・・・アイツらならやりかねないか・・・。」

    【サダッチ】(-_-;)
        「それはどうでしょう・・・。」

    するとAS16はメテオと称するドローンとは別に太平洋方面から大気圏に突入してくる新たな物体も捉えた。

    【レイチェル】
        「この正体不明の物体も、日本に向かって無くない ?」
        「攻撃の目標はコレか ?」

    【ナナ】
        「そうするとシナは、この物体が飛来するのを知っててドローンを放ったって事になるのね。」

    【サッチ】
        「そのようね。 すくなくともシナは、大気圏を突入してきたあの物体の正体を知っている事になるわね。」


    【ジョージ】
        「あの物体はアトランティス関係ではないの ?」

    【まっちゃん】
        「その可能性は低いと思います。」

    【まっちゃん】
        「このAS16は非常に高いアクセス権限において運用されており、アトランティス艦隊の地球近辺での運行情報は近衛隊のサーバー経由で把握しているんです。」

    【まっちゃん】
        「そのAS16が知らないと言うのは、少なくとも我々の艦隊のモノではない可能性が高いのですよ。」

    【ナナ】
        「しかし、シナはどうやら正体を知っている・・・。」
        「なんか興味ありません ???」



    そこへ、AS16の作業をモニタリングしていた学園から割り込みが入る。


    【さえ】(・_・)
        「こちらでも三笠防空宇宙レーダーがUFO(未確認飛行物体)を捉えたわ。」
        「どうやら制御できずに地面に激突する可能性が高いわね。」
        「それをあえて攻撃しようとしているのであれば、彼らにとって我々が入手すると非常にマズイものなんでしょう。」

    【さえ】(・_・)
        「ウチの学園から捜索隊を編成して現地に向かわせようと思うから、」
        「そっちは、試射も兼ねてドローンが UFO に当たらないように撃ち落としてくれないかしら ?」


    【みさ】(^-^)
        「さて、こちらのチームは・・・と。」
        「捜索隊には・・・、セッちゃんお願いできるかしら ?」

    【セッちゃん】
        「判りました。」

    【みさ】
        「んーーと、あとは、カラシニコフさんたちも・・・たまにはついていく ?」

    【ナターシャ】
        「ぇえ、いいわよ」

    【みさ】
        「じゃ、よろしくね。」
        「ちゃんとセッちゃんの言うことを聞くのよ ?」
        「迷子になったら、ちゃんと衛星回線で助けを呼ぶのよ ?」
        「ナノリンクのAPはないんだからね。」

    【ターニャ】
        「ぅん判った。」

    【ナターシャ】ヽ(`д´;)ノ
        「なんで子供扱いなのよっ!!」
        「ターニャも反論しなさいよっ!」

    【ミーシャ】(・o・)    
        「おやつは ?」

    【みさ】(^_^)V
        「300円までよ。」

    【ナターシャ】ヽ(`Д´#)ノ
        「遠足じゃねーしっ!!」

    【さえ】(・o・)
        「シャルロットとフランシーヌも護衛任務として同行しなさい。」

    【シャルロット】(ーー゛)
        「ぇええーーー面倒は嫌です。」

    【フランシーヌ】(*´艸`*)
        「シャル、いいじゃない、行こうよ。」

    【シャルロット】
        「どうしてなの ?」

    【フランシーヌ】┐(´~`;)┌
        「さえ教官、行ってもいいわよ。」
        「ただし、条件として、お父様の会社が建造した新型機を使用してもよろしいのでしたら、その護衛を引き受けてもいいわよ。」
        「そろそろ本格的に稼働テストしてみたいと思っていたところなのよ。」

    【さえ】
        「まっ、まぁいいでしょう。」

    【フランシーヌ】
        「よしっ!」

    【シャルロット】
        「よかったわね♪」

    【フランシーヌ】
        「この際、アナタの機体も調整するのよ ?」
        「いいですね ?」

    【シャルロット】
        「わかりましたわ。」



    【さえ】
        「しかし琉球にあんな面倒なモノを配備しているとはねぇ。」

    【東郷】
        「まったくだ。」
        「そら日本軍のフネが瀬戸内から太平洋を抜けるのに、わざわざ関西を経由しなければならんわけだ・・・。」


    【サッチ】
        「それはそうと、あのドローンどうやって落とすのよ ?」

    【まっちゃん】
        「今メンテ中だから火器管制システムは切ってるのよ。」
        「しかも今まさに砲撃プログラムのアップデート中なのでお手上げだね。」

    【サダッチ】
        「それ、どうして言わないのよ。」

    【まっちゃん】
        「ごめん、こっちの作業で聞いてなかったの。」

    【サッチ】
        「やれやれ・・・。」

    【ナナ】
        「じゃ、どうすんのよ。」

    【まっちゃん】
        「手動で狙い撃つしか。」

    【サダッチ】
        「冗談を・・・。」
        「あと数分で目標と接触するドローンを手動で迎え撃つだなんて・・・そんな神業のような芸当できる子は・・・」

    【ナナ】【サッチ】【サダッチ】(・o・)
        「ぁ、居た。」

    【なるみ】ヽ(#`Д´#)ノ
        「私のは芸じゃないっ!!」


    【まっちゃん】
        「いいですか ?」
        「レーダーシステムと照準システムは、稼働しています。」
        「現在はこれをリンクする火器管制システムが動いていないだけです。」
        「なので、レーダーから得た情報を手動で照準システムに諸元を入力して発射スイッチを押せばいい訳ね。」

    【なるみ】( ̄へ ̄井)
        「簡単に言ってくれますね。」

    【まっちゃん】
        「こちらで制御して砲塔を展開します。」
        「ちょっと待ってください。」

    【まっちゃん】
        「誰か、フネの操舵をお願い。」

    【ナナ】
        「自動航行ではダメなの?」

    【まっちゃん】
        「火器システムが自動で動いていれば、フルの操艦と連動しますが、今マニュアルなので、フネのコントロールも手動にして、砲撃しやすい体勢にもっていかなくてはなりません」

    【アン】( ̄ー ̄)b
        「それなら私達がやりますわ」
        「レイチェル行くわよ。」

    【レイチェル】
        「了解っ!」

    AS16は無人で運行する事を前提としている為、ブリッジというものは存在しないが、そのかわり端末さえあれば遠隔で制御できる。
    よってアンたちは、CICルーム内の端末を利用してフネをコントロールする事に決めた。

    【アン】
        「オートクルーズ解除っ」

    【レイチェル】
        「アイ・ハヴ・コントロールっ!」
        「操舵を掌握」

    【まっちゃん】
        「砲塔展開完了っ!」
        「照準システムを預けるわ」

    【なるみ】
        「判った。」

    A16艦内に、戦闘を知らせるベルが放送で鳴らされ、同時に各区画をつなぐ通路もロックされて行き来ができなくなった。


    【なるみ】
        「さて、試し撃ちといきますかっ!」
        「日本海軍のイージス艦のレーダー情報と空軍のJ/FPS-7(※2)の情報をマージします」
        「データをよこして」

    【まっちゃん】
        「ちょっとまってリンクさせるわ。」

    【ジョージ】
        「どうして、このフネのレーダーで照準しないので ?」

    【なるみ】
        「先のカメーニャ攻防戦の事もありますから、きっとこちらの動きを警戒している可能性があります。」
        「おそらくこちらの情報を得ようと躍起になると思われます。」
        「なので今回は、必要最低限の間欠索敵レーダーのみ稼働させ、強いエネルギーを出す射撃レーダーは使用しません。」
        「そのかわり、友軍のレーダーをリンクして、そこから得られる情報で目標の位置を割り出して射撃を実施します。」

    【まっちゃん】
        「データが取れたわ。」

    【なるみ】
        「ありがとう。確認したわ」

    【なるみ】
        「目標は今、ターミナル・フェーズに移行。」
        「砲塔旋回させます」

    砲塔と砲身が展開されたことで空気の流れが変わり、フネが僅かに振動する。
    通常は気にならないレベルだが、長距離の射撃では、この些細な振動でも命中率に影響を与える。

    【なるみ】
        「バウを左5度に、アップトリム1.4度修正お願い。」

    【アン】
        「了解」

    AS16は大気の流れに正対した事で安定し、細かな振動が収まった。

    【なるみ】
        「全砲、粘着榴弾装填」
        「1番砲塔、初弾発射っ!!」

    ビヒィーーンと電子的な発射音により高速で打ち出された120mmの弾頭は、わずかに目標から逸れた。

    【レイチェル】
        「ウチのズムウォルト改クラス(※3)の砲よりも甲高い音なのね。」

    【ナナ】
        「前回はクラスター弾なのに、今回は何故粘着榴弾なの ?」

    【サダッチ】
        「紀州の空に256個の子弾をばらまくつもりなの ?」

    【ナナ】
        「ぁ、そっか、危ないね。」

    【サダッチ】
        「そういう事。」
        「もっとも、ほとんどの子弾は宇宙の彼方に消えていくんでしょうけどね。」


    日本軍から得られたセンサー情報を頼りに、なるみがただちにパラメータを調整する。
    急がないと、ターミナル・フェーズに移行したシナの弾頭は、すぐに紀伊半島に落下する。

    【なるみ】
        「次弾装填」
        「発射っ!!」

    なるみはすっかり自分のペースで仕事をしていた。


    【なるみ】
        ちっ「次・・・」
        「発射っ!!」

    「3発目にようやく、命中が出た。」

    そして、次の目標には

    【なるみ】
        「右舷全砲塔、全砲装填っ!!」
        「発射っ!!」

    砲身調整が済んだ1番砲塔のみが命中して、それ以外は全部ハズれる。
    しかしこの射撃による弾道を測定する事で、ベースになった1番砲塔とその他の砲塔との誤差が判る。
    そして、その各砲塔固有のパラメータを即座に微調整していく。
    落ちてくる弾頭は残り28個。

    【なるみ】
        「右舷全砲塔、全パラメータリセットっ!!」
        「全砲装填っ!!」
        「発射っ!!」

    イージス巡洋艦ガメラ+型(※4)から得られた情報から28個の目標に対して、一斉射撃を開始した・・・。
    というか、あっけなくこの一撃でケリが付いた。

    【なるみ】
        「全弾命中。」
        「全目標撃破。」

    それを見ていた日本軍の輸送機パイロット、
    【C3 パイロットA】ヽ(=´▽`=)ノ
        「すっげー」
        「この嬢ちゃん、マジやべーよっ!!」

    【C3 パイロットB】(,,゚Д゚)
        「火器管制システムなしで、手動で弾道弾を撃ち落とすなんて、まさに "悪魔" の成せる技だっ!!」
        「これじゃ、まるでシナ軍の核弾頭にだって対抗できるじゃないか。」

    【なるみ】(*´∀`*)
        「最高の賛辞ありがとう。」

    【ナナ】(・o・)
        「あのUFO、十津谷に落下しそうね。」

    【サッチ】(-_-;)
        「そうね。」
        「あとは、捜索隊か・・・。」
        「あの村は幸いな事にアトランティス艦隊の宇宙港(※5)があるから、治外法権が適用されるわ」

    【サダッチ】(^_^)
        「そうですね。」
        「我々も日本国内を好き勝手に軍を動かせるわけではないですが、治外法権が行使できる区域であるなら、日本政府の許可を得る必要がありません。」


    最終的に、その未確認飛行物体は、想定とおり十津谷に墜落した。


    【みさ】
        「こちらも十津谷への墜落を確認したわ。」
        「今から捜索隊を出すわ。」
        「あなた達も気をつけて戻ってらっしゃいね。」


    しかし、センサーの感度を調整していたまっちゃんがストップをかけた。
    【まっちゃん】(゚д゚)!
        「ちょっと待ってっ!!」
        「何かが来るっ!」

    【ナナ】(・o・)
        「敵・・・とか ?」

    【サッチ】(-_-;)
        「まさか。」
        「アンタの変な勘は当たるんだから、余計なこと言わないでよ。」
        「縁起悪い。」

    【ナナ】ヽ(`д´;)ノ
        「何よ。」
        「ちょっと閃いただけじゃないの。」

    【サダッチ】(-_-;)
        「で、何なの ?」

    【まっちゃん】(・o・)
        「敵のようです。」

    【ナナ】(・_・)
        「ぇ!?」

    【サッチ】ヽ(`Д´#)ノ
        「アンタが余計な事言うからでしょっ!!」

    【ナナ】(,,゚Д゚)
        「ちょっ、私 ?   私のせいなの ???」

    【サッチ】(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
        「アンタ以外に、誰が敵をおびき寄せたというのよっ!」

    【サダッチ】ヽ(`д´;)ノ
        「止めぃ!!  うっとおしいっ!!!」

    【サダッチ】(-_-;)
        「敵の正体と構成は判る ?」

    【まっちゃん】
        「敵戦闘機・・・ん???  違う・・・なんだろう ?」

    【まっちゃん】
        「まさか!?」

    【ナナ】
        「どうしたの?」

    【まっちゃん】(-_-;)
        「なんだか、面倒くさいのがやって来たようです。」
        「ブーメランの派生型のようですね。」

    【サッチ】
        「なにそれ ?」

    【まっちゃん】
        「潜水艦発射型の強襲タイプのようです。」
        「噂では聞いていましたが、ホンモノのようです。」

    【サダッチ】
        「ああ私も聞いたことがある。」
        「原子力潜水艦のミサイルセルから8機を打ち上げて、数十分で突入してくる特殊部隊だとか。」
        「エリート部隊を投入してきたか・・・。」


    【まっちゃん】
        「突然センサーに掛かったので、海中に潜んでいたようですね。」

    【ナナ】
        「こちらの戦闘を察知して出撃させてきたのね。」

    【まっちゃん】
        「おそらく。」

    【まっちゃん】
        「ぁ、マズイ・・・。」

    【サッチ】
        「次はどうしたの ?」

    【まっちゃん】
        「複数方向から同時に非常に強い電波照射受けました」
        「ステルス仕様とはいえ、これほどの強い電波ではおそらくキャッチされています。」

    【サダッチ】
        「強いビームを多方向から収束させて来たと言うことは、かなり正確に位置を絞り込んできたわね。」

    【サッチ】
        「敵も出撃させて来たし、もうココが完全にバレバレですね。」

    【ナナ】
        「どうする ?」

    【サッチ】
        「このフネは女王様の財産です。」
        「敵の手に落ちるわけにはいきません。」


    【東郷】
        「そのとおりだ。」
        「捜索はこちらでやっておくので、君たちの班は敵の殲滅にあたってくれ。」

    【ナナ】(・_・)
        「殲滅って ?」

    【さえ】(・o・)
        「聞いたままの意味よ。」

    【ナナ】(・_・)
        「でも、もし相手が降伏してきたら。」

    【さえ】
        「そのフネは公式には存在しない事になっており、最優先事項は、目撃者は出さないことです。」

    【さえ】
        「もし目撃された場合は、目撃されなかったことにする。」

    【ナナ】(-_-;)
        「・・・」

    【みさ】(・o・)
        「つまり、目撃した全員を抹殺する事を意味します。」

    【みさ】(^_-)-☆
        「ナナ、あなたが指揮を執るのよ。」

    【ナナ】(・_・)
        「でも、このフネは生徒会の・・・。」

    【みさ】
        「たしかに、そのフネは生徒会が運営していますが、学園での戦闘指揮権はクラス委員長が保持しています。」
        「貴女が皆をまとめてそのフネを死守するのよ。」

    【さえ】( ̄ー ̄)b
        「貴女なら出来るわ。」

    【さえ】
        「そして、なるみ、貴女は砲撃手をお願いします。」

    【なるみ】
        「私でいいのですか ?」

    【さえ】
        「貴女以外に誰が適任というのですか ?」
        「貴女の砲術士としての腕を東郷教官は高く評価されています。」
        「そのフネの砲身交換にしても貴女の腕前を信頼してそこへ派遣する事を決断されたのです。」

    【なるみ】♪~( ̄ε ̄;)
        「わ、わかりましたわ。 東郷がそこまで言うのなら、その期待に応えてあげるわ。」

    【さえ】
        「よろしい。」
        「でわ、AS16の持てる全火力の使用を許可します。」
        「接近する敵のすべてを全力で排除してください。」

    【サッチ】ヽ(=´▽`=)ノ
        「私もエグザクタで前に出るわっ!!」

    【サダッチ】(,,゚Д゚)
        「はぁ ?」
        「何馬鹿な事を言い出すのです。」
        「生徒会会長が最前線だなんてどこのアニメの世界の話をしているつもりですかっ!!!」

    【ジョージ】(゚д゚)!
        「そうですよ、ハヤブサは陸戦型戦闘鬼であって、空戦モデルではないんですよ。」

    【サッチ】(*´艸`*)
        「そうでもないわ。」
        「エグザクタなら出来る。」
        「もっちゃんが改良しているフライトアプリをコピーさせてもらったから。」

    【まっちゃん】(-_-;)
        「改良しているのは私(たち)なんだけど・・・。」

    【サダッチ】(-_-;)
        「コピーしたからと言って、そう簡単に飛べるようになるもんではないわよ。」

    【まっちゃん】(-_-;)
        「閉鎖空間での飛翔実験までは終えているのだけれど、空気の流れる戸外での飛翔まではまだテストしてないのよ。」
        「しかもこんな高空で。」

    【サダッチ】(,,゚Д゚)
        「そうでしょ。」
        「まだ危険よ。」

    【サッチ】(・o・)
        「大丈夫よ。」
        「どうせ操縦するのは、エグザクタで私じゃないもの。」
        「AIなら、すぐに機体を安定させられるわ。」

    【サダッチ】(-_-;)
        「ぅ・・・そ、そうだったわね。」
        この子、戦闘鬼を着こなせなくて、操縦はAIに任せっきりだったんだ・・・。

    しばらく思案していたまっちゃんが賛同に回った。
    【まっちゃん】
        「彼女の言うとおり、たぶんAIのエグザクタなら、機体を安定させられるでしょう。」
        「AIの支援が得られるのであれば、やってみてもいいかもしれません。」
        「この環境でなら、飛行ユニットの改良は一気に前に進めます。」

    【みさ】
        「・・・と申しておりますが、どうしましょう ?」

    【東郷】
        「そうだな・・・相手が空飛んでくる以上は、我々としても飛行技術の確立を急がねばならない。」
        「判った、ハヤブサでの空戦を許可する。」

    【みさ】
        「サダッチ」

    【サダッチ】
        「なんでしょう ?」

    【みさ】
        「AIに操縦を専念させて、戦闘はサッチが受け持つことになるわけだけれど、今回はAIの処理に余力があるとは思えないから、サッチは目の前の敵で一杯一杯で、周囲警戒が疎かになるわ。  貴女はAS16の甲板から援護してやってほしいのです。」

    【サダッチ】
        「もちろんですとも。」
        「サッチは私が全力でお守りいたします。」

    【みさ】
        「頼むわ。」

    【さえ】
        「アンとレイチェルは、引き続きフネの操艦を頼みます。」

    【アン】【レイチェル】
        「了解っ!!」

    【さえ】
        「ジョージは、甲板での白兵戦に備えて待機をお願いできるかしら。」
        「サダッチに敵を近づけさせないで。」

    【ジョージ】
        「了解っ!!」

    【サッチ】
        「ナナ、このフネを任せたわよっ!!」

    【ナナ】(-_-;)
        「ぇええ・・・」

    【サダッチ】( ̄ー ̄)b
        「大丈夫よ。」
        「大九野島では頑張ってたじゃないの。」

    【ナナ】(・_・)
        「うん・・・」

    なにを気にしているのか、元気のない返事だった。

    そしてセンサーに新しい反応が・・・。

    【まっちゃん】(,,゚Д゚)
        「マズイわ、マズイわ、これはマズイわよ。」

    【サダッチ】(-_-;)
        「次は何よ ?」

    【まっちゃん】(゚д゚)!
        「高速で接近中の航空機編隊を確認。」
        「数40!!」

    【サッチ】ヽ(`д´;)ノ
        「硫黄島の日本空軍に支援要請をっ!!」

    【C3 パイロットA】m(_ _)m
        「ダメです・・・。」

    【サッチ】
        「ぇっ!? 何が ?」

    【C3 パイロットA】_| ̄|○
        「我々も、今、支援要請を送ったのですが、却下されました。」

    【サッチ】(,,゚Д゚)
        「えーーーどうしてなの ?」

    【C3 パイロットA】
        「このフネは公式には存在しないことになっておりまして・・・。」

    【C3 パイロットB】
        「我々も今は別の任務に出ていることになっております。」

    【サダッチ】
        「つまり、存在しないモノに対して出動する名目が立たないというわけですね。」

    【C3 パイロットA】
        「誠に残念ですが、そう言うことで・・・。」
    
    【C3 パイロットC】
        「それに、3ヶ月後のアトラミス派遣にむけてペルシャで訓練を受けていた我が日本軍の精鋭部隊が、もうすぐ硫黄島に帰ってくるんですよ。」
        「なのでその警備で余計な戦力を割けないという理由もあるかと。」

    【ナナ】ヽ(`д´;)ノ
        「とやかく言ってる場合ではないわ。」
        「私達でなんとかしなければならないのであれば、ここでなんとかしましょうよ。」

    【サッチ】(*゚∀゚)
        「ナナ・・・」

    【サダッチ】(*´ω`*)
        「良かった、やる気を起こしてくれたようね。」

    【ナナ】ヽ(`Д´#)ノ
        「今からやってくる敵陸戦と、その他もろもろ全部まとめてぶっとばしますっ!!」
        「総員、戦闘配置っ!!」


    (※1)艦載機緊急制動装置
        宇宙艦は地球で言う、アレスティング・ワイヤというモノはなく、重力式制動装置と呼ばれる人工引力をピンポイントで発生させて航空機を停止される機材が存在するが、万一戦闘中に損壊した時やパワーダウンに見舞われた時、必要最小のバッテリーでも稼働できる拘束パレットと呼ばれる緊急時制動装置と呼ばれるものがスタンバイされている。

    (※2)(※4)J/FPS-7、ガメラ+型
        日本空軍が開発した弾道ミサイル対応の大型フェーズドアレイレーダーの名称。
        通称:ガメラ(プラス)型は、世界の中でも最新のレーダー装置で、複数箇所からの同時照射により、ステルス戦闘機をも捉えることが出来る。

    (※3)ズムウォルト改クラス
        アメリカ太平洋艦隊に配備されていた戦艦ズムウォルト級の発展改良型で、2門のレール砲と、2門の地球製レーザー機関砲を装備している。
        防空を主任務とするイージス艦とは異なり、単艦で敵地に乗り込む強襲艦として5隻のみ建造され、主に秘密任務で使用される。

    (※5)アトランティス艦隊の宇宙港
        アトランティス帝国十津谷駐屯地、通称:十津谷要塞は、日本国内に開設されているアトランティス軍施設としては最大級の設備で、その大きさは、ほぼ十津谷村の面積と同等で、十津谷村の直下に全面的に施行されている。
        広大池と十津谷要塞とはトンネルで連絡されており、過去に退役したハズの500系新幹線が8両2編成(別途予備1編成)で連絡手段として定期運行されている。
        トンネルでは一直線で結ばれ、中間駅やカーブが存在しないことから設計速度である時速320Kmで運転されている。

 

 

 

 

 

 

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